2007年の7月1日 もう去年からずっと言われてきたX-dayです。

イギリスのすべての公共の場に於いて、全面禁煙になる日。
レストラン、カフェ、パブ、美術館、博物館、映画館、劇場、フィットネスクラブ、ホテル、ナイトクラブ、駅、すべてのショップ・・・・・ぜ〜んぶで禁煙!!

来年の夏」というのは、去年決まった時からずっと繰り返して念を押され、釘をさされてきたので、今さら「知りませんでした」という訳には当然いかない。 今は毎日のように新聞やテレビで7月1日のX-dayについてあれこれと話題になってる。

中から追い出すか、外から締めるか・・・どっちが良いんだろうね〜

東京で区によって道で煙草を吸ってはいけないっていう事を初めは知らなくて、いつもこっちでやっている様に歩きながら煙草を吸ってて、後になっていけなかったと知って慌てた事がある。 私も去年から完全に禁煙してるので、今は関係ないけれど、先月うちの彼と里帰りした時には、彼が歩きながら吸うので、「灰皿の無い所はやめといたほうがいいよ、日本人はそれでなくてもポケット灰皿を持ち歩いて、道にポイ捨てするのはヒンシュクもんだから」と言い聞かせた。

ただでさえ歩きながら吸って、そのまま歩道にポイするのは普通なので、建物の中で吸えなくなる1日以降に、道がどんな状態になるのか思いやられる。 まず道や駅に灰皿がない。これは理由があって、80年代のアイルランド紛争によるIRAのテロが頻発していた頃からテロ防止のためにあったゴミ箱も撤去されたのだ。
その後の湾岸戦争、イラク戦争によってテロの可能性は拍車がかかり、駅には透明で中が全部見えるゴミ袋が、囲いのないポールにぶらさげられているだけ。駅のホームも道もどこも吸い殻だらけだ。 1日以降は、レストランやパブの前の舗道に煙草の吸い殻が山積みになるんだろうなあ〜・・・・

ってか、、、皆ちゃんと協力するかな・・・?なんたって個人主義と我が儘が紙一重のイギリスですからね〜
閉店間近のパブやクラブで、煙草を吸おうとした人と注意した店側でもめて喧嘩とか、もっとひどくなると刺されたり、、、なんて事になったりしないかしらね。心配だあ〜〜 それか、逆に家に集まって飲む人達が増えて、夜中まで大声で騒ぐ家が増えるとか・・・

今日の新聞に、来週幕を開ける芝居の事が載っていた。アガサ・クリスティーの探偵ポワロで有名な俳優、デヴィッド・スーシェが主演する舞台で、煙草を吸うシーンがあるらしい。

最初は制作サイドも全く考えていなかったそうだけど、誰かが「1日以降は劇場内部で禁煙っていうのは、芝居には影響しないんでしょうかね」と言った為、念のために制作側がカウンシルに問い合わせたそうだ。これは私もだと思っていたのに、なんと「駄目」という事らしい。
なんでも「芝居のストーリーやプロットで必要な場合に限る」という事で、許される例として「例えば、ストーリーが(葉巻きがトレードマークの)ウィンストン・チャーチルについての場合」と言われたそうだ。2日が初日、最後のリハーサルに余念が無いここに来て、芝居を変える事になりそうだという。

ええ〜〜! と思いません? 

ニューヨークでも公共の場は禁煙でもブロードウェイの舞台の上ならOKという事なのに、ちょっと頭硬いっていうか、融通効かな過ぎ! 先週観た「KEAN」でも皆さん上流階級役の人達が優雅に煙草の煙を燻らせていたし、最近観たやつは「エクウス」も「ガラスの動物園」でもあったわよ、、!  これからは演出の自由が無いっていう事なのかしら・・・?っていうか、新作の戯曲に「ポケットから煙草を出して火を付ける」なんてト書きを入れちゃいけなくなるの???

面白いから、これから新作の戯曲を発表する人は、ストーリーを「どうしても禁煙できなくて苦しんでる人達の話」とかにして、ストーリーに絶対必要な内容として舞台を煙で一杯にしてみたらどうだろう・・・? ウィンストン・チャーチルやシャーロック・ホームズをシリーズで上演するとかね。

X-dayまであと数日、どうなることやら・・・

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