あまり世の雑学には長けていないうちの彼が、「ロンドンのタクシー(Cab)はいつでも干し草の俵を乗せておかなくちゃいけないんだ」と言う・・・・
はあ〜?、、なんのこっちゃ?! と聞き返すと、ちょっと得意げに「知らなかったの?」ときたもんだ、、、
ロンドン名物のタクシーの前身は馬車だ。17世紀に公共の乗り物としてHackney Carriageが登場する。 料金を払って行き先まで行ってもらう馬車はあっという間にポピュラーになり、今でいうタクシー乗り場のようなものもできた。タクシーの事をキャブ(cab)と呼ぶのは、19世紀初めに出てきたCabrioletというタイプの名称からきている。大きな2輪の2人掛けの車両は軽く、乗り心地も良くなりスピードも出るようになったタイプだ。
実は、今でも法的なタクシーの正式名称は「Hackney Carriage」になっている。そして1831年に制定されたHackney Carriageに関する法律に、馬に与えるための干し草を常時積んでいなければならないという項目があったのだ。 その後、馬がモーターエンジンに発展した後も、この法律はそのままタクシーに適用されてきたという訳だ。調べてみると、さすがにこの項目は1976年に撤廃されている。(それでも1976年まであったんだね)でも、キャブの運ちゃんの中には、今でもジョークでブーツ(トランク)の中に藁を入れている人もいるそうだ。→イギリス式ユーモアです。
法律の中には、200年以上も前にできてから改正も正式に撤廃もされていない項目が沢山あって、現存する法律の中にかなりおかしなものがあるようだ。
少し前にあるテレビ局がアンケートを取った「イギリスおかしな法律」の第一位に選ばれたのは、「国会議事堂=The House of Parliaments内で死ぬのは違法」というもの。 Big Benで有名な国会議事堂は実はWestminster Palaceという王宮の一部なのだ。今は王族は居住していないけれど、建物は王宮として扱われている。そしてロイヤルパレス内部で死んだ者は、国葬によって葬られる権利があるのだそうだ。そんな権利をふりかざされては大変なので、議事堂内で死んだら罪人という事にしてしまおう、という法律だ。
他にもまだまだある・・・
* 死んだクジラがイングランドの海岸に流れ着いたら、頭は王(King)の物となり、尻尾は女王(Queen)の所有物となる。
* 女王(国王)の顔が入った郵便切手を上下逆さに貼るのは反逆罪。 →これと似たのが、ポンド紙幣の女王の顔の部分に落書きしたら犯罪というのも聞いた。
* 甲冑を着て国会議事堂に入ってはならない。
* 税金取り立て人に、知られたくない事を言わずに黙っているのは違法。でも知られても良い事を黙っているのはかまわない。
びっくりしたのは、
*クリスマス当日にミンスパイを食べてはいけない。→だって、mince pieはクリスマスシーズンの代表的なお菓子で、(私は好きじゃないけど)お店でもずら〜〜っと並んでるし、みんな自分で焼いたりしてるのに!!クリスマス当日にはダメだとは・・・
全国法ではなく、各地方の自治体で設定された条例にもなかなかの物がある。
ビートルズの出身地で知られるリバプールでは、熱帯魚販売員以外の女性が、公の場でトップレスになるのは禁止。 もっと怖いのもある・・・古い城壁後が今も残る大聖堂で有名な北の街ヨーク(York)では、城壁内部、つまりは市内に於いて弓矢を持ったスコットランド人を殺しても罪にはならない。
まあ、今だから馬鹿げているとはいえ、設定された時代の社会背景を考えるとそれなりの理由があっての事だったんだよね。これらが長〜〜い間改正されずにいたのは、まあ害にはならない法律だからって事なんでしょうかね。 仮装パーティーに誘うふりをして、弓と矢を持って集まろうなんて呼び出して殺害・・・なんて事件が起きたらどうするのかとも思ったけど、今じゃスコットランド人っていう定義が事実上無いわけだし。
他にも探せばどんどん出てきそうなイギリスです。
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