見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

タグ:浅田真央


浅田真央さんの「Beyond」、観られないと諦めていたら千秋楽公演の配信が決まり、しかもアーカイヴも残るという事で速攻でチケットをゲット!生時間は仕事中だったけれど、夜になってじっくりと鑑賞。

なんかね、、、もう素晴らしい舞台を見たときと同じ感動。これは氷の上での極上の舞台芸術だ。真央さんの思いとチームの努力が凝縮している。最終公演ということもあったのだろうか、本当にもう全てのメンバー達の一つ一つの演技が極上で、息もつかずにあっという間に時間が過ぎた感じがする。

オープニングはちょっとブロードウェイ風に始まり、それに続くプロブラムはどれも一つ一つがストーリーになっていて、小作品の舞台を次々と見ているようだ。バレエ要素、演劇要素、ダンス要素、そしてもちろんフィギュアスケートならではのスピードとステップやスピンでの盛り上げ、もちろんジャンプも。フィギュアスケートが持つすべての要素を全力で駆使している。

本当の意味でアイスショーの在り方が変わりつつある。「氷艶 」で始まった氷上舞台芸術のような形はこれからもっと進化していくのだろう。真央さんのように少人数のチームで、そう、昔の私たちが言った「どさ回り劇団」のような形式で(もちろんもっともっと華やかで煌びやかでハイレベルなのは言うに及ばずですが)有名無名に関わらずオーディションでふさわしいスケーターを選択してひとつのショーを作り上げていくって、本当にもっと定着してほしい。

もちろん往年のトップスケーターが集まるショーや現役選手が和気藹々と作るショーも今までどおり続いてほしいし、それだけでなく、フィギュアを頑張ってきた人たちが大学卒業で辞めなくてはならなくても良いようになってほしいな。 個人的にことさらそう思うのは、私たちの頃には芝居で食べていける道がなかなか無かったからだ。もちろん今だって、売れなければ役者なんて生活していけないのは変わらないかもしれない、でも、時代と共に小さな劇団で頑張っていた役者たちにも光が当たり始めて、個性的ですぐに使える基礎のある役者たちに道が開けた。そしてそれまで無名だった小劇団にもファンがつくようになり、芝居を観に劇場に箸を運ぶ人が増えた。

はじめのきっかけは劇団四季の「Cats」だった。今の都庁がある西新宿の地にそれまでは状況劇場をはじめアングラ劇団がテントを貼って公演していた場所に大テントを作って当時世界で最も注目されていたロンドンミュージカルの「Cats」をロングランしたことで話題になり、それまで芝居なんて観たこと無かった人たちが話題を求めて、あるいはデートで、あるいは家族で、初めてミュージカルの楽しさを知り、少しずつ「劇場芝居」を一般に浸透させていった。もちろん劇団四季は当時の首相だった中曽根さんと親しい関係だったから可能だったわけだけど、それでも日本の演劇の歴史に残る事だったと思う。

フィギュアでも、大輔さんや真央さんがこれからの新しいアイスショーを築いてくれて、それにこれから今トップにいる昌磨さんやりくりゅう、花織さん達が続いていってくれたら、日本でプロのアイスショースケーターの道が広がっていく。

それにしても本当にBeyondは素晴らしかった、、、Blue Rayが発売されるようだけれど、ライヴのような全編ショーなんだろうか、、?全編通しでのヴィデオだったら是非また観たいけど、Blue Rayか〜,
持ってない、、、

そして始まっているThe Ice。今年も現役トップ総集結で、みんな今シーズンのプログラムの調整に入っていることだろう。昌磨 さんはまだフリーが出来上がっていないそうで、どうやらSP候補の二つに過去プロも交えて日によって演目を変えているそうだ。なんといっても時差があるし、平日は仕事なので、どうしたものか考えたけれど、唯一、日光初日の火曜日は、休みなので開演時間もこちらの朝6時半だ。他の日は朝4時とかで流石に無理はできないけれど、6時半ならいつも起きる時間と変わらない。

考えた末にライヴ配信チケットを買ってしまった。演目によっては(イリヤと昌磨 さん)音源が流せないものがあるそうで、その日のプログラムが何になるかは運次第だけれど、音無でじっくりとスケートを見るのも違う発見がありそうだからそれはそれで楽しみだ。

明日1日頑張って、火曜日は早起きするぞ!! 


今月テレビ放映された二つのショー、高橋大輔さんプロデュースの「Ice explosion」と浅田真央さんの新しいショー「Beyond」。

同時期に世界のトップとして活躍し、引退するにあたって二人ともショーを創りたい、アイスリンクを造りたい と夢を語っていたのはほんの数年前。大輔さんの「氷艶」は初作が歌舞伎との融合、2作目は光源氏、3作目の「Luxe」と氷上の舞台芸術を切り開いている。そして今年のアイス・エクスプロージョンは映像で見ただけでも「凄さ」を感じるものだった。

昔から、私の中の評価基準に「心が揺さぶられる」というのがある。胸がザワザワとしてくるような感じを呼び起こされる物。 実は滅多には出会わない。芝居でもコンサートでも、「よかった、楽しかった、興奮した」というのはよくあるけれど、胸が揺さぶられるような感覚というのは、なかなか体験できるものではない。だから、そういうものに出会った時は、感動して心が震えるのだ。

テレビ放送では一時間分しかなかったので、実際のショーの半分もあったのだろうか、、、?でも、それでもオープニングから最後まで息をつくのも忘れるほどにのめり込んで観ていたのだった。今はまだ現役のアイスダンサーとして世界大会にも出場している合間を縫ってのショーだったから、プロデュースをするのは大変だったと思う。でも大輔氏の目指すアイスショーの未来が垣間見える。彼の持つ世界観、そして今までの経験からも学んだと思われる、まさに「舞台芸術」としてのショーのあり方にこれからの新しいアイスショー時代に期待せずにはいられない。
とにかく素晴らしくレベルの高いショーだ。群舞やコラボも「そうきたか、、、」と唸ってしまう。
 
そしてもう一つこちらは舞台裏密着という形でテレビ放映された、浅田真央さんの新ショー「Beyond」。真央さん自らオーディションで選んだという10人でのショーは、企画から構成、衣装や演出を全て考えて作り上げたという。本来は去年の公演予定だったのがオミクロン株の拡大で大幅に遅れ、一時は開けるのかどうかわからないうちに真央さん自身もコロナに感染してしまったそうだ。

それでも開催が遅れた分、時間をかけて創り上げたショーは無事に9月から全国公演が始まっている。真央さんのスケートへの思いがつまったとてもレベルの高いショーに仕上がったようだ。この舞台裏番組を観ていると、自分が役者時代のことを思い出す。芝居を創る作業と本当に同じだからだ。文字が書かれただけの台本を一つの世界に作り上げ、そこに息を吹き込み、感情をのせ、ドラマを創る、そして感動を生む、この工程はまさに同じ。その途中には、様々な発想からの選択や意見の食い違い、細かい部分までの打ち合わせやスタッフと関わり、、、いろいろなことが最期まで「本当にこれでいいのか??」と疑問を投げながら進んでいく。真央さんの悩む姿が良くわかる、、、、

今まではゲストに世界的なスケーターを呼んで演技を披露していくスタイルだったアイスショーが、変わりつつある。世界のトップで活躍した日本選手達がこれからは自らプロデューサーになって新世界観の表情舞台を作っていく時代になったのだ、、、そう思うと本当に感無量!!長年フィギュアのファンでいて本当に良かった!

Ice Explosionの完全版の放映は3月という事で、もう今から早く見たくてたまらない。いつかお二人が話していたように、大輔さんと真央さんが一緒にショーに出ることも楽しみにしたい。一緒に作るのはお互いにぶつかりそうだから、どちらかのショーに出る、という形かな。それとも一大企画で共同プロデュースなんて日も来るのだろうか、、、??

お二人のアプローチは少し違う。真央さんのショーは本当に劇団のようなチームで、極上の芝居を全国に届けてくれるイメージがある。大輔さんのほうは壮大なイメージを表情空間に創る、ミュージカルのようなイメージ、、、 この二つに共通しているのは、出演者が必ずしも世界トップ選手に限らない、ということだ。もちろんトップ選手もいるのだけれど、「こんなに素敵なスケートをする選手がいる」ということを知名度にかかわらずキャストに入れてチームにしていることだ。

荒川静香さんの「Friends On Ice」には世界中の「元チャンピオン」が集結する。それは彼女の時代には、世界でトップでなければアイスショーに参加できなかったからだ。メダリストだからこその「友達の輪」で、荒川さん自身が金メダリストになったからこその顔ぶれだ。このレベルの高いショーは他のどのショーよりも豪華な顔ぶれが毎年揃う。そして大輔さん・真央さんに時代になり、自らのプロデュースだからこそ、有名・無名にかかわらずチムの一員にしたいスケーターをメンバーにすることができるようになったと言える。

どちらにしても、私も早く仕事を引退して日本に長くいられるようになったら是非実際のアイスショーに足を運びたい。


考えてみたら去年の今頃は丸3ヶ月の休職期間で、3日に1度くらいの食料品買い出し兼散歩くらいでどこへも出かけず、政府が保証してくれた8割分のお給料で暮らしていた。 

実は楽しかったあの3ヶ月。2割の減給は痛いけれど、その代わり出掛けないしお金も使わないからなんとかなった。お店も開いてなかったし。毎日適当な時間に起きて、「さて今日は何をしよう?」とマックかテレビの前に座る。筋トレをちゃんと再開したのも今となってはよかった。あれから1年経ったけれどまだ続けている、とりあえず体型改善には成功した。

そんな毎日だからもっぱらYoutubeを観ることが多くなって、ファンになった動画の一つが日本育ちのロシア人デュオの「ピロシキーズ」外人顔の二人が思い切り関西弁で下ネタありギャグありの動画を出していて、結構笑いながら見ていた。実は最近は仕事も忙しくてしばらくチェックしていなかったのだけれど、久しぶりに見てみたらすごく上手くなっていた。そしてなんと、びっくりしたのが、ゲストにココさん達、いや、小松原美里・尊のアイスダンスのお二人が!!

「どういうつながり〜〜!??」とびっくりしたのだが、最近小松原ご夫妻もYoutubeをはじめたらしい。そしてココさんがピロシキーズの大ファンなのだとか、、、、いや〜、すごい繋がりだわ。しかも話題は「知りたいのにあまり知られていないドーピング検査」話には聞いたことがあるけれど、ここまで赤裸々に解説してくれたのは初めてかしら、、、

そういえば、最近フィギュアスケート関係のYoutubeチャンネルが本当に増えたなあ〜と思う。「TFS」 や「すけとーく」「スケラボ」はよく見るけれど、他にも高橋成美さんや本田3姉妹(はスケート話題ではないらしい)、もちろん宇野昌磨さんの公式、そして「小松原家の滑る話」、、、、時代の変化を感じるなあ〜。

スケートがオフシーズンになって、アイスショーの季節。 まだまだ観客数も少なかったり公演数も少なかったりのようだけれど、去年に比べると少しでも開催されている。実際に観に行くことはできないけれど、これも時代の流れ、今や有料テレビチャンネルで殆どのものが放送されるようになった。見応えたっぷりだったのが、「Luxe」と浅田真央さんの「サンクスツアー」。

「Luxe」は2年前の「氷艶 」のメンバーが再結集して、作り上げた本当に高レベルで豪華なショーだ。高橋大輔さんを中心に始まった演劇とのコラボで、2年前の光源氏も素晴らしいショーになっていたけれど、今回は「演劇」要素は少なく、本当に「氷上での豪華エンターテイメント」。世界中のいろいろな地域をモチーフにしたスケートのプログラムは本当に幅広く、衣装や照明も豪華絢爛。これは本当にお金がかかっただろうから、本来なら満席にお客さんを入れてあげたかったよね。 平原綾香さんの歌は今まで以上に声量も迫力も増していて驚いた。そして元宝塚の柚希礼音さんは何とエアリアルに挑戦していてこれもびっくり!

実は私は柚希さんの素顔を見たことがなくて、いわゆる「宝塚顔」しか知らなかった。だからオープニングのエアリアルはだれかゲストパフォーマーの人がやっているのだと思って見ていたら、実は柚希礼音さんだったのだ!そして男装でのパートはさすが元宝塚。

荒川静香さんの美しさに魅了されて心を奪われていく吉野晃平さんがすごくよかった。そして高橋大輔・田中刑事のミラーのようなダブルナルシスは幻想的なギリシャの彫刻のようで美しかった。妖しく、美しく幻想的でこの二人だからこそ醸し出せる世界。刑事さんはPIWでは町田樹さんの「Je te veux」を継承して滑っていたけれど、クールな大人の色気たっぷりだった。このナルシスでも違った男の色気を見せていて、競技を引退してももっともっと艶のあるスケートができると思う。

スケートだけでなく場面場面をつないでいくシーンで役者たちが深みを添える。2年前の「氷艶」からさらに進化した、もっとアイスショーらしいショーになっていて、これからこんな形で、競技は引退したけれどまだまだ滑れるスケーターたちで豪華なアイスショーを創っていけたら、フィギュアスケート文化の第一歩になるんじゃないだろうか。

そして同様に、素晴らしい構成でスケートレベルの高さをみせてくれたのが、「浅田真央サンクスツアー」だ。コロナの影響で足掛け3年に渡ったこのツアーもとうとう終わってしまった。実は去年日本に行くつもりだった時点で、もしサンクスツアーが東京近郊でやっていたら日程を合わせて見に行きたいと思っていた。でも去年は里帰りも叶わず、ツアーも中止になってしまって、とうとう見る機会がなかったのが本当に残念だ。それにしてもなんというプロ根性!そしてチームの結束の強さ。お互いの信頼感が揺るぎない中でのレベルの高いスケートは本当に素晴らしい。

今までは世界で活躍した肩書を持つ人が一人、また一人、、、という形だったから、真央さん主体の以前の「The Ice」 や荒川さんの「フレンズオンアイス」等、国内外からスケーターを呼んで構成するタイプのショーだった。プロのチームとして存在していたのは「PIW」だけだったからゲストスケーターもかぶる人が多かった。でも今の日本には、世界レベルで活躍して引退した選手達が沢山いる。まだまだ滑れる年齢の「プロスケーター」になれる人たちだ。

オフシーズンにあるアイスショーは、主宰や趣旨に多少の違いはあっても、なんとなく「いろんなスケーターがゲストで滑って、コラボがいくつかあってオープニングとフィナーレは楽しい」という作りは似たり寄ったりだったけれど、「Luxe」と「サンクス」は全く別の次元でのアイスショーの可能性を見せてくれた。さらには今年の「PIW」の皆さんも素晴らしい。ゲストスケーターにばかり目が行きがちだけれど、元々はプロのチームスケーティングが売りの「PIW」だ。去年が無かった分、今年の群舞は気合の入れようが違って見えて、「ああ、日本にもこれからプロのアイスショー文化が根付いていくといいな」と心から思った。

さらに言うならば、ゲストの現役選手スケーターはいらないくらいに、プロだけの競技とは全く別のスケートショーが定着できるとうれしいね。そうすれば現役を引退したスケーター達のその後のスケート人生が広がるはず。大学卒業と同時にスケートに別れを告げてきた選手たちが、そこでスケートをやめていったのは「その先の道」がなかったからだ。「アイスショーに呼ばれるのは世界大会でメダルをもらえた人だけ」という現状。町田樹さんが言っていた「フィギュアスケートをブームではなく文化に」という願い、少しずつ時間をかけて、可能性が見えてきたんじゃないだろうか。

今活躍している選手たちもやがては競技を引退する。男子も女子も、カップルだって今や世界レベルで活躍している選手たちがこんなにいるのだから、彼らに道を作って欲しい。高橋大輔さんも浅田真央さんも、今だからこそ「自分のスケート」を見つけ始めてるんじゃないだろうか。

もうず〜〜っと長く フィギュアスケートが好きで、たくさんの選手を応援しては見送り、また次の選手を応援しては見送ってきた。見送った選手たちが競技ではなく自分のスケートを見つけて活躍できるようになる、、、そう遠い事じゃないような気がしてきた。

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