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本格医療サスペンスドラマ『パンドラ』ってどうですか? に参加中!

春に放映されてたWOWOWのドラマ「パンドラ」、もうすぐDVDになるという事で、第一話の感想キャンペーンに参加した。 実は恥ずかしい話、ライヴドアブログなのでこのキャンペーンの事は目にしていたけれど、応募した記憶があいまいなのよ・・・ これもワインの力、、? どうしようかなと思っていたのは確かなのだけど、そうか、やっぱりあの時応募のクリックをしていたのね・・・・というわけで、今日は一応キャンペーンの為にこの1話を中心に書いてみます。

この「パンドラ」は先頃の国際ドラマフェスティバルグランプリに輝いた。 このフェスティバルは、従来の視聴率や視聴者人気といったものに左右されず、国際的/商業的に売り込んでいける質の高い日本のドラマを選ぶという趣旨のものだそうだ。 有料放送のWOWOWでの制作のため、スポンサーの顔色を伺う事なく思い切った作品作りができたと関係者が声を揃える。 それは番組中にCMが無いという事でもあり、第一話だけでも途切れる事無く1時間たっぷりと浸れるのだ。

18年ひたすら研究だけに打ち込み、家族にも回りにも見放されてた大人し目な医者が、どんな癌でも完治する夢の新薬を完成させたというのが事の始まり。 この薬、一話の前半でいきなり出来上がってしまう。当然テンションは高い。このテンションの高い鈴木という医師を演じるのは三上博史さん。そして彼を取り巻く病院関係者達、上司で医学部長の太田黒、同病院の女外科医小夜子、秘密の治験場所の病院理事・・・といかにも胡散臭い人達が次々出てくる。 医療にまつわる問題として政治家や新聞記者も関わってくるし、平行して殺人事件を追う刑事達も・・・

序章としての第一話は、ほどよくバックグラウンドを説明しながら一通りの人物が顔を揃え、これからの展開に期待充分な出来になっている。 前宣伝でも言われているのでネタバレにはならないだろうけど、ストーリー展開としては、この癌完全撲滅の新薬を巡って人々の欲望、駆け引き、裏切り、罠・・・といったまさにパンドラの匣から飛び出したようなこの世の悪達が渦巻いていくというわけだ。

純粋に病気を治したいという思いが実は社会的、政治的には素直に通用しないという苦しい現実。死ぬはずだった人達が死ななくなるというのは、それだけ高齢化問題、保険、そして何よりも医療制度そのものにも皺寄せが来る。 世界規模になれば今までの社会制度がひっくり返る大事件だ。第一話での鈴木医師はとにかく夢の薬が出来上がった事に有頂天で、まさに舞い上がっているのだが、それに反して回りの反応はトーンが重い。まず、「そんなバカな事が、、、嘲笑」そしてそれが次第に「まさか、、、半信半疑」、そして現実味を帯びてくると皆さっそく頭の中でいろんな計算を始めている。

鈴木医師はちょっと癖のある学者肌という事で三上さんにはハマり役。最初からいきなりハイテンションなのだけど、彼の「18年間ただこれだけの為に、出世をあきらめ、家族に見放され、回りからは変人扱いされてもひたすら打ち込んできた」という執念のような時間の長さを初めから表現するにはむしろこれくらいでないと、この後の回りからズタズタにされる鈴木の、心がひび割れていく展開に説得力が欠けてしまうのかもしれない。 研究結果を認めて欲しくて恩師の医院を訪ねていったあたりの鈴木は、試験の結果を褒めて欲しい子供のようだ。

一話の時点では誰が敵か味方かは今ひとつわからない。 ただ、三上博史さんの鈴木医師と、違法の治験に協力する事になった末期癌の高校生、愛美のふたりだけが邪気の無さをうまく表現している。 谷村三月さん、まだ若いのに凄く良いね。おじさん相手に誘いかけてふっかけるあたりなんて、巧い巧い・・・! まだ柳葉敏郎さんの刑事との実際の接点はこれからだけど、新薬、大学病院、ちょっと不良な高校生、殺されたおやじ、警察、政治家、そしてこのドラマの語り役の新聞記者といった登場人物がどう絡み合っていくのか・・・・

井上由美子さんの脚本はドラマフェスティバルでも賞を取ったけれど、テンションの高低がうまく混ざり合っていてバランスが良い。 人間ドラマであってサスペンス・・・先を読ませない描き方だ。実は私はこのドラマは観てしまっているのだけれど、最期まで結末を読ませない本で見応えがあった。 純粋な気持ちでパンドラの匣を開けてしまった世間知らずな医者、そして夢の薬がどんどん悪意にとりまかれていってしまう悲しい現実、政治的/社会的影響の大きい素材をうまく1本の線に結びつけている。

スポンサーの意向が無いとこんなすごいキャスティングが出来るのか、、と思う程の顔ぶれ三上博史、國村準、柳葉敏郎、小西真奈美、山本圭、小野武彦、山本耕史、平田満、そして前述の谷村三月・・・・WOWOWに加盟してなくて本放送を観られなかった人達が、一人でも多くDVDを観てくれるといい。 視聴率が何・・・!? ドラマの真価はやっぱり総合作品としてのクオリティーでしょう。 題材、脚本、構成、キャスト、、、、これはクオリティー高いです

パンドラは海外ドラマを意識して作られたっていう事だけど、日本のドラマももっともっとレベル高くなって海外テレビに売り出されるようになるといいよね。その意味で、去年から始まったという「国際ドラマフェスティバル」の趣旨には多いに賛成です! 視聴率だのスポンサーだの大手事務所の圧力だのに縛られてる民放ドラマに一矢報いたようで、嬉しいね〜!

DVDボックスは12月3日発売だそうですこちらで。レンタルは来週からだそうなので、是非お薦めですよ〜!


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