去年上演されていた時は、「トトロか、、子供向けのファミリー劇場かな」と思ってスルーしていたら、なんと舞台は大絶賛されて、イギリスのいくつもの演劇賞、さらにローレンス・オリヴィエ賞で6部門を受賞(ノミネートは9部門)という快挙になった。
再演が決まったというので、やはりこれは観ておこうとチケットを取った。お高いけど、、、!
劇場はバービカン、久しぶりだな〜。 ここは蜷川幸雄さんがいつも日本からの芝居をひっさげてきた劇場だ。(ここだけじゃないけど)今や中年俳優の域に足を踏み入れつつある藤原竜也さんも、デビュー以来何度も踏んでいる舞台。「もうここで蜷川さんの芝居を観ることは無いのかな」と思うとちょっと寂しい。
それにしても凄い人だ。フォイヤーも売店も人が一杯。座席に着いてさらにびっくり、この広いバービカンが端から上まで埋まっている! カンバーバッチ氏のハムレットの時みたい、、、、すごいぞ、スタジオ・ジブリ。去年の評判で来た人たちに加えて海外からのお客さんも多い様子だ。
このバービカンの舞台は広い。だから壮大な空気感を出せるし、セットも大掛かりなものができる。「となりのトトロ」の話は私は全く知らなくて、姪っ子がまだ2−3歳の頃にぬいぐるみを持っていたので容姿は知っていたけれど、実は「トトロは大きい」ということを2年前くらいまで知らなかった、、、、
お母さんの胸の療養のために東京から田舎に引っ越してきた一家。古い家には何やら不思議なススワタリという黒い埃・煤のようなものがたくさん蔓延っているが、これは子供であるさつきとメイにだけ見えている。このススワタリもそうだし、トトロも「子供にしか出会えない」という生き物で、日本特有の神秘的な自然崇拝や都市伝説のようなイメージを持っている。二人の姉妹と村の人々、大学教授の父、不器用な男の子、病気の優しいお母さん、、、と心温まるキャラクターが揃ったところに、森の不思議な生き物トトロ。まさにファンタジーなのだけれど、これが結構現実的なストーリーだ。あちこちのシーンで起こる拍手に笑いや静けさ、それは見ている人が誰であろうと、心のどこかに共鳴するものを持っているからだ。
セットの巧みさに思わず唸る、、ちょっと蜷川さんのマネもあるかな、とさえ思ってしまう。製作は天下のRSC=ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなので、芝居の質の高さは言うに及ばずだ。「子供向け」感がほとんどなくて、しっかりとした舞台演劇として作られている。役者たちもオーディションで選ばれたアジア系の人たちが「古き日本」の雰囲気を出していて素晴らしい。
役者たちには日系の名前が多い。日本からの海外公演ではなくて、芝居は全て英語盤なので、バイリンガルか日系、アジア系の役者さんたちにチャンスがあったのは素敵なこと。アジア系の役者たちはまだまだ舞台で活躍できる場が少ないので、本当に良いチャンスだったと思う。12歳と4歳という設定のさつきとメイは子役ではなく二人とも大人の役者が演じている。これはオーディションの際に、微妙な気持ちの変化や素直な思いをきちんと形にして表現するには。子役ではなく大人の役者の技量が必要と判断してのことだったようだ。役者さんはお二人とも30歳となっているけれど、しっかりとちゃんと子供を演じていて、素晴らしかった。
舞台上に生演奏でテラスのような場所から音楽を演奏するのも素敵な演出だ。なぜか歌を歌う場面は歌詞が日本語だった。でもそれでも伝わる、ということなのかな。(アニメの中での歌なのか、それが世界中で知られているのか、私にはわかりませんが)
楽しくて、舞台芸術の可能性をたくさん観られる舞台だった。満杯の観客は最後のカーテンコールでは総立ちで、こんなに大きな完成と総立ち拍手はロンドンでは珍しい。でも本当に楽しかった!
そして、次には日本で大評判になったという「千と千尋の神隠し」がロンドンにやってくる。4月からの限定公演はあっという間にチケットが飛ぶように売れたらしく、夏までの延長が決まった。私も4−5月のチケットがあまり良い席がなくてどうしようと思っていたので、延長になった7月末のチケットで前方ど真ん中を取ってしまった。なんと!£170ですよ、、、!!しかも週末はもっと高い!
ロンドンの芝居も本当にお高くなってなかなか厳しいけれど、やっぱり良い作品を見ると幸せなので、これが私の贅沢と思っている。
再演が決まったというので、やはりこれは観ておこうとチケットを取った。お高いけど、、、!
劇場はバービカン、久しぶりだな〜。 ここは蜷川幸雄さんがいつも日本からの芝居をひっさげてきた劇場だ。(ここだけじゃないけど)今や中年俳優の域に足を踏み入れつつある藤原竜也さんも、デビュー以来何度も踏んでいる舞台。「もうここで蜷川さんの芝居を観ることは無いのかな」と思うとちょっと寂しい。
それにしても凄い人だ。フォイヤーも売店も人が一杯。座席に着いてさらにびっくり、この広いバービカンが端から上まで埋まっている! カンバーバッチ氏のハムレットの時みたい、、、、すごいぞ、スタジオ・ジブリ。去年の評判で来た人たちに加えて海外からのお客さんも多い様子だ。
このバービカンの舞台は広い。だから壮大な空気感を出せるし、セットも大掛かりなものができる。「となりのトトロ」の話は私は全く知らなくて、姪っ子がまだ2−3歳の頃にぬいぐるみを持っていたので容姿は知っていたけれど、実は「トトロは大きい」ということを2年前くらいまで知らなかった、、、、
お母さんの胸の療養のために東京から田舎に引っ越してきた一家。古い家には何やら不思議なススワタリという黒い埃・煤のようなものがたくさん蔓延っているが、これは子供であるさつきとメイにだけ見えている。このススワタリもそうだし、トトロも「子供にしか出会えない」という生き物で、日本特有の神秘的な自然崇拝や都市伝説のようなイメージを持っている。二人の姉妹と村の人々、大学教授の父、不器用な男の子、病気の優しいお母さん、、、と心温まるキャラクターが揃ったところに、森の不思議な生き物トトロ。まさにファンタジーなのだけれど、これが結構現実的なストーリーだ。あちこちのシーンで起こる拍手に笑いや静けさ、それは見ている人が誰であろうと、心のどこかに共鳴するものを持っているからだ。
セットの巧みさに思わず唸る、、ちょっと蜷川さんのマネもあるかな、とさえ思ってしまう。製作は天下のRSC=ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなので、芝居の質の高さは言うに及ばずだ。「子供向け」感がほとんどなくて、しっかりとした舞台演劇として作られている。役者たちもオーディションで選ばれたアジア系の人たちが「古き日本」の雰囲気を出していて素晴らしい。
役者たちには日系の名前が多い。日本からの海外公演ではなくて、芝居は全て英語盤なので、バイリンガルか日系、アジア系の役者さんたちにチャンスがあったのは素敵なこと。アジア系の役者たちはまだまだ舞台で活躍できる場が少ないので、本当に良いチャンスだったと思う。12歳と4歳という設定のさつきとメイは子役ではなく二人とも大人の役者が演じている。これはオーディションの際に、微妙な気持ちの変化や素直な思いをきちんと形にして表現するには。子役ではなく大人の役者の技量が必要と判断してのことだったようだ。役者さんはお二人とも30歳となっているけれど、しっかりとちゃんと子供を演じていて、素晴らしかった。
舞台上に生演奏でテラスのような場所から音楽を演奏するのも素敵な演出だ。なぜか歌を歌う場面は歌詞が日本語だった。でもそれでも伝わる、ということなのかな。(アニメの中での歌なのか、それが世界中で知られているのか、私にはわかりませんが)
楽しくて、舞台芸術の可能性をたくさん観られる舞台だった。満杯の観客は最後のカーテンコールでは総立ちで、こんなに大きな完成と総立ち拍手はロンドンでは珍しい。でも本当に楽しかった!
そして、次には日本で大評判になったという「千と千尋の神隠し」がロンドンにやってくる。4月からの限定公演はあっという間にチケットが飛ぶように売れたらしく、夏までの延長が決まった。私も4−5月のチケットがあまり良い席がなくてどうしようと思っていたので、延長になった7月末のチケットで前方ど真ん中を取ってしまった。なんと!£170ですよ、、、!!しかも週末はもっと高い!
ロンドンの芝居も本当にお高くなってなかなか厳しいけれど、やっぱり良い作品を見ると幸せなので、これが私の贅沢と思っている。