なんと!盛り沢山過ぎて、ブログを書く暇もなくあっという間にすぎてしまった日本での日々。帰る直前に食あたりで熱が出てしまい、これは帰れないんじゃないかとヒヤヒヤしたけれど、幸いPCRテストは陰性でぎりぎりで熱も下がり、丸一日絶食でフラフラしながらスーツケースを引きずっての帰国となったのだった、、、、、

さて、ハイライトという事で日本での貴重な時間の思い出を。
なんと言っても一番のハイライトはさいたまスーパーアリーナでのJapan Open!! 
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ロンドンでいうところのウェンプリー級のアリーナと聞いていたので、開場のどれくらい前に行くべきなのか、トイレ事情や飲み物なんかはどうしようか、とか考えていたのだけれど、とてもスムーズだった。開場時間は11:30だったので、11時頃に北与野駅に着くタイミングで行った。会場よりは混んでないだろうと思い、改札を出る前に駅のトイレへ。ブラブラと歩くとすぐにアリーナ前の広場で、たくさんのテントが出ていてみんな食べたり飲んだりしている。思ったほどの大行列ではなく、時間になるとスムーズに入場できた。
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直前になって怪我の為に数名のメンバーチェンジ。ネイサンが来られなかったのは本当に残念だったけれど、こればかりは仕方がない。そして鍵山くんもGPSの為に大事を取るとのことで、代りには三浦佳生選手が出場する。これもまた残念だけれど、同時に伸び盛りの佳生くんが見られるのは新たな楽しみだ。ブレディー・テネル選手の代わりには長洲未来さん!ほとんど前日に近い交代劇で、おそらくはこの直後の八戸でのスターズオンアイスに来日した未来さんを口説き落として出てもらうことになったのだろう。ちなみにこのJOの北米・ヨーロッパのメンバーもSOIに流れるみたいだし。

席は200レベルのなんと1列目だった!。ジャッジ側なので正面なのは嬉しいけれど、ここよりも反対側の方がKiss&cryや応援席が見えるはずなので、「なにが見たいか」で違うのだろう。でも演技を見るには良席だ。少し反対側の角が視界から切れてしまうのでそこだけ目の前のスクリーンを見て補い、大技のジャンプはほぼ目の前だった。ど真ん中より少し端に近い方がジャンプが目の前というボーナスが付く。

みんな本当に素敵だった!特に女子たちはみんなが高レベルで、試合としても演技としても見応えがあって楽しかった。トップバッターの長洲さん、いくらなんでも現役を引退してから5年も経っていて、いくらショーのために滑っているとは言ってもここで試合仕様のプログラムを1−2日で仕上げるというのは大変だったと思う。途中、体力的にかなりキツそうでヘバリかけていたけれど、それでも最後まで演技を通して、転倒もしなかった。最初から立ち上がっての猛拍手!!会場が一気に暖かい雰囲気で溢れる。

そしてなんといっても鳥肌ものだったのが坂本花織さんだ。何度もテレビの実況で「彼女のスケートは生で見ないとテレビの解説では伝えきれないんです」と言っているのを聞いたけれど、本当にそれがよく判る。スピードとスケートの深さが他の選手と全然違う!ダイナミックな連続ジャンプも目の前で決めてくれたし、今季のプログラム、もっと磨かれたら素晴らしいものになりそう。

男子では佳生くんのスピード感にも感動した。伸び盛りのシーズンなので、これからどんどんプログラムにも磨きがかかるだろう。すごく楽しみだ。可憐なクラコワ選手、去年から磨きのかかっているルナ・ヘンドリックス選手も今年のトップで活躍してくるだろう、今見られて本当によかった!

やっぱりハイライトはイリヤと昌磨君、、、?なんと本番の前日に4回転6種類(全)7本を入れた構成でプログラムを滑ったとニュースになっていたイリヤ君。長身で長い手足ながらまだあどけない17歳のベイビーフェイス。それでもプログラムは凄いよ、、、最初の4Aは惜しくもハンドダウンだったけれど、その後も4回転をスルスルと跳ぶ。まだ完成されていないからこそ、その未来を予想させられて末恐ろしくなる。惜しかった4Aは目の前で跳んでくれた。素敵なプログラムだけれど、まだまだ完成には程遠い。でも今シーズンの中でどこまで成長してくるのか、目が離せない。楽しみだ!

そして世界チャンピオンとして初戦になった宇野昌磨選手。このプログラムは夏の間のショーでかなり滑り込んでいたからこの時点でも全体に安定感が凄かった。いつもはジャンプの度に祈るように緊張するものだけれど、生のせいなのか、全く失敗する気がしなかった。ジャンプが見事にスケーティングに溶けこんでいて、このプログラムの真の強さ・美しさがしっかりと表現されている。今回、試合後にマルチアングルで個々の演技を見られるサービスがあるけれど、本当にどのアングルからでのどこを切り取っても美しい。後半の4Fがめずらしく2Fになってしまったり、コンビネーションが4−2になってしまったり、チョコチョコとミスはあったものの、初戦としては十分な手応えだ。

昌磨さん本人はインタビューで「僕よりマリニン君のほうが良い演技をしたと思う」と言っていたけれど、それは謙遜しすぎだと思う。私が見ても、ジャンプはともかくスケーティングや全体のプログラムのまとめは昌磨さんの方がずっと洗練されていたし、ジャンプのGOEは加点がされてからマイナスになるので、最終的な点数が高くなっている。技術構成のベースバリューはマリニン君のほうが23点近く高い構成になっているのだが、最終のテクニカルスコアーは6点しか違わない。それだけ昌磨さんがGOEで稼いでいるということだ。そしてテクニカルの差を昌磨さんがきっちりとPCSで埋めて、結果は昌磨さんの勝ちになった。点数は僅差だけれど、この演技内容の差は大きい。

もちろんこれからマリニン君がジャンプでGOEを上げていき、PCSでも点を伸ばしていけば、(必ずそうなっていくだろう)本当に末恐ろしい選手に化ける事間違いなしだ。そして、そんな新人が羽生選手やネイサンに代わって出現してきたことを目を輝かせて喜ぶのが宇野昌磨という選手なのだ。去年の鍵山くんのように、今年はイリヤ君に「大好きビーム」が注がれることだろう。そして彼や鍵山くん、さらには佳生君や友野くん、高志郎君たちと切磋琢磨して今シーズンを駆け抜けていくのだろう。宇野昌磨選手は今がピークなのは間違いない。今年こそまだ取っていないGPチャンピオンになれるだろうか、世界選手権2連覇は日本男子選手はまだ誰も成し遂げていない。羽生さんは間を開けて2回優勝している。

それにしても少人数なのに私的に盛り沢山のジャパンオープンだった。ブレジナ兄貴が見られたのも嬉しかった。演技は何度も転倒してしまって残念ではあったけれど、最初の綺麗に決めたジャンプは目の前で跳んでくれたし、引退してしまって残念だったので見ることができてよかったよ。 ジェイソンの宝石のような演技は試合ということを忘れて見入ってしまった。今シーズンのGPにはアサインされていないけれど、競技を引退をは表明していないので、全米には出るのだろうか、、、?気になるところだ。
紀平梨花ちゃんもまだ復帰途中、それでもうまく演技をまとめていて、また以前のレベルに戻すのは時間がかかるのかもしれないけれど、焦らずに今シーズンは試合勘を取り戻してほしい。 

また生で見たくなっちゃうよね。シェフィールドに行かれないのが残念だわ〜〜、有給をギリギリまで残しておいたのに、早く決まってくれないから、夏の間に消化してしまった。あと1週間早く最終発表してくれてたら、なんとしてでも行ったのに、、、!!

いよいよ来週からGPSがスタートする。残念ながら鍵山くんと新葉ちゃんは欠場ということで、やっぱり怪我だけは本当に残念だ。疲労骨折は一度の骨折とは違って使う限り治りも遅いし、完治させるには数ヶ月休むしかないそうで、本当にフィギュアのようなキャリアの短いスポーツには命取りだ。昌磨 さんも去年は軽い怪我があり、今年はとにかく「怪我無く」を最優先にしているそうだ。

そういえば野菜は全く食べずにスケート以外はゲーム三昧だった宇野昌磨が、この1−2年でかなり変わってきている。もちろん見ていれば「変わったな」ということは判るのだけれど、特集番組で「野菜を食べることの意味が解りかけてきた」とか「ゲームしてた時間をスケートにつぎ込んでいる」なんて聞くと本当に嬉しくなってしまう。そしてもちろん彼女や愛犬達との心に癒しの時間も。もう直ぐ25歳というのはフィギュアスケーターとしては危険な年齢だ。彼の場合は他の人よりピークが遅くきていると思う。今がピークで、そして年齢的に怪我をし易い。今大怪我をしてしまったらこれからのキャリアは下り坂しかないだろう。だからこそ「怪我無く」を本当に貫いてほしいよね。チームとして支えてくれるコーチやトレーナーやご家族の尽力には頭が下がる。もちろんどんなスポーツ選手もそうだろうけれど、たくさんの人たちの思いの中でまたスケートシーズンが幕を開けた。

もう直ぐGPSに突入する。みんな、みんながんばれ!!