見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

カテゴリ: 映画の話

またしても夜にネットできない日が続いてる。
月曜日は家に帰ってメールをチェックしたまではよかったものの、夕食の後に戻ってみたら繋がらなくなってた。 昨日も8時頃から12時過ぎまで駄目で、繋がったのはもう寝ようとしてる時だった。今日も似たケース、、、11時半過ぎに試してみたら繋がってた。

ネットを始めたのは2000年になる直前だった。以来、一人の時はテレビを付けなくなってしまった。音楽もiTuneで聞くし、ニュースもネットで読んでしまうので新聞を読まなくなった。 以前は通勤に本と新聞は必須だったけれど、今はバスで15分なので必要無し。だから最近は意識して、お昼休みの1時間は本を読む。 本を切らした時は新聞を隅から隅まで目を通す。彼といる時はなるべく一緒にテレビの前でしゃべっているけど、彼がいない時間はもっぱらネットです!

で、ネットできない一人の夜には結構いろんな事ができるのだと発見。月曜日はDVDを観た。「The White Countess」久々のMerchant- Ivory映画で、組み合わせが良い。主演がRalph Fiennes, Natasha Richardson. そして、Natasha のお母さんのベテラン女優、Vanessa Redgrave真田広之さんが出てる!脚本はKazuo Ishiguro氏。Ishiguroさんの本は、どれも懐古的な描写が素敵だ。 映画の脚本というのは始めてだけど、過去の話に遠く胸の奥をざわざわと通り過ぎていく風のような思いをさせられる。画面はとても奇麗。Merchant-Ivory映画の真骨頂です。


真田さん、出てるシーンはどれもレイフとの2ショットで、しっかり英語の台詞で掛け合ってるじゃありませんか!! 彼も努力してRSCの舞台に出た人だからね〜〜 実はこの映画、ロシアの亡命貴族という事で、ナターシャはとても上手なロシア訛りの英語を話しているのだけれど、それがかえって聞きづらく、途中から英語の字幕を入れて観ていました。レイフもアメリカ人の役なので、訛ってるし・・・ 一番聞き易かったのが真田さんの台詞だったかも・・!立派です! 「ラストサムライ」の時、トム・クルーズを食わないようにという事で、かなり真田さんのシーンがカットされたような事を聞いたけれど、充分に国際映画でやっていける役者です。とにかく努力を続けてる人は強いよね〜〜

ネットできない2日目は本を読んだ。辻仁成さんの「サヨナライツカ」。う〜〜ん、考えるね・・・・ たった4ヶ月の激情的な関係が「愛」であったかどうかは、、、、解らない。私はやっぱり愛じゃなくて、激情だと思うけど、その思いが一生を支えていくに充分なものであったという事が、胸を痛くする・・・・
きっと別れていなければこんなにも胸に残らなかったかもしれない。実際にこの2人が結婚してそれからの25年を一緒に生きたとしたら、全く別の関係に終ってしまったんじゃないかと思う。続いたかどうかも解らない。あそこで別れなければならなかったからこそ、一生の思いになったんだろう。

でもね、、、忘れられない思いに捕われて年老いていくって、すごくすごく悲しい。やっぱり死ぬ時に思い出すのは、「愛した日々」じゃないかな。それは愛したかもしれないし、愛したかもしれないし、「何かを愛して生きた日々」だと思う。それは絶対間違いない!それを思うと本当に胸が痛くなる・・・・

この「サヨナライツカ」って、映画化が決まってたのに、監督と上手く合わなくて没になってしまったそうで・・・ でも中山美穂さんは、絶対に沓子とは違う様な気がするけど・・・・・本当に映画化するなら、30才から歳をとってからの2人を演じる事も考えて、30半ば位の役者でやったほうがいいんじゃないかな。 5年前の大沢たかおさんと、中山美穂さんじゃ若すぎたと思う。どっちもちょっとイメージちがうし、ボツって正解だったかも・・・

主人公の名前が東垣内豊で、漢字で見ると「なんだあ〜〜?」って思ったけど、作者がどこかで、このキャラクターは竹野内豊さんを想定して書いたというコメントをしていた。 でもそれもちょっと、、、違う気がするけど・・・・ なんだろ、竹野内さんってエロくないからなあ〜〜 こういう激情的な恋愛物にはどうだろう・・? 女っ気がないんだよねえ〜〜〜

サマータイムになって、7時半頃まで明るい!
桜も種類によってはもう5分咲きで、いよいよ明るくなってきた。バス路線には、桜もいろんな種類が植えられていて、これから4月末位まで、いろんな種類の桜が時間差で奇麗に咲いてくれます。嬉しいな!

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これは、、、なんですか・・・?

と思いながら、つい観てしまいました。チャン・ツイイーが好きなもので、、
それにしても何とまあ色彩の美しい画面だろう! まあ鈴木清順監督ですからね〜さすがです。

あれ、、、歌ってる。そうか、オペレッタだもんね。おまけに踊ってるよ〜、ミュージカルか・・?
ツイイーの身体の動きは本当に奇麗だ。 身体中にスキがない。これは「Crouching tiger Hidden dragon」でも、「The house of Flying daggers」でもそうだったけれど、’身体の動きを見せるプロ’だなあ〜。おまけに本当に可愛い! 身のこなしはオダギリさん、完全に負けてます。

それにしても、この色使いの衣装は確かに昔見た事がある。この絵,,,絵本だ。オダギリジョーさんの若侍姿、確かに昔見た本の中にあった絵と同じ。そうだ、桃太郎だ! あれ、、、一寸法師だったかな、、? まあどっちでも良いや。飛び出す絵本なんていうのが丁度私が子供の頃あったけれど、なんだか踊る絵本の実写版という感じです。

なんなんだこれは〜〜!と思いつつ、でもよく映画の創りを見てみると、かなり面白い撮り方をしてる。 がらさ城のシーンは、まるで舞台での演技をカメラに納めているような感じ。後で特典映像の「Making」を見てみると、成る程このシーンを撮ってるスタジオ、かなり広い。 舞台さながらの平さんの大見え芝居に、衣装が、メイクが、照明の色が見事に乗って行く。びるぜん婆の髪も、照明でパープルになってるあたり、センス良いなあ〜

CGが頼りの映画というのは、実際にスタジオで撮影をしている段階では、どんな絵になるのかは誰にもわからない。その絵が出来上がっているのは、おそらく監督の頭の中だけだ。どういう頭をしてるんだ〜!とスタッフの誰もが思ってるにちがいない、、!

薬師丸ひろ子さんの声が良い。歌も台詞も凛としていて、一番芝居らしい演技ができたのは、このおはぎ役だったかも。最近の薬師丸さんは、クドカンさんのドラマでも良い味だしてるし、(「木更津キャッツアイ」や「タイガー&ドラゴン」)「Always 3丁目の夕日」もすごく良かったし、40過ぎて光ってるね〜!タイミングなんだろうな。

特典に、ロンドンのICAでの監督へのインタビューがあった。けっこう長いけど、良いインタビューだ。酸素補給器をつけた監督の姿はちょっと痛痛しいけど、受け答えはしっかりしてるしユーモアたっぷりに面白い話をしてくださる。 戦後の混乱期に映画会社に監督として就職したものの、自分の思う様な映画など創れるはずもなく、会社が用意したものを言われた通りに撮るしかできなかった事。いろんな制約の中で前任者達が試みていないような映画を創るには、色の使い方などをかなり奇抜にしてみる必要があった事。このオペレッタ狸御殿は、監督にとって構想20年だったそうだ。

監督のお年と、身体のコンディションを考えると、もしかしたらこれが最後の作品になるかもしれない、、、なのにあえてこのばかばかしくも、訳のわからない、それでいてなんだか楽しくて、画面の絵がやたらと印象に残る映画を今になって創った鈴木監督の心意気が、なんだかとっても好きになってしまった。

唐の国から来た狸姫は、カタコトの日本語と中国語をしゃべっている。何故か、中国語の台詞に字幕が付いていない。英語のサブタイトルにもしてみたけれど、やっぱりない。映画の中で雨千代が「知らない言葉なのに解る」と言っていたから、なんとなく解った事にしてしまって良いのだろうか、、、? インタビューで、「何故狸姫が中国語を話すのか?」と聞かれた監督の答えは一言、「チャン・ツイイーさんは、中国の人ですからねえ」 なんでそんな事を聞くんだと言わんばかりの監督の飄々とした答えに笑いました。

DVDを返す前にもう一回みてみよう。これは何、、?と思って見始めた映画ですが、なんだか好きになってしまいそう。

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この所、ほとんど毎週末はネットができない・・・!

確かにサーバーが今までの会社からVirginに変るっていう知らせはきたけど、多分その移行途中にありがちな不具合かとは思うけど、でもね〜金曜日の夜から月曜までよ〜・・・・ 書きかけても、Blogをアップできなくて、この週末は何も更新できなかった。

他の事を書きかけていたのに今日になっちゃって、「冷静と情熱のあいだ」も読み終えてしまったので、こっちの話題にしよう・・・・

成る程ね・・・・解った、よーく解りました。・・・・


・・・で終るなよ!って言われますよね、やっぱり。
初めにRossoを読んだ。確かに「その感じ、その気持ち、良く解る」と思えたのだけれど、ストーリーにドラマがないのが歯がゆくて、早くBluが読みたかった。 感覚的なものに共感できたのは、やっぱり私が一応女だからで、あおいの、クールに現実を受け止めて幸せだと思おうとする今の生活はとても現実味を感じた。多分、もしかしたら沢山の女性達があおいの今の暮らしを「これでいい」と思い込んで生きてるんじゃないだろうか。

本としてはやっぱりBluのほうに心惹かれた。いろんなストーリーが書かれているのはこちらのほうだから、映画版がこっちを軸に創られているのは当然なのだろう。 女性としても、私はあおいより芽美のほうが好きだ。「うわ〜、女!」っていう感じがするのは本当はちょっと引くのだけれど、この芽美ちゃんは動物的な女であると同時に、決して女特有の馬鹿じゃない。

あおいという女性はクールなぶん、正直だ。マーヴと幸せに仲良く暮らしていても、どこか心を心底許していないという事を、マーヴに気付かせながら生活している。これはマーヴにはとても残酷な事で、彼の様な温和で寛大な人でなければ数年もの関係は到底続かなかっただろう。幸せな生活を受け入れながらも、心の隅っこに思い出のかけらを閉じ込めている。普段は思い出す事も滅多にない生活。
女は完全に仮面をかぶったままで生きていける。 でもあおいは、仮面をかぶっている事をちょっとだけ正直に教えてしまうのだ。

反対に順正は、あおいの思い出から抜け出せない自分をたっぷり引きずって生きている。 芽美に対する順正はちょっとずるい。男が女を「可愛い」と思うには、決して愛している必要はなく、ちょっと良い女が心も身体もさらけだして自分に飛び込んできてくれるだけで充分なのだから。

順正自身は気付いていないのだろうけれど、芽美を見る目線がちょっと下に向いてる気がする。 見上げていない=見下している。「そんなつもりで付合った事はないよ」とずるい事を誠実に言ってのけるところが男なんだね。

アンジェロがゲイだったのは、映画にはなかったね〜。まあ、映画が4時間くらいだったら、もっといろいろ描けたんだろうけど,あの2冊をまとめたものとしては、良い映画に仕上がったと思う。原作は順正がユーロスターに乗る所で終っているけれど、映画の最後に2人がミラノ駅で笑顔で見つめ合うラストはぴったりだった。「これからの100年」に賭けた順正の勝ちだったのかな・・・

竹野内さんの順正は、穏やかで無口な順正だったけど、原作ではもっと喜怒哀楽の激しいちょっと変わり者らしい。 崇とあおい、順正の3人とも帰国子女の設定というのが、普通とちょっと違う孤独感を出している。映画を観てから本を読んだのは正解だったかな。

Rossoのほうは解らないけど,Bluのほうはまたきっと読み返すだろう。やっぱり「本」を読む時は、あまり感覚的なものよりも、文章できちんと表現された感情を読み取りたい。 私にとって女性作家の本がしっくりこないのは、感覚的な文章が多いからだろうか・・・「その感じ」を見事に文章にして表現するのでびっくりしたのが、山田詠美さんだった。彼女の本は、女の「感覚」を見事に文章で表しているのでとても好きだ。

私が先日のブログタイトルにした事を、辻仁成さんが「あとがき」で全く同じ事を書いていたのでびっくりした。「冷静と情熱のあいだに、何があるのだろう?」


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雪だ〜〜!
SNOW

先週まで暖冬で、「日も延びてきたし、もうすぐ春の気配・・・」なんて思っていたら、今週から急に寒くなって、とうとう昨夜降った雪で、今朝は真っ白〜〜!

こんな雪は10年振りくらいじゃないだろうか?何年か前にも降ったことはあるけど、こんなには積もらなかったなあ、、、昨日から「明日は雪」と言われていたから覚悟はしていた。
都心のほうはどうか解らないけど、郊外の我家近辺は12-3センチといった所。うちの回りは学校が沢山あるのだけれど、どうやら休みになってしまったらしい。 いつもなら家の前の通りをぎゃあぎゃあとわめきながら登校していくガキども、、じゃなくて生徒達の声が全く聞こえない。
家を出ると、ほとんど人が通っていない為、歩道は新雪が積もったまま。

雪がちょっとでも降ると都市生活が麻痺してしまうのは世界共通。車はのろのろで大渋滞、電車のダイヤも乱れてキャンセル続出。 まあ、お昼には雪もやんでしまったので、後はもう真っ黒でグチャグチャになった雪が半分溶けかけてすごい事になってしまった。
これが最悪なのよね〜〜 で、真っ黒でグチャグチャなままで夜になると、今度はそれが夜の間に凍っちゃって、明日の朝が大変な事になる・・・・ 雪の上を歩くのはなんとかなるけど、氷の上を歩くのは勘弁してほしい・・・


さて、引っ越す事になったという人から文庫本を何冊か分けて頂く事になって、「冷静と情熱のあいだ」RossoBlueもあるというので、久しぶりにDVDを引っ張り出した。 私は本は読んでいない。2冊の違う視点からの話をまとめて映画にした、というのは知っていたけれど、ちゃんと観たのは結構前だ。で、はじめて気が付いたのは、、、コメンタリー入りのバージョンが入っていた事!! なんで今まで気付かなかったんだ〜〜?

コメンタリーがついたDVDは、アメリカから買った映画版の「Jesus Christ Superstar」を持っているけれど、「冷静と・・」にも付いてたとは気付いてなかった!! 間抜けだね〜〜 (*^o^*) この映画は最初に観た時は、「うわあ、奇麗だなあ〜、胸痛くなるなあ〜」という感じで、特にものすごく良いと思ったわけでもなく、前にも書いたように、竹野内さんの演技も素通りして観ていた。 ただ、みんなきっとどこかで覚えがあるような、若い時の恋する気持ちのドキドキ感と、どんな形であれ忘れられないでいる、という事の胸の痛みに共感して、イタリアの美しい映像が印象的だった。

監督、ユースケさん、篠原涼子さんの楽しいおしゃべりで舞台裏話を聞きながらの映画鑑賞は楽しい。マルチナショナルなスタッフでの撮影は本当に大変だったようだ。それにしても奇麗な絵に撮ってるなあ〜〜

今回ちゃんと見返してみて、本を読むのが楽しみになった。(・∀・) やっぱり「ああ、本だともっと細かく描かれているんだろうな」と思う部分が結構ある。解説によると、あおいと順正がミラノで会うというのは、原作にはなかったそうで、ラストも違っているようだけど、本をちゃんと読んだ後で、どうして映画がああなったのかを、あれこれと勝手に解釈してみるのが楽しみになってきた。 あおいの今の彼の事も、自殺した先生も、芽美ちゃんと順正の関係も、もっといっぱい書かれてるのかな。

映画での芽美ちゃんは、ちょっと可哀想すぎた気がする。何年も一応付きあっていたのだから、もっと楽しい関係もあったはずなのに、映画では全く順正は彼女に無関心な感じで、あれはちょっとないでしょう〜〜!と突っ込みたくなった。もうちょっと、あおいを忘れられない順正が、それでも芽美ちゃんと楽しい関係を創ろうとしていく様子が出てきてもよかったんじゃないのかなあ〜〜 

そもそも順正って、男としてはむしろつまんないタイプだと思う。真面目で真摯なのは素敵な事だけど、男としては魅力に欠ける・・・
篠原さんが言ってたよね、「芽美ちゃんは、どうしてあんなに順正が好きなのかなあ〜〜??」って。 そうだよね、私もパスかなあ〜〜  絵の修複なんてオタクっぽいし、頭の回転遅そうだし,ユーモアのセンス無さそうだし,あんまり色気もないし(ベッドで違う女の名前言っちゃうくらいボケてるし・・・・)竹野内さんじゃなかったら、思いきりダサイ男になってしまいそうなキャラじゃない? よくまああれだけナチュラルに、等身大に演じられたこと!

レビューとかを読むと、RossoBlue、どちらを先に読むかは意見が分かれてる。私は実は女性作家との相性がすこぶる良くない。 女性作家の作品ですきな本は稀だ。特に日本人作家では・・・・映画とか本とかは、男の人が「良いよ」というものに共感する事がほとんどだ。
 本が手元にきたら、まずRossoから読もうかな。女性の側からの話をまず読んで、すっきりしないところを男目線のBlueで納得、っていうパターンにしてみようか・・・・。女の目線と男の目線って、理解できる部分が違うんだよね。ちょっと楽しみ。

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映画、バベルを観て来た

Babel
というタイトルは、聖書に出て来る話に由来してる事はもう言われているので省きますが、この映画は本当にいろんなミスコミュニケーションが絡み合って出来ている。

「バベル」は大きく分けると、映画は3つのストーリーから出来ていて、それぞれのストーリーの内容そのものは一見関係がない。モロッコでは、旅行中に銃で怪我をした妻と、彼女をなんとか治療しようと必死になる夫、そしてその銃を撃ってしまった少年兄弟とその家族の話。
一方日本では、聾唖の高校生が自分を受け入れてもらえない事に苛立ちと孤独を感じていて、自分を見てもらいたいとばかりに男に誘いかける。
サンディエゴに住むメキシコ人の家政婦は、旅行に行った主人夫妻が帰って来られないため、仕方なく息子の結婚式に留守番で世話をしている子供2人を連れてメキシコに行くが、帰って来る時に国境で疑われてしまう

この3つのストーリーはあくまでもおおきな流れであって、実際には映画はmiscommunicationの連続だ。言葉だけでなく、生活習慣、宗教、肌の色、親子関係、いろんなミスコミュニケーションが絡んでいる。そして話が進むにつれて、少しずつ伝わっていく部分もあれば、伝わらずに大切な物を失ってしまう結果もある。

演技陣は強力だ。菊地凛子さんは、アカデミーにノミネートされているけれど、確かにすごい存在感を出している。聾唖の役なのできちっとしゃべる台詞は無いけれど、表情だけで気持ちが伝わってくる。技巧的な演技力ではないのだけれど、画面に映し出された表情にパワーがある。
他の役者もパワフルだ。主演クラスはもちろん、脇役、子役もしっかりしている。

私はこの映画とても好きだけれど、もしかしたら日本の人の中には面白くない、よく解らないと感じる人もいるかもしれない。

私は、言葉が違うという事は、コミュニケーションの妨げになる理由としては比確的低いと思っている。 日常で何か国語の言語が実際に道で飛び交っているのが普通の生活だから、映画の場面が英語やアラブ語、スペイン語、日本語と飛んでも違和感は感じない。 でも日本にいる日本人にとっては、それだけで観ていて気疲れしてしまう人もいるかもしれない。

登場人物みんなを同じ目線で観ていないと、コミュニケーションできないという事がいやに重く感じてしまう。
国や宗教、文化が違うという事は相手が異星人であるという事ではなくて、自分を理解してもらえる努力をしなくては解り合うのが難かしいという事。 相手を否定してしまったら、自己中心的になってしまったら、だとえ言語が同じでも食い違ってしまう。

世代、人種、宗教、言語、男と女、同じ目線で相手を見る努力をしたいよね。



ここからは完全ネタバレです。日本での公開はまだみたいですので、ネタバレOKの方のみ続きのページへどうぞ


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朝起きたら庭が真っ白になっていた。

今までじめじめした暖冬だったのが、いきなり寒くなってる。
でも今日はカラッと天気がよくて、朝の雪もお昼前には完全に消えてしまった。ちょっと身を切るような冬の空気が逆に気持ち良い
とにかく、寒くてもなんでもいいから、太陽が出ていてくれればそれでいいの!

アカデミー賞のノミネート者が発表された。主演陣ではイギリス俳優が大健闘という事で、今日の新聞はどれも得意げに載せていた。 主演女優賞はすごい争いになってる。こんなにも実力派が顔を揃えてノミネートされるとうれしい。メリル・ストリープ、ジュディ・デンチ、ヘレン・ミラン、ケイト・ウィンズレット、皆私の大好きな女優さん達だ。一人だけにしか賞がいかないなんて・・・・・

Babelの菊池凛子さんが助演女優賞にノミネートされた。これは凄い事だと思う。

日本人俳優では渡辺謙さん以来だけど、以前の、日本の俳優なんてアカデミーには縁遠かった頃から考えると、日本の監督、映画、俳優達が少しずつ世界のレベルに入っていける事が認められつつあるっていう事なんだろうか。 

知名度が低いうちは、ノミネートされても受賞にはなかなか辿り着けないのがアカデミー賞の特徴でもあるので、今回一発で受賞なんて事になるかどうかは、冷静に考えてまだ早いかなあ〜という気がする。
でも、いろんな部門で少しずつ日本人がノミネートされる事がちょくちょくあれば、いつか、日本の監督、俳優達が毎回当然のように受賞式に顔を出している、なんて事になるかもしれない・・・?(あと10年位?)
Babel 観に行こう。 こちらでは先週から始まってる。

デカプリオもいい加減そろそろアカデミーをあげたい人だ。 私は彼の演技がとても好きで、「ギルバート グレイプス」の頃からずっと「良い役者だ!」と思って観続けてきた。 Hollywoodではとても過小評価されてるように思える。彼の「太陽と月に背いて」は絶品だった。
童顔の彼がもう30代半ばになってきて、ちょっとこれからの役どころが苦しいかもしれないけど、彼は演技力のある俳優だと思っているので、必ずHis time will come だと信じてる。


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昨日一日の休みで、いろんな事をしたような気がする。

掃除、洗濯はいつもの事。DVDを2本観た。「The end of Affair」と、「ケイゾク」
あと、野田さんの戯曲、「ロープ」を読んだ。
ネットで「家族崩壊」的な2つの殺人事件の経緯を把握する。(歯科医師一家の兄妹殺人と、渋谷&新宿バラバラ死体事件)
気を取り直して、「続・星の金貨」を拓巳先生のシーンだけ飛ばしながら観る。

なんだかなあ〜〜〜・・・・

「ケイゾク」は、なんだったんだろう、、? 途中までは確かに「Who's done it?」的なミステリーだと思ったのに、最後のほうになって、いきなり訳わかんない人達が登場してきて、、、本編のドラマで出て来た人達なのだろうけれど、映画を観ただけの人にはわっかんないよ〜〜!

まあねえ〜・・・メインはドラマにあって、映画版はおまけなんでしょうけど?。でもあれだって公開された時は普通に映画館で上映されたわけで、ドラマを観なかった人もなにがしかのお金(1800円くらい?)を払って観に行ったわけでしょう? それで解らないものをみせて良いのかなあ〜〜!

せっかくこっちでも普通に英語の字幕付きDVDとして発売されてるわけですし、日本の事、ドラマの事を何も知らない人が観る事もあるわけです。やっぱりね、1度観て理解できないものは作らないで欲しい!これは映画も舞台もドラマも同じ事。観客は1回しか観ません。それで伝えられなかったら失敗です!そうじゃない?

もちろん理解できるかどうかが、観るほうのインテリジェンスにかかっている場合も多い訳で、私だって一応、創った側が何を言おうとしてるのかを考えて、受け止めるくらいのインテリジェンスはあるつもりですけどね。
あれはインテリジェンスの域を超えて、「知らない物はわかんないよ」としか言えない。内輪ウケで映画創るのはやめましょうよ、みっともないから・・・・

「The end of Affair」は、私の好きな「The Crying Game」の二ール・ジョーダンの監督作品。 原作はグレアム・グリーンで、とてもシンプルなストーリーなんだけど、組み立て方が上手いなあ〜。撮り方も奇麗で、淡々としているようで飽きない。日本語タイトルが「ことの終わり」だって、、!いかにもって感じでちょっと笑った。

Ralph Fiennesは本当に尊敬している役者です。 彼の事はまたちゃんと書こうと思ってます。映画ではなかなか解らないけれど、彼の特筆すべきはです。客席の端まで届くささやき声から、雪崩が起きるかと思うような、劇場中を揺るがすような声。滑舌、呼吸、まさに訓練で磨かれた技術の結晶です。「プロの俳優とはこういうものか」と唸りたくなりました。

「ケイゾク」でちょっと怒っていたので、二ール・ジョーダンの映画でCheer upしました。

そういえば、さっきウェブニュースで見たけど、市村正親さんがRSCのSir Gregory Doranの演出でシャイロックを演るそうだ。 バッサーニオに藤原竜也君、西岡徳馬さんに寺島しのぶさん、、、さすがオーディションで勝ち残ったメンバーです!

ちなみに鹿賀丈史さんは、John Caired氏の演出を受けるとか。そういえば、このJohn Caired氏は、1月3日のブログでちょっと書いた、私の大好きなFrances Ruffelleの旦那さんだった人です。

さてと、「ロープ」の話はまたの続き・・・・・

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