見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

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先日観て来た「Love Never Dies」、アマゾンで良かった曲だけダウンロードしようと思ったら、なんだかんだで10曲も選ぶとマーケットプレイスに出てるCDのほうが安くなってしまう事に気付いた。で、£5−70で手を打つ。

通して聴くとやっぱり曲は良い。だたオリジナルの「オペラ座、、」の張りつめた緊張感よりも、もっと甘いかんじ、、?とりあえず10曲ほどインポートしたのだけれど、何せ盛り上がるシーンのストーリーが???だったもので、実はあんまり歌詞を聴きたく無い。歌詞を聞かないように歌を聴くというのは結構難しいものだ

そこで気が付いたけど、この舞台も丁度今日本でやってるドラマの「同窓会」とぴったりハマるテーマだわね。っていうかほとんど同じ、、昔の忘れられない愛の残り香か、人生を共にして来た夫か・・・?

舞台を観た時、2幕の後半から終盤にかけて啜り泣いてる人もいたようだけど、私としては泣ける曲は2幕前半のラウルの歌「Why Does she love me」だ。愛を得て結婚したものの、今は借金だらけで酒浸りになってしまった貴族のラウル。愛する妻を幸せにしてあげられていない事を自覚する事ほど、男にとって惨めな思いは無いだろう

才能ある女性を妻に持った男が、その彼女を輝かせてあげられないはがゆさ、、、「自分ではかなえてあげられない」という劣等感からの逃避はお酒に逃げる事。そしてどんどん落ちぶれてしまう。それでも妻に愛されているという思いが救いだったのに、それさえも打ち砕かれようとする予感に怯える姿は観ているのさえ辛い・・・これは「同窓会」だと吹越満さんが演じている朋美の夫だ。(ただ、吹越さんの演じる役はそれにさらに爬虫類的な粘っこさがあってコワイのだけれど

「同窓会」は明日が最終回だそうで、ちょっと短かかったね。いつもだと10話はあるのかと思ったら・・・最初はちょっと期待したのだけれどだんだん展開がノロノロになってきて、今は三上博史さん演じる大久保がどんどん綺麗になっていくので観てるというのが本音だけど、明日最期の一話でどう決着つけるんだろうか・・・?

ロマンティックなストーリーが受けるのは、それが現実ではないからだと言える。昔の残り香なんて、長い人生を生き抜いて行くだけの底力はない。今は激情に溺れても、気が付いたら地に足が付いていない事を、いつかきっと思い知らされる。今の生活が、既に愛が憎しみに変わってしまってるという場合は別だけれど。

家庭内暴力とか、実際に家庭が破綻しかけて助けが必要な状況では他の恋愛に関係なく別れたほうが良い場合もある。でも「同窓会」も「Love Never dies」も状況はそうではなく、ラヴラヴな時期はもう一応去って、人生良い事ばかりじゃない中で一緒にやってきたけれど、イマイチ幸せな毎日とは言えない・・・という、実はこれが一番現実的なパターンなのだ。「もしかしたらこっちのほうが良いのかも・・・?」とちょっとくすぐられるのが、人間は一番弱い。悪魔の囁きだ・・・

悪魔の囁きにつられると、そのしっぺ返しを食らう。罰を受けるというやつだ。Love Never Diesはプレビューの期間中に3種類のエンディングを試して最終的に今の結末になったのだそうだ。しっぺ返しはクリスティーンに来る。それにしても後味の悪いラストだった。身を引いてしまったラウルは何処へ、、?残された息子は、初めて逢って間もない実の父親=ファントムと本当に幸せに暮らしていけるのか、、?(いったいどんな大人に育つことやら!)親友だったクリスティーンの命を奪ってしまったメグは、、?

だから、、私はこんなストーリーのこんな終わり方は嫌だってば!

「同窓会」はなんでも最終回は涙、涙、、と宣伝されているそうだ。ほんとに〜? 大久保が死ぬのだろう事は前から解ってるからそれは置いておいて、本当に残った3人のこれからの人生の選び方で泣けるのだろうか?ここまできたら、思いっきり「そうきたか!」と思える結末を期待したい。さんざんここまで引っ張って来たんだし、、、

福島君とマリちゃんの事も、これがハズレてたら怒りますよ、、!たったこれだけのキャラに尾美さんと宮地さんという豪華脇役キャストを使ってるのだから、何も無いわけないよね、ね!!

というわけで、ファントム続編の結末には大いに不満ですが、せめて「同窓会」のほうはもう少し共感できる結末になって欲しいものです。明日の最終回に期待半分、期待しすぎないように半分・・・




アンドリュー・ロイド-ウェバー氏の新作ミュージカル、「Love Never Dies」20年以上のロングランが今も続く大ヒット作「The Phantom of The Opera=オペラ座の怪人」の続編だ。初日後のレビューと私の観る前の期待度はこちらを←まずお読みください。

完全ネタバレのストーリーです。知りたく無い方はスルーしてください






設定はオリジナルのパリ・オペラ座から約10年後。オペラ座の怪人と呼ばれたファントムはニューヨークのはずれ、コニーアイランドの大型ファンフェア・パークのオーナーになっている。彼は表には出ずに謎のオーナーとして指示やショウの作曲を行い、実際にショウを取り仕切っているのは、かつてオペラ座でステージマネージャーをしていたマダム・ジリーだ。彼女の娘でかつてのクリスティーンの親友メグがスター女優として活躍していた。ビジネスは成功していたが、どうしてもクリスティーンの歌声を忘れる事のできないファントムは、プレジャーパークの目玉としてフランスからクリスティーンを呼び寄せて歌わせる企画を立てる。クリスティーンは夫のラウルと息子のグスタフと一緒にニューヨークへやって来る。ショウの打ち合わせにやってきたクリスティーンとラウルはそこでジリー親子と再会して喜ぶが、ラウルはショウの主催者がファントムである事を知って愕然とし、またスターとして頑張って来たメグはファントムがクリスティーンをわざわざ呼び寄せて歌わせる事にショックを受ける

ここからは、綱引きだ。クリスティーンを巡って夫のラウルとファントムが真っ正面から奪い合いになる。彼女がショウで歌うか歌わないかが男2人の賭けだ。かつてオペラ座で彼女の愛を争った2人。見た目の醜さだけでなく、歪められてしまった心で間違った愛し方しかできなかった、かつてのあわれなファントムはここにはいない。なんといってもビックリ仰天の新事実=クリスティーンとファントムはラウルとの結婚前に一度愛し合っていた! ファントムは今や借金まみれで酒浸りのラウルに、まさに敗者復活の挑戦状をたたきつけるのだ。究極の切り札=「お前の息子は実は俺の息子かもしれないぞ」をつきつけて・・・

身を裂かれそうな思いで、クリスティーンは「Love Never Dies」を歌う。初めは震えながら、戸惑いながら、そして最期には心の限りを込めて・・・

最期にはファントムはまるでヒーローだ。今までの自分を否定されたような切望感からピストルを持って叫びまくるメグをなだめるあたりは、今度は彼が2人の女から綱引きされている。そしてクリスティーンはファントムの腕の中で息を引き取り・・・・

そう、舞台も役者も音楽も素晴らしかった。でもね、、、

私はこんなストーリーは嫌だ!

なに、、密かに一夜を共にしていた? あの時確かに愛していた、、??
ちょっと待ってよ!

Love Never Diesっていうタイトルが、なんの愛の事なのかって実は期待していたのに・・・クリスティーンにとっての夫=ラウルへの愛なのか、歌うという事への愛なのか、、、彼女がどうしてもファントムを切り捨てられなかったのは、彼女の歌/音楽の導き手だったからだ。だから彼女が選ぶとしたら夫への愛歌う事への愛だと思ってたのに。それがここへきていきなり息子のグスタフが実はファントムの・・っていわれてもねえ〜〜?

曲は久々に大型ミュージカルらしい作品で、壮大でドラマティックな曲の数々は耳に残る。でも何故だろう?確かに良い曲なんだけれど、今ひとつ何かが足りないような・・・少し甘いっていうのかな、胸をさすような痛みが足りない・・?これってやっぱりサー・アンドリューの曲が丸くなってしまったって事なのだろうか?年齢と共に音楽もソフトになってしまうのか・・??!

主演キャストの歌唱力はこれ以上には望めないくらい素晴らしい。歌う中にも哀しみや迷いや、演技/台詞としての表現力があって、彼等の歌唱力で説得してしまう。ちなみファントム役のRamin Karimlooは3年前には「オペラ座の怪人」のほうでもファントムを演じている。アンドリュー氏のミュージカルも最近のいくつかはほとんど記憶にも残らないカンジだったので、ここへ来て「まだ才能は枯れていなかったか!」とこれまた復活の大御所

レーザー光線、プロジェクター、アニメーション、トリック、3Dビジュアル等を駆使した舞台美術も素晴らしい。アクロバットやダンスを受け持つアンサンブルも目を見張る。クールなマジックショウを観ているような仕掛けの数々は、2010年の今だから可能なテクノロジーによるもので、これもまた80年代半ばのオリジナルファントムとは一味違う。ちょっと雰囲気だけでも、、


ストーリー的にはべつに「オペラ座の怪人」の続きである必要はなかったと思う。実際、そのまま続いていると思ってしまうとあまりにも噛み合ない。だけど、曲調やちょっとゴシックな雰囲気や、手品仕掛け満載の舞台を考えると現代風な話で創るにはちょっと古めかしいのかな。でもストーリー的には

その昔、姿も心も醜い男が美しい歌姫に執拗に愛を寄せていました。彼女には愛する貴族の青年がいたのですが、男のあまりに執拗な愛にあわれみと同情を覚えるうち、彼女は自分の心が男に捕われているのを否めず、一度だけ結婚前に愛の一夜を持ってしまいました。それきり忘れようと彼女は貴族の青年と結婚し、男の子が生まれました。それから10年、夫は借金だらけで半分アル中になっていて、いまいち幸せとは言えません。そこへアメリカからショウでアリアを歌ってくれとのオファーがあり、行ってみるとその主催者はかつての男。夫はショウは取りやめにして今すぐパリに帰ろうと言い、男は今こそすべてを投げ打って自分の為に歌えと言います。身を裂かれそうな思いの中で、それでも彼女は歌わずにはいられません。最期には思いの丈を込めて男への愛を歌い上げ、遂にはそんな愛の罰を受ける事になります
これだけなのよね。これがファントムの続編である必要性を感じないという事なのだ

でもそんな疑問が、ステージ構成やドラマティックな曲や役者達の歌唱力で押さえ込まれてしまう舞台だった。これはこれで力のある舞台だから悪くはないんだけど、やっぱり私はこんな筋書きは嫌だったな。
最期は素直に拍手できなかったよ。役者がカーテンコールで出て来るまで・・・


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