見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

カテゴリ: 映画の話


12~13日は英米での2つの賞がニュースになった
一つはロサンゼルスで行われた音楽のグラミー賞、そしてロンドンで発表になった英国アカデミー賞

なんとも残念な事にグラミー賞前日にWhitney Houstonがホテルで亡くなっているのが発見された。グラミーがらみのパーティーや授賞式に出席するために滞在していたのだから、亡くなる理由なんてどこにもなかったはずなのに、本当に残念。どうして希有の才能に恵まれた人達がその道半ばでいなくなってしまうのか・・・?!

グラミー賞は、嬉しい事に私も大好きなAdeleが六冠。彼女の声はとてもソウルフルで、デビューして話題になり出した頃からうちの彼がイチオシしていた。おデブちゃんな人だけど、深い声と彼女の書く曲には説得力がある。最初は30過ぎかと思ってたら、なんと88年生まれの現在23歳という事でこれまた驚き。あのマチュリティーはどこから出てくるんだ・・??

英国のシンガーソングライターでグラミー賞をいくつも穫ったアーティストといえば、去年亡くなったエイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)を思い出さずにはいられない。彼女も他にいないアーティストだった。女性でR&Bを歌える声を持った若いアーティストというのは今ほとんどいない。自作の曲はどれもユニークで、まだまだその才能を発揮していくものと思われたのに、自身の中に才能を咲かせる畑を耕せなかったという事か。酔っぱらい、薬でフラフラになってステージに上がる姿は痛痛しかったし、旦那の逮捕や奇行等ばかりが話題になってしまって、本当に悲しい最期だった。

そしてウィットニーも・・・歌唱力では他の追随を許さないとまで言われた歌姫が、まだ50にもならないで突然で発見されるなんて 彼女も結婚してからはあまり幸せではなかったようで、ドラッグ/アルコールと戦いながらの晩年だったそうだ。薬物/アルコール依存は本当にやっかいだ。「や〜めた!」と言ってやめてしまう事ができいない病気だからだ依存症になってしまったら、完全に断つまでは決して幸せにはなれない。これはどんな人でも同じだ。お金がある人は尚更。なぜならいつでも欲しいだけ(必要なだけ)あるいはそれ以上を手に入れる事が可能だからだ

Adele嬢は今のところその心配はなさそうで、いつまでも健康的な歌手であって欲しい。それにしてもさすがにハリウッドのメイクは凄いわあ〜〜・・・だってメイクアップだけで5キロは痩せて見えたよね。さすがにダイエットもしてるんだろうけど、身体はそれほど変わらないのに、顔がとにかくメリハリばっちりで、一瞬見違えたわよ。よく知ってる彼女の顔じゃなかったもので・・・

BAFTA(British Academy of Film and television Arts)のほうは映画賞の発表。英国アカデミー賞は映画だけでなく、テレビ部門も別の機会に授賞式がある。
最近は映画館で映画を観る事はめっきりなくなった。公開された時のレビューをチェックして、後でDVDで観るというのがパターンになってしまった。前から目をつけていたのが、Tinker Tailor soldier spyThe Artistの2本で、思ったとおりこの2本はいくつものノミネートに入っていた。受賞の手応えはThe Artistの勝ち。白黒のサイレント映画という異色なスタイルで監督賞、映画賞、主演男優賞、さらに脚本賞も含む7冠という快挙だった。「(サイレント映画なので)脚本は無いと思った人もいるかもしれません」とあいさつして笑いをさそった

Tinker Tailor•••のほうは、007とは全く対称的な70年代のスパイもの。英国情報部にソ連のスパイが紛れ込んでいるとの情報から、その正体を割り出そうと容疑者達にコードネームをつけて裏切り者をあぶり出す使命に奔走する。一筋縄ではいかない2重スパイ探しの話で、イギリスではテレビドラマになったのを知っている人が多いようだ。うちの彼もテレビシリーズを覚えてると言っていた

こちらはやっぱりキャスティングが面白いので是非観たい。主演にGary Oldman, 他にもJohn Hurt, Colin Firth, Tom Hardy, Benedict Cumberbachと、面白い実力派が並ぶ。アメリカスパイ映画とは一味違うイギリスらしい映画になってるようだ。受賞数ではThe Artistに負けたけれど、興業ではトップだった映画だ。DVD待ちのトップリストに入れておこう

メリル・ストリープがその演技力で賞を穫ったのはもう何度目なのだろう? 今更、、ていう感じもするけれど、彼女のマギー・サッチャーはクリップを観ただけでもそっくりだ。何と言ってもイギリス人の背筋をゾワっとさせる(ある人は吐きそうだとまで言う)あのアッパークラスもどきなアクセントを見事に再現している所が凄い。彼女は昔から役の度に英語のアクセントを忠実に変えて演じて来た。デンマーク訛りやスランス訛り、アメリカ国内でも地域の設定でその州の訛りを見事にこなして演じるので定評がある。これも一種のマルチリンガルに近いかもね。言語のセンスが素晴らし良い人なのだと思う

主演女優賞を受けたメリル・ストリープがなんと壇上に上がる際に階段で靴が片方脱げてしまった。さすがは大女優、一瞬困って振り向いたものの、かがんで拾うなんて事はせずにそのまま胸をはって壇上へ。合図を受けた女優賞プレゼンターのコリン・ファースがスマートに靴を拾い、彼女のロングドレスの足元で履かせてあげた。「プリンス・チャーミングがシンデレラの落とした靴を履かせてあげたようです」という司会のスティーヴン・フライのユーモラスなしきりでなごやかな笑いになった。恥ずかしそうに笑いながらスピーチをするメリル・ストリープがチャーミングだった。もう60を過ぎているのにね。少女のようで、それでいて貫禄たっぷりのベテランだ。確かな演技にはハズレがない、これって凄い事だと思う

日本のドラマもちょっと追いついて観ている。大河は正直面白く無いなあ〜〜。言葉に魅力が無い脚本は聞いていて違和感を感じてしまう。台詞自体がなんかヘンな感じがするだけでなく、清盛の物言いもおかしい・・・台詞をこなしているのは中井貴一さん、上川隆也さん、あと阿部サダヲさんかな。鳥羽上皇(三上博史さん)がお隠れになったらその先は観ないかも、、、、



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実際に歴史にあったエピソードを元に脚色されたコメディー。なんと、大英国国王が狂ってしまったというお話。

このThe madness of Geroge IIIがオリジナル主演のナイジェル・ホーソーンで大人気になった時は見逃してしまった。その後、脚本、演出、主演とオリジナルのメンバーで映画化された時は真っ先に観に行った。映画のタイトルは確かThe madness of King Gerogeになってたはず。ジョージ3世の「III」とつく事で、アメリカ他外国での公開の際に、映画のパート3と勘違いされて、1と2を知らないから、、、と客足が遠のくのを避けたとか

18世紀半ばから19世紀になる一番面白いヨーロッパの歴史の中で、在位60年の長きに渡ってイギリスの国王だったジョージ3世。この記録は最近になって現エリザベス女王が抜くまで、歴代2位の在位期間だった。歴代最長は今もってヴィクトリア女王。イギリスは当時から政治は内閣が行っていたが、それでも国王の意向は政治にも大きく関わりがあり、もちろん議会の採決は国王の署名なくしては決定できない

ジョージ3世は質素な王室を心がけ、王妃シャーロットとも円満で愛妾も持たずに、王妃との間に15人の王子/王女をもうけた。とはいえ、若くして即位してからはアメリカの独立紛争/戦争に長期間を費やし、また皇太子をはじめとする息子達の借金と女遊びに頭を抱えていた。政治面では保守党で、わすか24歳で首相になったウィリアム・ピットを支持している。一方ウィッグ党のチャールズ・フォックスは、派手な遊び好きで父とは対称的な皇太子(後のジョージ4世)に取り入ろうとしている。

フランスで革命が起こる前年の1788年、突然国王の様子がおかしくなる。意味不明の事を数時間もしゃべり続け、記憶はとびとび、わめいたり泣いたり、まさに乱心状態に陥ってしまったのだ。原因/病名はなかなか解らず、集められた医師達にもプレッシャーがかかる。判断能力無しとして、皇太子を摂政につけるべきだという案が出始めると、国王の周辺も皇太子や閣僚達の周辺もにわかに各々の思惑で動き始める。

国王、側近達、王妃、医師団(王室付きの医師に加えて精神科専門という事で田舎から呼ばれた医師=ウィリス)、政治家達(ウィリアム・ピットを中心とする与党/チャールズ・フォックスの野党)皇太子一派、と立場と力関係を変えようとする駆け引きがおもしろい。乱心してしまった国王を前に、正直な心と狡い心が交錯する

回りのドタバタをもりあげるのは、なんといっても国王の狂いっぷりだ。映画でのナイジェル・ホーソーンが素晴らしかったので、再演の役者は不利か、、、とおもいきや、どうしてDavid Haig氏のジョージ3世は素晴らしかった。国王ともあろうものが、惨めにもボロボロに取り乱し、正気を無くしてつぶやき続けたり、次の瞬間にはわめき続けたり、子供のように小さくなったり威張り散らしたり、、、と狂い方のメリハリが凄い。声のトーンや間が絶妙だ!!

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コメディーなので、ウィットに富んだ台詞はアラン・ベネット氏の脚本のすばらしさだ。無駄が無い。それでいてそれぞれの立場がはっきり解る。セットは空間をしきる回廊に見立てた絵画のフレームの羅列のみ。木枠のフレームだけで中に絵がないところが巧い。縦横に並んだ絵が実際にあると、色がごちゃごちゃしてしまう。大きさや形の違うフレームだけを並べる事で、部屋の壁、廊下の空間を作っている。フレームの中がふさがれていないので、向こう側の様子も観客の目に入る。

David Haigの国王はとても愛嬌があって、狂ってしまった様子をみるにつけ、哀れに思えてならない。王妃付の侍女に突然言いよったり、引き離された王妃を子供のように恋しがったりする部分と、元気で茶目っ気のある国王として官僚達や側近達をさばいていくテンポの良さが対称的で巧い。後でチェックしてみたら、大手紙のレビューはどれも4〜5つ星だ

ちなみに映画版は舞台と同じ脚本=アラン・ベネット、主演=ナイジェル・ホーソーンで、王妃役はヘレン・ミラン。彼女の王妃も良かったなあ〜〜!ケバケバの皇太子にルパート・エヴェレット、国王を慕って看病する側近のグリーヴェルにルバート・グレイヴス。実はこのグリーヴェルという人が発病した国王の様子を細かく日記に書いていたそうで、彼の記述のおかげで今では国王の病気は急性間欠性ポルフィリン症にほぼ間違いないとみなされている。ちなみに調べてみたら映画の日本タイトルは「英国万歳!」だとか・・・、、なんで、、、?

結局皇太子を摂政に任命するという段階の最期の直前になって、(下院を通過し、上院での決定に持って行く寸前)国王の病状は回復し、元の鞘に収まる事になる。国王は国家元首に、ピットは首相のまま、皇太子も皇太子のままイングランドは続いていくのだ。実際には国王の病気はその後も再発症し、1800年代に入ってからは悪化の一途で、最期の10年間は皇太子が摂政となる。1820年に亡くなると当時の最長在位記録を作った

ジョージ3世は私が最近読んだ2人の18世紀の人が会っている。(しつこいね、私も)スウェーデンのフェルセン伯は18歳の時、カサノヴァは35歳の時にジョージ3世と謁見し、面白い事に2人とも共通した事を書き残している。それは「国王はとても小さな声で話す」のだそう・・・・




なんだかすっかりブログが週1ペースになってきた、、、本当はもっと書きたい事もあるのだけれど、いかんせん独りでMacに向かう時間がこのところあまりないので・・・もう少し、もう少し我慢して新しいペースになるまで・・・

今月は芝居を我慢する、、という事で、ネットで映画でも観る。
新しい「Jane Eyre」なんと先週の金曜日に劇場公開になったばかりの作品がもうネットで観られるというのがすごい!

実 はつい先週、テレビのオン・ディマンド(無料/有料で以前に放映された番組や映画をテレビで観る事ができる)で5年程前にBBCが制作したドラマの Jane Eyreを観たばかりだった。

_SL500_AA300_こちらは4話もののミニシリーズという事で、こういうシリアスなBBCのドラマは本当に質が高い。このシリーズでロチェス ターを演じたToby StephensはとってもニヒルでSexyなのだった・・・・彼は素晴らしい役者ですよ、、、陰のあるちょっと偏屈な感じで登場するこのロチェスター役をすごく深く演じてる。どうしてこういう男になったのか、その過去から今までの間の人生がジェインと出会った事でどう変わっていくのか、「人」としてのロチェスターを驚く程巧く演じている。演技力っていうより、、演じる」という高い技術を持った役者さんなんだよね。私好きだわ、この人〜〜

実は私はこの作品は本で読 んだ事は無い。正当文学作品というのはなんだかあまり読まないなあ〜。それと私にはどうしても女性作家の作品がいまひとつピンとこなくて、小説の類は女性の 書いた物はあまり読まない。イギリスで本屋さんに行くと女性作家の本の多さに驚かされる。日本の比じゃないね。

「ジェイン・エアー」が刊行された当初、それまでの女性の社会的な位置づけを覆す程のインパクトがあったというのは知っていた。初めこそ、その畏れを知ら ぬ主張を通す女主人公を野蛮礼儀知らず、と批判する声も多かったものの、やがてこの作品は当時の女性達の必読書となり、これを読むのがレディーのたしな み、とされるまでになったという。

それまでの上流社会のお嬢さん達といえば、親に逆らう、自分の意見を主張する、神を畏れない、男性と対等に並ぶ、女性から愛の告白/求婚をする、、等という事はしないのが当然、そんな事をする娘は本人のみならず一族すべての名誉を傷つけるものと見なされた。18世紀ヨーロッパの女性達は、誰と結婚するか、もしくは誰の愛人になるかで幸せの価値が決まったのだ。

丁度今読んでいる(もう1年も読んでる、、)カサノヴァの自叙伝には、後から後からカサノヴァのMistress=愛人が出てくるのだが、これは決して許されない/不倫という形のものではない。そもそもカサノヴァは生涯正式な結婚はしていなかったのだから。愛人になった女性は家の女主人として扱い、召使い達にもそうさせる。ちゃんと月決めで生活手当を支払い、ドレスやアクセサリー等も外で恥をかかないような物をあつらえる。毎夜ベッドで愛の証を与えるのはもちろんの事、場合によっては彼女の家族の面倒もみる。貧しさの為に殆ど身売りのような形でカサノヴァに差し出された娘達もいれば、いいとこのお嬢さんでカサノヴァが教育の面倒もみてあげた人もいる。

ただ、みんなどの女性達も、誰かしら夫なりマスターなりに付いていないとやっていけない、という社会だったのが解る。恋愛サイクルの短いカサノバは長くもってもせいぜい2年、短い関係は2ー3週間という恋愛を繰り返すのだが、その別れ際もちゃんと心得ているのだ。そろそろ、、と飽きてしまった愛人はポイと放り出すのではなく、ちゃんと自分の後釜を用意し、彼女達は次のマスターに引き継がれていくのだ。どの女性も別れを嘆きはするものの、「そういうものだ」と心得ているふしがあり、新しい愛人契約に移行していく。当時の上流社会では愛人経歴がまさにセレブ級のご婦人も多かった。このカサノヴァの時代は18世紀のまっただ中。

その後、19世紀に入って書かれたのがジェイン・オースティンのPride and Prejudice (高慢と偏見)で、これはイギリスのジェントリー階級(貴族ではないが、広大な土地を所有する地主のような資産家階級)の娘5人の嫁ぎ先探しの話。良い結婚こそが女の幸せ、その為には良いお婿さんを見つけなくては、、という事で躍起になるお母さんや娘達。この段階でもまだ良い結婚というのが、ある程度つりあいの取れた家柄と財産のある、できればもうちょっと良い所とのご縁という事になっている。ただ、18世紀からちょっと進んでいるのが、娘達にも男を観察する力があるんですよ、という事

家柄や財産だけでなく人柄も見なくちゃね、という事で5人の娘達も各々違った角度で結婚/男性を見ている。良いお話なら何でも良いから、、というお母さんのちょっと愚かな愛情も笑える。ここでは次女の目を通して初めの印象=冷たくで高慢で嫌な奴が、だんだん本当はちょっと不器用でお愛想を言えない誠実で愛情深い男だと理解していく過程と、それを受け入れて愛するようになる気持ちの変化が綴られる

そして19世紀半ばに書かれたのがシャーロット・ブロンテの「ジェイン・エア」だ。孤児で叔母にひきとられたジェインは自分の正義を貫く強さを持ち、正しく無いものに真っ向からそう言う事ができる勇気を持った少女だ。子供の頃からのそうした彼女の主張は大人達には時として生意気で、傲慢で、手に負えない偏屈と見なされた。それでも自分を信じる心を持ち続けて、彼女は自分で仕事を見つけ、雇い主である貴族のロチェスターと対等な友人になろうとする。それがお互いに愛情となり、身分も環境も気にせずに結婚という話になったまでは良いけれど、実は彼には気がふれた法律上の妻がいた事を知って打ちのめされる

事実上は妻とは言えない結婚をしていた事をジェインに打ち明けたロチェスターは、法的な結婚はできなくても一緒にいたい、=愛人になって欲しいと愛情込めて訴えるが、彼女はこれを受け入れる変わりに身を切られる思いで館を出る。男の庇護に入るよりも、荒野をさまよって自分の道を探す

このJane Eyreが当時の女性達の間で「生き方のお手本」にまでなったのは、孤児で叔母宅で虐げられて育ったジェインが、それでもきちんと教育を受けたが為に自分の仕事を見つけ、自分一人の足で生きる道を探して行くという女性自立社会の中で新しかったからに他ならない。家も財産も親戚もなくたって、夫や愛人がいなくたって生きて行ける、、、今ではもう当たり前の事が、この当時には初めて世に響いた叫びだったのだ。最期にはジェインはロチェスターと結ばれる。妻の狂行で館が火事になり、妻は彼の目の前で塔から飛び降りてしまったのだ。火事で視力と片腕を失ったロチェスターにジェインは静かに寄り添う事を誓う

自分で選んだものだけが幸せとは限らない。与えられただけのものでも、偶然降って沸いたものでも自分にとって幸せだと思えるものはあるはずだ。大切なのは、それを自分が「幸せだ」と思うかどうかという事。そう思える心があれば、それが何であれ自分から幸せになる事ができる。でも幸せを感じられる心がない人には、どんなにあれこれ与えても無意味なのだ。ましてや「あなたを幸せにします」って・・・おカド違いもいいとこ! 幸せはなるもので、してもらうものじゃないのよね

カサノヴァの愛人達、、、ヨーロッパ中を旅したカサノヴァは、何年も経ってからヨーロッパのあちこちで昔の女性達と再会するけれど、恨みつらみを言う人は、、、ほとんどいないみたいだね



う〜〜〜、、、11月にPassion を観てからちょっと芝居離れ。いや、離れてるわけじゃなくて、劇場に行く余裕が無いのよ!!観たいものもあるんだけど、1ー2月はとにかく£600位必要なので我慢するしか無い・・・そろそろ禁断症状、、、それでもDVDやテレビは観ていたけれど、これ!!というものには出くわしてないなあ〜〜

DVDレンタルで「カイジ」を観た。私は娯楽映画というのはあまり観ない。でもエンターテイメントだから、一時楽しむという意味では安く、あるいは無料で観られるなら参加する。元が人気漫画という事で、本当はもっと生き残りゲームが次々に出て来るのだろう。1本の映画に詰め込むにはもったいないかも。

それにしてもこの映画のキャスティングは結構渋いわ。そこかしこに個性が光ってる人達が多くて面白い。香川照之さん、光石研さんはいいなあ!巧いよ、上手いよ、、さすがだなあ、と思わずにいられない。自分が創った役をちゃんと表現できる役者って、以外と少ないもの、プロだなあ、、と頭が下がる。

天海祐希さんは、私はなんといってもオーラのある女優さんだと思っている。これは訓練ではつかめない。元宝塚のスターだから、なのではなく、このオーラを持っていたから宝塚でスターになれたのだ。文芸作品向きではないかもしれないけれど、カメラのフレームの中で光が出る。(反射板当ててるのかしら、、?)あと彼女の声が好きだ。舞台でも通る声が、高低、強弱のメリハリがきいていて、滑舌が冴える。これは技術だ。だから台詞がはっきりと耳に入って来る、これは気持ちが良い。娯楽作品だからこそ、こういう耳に気持ち良い音が楽しめるんだよね。

主演の藤原竜也くんは、最近なんだか声に力が無い、、、身毒丸の復活を観た時は舞台でそれほどには思わなかったけれど、最近の彼はドラマでも声が掠れて苦しそうに聞こえる事が多い。去年の「ムサシ」も、友人は「精鋭を欠いてたね、風邪でもひいてたんじゃない?」と話していたくらい。声量が、声の高低がコントロールできない声・・・これは聞いていてとても苦しい。(実はしゃべっている役者本人が一番苦しい、、?)風邪をひいたり、喉を痛めて声が無くなった時の芝居程、自分でコントロールできないものはない。だた、風邪は1週間で治るけれど・・・・「おじいちゃんは25歳」ではそれがむしろ爺臭さになっていて、昭和の職人っぽい空気にうまく乗せていたけれど、それでも時々気になった。声で自在に演技ができないのは致命的だ、これからどうなっていくんだろう、、、??とても楽しみにしている役者なのだけれど、、

面白かったのは「Amelieずっと観たいと思っていて、やっとDVDの順番が来た、というカンジ。これも波長が合うフランス映画のひとつ。ちなみにやっぱりDVDで「リプリー=The talented Mr Ripley」も観たけれど、これも昔のフランス版、アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」のほうが叙情的なサスペンスに仕上がっていた。久しぶりに観たくなったなあ、アランドロン、、、「冒険者たち」とかすごく好きだった。

だからというでもなく、木曜からパリ! 今回は2泊だけなので駆け足だけど、パリで両親と合流できるというもの最期の機会だろうし・・・今までパリといえばいつも一人だったけど、今回は彼も一緒。いつものようにはいかない、、、か、、?? お天気さえ良ければ多少寒くても良いよ。今回はオペラ座を観に行こう!

最近はめっきりテレビを観る事も少なくなった。こちらのテレビで面白いドラマに巡り会える事はとても少ない。まず、日本のテレビ番組のように、時間枠で決まっていないからだ。いつ放映なのかを把握するのが難しくて、気付いたら見逃してしまったといった具合・・・

だからもっぱらDiscoveryとかNational Geographicとか、History Channnelを観る事が多くなってしまう。あ、あとFood Channnelもね。「事実は小説よりも奇なり」というのは本当で、犯罪の検証とか飛行機事故の原因解明とかといった番組が面白い

ただ、そのドキュメンタリーと呼ばれる番組の信憑性はどう判断すれば良いのだろうか、、?知らなかった事を知るというのは楽しいしエキサイティングだ。でも知らなかった事がどこまで正しく真実なのかは、元々知らなかった側としては知る由もない

何故こんな事を考えたかというと、先日テレビ放映された「The Cove」を観たからだ。The cove=入り江において秘密裏にイルカの大量殺戮が行われているという日本の小さな町を取り上げた去年のアカデミー賞受賞作だ。日本ではアカデミー授賞式のテレビ中継からドキュメンタリー部門がカットされ、インタビューされた科学者は「聞いていた趣旨と違う」と出演シーンのカットを要求し、何度が予定された映画公開は次々と延期/キャンセルになり、ようやく今月から順次に公開されはじめているらしい。(それでも全国一斉ロードショー!とはほど遠いとか)

この映画の内容の賛否両論を言い始めたらきりがない。こっちの普通とあっちの普通の違いは簡単には埋まらないからだ。年間に2万3千頭ものイルカが太地で殺されている、、、彼等がスパイ大作戦よろしく撮影したものだから、これは事実なのだろう。そしてその事をほとんどの日本人が知らないというのも事実。ただこの映画、そこから先が無いのだ。

のっけから「これがバレたら俺たちはマジで殺される」と言いながら大きなマスクと帽子で顔を隠して車で移動している極秘撮影隊。映画の作りが「秘密暴き」に傾いていて、深い問いかけが見えて来ない。「可愛い可愛いイルカ達をこんなに残酷に殺している」という事をやたら同情的に見せている。水銀の含有量の多いイルカ肉を食品として売っている、というのを水俣病と合わせて紹介しているけれど、同じ水銀でもイルカ肉と工場廃棄物ではなんだか比較するのがちぐはぐだ。

この事実をどこにどうぶつけて、どう対処しろと言いたいのかがはっきりしない映画で、正直期待していたよりも映画としても面白く無かった。「日本政府はこの事実を隠蔽している、日本国民も騙されている」と言いたいのか、だとしたら誰にそれを言いたいのか?日本の人に事実を知って欲しいというなら、日本で上映がされないような映画じゃ意味が無い。それとも世界で公開して話題にする事で、捕鯨業と合わせて「日本叩き」のプロパガンダにしたかったのか、、、?

そして日本側の対応もはっきりしない。真正面から映画を見せて、「これは違う!」と討論する構えがない。フタをして公開を先延ばし/限定にすればいいというわけじゃない。警察ぐるみで撮影隊を追い出そうとするシーンがサスペンスタッチで描かれていたけれど、太地町/日本側として理にかなう言い分があるならきちんと映画に対して抗議するべきだ。「臭い物にはフタをする」という日本御得意の逃げなのか・・・?

「こんなに残酷な事をして、その事実を隠蔽しているなんて酷すぎる、、可愛いイルカ達が可哀想、、、、」と涙して、胸を痛める人もいるのだろう。でも私はそれすらも感じなかった。確かに現実にカメラに収められた映像は衝撃的で一瞬言葉を無くす。でも次に思ったのは、映画制作側/日本側両方に対しての「だから、、何?」だった。いったいどうしろって言いたいの?

イルカを殺すのを止めろと言われたら、日本側(というよりこの場合は太地町のみなんだけどね、他の日本人は知らないんだから)は何故イルカを殺さなければならないのかを、きちんと納得出来るように説明できなければいけない。できないなら、殺さなくて良い方法を提示して理解を求めるべきだ。本当に人体に害が出る程の水銀入りの肉が市場に出回っているのか、消費者団体は徹底的に調査して、この映画の裏付けを取るべきだ。もしそれが誇張ならばきちんと反論して映画を訴えればいい

「なんだかここから何処へも向かって行かないような作りの映画だなあ〜」というのが正直な感想。これがアカデミーだけでなくいろんな映画祭で賞を獲ったというのもなんだか腑に落ちない。他にドキュメンタリー映画は創られなかったのか、、? 

しっくりしない映画。日本公開での反応はいかかでしょう??


朝いつものようにMacをオンにすると、ネットのホームページにしてあるGoogleにアジア人らしきおじさんが・・・ 映画を撮ってるらしい絵になっていた

手塚治虫さんに似てるな」とちらっと思っただけで、単に映画をモチーフにしたdoodleだと気にも止めなかった。ちなみに私のブラウザのホームページはGoogle ukで、日本のページではない。だからDoodleに日本人が描かれているとは思いもしなかった

今日は休み、彼は相変わらずバスルームで作業をしているので、私は私で洗濯したり休みの日に大量のカレーをまとめて作り置きしておこうと準備をする。そのうち、彼が作業しながらつけていたラジオから「・・・アキラ・クロサワ・・・Seven Samurai・・・Ran(乱)・・・」等々聞こえて来た。あれ、、?もしかして映画監督の黒澤明さんの事・・??

何だろうと思ったら、今日は黒沢監督が生きていれば100歳の誕生日だったのだそうだ。それにちなんで、いろんな新聞でも黒沢監督の事がちょっと記事になっている。へえ〜〜、100回目の誕生日にちなんでDoodleを監督のイラストにしてくれたんだあ〜〜!

単に世界的に有名というだけでなく、世界映画界に影響を与えた監督として海外からの評価を受けているというのは本当に凄い事だ。私が黒沢監督の映画を観たのなんて本当に最期の方の時期で、(「」以降)7人の侍羅生門もずっと後になってから観たのだけれど、今でも世界映画界から忘れられずに認識されているというのは大きな功績だ

まあ考えてみれば、どんな国にも歴史的の名を残す人というのは必ずいるわけで、日本人でそういう人がいたっておかしくはない。でもやっぱり数としては少数だからねえ〜。ただ有名になったというだけでなく、新境地を開拓した存在として世界から尊敬されているというのは素晴らしい事だ。

」を初めて観たのはイギリスに来てからだった。かなりの入りでいかにも映画好きといった人達が集まったシネマで「リア王」をアレンジしたこの映画を観た時は、リア王(シェイクスピア)の本家イギリスでどう受け入れられるのかと思ったら、なんと、映画が終わってエンディングクレジットになると場内から大きな拍手が起こった

映画館で拍手が沸いたというのは私には全く初めての出来事だったので、びっくりしたものだ。実際映画館で拍手を聞いたのは、この時を含めて2ー3回しかない。確か黒沢監督は亡くなる前にアカデミー賞のLifetime Achievementを受賞したはずだ。今でも、黒沢監督に影響を受けたと語るハリウッドの映画監督も大勢いる。 今更ながら世界のクロサワを再認識した

昨日観て来たジェレミー・アイアンズ主演のThe Gods weep、レビューでは本について厳しい批評もあったけれど、私としては面白かった。「リア王」をモチーフにした本で、構成としてはやはりシェイクスピアを意識している。裏切りと復讐、そして崩壊、赦し、、、3時間だけど飽きなかったし台詞のユーモアにも笑えた

Jeremy Ironsはすごく細身の人だけれど、映画では見えないオーラがある。やっぱり巧いね。役者はやっぱり愛嬌だね。愛嬌のある役者の演技は愛すべきものがある。それにしてもこの劇場はスタジオスペースなので、最前列にいた私の30cmの所に役者が立っている。一歩よろけたら足を踏まれそうな感じだった。そんな距離にアカデミー賞受賞俳優が立っているというのもなんだか不思議な気がした

かなりバイオレントなシーンもあったし、途中で出て行った人達もいたようだけど、私的には面白かったと言える。RSCはカンパニーだからチームワークの良さがあるんだよね。役者の力量は細部にわたって素晴らしかった

明日にはバスルームが終わりますように・・・キッチンのライティングは来週に持ち越しになりそうだあ〜〜〜!





あれよあれよという間にもう一月も終盤、、、!! 日が照らない日が多いと、なんの記憶も残らないままに1ヶ月が過ぎてしまう。あ、、記憶あるよ、、雪降ったね〜!! (これだけ、、?)

クリスマス前から借りっ放しだったDVDをやっと返したら、早速次が送られて来た。私の利用しているオンラインレンタルは、£7-96でDVD4枚まで借りられる。(一度に1枚)このクレジットは3ヶ月有効で、4枚分使った時点で、あるいは全然借りてなくても3ヶ月でまた同じ値段が更新される。まあ3ヶ月で4枚というのは他のどのレンタルサイトよりもゆったりしていて無理がない。他は最低でも1ヶ月に2枚とかだったり、安く借りようとすると月に8枚くらい借りないといけなかったりで、私はそれほどヒマではない・・・!

で、今回送られて来たのが「Love And Honour」というタイトル・・・覚えが無い、、!! DVDは本体だけが送られてくるのでパッケージがない。借りたいリストに載せたのをちゃんと覚えていないというのはよくある。で、セットしてみると、、、「武士の一分」だった。あれ〜〜、、、ホントに覚えてないよ〜リストに載せたの・・・

木村拓哉さんが主演で結構日本では評判になった山田洋次監督の映画だ。これがこっちでLove and HonourなんてタイトルでDVDになってた事も知らなかったのに、、、?? でも多分以前にレンタルサイトでリストを再チェックした時にたまたま見つけて載せておいたのだろう。

このレンタルのリストっていうのも、自分がその時に何に目がいっているかのバロメーターになる。何かでちょっと気になった俳優とか監督を見つけると、とにかく観たくなってリストに載せる。でも時が経つうちに今度は他のものに目がいって、そっちが観たくなる、、、で、リストを一掃するのだ

以前「バベル」を映画館で観て、ブラッド・ピットが観たくなって何本かリストに載せた。そのうちある時急にイザベル・アジャーニを観たくなり、そういえば、、とルキノ・ヴィスコンティ監督の作品が無償に観たくなったり、フランス映画ばっかり並べたり、、、、 たまに「日本の映画はどんなのがあるんだろう?」と検索してみたりして、「ピストル・オペラ」とか「不夜城」も観たなあ〜。「武士の一分」も日本映画を検索していてリストに入れたんだと思う

DVDは1つ返却すると,すぐに次のがリストからピックアップされて送られてくる。観たい順は完全にはつけられないけれど、3段階に分けられるので、「次に観たい」ものをに入れて他を全部にしておくとDVDが空いてる限りはその順でくる。1の中にいくつか入れておくとその中から適当に選ばれる。そういえばリストの整理を最近していなかった

ちょっとチェックしてみると、次に送られてくるのは、「The Last of England」今は亡きデレク・ジャーマン監督のもう20年以上前の作品だ。これを私はエジンバラ・フェスティバルで観た。デレク・ジャーマンティルダ・スウィントンもこれで初めて知った。ティルダの両性的/中性的な魅力に惹かれて、彼女が男/女を演じた一人芝居の舞台を観に行った。殆ど忘れかけてたこの作品、何故かまたちゃんと観たくてチェックしたんだっけ。

ちなみに私の中ではベルサイユのばらでオスカルを演じられるのは、彼女=ティルダ・スウィントンしかいない。中性的なだけでなく、179cmの長身で、冷たい/氷のような気高さと女としての温かい表情、上流家庭の出でありながらリベラルで奔放な生き方、なにより本当にスコットランド王の血を引くノーブルな気品はただの女優では到底出せない

その他はジョニー・デップヘルムート・バーガー(ルキノ・ヴィスコンティ)坂本龍一教授が音楽を手がけたLove is the Devil、ハリー・ポッターの4作目なんかが並んでる。私が映画を選ぶ目安にしているのは年齢指定だ。こちらでの指定で15歳以上のものが9割を占める。この映倫の指定でだいたいの見当がつくからだ。たいてい15か18のものしか観ない。ちなみに日本では問題ない映画でも暴力的なシーンがあったりするとこちらでは即18扱いになってしまう。「バトル・ロワイヤル」もそうだった

ちなみに「武士の一分」、可もなし不可もなしといったところか、、、山田監督の映画なので「たそがれ清兵衛」と似た匂いがする。地味な映画だけれど、温かい。木村拓哉さんは役者ではないので、演技的にはこれまた可も無し不可も無しだけれど、剣のシーンは身体が綺麗に決まっていた。・・と思ったらキムタクさんは剣道をやっていたのね。どうりで、、、説得力あったよ。嬉しいオドロキだったのが、緒方拳さんが出ていた事。これは知らなかったので、思わず「拳さんだ〜!」とテレビに向かってつぶやいてしまった

今年はちょっと金銭的に芝居を観に行くのも月一がやっとかなあ〜〜 映画はそれこそDVD待ちになりそう。クリスマスに公開された「Nine」が気になる。キャストもそうだし映画としても。今年に入ってまだ何も観てない。芝居のほうは今月末の「ゴドーを待ちながら」(イアン・マッケルン)が今年初のシアターだ。3月にはジェレミー・アイアンズが20年振りにRSCの作品に出るし、5月には「ムサシ」も来るし、またチケットチェックしなくては・・・

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3連休なんてあっという間。でもこのあいだに観たかったのが今月封切られた新しい「Dorian Gray」。オスカー・ワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」の映画版だ。今までにも映画やドラマ化されているこの作品、今回のドリアン役はナルニア国物語のカスピアン王子に抜擢されたベン・バーンズ(Ben Barnes)君だ。ドリアンに快楽主義を教え込むヘンリー卿にコリン・ファース(Colin Firth),ドリアンの肖像を描く画家のバジル役にはベン・チャップリン(Ben Chaplin)という配役

これはやっぱり原作が良く知られているので、映画の中で特に目新しい事が出て来るわけじゃない。でも今回は話を20年後までひっぱっていて、ヘンリー卿の娘とドリアンの新しい関係という図も入っている。気になったのは肖像画のCG、、、せっかくヴィクトリアン調の色で話が進んでいったのに、ちょっと最期はやり過ぎかなあ〜〜・・・?

私としては、このテの堕落した快楽主義エロティシズムの匂いがする映画は好きだ。だけど何かが出し切れてない感じ・・・?それなりに仕上がってるし観ていて面白いんだけど・・・一応R15指定でかなりエロティックなベン君が良い顔をしてるんだけど、ドリアンの心の葛藤がうまく見えて来ない。前半のロンドンに出てきたばかりの無垢でナイーヴなドリアンは凄く良い。

ベン・バーンズ君はBeautifulという顔立ちとはちょっと違うんだけど、初々しくてハンサムだ。そして品がある。それとは反対にまたに落ちた顔というのが良い。これは前から思っていた。悪魔的表情が「良い顔」なんじゃないかなって。ただ、この映画の中ではすごく良い顔をしている時とすごく平凡にしか見えない時がばらついてる。絵として決まる時と抜けてる時があるって言えば良いのかな・・・そういう意味ではこれからもっと自分を見せていけるようになっていくと期待したい。まだ固まってない部分があるっていうのは悪い事じゃないよね

イギリスの役者は、いわゆる上流階級を演じられる俳優というのはある枠があって、英語の話し方/発音、立ち居振る舞い等で或る種のものが求められる。クラシックな映画に常に顔を出す役者がある程度固まってるのはその為だ。これは演技力という事ではなくて、今でもイギリスに歴然と存在している階級の問題。貴族を演じる役者はそれなりに見えなくちゃいけない。それは労働階級出身の貧乏役者には醸し出せないものなのだ。上流階級常連の役者達、例えばこの映画でヘンリー卿を演じたコリン・ファース、他にもナイジェル・ヘイヴァース、クリスティン・スコット=トーマス、ヘレナ・ボーナム=カーター、彼等は皆それなりの家庭/教育のバックグラウンドがある中流以上の出の役者達だ。ベン君もこの映画の前にEasy Virtueで上流家庭の息子を演じたし、(両親役はコリン・ファースとクリスティン・スコット=トーマス)これ以降もクラシック俳優の仲間入りをしていくんだろうな

この映画で光ってるのはヘンリー卿のコリン・ファースと画家バジル役のベン・チャップリンだ。この2人とドリアンの絡みがなので、これは外してない。特にコリン・ファースは最近の作品で一番良いかもしれない。「またいつもの感じかなあ〜、、」と思っていたのだけれど存在感抜群だ。最初の恋人、シビル役のレイチェル・ハード=ウッド(Rachel Hurd-Wood)の透明感も凄い。彼女は「ピーター・パン」のウェンディー役でデビューしてまだ10代だ。彼女のクラシカルな女優の仲間入り間違い無しかな。オフィーリアとかもやれそうだけど、、、、

役者達は手堅かったけど、やっぱり肖像画の使い方がイマイチだった感が否めない。屋根裏部屋の絵っていうのはもっと不気味なものを醸し出せるはずなのに、ヘンにCGで大袈裟にし過ぎた感じがする。無理しないでクラシックな作りでよかったのに・・・・

もう一度ちゃんと本で読んでみようかな。英語では読んでないな、、、
そういえば、ブログに書くのはとばしたけど、先週舞台版のThe Shawshank Redemption(ショウシャンクの空に)を観てまた映画をちゃんと観たくなった。良い舞台だったし、役者達は隅々まで力のある人達で固めてあって見ごたえあった。でもやっぱり映画以上の発見がなかったのが残念かな。これは春に観た「レインマン」もそうだった。ドラマとして良い話だし、役者達も良いんだけど、舞台を見終わった途端に映画で観たくなったんだよね
「Dorian Gray」は原作本が読みたくなったよ・・・・


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うわ〜、、、なんて言えばいいんだろ?
この、、、突っ走ったかんじ、、? 激しさと躍動感と疾走感、、? まさにむきだしだ。なんだかざわざわと揺さぶられる

愛のむきだし」というタイトルだけですごく気になっていた映画。それでなんと4時間の大作でベルリン映画祭で賞をとったという事を聞いて是非観たいと思ってた。実はイギリスでは配給が決まってて10月末だかに上映されると聞いていたので、日本ではもうDVDになってるのは知ってたけど待つつもりだった。でも一足早く観る事ができた

母亡き後、カソリックの神父になった父=テツと静かに暮らしていたユウだが、その父に一方的に恋心をぶつけてくる女、カオリの出現で歯車が狂い始める。父は教会に隠れてカオリと過ごすが3ヶ月で捨てられる。傷心のあまり心を閉ざしたテツはそれから毎日ユウに懺悔を強要する。「何か必ず罪があるはずだ」と毎日責められる事に困ったユウはわざと悪事をして懺悔のネタを作る。そしてデジカメを使って密かに女の子のスカート下からパンチラ写真を盗撮する日々を送るようになる。そして出会ったのが男を全く信じていないヨーコ。ユウは一目で恋をする。ところが彼女は父と復縁したカオリの連れ子だった・・・親子4人として暮らし始めたユウ達の前に謎の新興宗教団体が現れ、幹部のコイケは巧みにユウに近づいて一家を教団に洗脳入信させようとしていた・・・妹になったヨーコを自分の只一人のマリアと信じて愛を貫ぬくユウは、彼女を教団から無理矢理連れ戻そうと戦い始める。

映画って予告編だけで大抵予想がつく。ストーリーや結末の予想じゃなくて、私がこの映画を好きかどうかという予想。予告編を観て私の映画(タイプ)だと確信があった。ただ主演の若い俳優達は私は全く知らなかったので,どこまで説得力のある演技になっているかが未知だった。でも、ユウ役の西島隆弘君もヨーコ役の満島ひかりさんも凄く良い。特に満島さんのクールで可愛くてそれでいて激しくてむきだしの演技にはびっくりした。揺さぶるものがある

タイトルがむきだしの愛じゃなくて、愛のむきだしっていうのがほんと、そうじゃなくちゃいけないタイトルだと納得。4時間が全然長く無い。無駄もないし。カソリック=信仰、罪の認識、パンチラ盗撮、たった一人のマリアとの出会い、レズビアン、新興宗教、洗脳、奪回、心の崩壊、、、 盛り沢山のようでいて実は一つの糸にちゃんと繋がってる=純愛だ。どんなパンチラ写真にも性欲が沸かない主人公が、唯一ヨーコを観ると身体が反応してしまう、というところに監督の純愛へのこだわりが感じられる。そのたった一つの愛を手に入れるまでのストーリーだ

こんなに胸にざわめきを感じる映画は久しぶりだ。深作監督の「バトル・ロワイヤル」以来かも・・・前半はわりとポップな感じですいすいと進んで行く。始まってからかなり経って(1時間近く)ヨーコ登場の後にいきなりタイトルの愛のむきだしという字が画面に踊り、そういえばまだ出てなかった事に初めて気付く。アクションがなかなかカッコ良い!そして後半はどんどんいろんな物がはがれて文字通りむきだしになっていく。 ユウ、ヨーコ、コイケ、そしてテツとカオリ、各々のキャラクターをちゃんと時間をかけて見せていたので、各々がむきだしになっていく様だけで5通りのストーリーになっている。

海辺で「愛」についてヨーコがまくしたてる、聖書から引用の長ゼリフのシーンは圧巻だ。ユウに馬乗りになって、本当の愛は何か、愛がなければどんな慈善も無意味だと延々と叫ぶように語る。このシーンでは新興宗教に洗脳されているという設定なので、そのちょっとズレた勢いがよけいに迫力がある。バックに流てるのがベートーベンの7番っていうのがまたすごい選択。私も新訳聖書のコリント人への手紙の章にあるこの愛のくだりは学校時代に何度も何度も読んだ。(私の通っていた学校はキリスト教校)

愛は寛容であり、愛は情け深い、またねたむ事をしない・・・で始まり、愛はいつまでも絶える事が無い までのこの一説は、中/高生の頃にはまるで不可能な事としか思えなかったり、どうにかしてその真意を理解しようと躍起になってみたり、完全な理想論のように読み過ごしてみたりしていた。この映画での愛は理想論ではなく、たとえ失っても戦って力ずくで奪い返すもの、すべてをむき出しにして手に入れるもの

途中で、最期はどうにもならない、という結末になるんじゃないかと不安になったけれど、監督はちゃんと最期は赦しを与えていたのでホッとした。それにしても新興宗教とカソリック、罪を作るためにわざと変態になろうとするユウと、自分の罪はむき出しに出来ない代わりに息子に毎日懺悔をさせて赦しを与える父親、という対照的な宗教観がの価値観を変えているのが巧妙だ。パンチラ写真に全く興奮できないユウと、自分はレズビアンだと錯覚してコイケと絡み合うヨーコの純愛/変態ぶりがあるがままの正直さで描かれてる。う〜ん、むきだしとはホント良く付けたタイトルだ

映画の中でも何度か出て来る空洞というキーワードを使った主題歌「空洞です」とラベルのボレロが繰り返し使われているけどこれもすごく効果的。盗撮王子のシーンでのポップな感じと話がヘビーになるにつれての重厚な音のリズムがバランス良くて長さを感じない。海辺でのシーンと最期でも使われたベートーベンといい、ホント監督のセンス良いわ!!

なんだかうまくスラスラっと言葉が出て来ない感じ。でも久しぶりに揺さぶられる映画だった。満島ひかりさん、良いね! 実際に10代なのかと思ったらもう23なんだ・・・ああいう演技を一度しちゃうとこれからがきついだろうな〜と思うくらい持ち札を全部さらけ出してる感じだ。2度目はできなかったかもしれない一瞬の演技を撮れるところが映画の凄い所だよね。海外受けする映画だと思う。私の予感通り、すごいものを観た感じ

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ホントは今日はRED CLIFFを映画館で観て来ようかな、と思っていたのだ、、、 ところが朝からほぼ2時間毎に猛烈な雷雨がやってきては去り、また来ては去り、の繰り返し。休みの日にウェストエンドまで出ると一日潰れてしまう、おまけに今日は他に都心でなきゃ出来ない用事もないから、時間と電車代を考えるともったいない。

で、代わりというか、6月にDVDが発売になったはずの「K−20怪人二十面相・伝」がネットに上がっていたので今日はこれにしよ!っと決めた。北村想さんの原作は去年読んだけれど、映画は別物のオリジナルに近いというのは予想していた。金城武、松たか子、仲村トオルというお三方の組み合わせはとても楽しみだった。

痛快だねえ〜〜! 私は基本的に娯楽映画ってあまり観ない。007だって映画館で観たのは1本だけだ。でもこれは映画館で観たかったなあ〜。使い過ぎじゃないCG加減が丁度良い。全体がすごく昭和っぽい匂いがしてるあたりは、さすがに「Always,,,」のスタッフチームか・・・ この画面の色のトーンが絶妙。原作が持っていた時代の空気を壊さずにそれでいて映画独自のストーリー展開。脚本も単純な中に伏線もあって面白い。

私は途中で小林少年がなんだか変だなと思ったのだけれど、まさか明智の二役だったとは! 仲村さ〜ん、また犯人だったのね・・・ それにしても鹿賀丈史さんの二十面相は全くのミスリード、、?まあ「鹿賀さんじゃ走れないでしょ〜,,アクション無理でしょ〜、、」とは思ったのですけどね。大人の遊び心が随所にあって単純に楽しめる映画だ。金城さんのアクション映画も久しぶりだけど、ほんとに違和感なく決まってる。ヘリからの縄梯子にぶら下がって高笑い(無理矢理)してカッコ良く決まる人って他にいないよね。やっぱり金城武さんには独特のスケールがあるなあ〜。

原作を読んで面白かったのが「泥棒修行」だったのだけれど、このシーンもワクワクした。どんな障害物があろうとも一直線に走るっていうのは映像にすると実は結構スケールが大きい。実は私は子供の頃に「忍者修行」というのをやろうとした事がある。多分小学生の4年生位の時だ。何かは忘れたけど、忍者ごっこが流行ってたんだと思う。雑誌の夏休み特集で「忍者修行」というのがあって、毎日のノルマが載っていた。塀の上を歩くとか、足音を立てずに畳を走るとか、まあ子供向けのそんな修行プランが載っていたのだ。成長の早い葦の草地を毎日飛び越えると4週間程で軽々と塀まで飛べるという事らしい、、、??確か3−4日で挫折した

松たか子さんの葉子はなんとなく想像してたとおりのキャラだ。こういう、世間知らずなのだけれどしっかり者のお嬢さんというのは松さんのハマり役じゃないだろうか。ちょうど「金城さんと松さんのコンビも観てみたいかも」と思っていた所にK−20の話を聞いてびっくりしたっけ。衣装もウェディングドレスや黒のドレス他コスプレみたいにくるくる変わって可愛い。明らかにズレてる明智との関係もよく観ていれば種明かしのヒントだったかもね。仲村さんの明智がちょっとニヒルで嫌みっぽいのは原作のイメージ通り。そこが盲点だったんだけど、ラストを判らせない用に上手く生かされてる。

衣装やセットの色や明るさがすごく効果的に使われている。音楽もいつの間にか耳について覚えてしまってるカンジ。娯楽映画の楽しさってこういうものだよね。観ていて爽快感が味わえる。そういえば原作でもラストは明智、怪人共に二代目になる。そこに上手く結びつけたあたりも上手い。金城さんのポニーテール(というよりちょんちょこりん)良いわ〜〜 好きだなあ〜,男の人が髪を結んでるのって。あれ?前にそんな話しブログに書いたっけ・・?(そうだ、ここです)

これはやっぱりDVD買っちゃおうかな。日本版で3000円ちょっと。香港版だとこっちでは英字字幕入りで安いけど、あるサイトでチェックしたら香港版のDVDは本編107分ってなってたよ、、?日本版は137分なんだけど・・・

Red Cliffは来週までやってるだろうか? アジア諸国と違ってこっちでは言われていたとおり、1本2時間半に圧縮しての公開だ。どんなもんかと思ってレビューをチェックしてみるとこれがかなり良い。どこもほとんどが星4つ。ややこしい歴史的筋書きよりも、少数が大軍に立ち向かう頭脳戦、そしてジョン・ウー監督得意のスペクタクルな戦闘シーンをメインにしてうまくまとめてあるようだ。金城さんとトニーさんの演技も高く評価されてる。来週までやってたら行ってこよう。

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