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ほぼ20年前、ミュージカル「La cage aux Folles=ラ カージュ オ フォール」がロンドンで初演された時、どうしてだか何度も観たくなって、気分転換したい時に何度か、ふらりと当日に半額チケットを買っては観に行っていた。6−7回観ている。オリジナルキャストのサントラ版も何度も聞いていたので、このミュージカルのナンバーはほとんど全部歌える。

初演の時は、ブロードウェイで主演したジョージ・ハーンがアルバンを演じていて、華のあるザザでその歌唱力も絶賛された。全体の創りはどてもブロードウェイっぽいミュージカルで、色とりどりの衣装にタップダンスのステップ、なにもかもが大振りで、当時低迷していたニューヨークから久々のヒットミュージカルが出た!というかんじだった。

ナイトクラブを経営するジョージとそのホモセクシャルなパートナーのアルバン。ジョージには前妻との間に一人息子がいて、その息子がガチガチの保守派政治家の娘と結婚したいと言い出した・・・オカマショーで盛り上がるナイトクラブの息子なんて知れたら大変なので、彼女の家族に会う一日だけ、まともな家庭を見せなくてはいけない。遠い昔に別れた実の母親に一日だけ来てもらって、父とアルバンの関係は絶対に悟られないようにしなくては・・・という事で、話はドタバタと進む。

今回、リバイバルという事でキャストが気になった。「あの時みたいに楽しいだろうか?」という懸念も無かったわけじゃないけど、去年のスタジオ公演が好評でウェストエンドに上がってきたプロダクションなので、悪いはずはないと思ってた。

結果、、、もっと大好きになった!!

やっぱりこのミュージカルは小さい空間でのほうが生きる。初演時の劇場はロンドンでも伝統あるPalladiumだった。この劇場は客席数2300の大劇場で、「ラ・カージュ・オ・フォール」も華やかななダンスシーンが見せ場のミュージカルショーだった。ダンサー達も10人以上いたと思う。今回のPlayhouseという劇場はキャパ数800に満たない小屋だ。私の席はナンバー12でど真ん中だったので、舞台の幅もずっと狭い。それが劇場というより、場末のキャバレーの匂いを出している。

ダンサーは6人。もちろんすべて(一応)男性。クラシックで磨かれた身体の奇麗な事!!足なんて取り替えてもらいたいくらい素敵。衣装も振り付けもキャバレーっぽくて、毒々しいとまではいかないけれど、その方向で演出されてる。舞台空間をぎりぎりまで使ってるので、汗やメイクの匂いまでしてきそうな感じ。

観始めてすぐに、やっぱりこのミュージカルが大好きだったのを思い出した。今回の演出のほうが初演より好きかも。アルバンは最初、「え・・・?!」と思うくらい見栄えのよくないおじさんだ。美男でもないし、スタイルも「ちょっと見たくないかも、、」な感じ。気弱で自分に自信無さげなホモオヤジなのだ。でも、観ているうちにだんだんとても彼が可愛くなっていく・・・どんどん奇麗に見えていく。相方のジョージ役の歌唱力は素晴らしかった。スマートじゃないタイプなので、むしろ場末のナイトクラブのオーナーという雰囲気が出ていて良い。

最初から最後までもう笑いっぱなし! 劇場全体がキャバレーの雰囲気で、観客も大ノリで反応が良い。振り付けも、ダンサー達の身体の美しさが存分に拝める。かなりきわどく目の前で開脚180度なので、客席からは冷やかしの口笛が飛ぶ。笑い転げたと同時に、アルバンのI am what I amでは涙が出てしまった・・・

う〜ん、また観に行きたくなってしまう!!この公演は1月10日までなんだよね〜。まだチケットあるかしら・・・? でも1月10日までには他に3本の芝居を観るしなあ〜〜・・・でもまた観たい、、、行っちゃうかも

さ〜て、明日はパリに出発。ロンドンも数日前から急に気温が下がったけど、パリも似たりよったりみたい。7−8度あれば平気なんだけど、5度以下になるとちょっと歩き回れないからね、、、 パリにも日本語が使えるインターネットカフェもあるようなので、更新できたらパリからアップしてみます。


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