見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

カテゴリ: 日本のドラマ


なんだか盛りだくさんの週末

vuvuzelaとやらの、怪し気な羽音騒音がとびかう空気に魔力でもあるのか、はたまたヴヴゼラの呪いなのか、ワールドカップもあちこちでいろんな事が起こっている。イタリアもフランスもドイツもスペインもそしてイングランドも勢いのないスタートだ・・・イタリアは危ないかも(ベスト16に入らない)、、イングランドもだけど

昨日はスウェーデンのヴィクトリア王女の結婚式。地方出身のフィットネスインストラクターから8年かけてロイヤルプリンスとなったダニエルさん、いや、プリンス・ダニエル。逆Fairy taleだわね〜。それにしても彼のあの眼鏡、なんだか変身前のダサイスーパーマンみたい。そして今日はフェルセン伯の惨殺事件から200年記念。同じストックホルムの大通りで最期のホルスタインーゴットープ王家皇太子の葬儀の最中。なんだか皮肉だわ・・・

さて、「同窓会」の最終回、ここへきていきなり盛りだくさんでびっくりしてしまった。この前の2ー3話がなんだかノロかったので「引っ張っておいてこうきたか」というのが正直な感想。でも悪く無かった!っていうか、思ってたより良い決着の付け方だ。さすがは井上由美子さん

昔から私が何かを始める度によく友人達が「偉いよね〜、新しい事を始めるのって難しくって・・・」と言って来たものだけれど、私は逆だと思っている。私だからかもしれないけれど、何かを始めるのなんて、ほんのちょっと思い切ってドキドキしながらやってみれば良いだけの事。むしろ、何気なくずっと続けていた事を止めるという事のほうが余程勇気が要る

そして「離婚」というのはその代表格。自分の意志で終わらせない限り、自然には終わってくれないのだ始まりには終わりがあるものだけれど、始めた事は止めなければ終わらない。この勇気が出せなくてなんとなくズルズルと人生を引きずってしまっている人達がどれほど多い事か・・・

もちろん皆その中で、「なんとかしたい」と思いながら努力してるのだ。でも、それでも結婚生活が惰性以外の何者でもなくなってしまった事を感じながらもがいている人達は、既に人生の半分以上を過ぎてしまった年齢だ。終わらせる事はおろか、その先にまた始める事を考えるのさえ気が遠くなる、というのが現実なのだ

そんないろんな思いを抱えているだろう30代後半から40代、いやきっともっとずっと上の年齢の人にまで、このドラマは幅広く考えるものを与えてくれたという事なのだろうか。最終回の視聴率は17%を越えたというからオドロキだ。W杯の裏でこの数字は大健闘といえる。

昔の思い出には勢いはあっても底力は無い、と前回書いたけれど、「同窓会」の最終回はまさにそこを突いてくれた。廃校の教室で、皆に向かってくってかかった大久保の問いつめ、「人生を変える覚悟が本当にあるのか?」

あのシーンの三上さんの演技は素晴らしい、っていうかあのシーン、編集でのカットとかが無かったのだとしたら、井上さんの本は余程三上さんを信頼して書いたんじゃないだろうか、、一人一人に「同窓会さえなかったらあんな事もこんな事も無かったはずだ」と食らいつくように叫ぶ台詞の中に、彼自身の事が入っていない

一番悲しくて惨い大久保自身の変化。それは「あの同窓会のおかげでもっと生きたいと思うようになってしまった」事だから。医者の言った奇跡を彼自身が信じていない事は明らかだ。もっと生きたいと願うようになってしまった自分はもう時間がないのに、という苦しさが、台詞には無いのに演技に出ていてやっぱりこういう芝居をする三上博史が好きだなあ〜

皆の決意の程を聞いて安心したように笑いながら、でも泣いている大久保の心の痛み、その後机に座って空を見上げている穏やかな顔。こういう、何か浄化したような力みのない穏やかな顔、凄く良い。三上さん、良い役をやったね。また三上博史主演で人間ドラマが観たい。野島さんの本で演ってたみたいな・・・

橋の上での約束から再会までに、それぞれの家庭にどんな変化があったのか、下手に書かれていなくて良かったと思う。それは本当に千差万別、観る人の人生の数だけストーリーができる。始める為に終わらせる道を選んで再会した杉山と朋美とは対照的に、自分の意志に関わらず「終わってしまった」陽子の立場が余計に悲しい。真っ黒な涙で大泣きする姿もまた現実なのだ。

視聴率は上がらなそうだとタカをくくってたのに、最期にはいろんな環境の人達に幅広く納得してもらえるドラマになったと思う。9話はちょっと短かったかなあ〜4人主役にしては。ちなみに私は大久保君と奥さんの関係が何気に好きだ。夫婦として一緒には暮らせなくなっても、人としてお互いに本音が解る味方でいられる。この2人が一番大人な関係だよね。

さーて、明日はミュージカル「Hair」だ。ブロードウェイキャスト版。舞台は始めてだ。今頃なんで、、?っていう気がしなくもないけれど、でもこれも好きだったからね〜!あの頃。 久しぶりにトンで来ますかね。


先日観て来た「Love Never Dies」、アマゾンで良かった曲だけダウンロードしようと思ったら、なんだかんだで10曲も選ぶとマーケットプレイスに出てるCDのほうが安くなってしまう事に気付いた。で、£5−70で手を打つ。

通して聴くとやっぱり曲は良い。だたオリジナルの「オペラ座、、」の張りつめた緊張感よりも、もっと甘いかんじ、、?とりあえず10曲ほどインポートしたのだけれど、何せ盛り上がるシーンのストーリーが???だったもので、実はあんまり歌詞を聴きたく無い。歌詞を聞かないように歌を聴くというのは結構難しいものだ

そこで気が付いたけど、この舞台も丁度今日本でやってるドラマの「同窓会」とぴったりハマるテーマだわね。っていうかほとんど同じ、、昔の忘れられない愛の残り香か、人生を共にして来た夫か・・・?

舞台を観た時、2幕の後半から終盤にかけて啜り泣いてる人もいたようだけど、私としては泣ける曲は2幕前半のラウルの歌「Why Does she love me」だ。愛を得て結婚したものの、今は借金だらけで酒浸りになってしまった貴族のラウル。愛する妻を幸せにしてあげられていない事を自覚する事ほど、男にとって惨めな思いは無いだろう

才能ある女性を妻に持った男が、その彼女を輝かせてあげられないはがゆさ、、、「自分ではかなえてあげられない」という劣等感からの逃避はお酒に逃げる事。そしてどんどん落ちぶれてしまう。それでも妻に愛されているという思いが救いだったのに、それさえも打ち砕かれようとする予感に怯える姿は観ているのさえ辛い・・・これは「同窓会」だと吹越満さんが演じている朋美の夫だ。(ただ、吹越さんの演じる役はそれにさらに爬虫類的な粘っこさがあってコワイのだけれど

「同窓会」は明日が最終回だそうで、ちょっと短かかったね。いつもだと10話はあるのかと思ったら・・・最初はちょっと期待したのだけれどだんだん展開がノロノロになってきて、今は三上博史さん演じる大久保がどんどん綺麗になっていくので観てるというのが本音だけど、明日最期の一話でどう決着つけるんだろうか・・・?

ロマンティックなストーリーが受けるのは、それが現実ではないからだと言える。昔の残り香なんて、長い人生を生き抜いて行くだけの底力はない。今は激情に溺れても、気が付いたら地に足が付いていない事を、いつかきっと思い知らされる。今の生活が、既に愛が憎しみに変わってしまってるという場合は別だけれど。

家庭内暴力とか、実際に家庭が破綻しかけて助けが必要な状況では他の恋愛に関係なく別れたほうが良い場合もある。でも「同窓会」も「Love Never dies」も状況はそうではなく、ラヴラヴな時期はもう一応去って、人生良い事ばかりじゃない中で一緒にやってきたけれど、イマイチ幸せな毎日とは言えない・・・という、実はこれが一番現実的なパターンなのだ。「もしかしたらこっちのほうが良いのかも・・・?」とちょっとくすぐられるのが、人間は一番弱い。悪魔の囁きだ・・・

悪魔の囁きにつられると、そのしっぺ返しを食らう。罰を受けるというやつだ。Love Never Diesはプレビューの期間中に3種類のエンディングを試して最終的に今の結末になったのだそうだ。しっぺ返しはクリスティーンに来る。それにしても後味の悪いラストだった。身を引いてしまったラウルは何処へ、、?残された息子は、初めて逢って間もない実の父親=ファントムと本当に幸せに暮らしていけるのか、、?(いったいどんな大人に育つことやら!)親友だったクリスティーンの命を奪ってしまったメグは、、?

だから、、私はこんなストーリーのこんな終わり方は嫌だってば!

「同窓会」はなんでも最終回は涙、涙、、と宣伝されているそうだ。ほんとに〜? 大久保が死ぬのだろう事は前から解ってるからそれは置いておいて、本当に残った3人のこれからの人生の選び方で泣けるのだろうか?ここまできたら、思いっきり「そうきたか!」と思える結末を期待したい。さんざんここまで引っ張って来たんだし、、、

福島君とマリちゃんの事も、これがハズレてたら怒りますよ、、!たったこれだけのキャラに尾美さんと宮地さんという豪華脇役キャストを使ってるのだから、何も無いわけないよね、ね!!

というわけで、ファントム続編の結末には大いに不満ですが、せめて「同窓会」のほうはもう少し共感できる結末になって欲しいものです。明日の最終回に期待半分、期待しすぎないように半分・・・




久しぶりで日本のドラマを観てる。「同窓会
これ、ラヴ・アゲイン症候群っていう副題が付いてるけど、30年振りの中学の同窓会で再開した45歳の男女が、旧友に恋心を持ってしまう→恋は人生を壊してしまうのか? という事らしい

脚本の井上由美子さん、私が今まで観た彼女のドラマは結構面白かった。だけどやっぱり「パンドラ」程の勢いが今ひとつないのは何でだろう? やっぱりパンドラはスポンサーというしがらみが無かったせいなのかな。でもただの中年不倫ものというよりは見る人が共感し易いように作られてる。

45歳で恋っていうと「やめろよ〜!」っていう声が聞こえてしまうのは日本だからじゃないのかな。50や60になっても男と女であるという事が、日本は気持ち悪いとか考えてはいけない事のように扱われるのはどうしてだろう? 恋=不倫と捉えられがちなのも極端だ。

イギリス生活で最初の頃に素敵だなと思ったのが、お年寄りにでもちょっとした会話の中にDarlingとかloveという呼びかけをよく使う事。知らない人同士でちょっと声を掛け合う時、例えばマーケットで野菜を買ったり、ニュースエージェントで新聞を買ったり、ポスティーが手紙を届けてくれたり、あるいはバスに乗る順番を譲ってあげる時・・・・

All right、 love
Thank you. Darling


とてもチャーミングに聞こえた。仕事で取引してるレップ(営業マン)だってそうだ。男と女を常に意識して会話を進める。それは決して性的な意味ではなくて、自然とヨーロッパ文化の中に根付いているLadies &GentlemanのDNAなのだろう (ちなみに今時の男性がみんなジェントルマンかといえと、それは思いっきり間違いだけど)

このあいだ検査に来た男性、60歳のスコッツ(スコットランドの人)でとてもエレガントな人だった。ソフトなスコティッシュ訛りがとてもチャーミングで今でも充分ハンサムなので、若い頃にはきっとモテた事間違いない。ロマンスグレー(白髪)の髪に相応の顔の皺が、年齢と経験から得た思慮深さをたたえている

実際話しをしている時にも「素敵な人だな」と思っていた。こういうお客様にはことさら丁寧に説明してあげちゃうし、彼も私の真摯な対応を喜んでくれたようだ。そして返り際、しっかりと私に向き直ってThank you very much と言って手を差し出して来た。

ありがとう、と軽く握手をするのはしょっちゅうある事なので、私もニッコリ笑って普通に握手したら、この人はなんと、、そのまま私の手を取ってキスをしたまあ〜!貴公子みたいだわ・・・! イマドキこういう事する人もいるんだなあ〜と、ちょっとドキドキ・・・

ま、こういう事をごく自然にスマートに出来る男性っていうのはさすがに滅多にいないけど、軽くウィンクしていったり、投げキスしたりする人はたまにいる。年取ったご夫婦だって、手を握り合っているし、見つめ合ってキスし合うのは普通の事

話しを戻しましょう、ドラマ「同窓会」。つまり45歳に出来る恋愛は、どこまでが恋でどこまでが不倫なのか? 「恋が私を壊して行く」というフレーズが付いているこのドラマだけど、普通壊れ始めるのは、恋が不倫に変わった時

実際、特にインターネットが普及してから不倫が激増したらしい。チャットとかインスタントメッセージとかね。今さら手放せないものがどんどん増えてしまった年代にとって、家庭崩壊につながる恋愛は危険だ。突っ走ってどんどん深入りした関係になってしまう

すみません、ドラマのストーリー等はここでは省いてますので、観ていない方はきっと解らないかも・・・ここからスルーしていただくか、公式サイトをご参照ください。

ドラマはまだ中盤で、少なくとも5話までのストーリーでは、朋美と杉山君の関係は不倫ではない。恋心はあっても今のうちは不倫とは呼ばない。あの時点であんなに回りから責められるのはどうかとも思うのよ

それに杉山の家族への言い方もおかしくない?「ただの同級生」なんて言わないで、「久しぶりに同窓会で会ってとても懐かしくなった。ちょっと嬉しかったんだ」くらい、ちゃんと説明してもいいんじゃない?

まあいいや、私はとりあえず三上博史さんの大久保が観たいわけで・・・キャラクターとして一番降り幅のある役だね。本心を見せない仮面の大久保と、時折見せる自然体の顔。本が最終話まで出来上がってるのかどうか解らないけど、あの役は先が解ってないと役者として演じるのはすごく難しいと思う

ちなみに、陽子と大久保も不倫とは違う。確かに陽子は既婚者で、大久保も法律上はまだ妻がいるわけだけれど、一時的なその場限りに近い肉体関係は不倫とはいわないよね。つまり、5話までの時点では、だれも不倫をしていないのだ。そんなにギャーギャー言わないでよ・・・

う〜ん、本はどこへ向かっていくんだろうね。大久保には病気が付いてるし、陽子は離婚するのかしないのか・・・? 第一、事の発端になった福島とマリちゃんはいったいどうなってるの? ここまで引っ張っといて何の伏線も無かったらがっかりなんですけど。大久保の奥さんも、もうちょっと見せ場あるかな、と期待。

高橋克典さんはカッコ良いけど、どうして顔の表情が全く変わらないんだろ? わざと?・・・まさかね。でも恋をしているようには、、、見えません。一応黒木さんと高橋さんが主線になってるんだけど、三上さんや吹越さんのような役者がすぐ隣にいると、食われちゃうよね、、、インパクト強いもの。

4話の病院のシーンは素晴らしいね。高橋ひとみさん、三上さんとは寺山修司さんの同窓生。ほんの数分なのに、とても暖かいシーンだった。それまで見られなかった、大久保の無防備で自然な顔に、女医役の高橋さんの聖母のような穏やかさ。廊下でシェルタリング・スカイを口ずさむ大久保、屋上での朋美にすがる怯えた姿。今までの中でのベストシーンだわ

う〜ん、こんなちょっとの恋心程度であんなに家庭内が疑心暗鬼になっちゃうなんて、そっちのほうが問題あるんじゃないかしらね。20年近くも一緒にやってきて子供も育ててしっかり家族関係を築いていれば、不倫にもなってないような状態であんなにドロドロしないでしょう・・・

遊び程度の浮気の1つ2つで壊れるようなら、 家庭生活が機械的になって、夫婦が男と女である事を忘れてしまった事のほうを反省したほうが良い。もちろんこれはあくまでも浮気=不倫手前状態での話しですけれど。(浮気癖のある人達の場合は別です、あくまでも・・・)

さて、明日は久しぶりのジャコビアン(シェイクスピアの時代)、トーマス・ミドルトンのWomen beware Womenを観に行く。ミドルトンの芝居はドロドロだから、今回はどんな演出か・・・? レビューはすごく良いのでちょっと期待!

なんだか久しぶりに日本のドラマを観てみた
Jin-仁」が面白いという噂をあちこちで耳にしたのでもう終わったのかと思って観てみたら、まだ最終回は明日だって・・・

このタイトルって単にでいいのか、jin-仁と繰り返さなくちゃいけないのかしら・・・と素朴な疑問。でもみんな単純にって呼んでるみたいなので、それでいいのかな。まあ主人公の名前だし。元がマンガでまだ終了していないという事もやっと知った。

これ面白いわ!! タイムスリップして現在と過去が・・・っていう設定は今までにもあったけど、過去に戻ってしまった人間が何をするべきか、しないべきか、が焦点になっている。その選択の要として現在寝たきりの植物人間になってしまった恋人という存在があり、その彼女の運命を左右するのが、医者としての選択なのか、人として/男としての感情での選択なのか、、、観ているほうにもわからないミステリーを残したまま話が進む。このあたりが巧い!

それにしても素敵なキャスティングだわ。まず私は中谷美紀さんが大好きなもので・・・龍馬役の内野聖陽さんが太い太い!! あんなに骨太でデカイ演技をすぐ横でやられている大沢たかおさんの小振りな感じがますます生きるというもの・・・! 今までも内野さんは観ていたけれど、こんなにデカイのは初めて観た、、、大河を観てなかったもので。お見事というか、無骨な中にも微妙な演技をしていて流石です!カメラのフレームからパワーがはみ出しそうな龍馬だね

六平直政さんの優しいおやじさん役というのもちょっと嬉しい。六平さんはいつも悪役か大声の変な奴みたいな役が多くて、こんなにおだやかな六平さんは初めて観た。「野風、、」って呼びかける声がすごく優しくて、こういうのも良いじゃない、、! 相島一之さんの一見悪そうで、でも誇り高く叫ぶ姿も迫力あった。私はいつか、にこやかに笑う爽やかな相島さんも観てみたいと常々思っているのですけれどね〜・・・

中村敦夫さんの火消し親分はさすがに時代劇ベテランの風格充分。綾瀬はるかさんの武家のおひいさんも嫌みがないし、麻生祐未さんのお母さんもとしていて素敵だし、恭太郎さんも佐分利さんも自然で良い感じ。武田鉄矢さんのシーンも穏やかだからこそジーンとくるものがあったし・・・

そしてそんな濃い共演者達の真ん中に、素朴に自然に無防備に立っているのが大沢たかおさんの南方仁だ。正直なところ、大沢たかおさんという役者は私にとっては「面白い役者」ではない。特に好きというわけでもない。でもけっして嫌いじゃないのだ。そしてそう思っているのはきっと私だけでは無いはず。そして「嫌われていない」という事はすごい事なのではないだろうかと思う

彼はまさに南方仁と同じ役割を負っているのではないか、、、決して派手ではなく、特にイケメンでクールというわけでもなく、でももちろん役者としての魅力は備えていて、地味なようでしっかりと忠実に役を演じている。「大きな器ではないけれど、誠実で地道で一生懸命な姿が美しく、それゆえに回りに沢山の人が集まってきて皆で大きなものを作る事ができる」まさに仁のような存在でこのドラマの中心にいる。とても素敵だ

このドラマ、出て来る人達がみんなそれぞれに誇りを持って生きているのが素敵だ。本当に嫌な奴がいない。男達もそうだけど、特に女性陣が魅力的だ。野風と咲の正反対でいてどちらも共感できる女の描き方、咲の母親や遊女達、、、皆が各々魅力的に描かれていて嫌みがない

謎が残る最終回、どんな風に終わるんだろうか、、、消えた龍馬の行方は?仁は現代に戻れるのか?恋人の未来は?野風と未来の関係は?そしてなによりも、謎の胎児の腫瘍は・・・?? 早く最終回が観たい! どうなるんだろう最終回、、、ネットに上がるのは1ー2日後かなあ〜〜続編とか映画化とかっていう噂も出てるらしいけど・・・ここまで引っ張ったんだから納得できる結末であって欲しい。 久しぶりにワクワクする・・・・


ダウンロードしてなかなか観られなかった先週の「BOSS」を観て、「おお〜〜!!」な展開に嬉しくなる、、、あれ? 明日の回で終わり、、だよね? ここから最終回にもっていくにはどんな展開になるのか・・・?

でもねえ、、違うと思うな〜。うん、ノダッチは違うと思うのね。、、っていうか、これで野立が悪のボスだったら、ホントにこのドラマが終わっちゃうわけよ。せっかく視聴率も良くて当たりなドラマになったんだから、やっぱり続編シリーズとかスペシャル版を期待したいじゃない?となると、まあ対策室メンバーだけでも成り立つんだけど、やっぱり野立て抜きだと魅力減少じゃない・・・?番組の未来の為にも、私だったら野立はこっちの側に残すよね

話の展開なんていくらでもあるわけだから、予想なんてしてみてもしょうがないけど気になってしまう。ドラマ開始前から本がラストまで出来上がってたのか、撮りながら台本が上がっていったのかでも違うし・・・ただ、竹野内さんの野立が、結構前から時折「ワケあり気」な表情を小出しにしていたのが気になってた。何のドラマの時だったか、竹野内さんが撮影前に本が最期まで上がってるように要求していたという話を聞いた事があったから、こんなドンドン返しキャラなら初めからそれを念頭に置いて演じていたと思う・・・ で、さらに思うのは、あのワケあり顔は、「」を隠していた演技とは違う気がする。むしろ、一人で密かに何かを探っていたようなカンジ、、、、そしてそれを絶対に気付かれちゃいけなかった??

そういえば、いろんな角度からの要に片桐がいるよね。3年前の射撃事件といい、今回裏金の話しを小野田達から打ち明けられたのも彼だし、ノダッチも彼をしつこく野立会に誘ってたしねえ〜。野立会の内情も今まで出て来なかったけど、ただの合コンじゃなさそうだなあ〜? 何らかで、片桐が双方から引き込まれそうになってたカンジはするよね。

じゃあ、最終的に誰がワルのボスかを予想してみると、、、

其の壱: 丹波&屋田および上層部。野立は一人その実情を暴こうと、対策室を立ち上げて裏金の流れを調べていた。→でもねえ、光石さんも相島さんもワル役が多いからなあ〜〜、たまには良い人でいて欲しいなあ、、、

其の二: 実は警視総監がすべての悪の根源! テロリスト扱いされていた「黒い月」は実は警察の不正を根源から暴いて世直しをしようとしていたのだった。→反町さん演じる男と野立のつながりを考えて、野立をこっち側の人間とすると、「黒い月」自体が悪じゃなくなるんだよね、、、

其の三: やっぱり野立がワルのボス。プールした裏金は野立会の合コン費用として使い放題! 異例のエリート街道もすべて計算された袖の下で確保してきたもの。→でもこれだと、このドラマ/シリーズもここまでだよねえ〜。第一これじゃ今までの話が全部嘘って事でしょ?視聴者は許すのか・・??

さて、私はタイムリーでは観られません。多分2−3日後に観る事になると思うけど、1と2を足したカンジだといいなあ〜。池上の弟はテロリストじゃないと思うし、もしかしたら野立は彼(そして絵里子)の為にも一役買ってるんじゃないだろうか、、、さてさて、こんな予想は果たして当たるのか??


こちらにも1票を、、、
Banner


すごい、、、雷がガンガン鳴ってる、、ワクワクする!ゾクゾクする〜
大好きなんだ〜,雷も稲妻も!!
 珍しく稲光が空を走るのがはっきり見える。これが見えてから思わずカウントしてしまうのは子供の時からの習性・・・ 1秒そこそこでドド〜ン!と響き渡るのはホントに興奮ものです、、、雷大好き!!

さて、春ドラマも終盤。「BOSS」にだんだん加速度が付いてきたカンジ。初めの1〜2回はあまりにもバラバラなキャラがごった煮のように鍋に放り込まれた感があって、「面白くなるか,,大丈夫か?」っていう期待と不安が半々な部分もあったのだけれど、回が進むにつれてだんだん個々に均等に味が染み込んで行って、中盤からの火加減も良く、終盤に近づくにつれて上手く煮詰まってきたみたい

本がなかなか面白い。一人一人の個性を毎回ちょっとづつ引き出す台詞やワンシーンがちりばめられていて、ごった煮のキャラクターが各々に生きてる。木元はお風呂に入る時に下から脱ぐとか、なんと岩井がベジタリアンだったりとかね。この辺のワンポイントキャラクター的な台詞やシーンの挿入が脚本を上手く味付けしていて面白い

このBOSSでの竹野内豊さんは主役じゃないけど、映画「あの空をおぼえてる」でのお父さん役とはうってかわって弾んでる。「あの空、、」では半分心が死んでしまったような鬱な父親の演技はとてもリアルだったけど、「竹野内さんでなくてもいいな、、、」というのも正直な感想だった。死んだ目の演技も上手いけど、やっぱりこういう弾けた竹野内さんはまだまだ若くて面白い。もっと天海さんとガップリ四つな役で観てみたいなあ〜。恋愛もんはこの2人じゃダメだろうけど、そうだなあ、、相棒っていうか、パートナー、もしくは逆に真っ向から敵味方、みたいな、、? この野立役もなんだかもうちょっと奥がありそうな予感。折に付け、「これだけじゃないぞ」と言いたげな演技をさりげなくしているのが気になるなあ。終盤に何かが出て来るような予感がする。

天海さんのボスはどんどんカッコ良くなってくる。しかも奇麗になっていく。オーラがあるよなあ〜・・・私は宝塚時代の天海祐希は全く知らない。彼女を初めて観たのは映画の「Misty」だった。一見して「すごいオーラのある女優さんだな」と思ったっけ。天海祐希という芸名を見て、多分宝塚出の人だろうという事もすぐに解った。宝塚で元男役の人でも、退めた後はそのうち普通の女優さんになっていく人が殆どだけど、10年以上経ってもむしろ女優が似合わないくらいのカッコ良さで光ってる人って、他にいないんじゃないだろうか、、、。いつまでもヅカっぽい女優さんだ。Bossの絵里子みたいな役はドンピシャにハマる。

あと2回なのかな、、?ちょっと物足りないね。もっとシリーズ化して、塩見三省さんの小野田班や、光石研&相島一之コンビとのバトルなんかも掘り下げて書いていくといろいろできそうなのになあ〜。今回が結構好評だから、もしかしたら制作側は続編シリーズを狙ってるのかな?離婚弁護士のチームみたいだし。派手にドラマチックじゃないけど、逆にさらっと観られるのが好評を得た理由なのかも。今時、昔の「太陽にほえろ」みたいな刑事ものは重すぎるからね

そうそう、Mr Brainのほうは最初に比べて視聴率が下がってしまってるとか。2話まで見たけど、さすがにもうそれ以上は観る気を無くしてしまった。とりあえず数字だけはおそらく確保するんだろうけど、世間の目は甘くなくなってきてるよね。最近は大手事務所に媚びを売るのをやめつつある批評家達も出てきてるようだし。
やっぱり本が面白く無いと致命的だ

流星の絆」も、原作はもとより脚本が上手い上手い。最期まで一気に観ちゃいました。悲しい真相だったね。でも、、それもとてもリアルな現実なのだ。人が殺されてしまう理由なんて、ホントに情けないくらい単純なものだったりするのだ。悔しくて情けなくて、でもそれが現実なのだ。少なくとも柏原刑事が悪人ではなかった事が救い、、?いや、悪人だったほうがまだ憎めたのだろうか・・・二宮和也君はじめ3兄妹とも良かったし、かなり良質のドラマだった。やっぱり質の良い番組が観たいよねえ〜。

Banner


寒い・・・! 先週末からずっと夏っぽくて、気温も27度まであがって太陽いっぱいの数日だったのに、また冬に戻ったみたいだよ〜〜!
もう6月だっていうのに、一度切ったセントラルヒーティングをまた入れるのってやだよねえ、、、でも寒いなあ〜〜 うーん、我慢我慢!!

芝居仲間のおすすめだった「流星の絆」を観てる。面白いワこの本・・・と思ったら東野圭吾原作で脚本はクドカンさんだったのね! ちょっとした台詞がうまいなあ〜そういえば聞いてはいたのだ。ジャニーズの中でも演技の素が良いといわれてる二宮和也/錦戸亮両氏の共演が話題なってたよね。この2人は私も「良いな」と思う。錦戸さんがやった「ラスト・フレンズ」のDB男はすっごくリアルで「ジャニーズのタレントでもこんなリスキーな役やるんだ・・」と驚いたもんだ。私の身近にもDB男がいて、本当に彼がドラマの中で演じてた通りの事がいくつもあったあ、うちの彼じゃないけど。

二宮さんは「青の炎」以来ドラマや映画をいくつか観たけど,見せようという意識よりも役の気持ちを素直に演じてるのが自然にしっくりきてる。私はっていう人達が歌ったり踊ったりしてるのを観た事がないのでアイドルタレントとしての彼は良く知らないけど、役者としては、西島秀俊さんみたいな等身大でナチュラルな芝居ができるようになるんじゃないかな

それにしても毎回本が面白いわ、、、 マンガチックなシナリオ仕立ての騙し屋ストーリーが笑える。ともすると「重いのかな・・・?」と思う設定をコミカルにしあげてるのはクドカンさんの持ち味だね。それでいて毎回毎に1歩ずつ核心に近づいてるし。子役の3人もとっても良い。大人の3人とのつながりが良くて、違和感ないものね。母親役のりょうさんにはちょっと驚いた。こんな芝居が出来る人になってたなんてね。そうだよね、、「ロングバケーション」で彼女を観てからもう10年以上たってるんだから・・・

三浦友和さんは年取ってから良い味出してるよね。若い頃は典型的な「昭和ハンサム」で、特に役者としての演技力が、、、とは思わなかったんだけど、年齢と共にだんだん良い空気が出てきた人だと思う。三浦さんは良い人でも悪い奴でも観たい俳優さんだ。このドラマ、やっぱりクドカンさんの本が隅っこまで行き渡ってるよね。要らない脇役が一人もいない。だから面白い。まだ5話までだけど、これからが展開の本筋になっていきそう。

それにしても日本のドラマって長いよねえ〜 頑張っても一日2話が限界ですわ6月からなんとかまた仕事を始めたうちの彼、今度の勤務時間はシフトじゃないから、今までみたいに早く帰ってディナーを作ってくれるっていうわけにはいかなくなった。また私が帰ってからチャッチャッと手早く作る簡単料理の日々になってしまうのだ〜〜!、、という事は夜の時間が短くなってしまうわけで、何となく自分の時間が削られてしまった気がするんだけど・・・

まあ仕方ないか。彼の仕事も条件は前よりかなり悪くなっちゃったけど、本当に今は何もないっていうのが実感だったから、仕事があるだけマシ、、と思わなくちゃね。また2人で頑張るさ! とりあえず今日は、帰ってすぐ着替えもしないで材料を準備して、「流星の絆」を観てる間1時間半煮込んだビーフ・ストロガノフ。たまには私だってこれくらいできますわよ・・・・


1クリックで応援してくださいませ
Banner


日本にいる間は結局ほとんど観られなかったドラマをネットで追いかけてる。この連休(週末)で「BOSS」を4話分まとめて追いついた。刑事ものドラマのパターンもいろいろあるけど、これは基本的には天海祐希演じる女性捜査官がアメリカ帰りのプロファイリング技術を元に犯人を対話で落として行くパターン。でもそれだけじゃなくて回りに癖のある部下達をちりばめる事で、現実味には欠けるけれどちょっと面白い構成だ

やっぱり天海祐希さんはこういうカリスマ的な役のほうが似合うし光る。普通のアラフォーの女性の恋愛観や結婚観みたいなドラマもいくつか見たけれど、やっぱり離婚弁護士とか女王の教室とか、こういうちょっと芝居がかった役のほうが魅力が出るよね。やっぱり華があってこその人なのだ。その分回りの人達の変な個性も上手く調和が取れてくる。主役が断固としたになっていないと、これだけばらばらのキャラが揃ったチームではまとまりがつかなくなってしまう

皆が個性派のようでいて誰もヘンにはみ出していない所が、このドラマの成功している要因じゃないだろうか。それぞれの出番が少ないかわり、皆の存在に意味があって無駄になってない。脚本もバランスよくできてるし、謎解きの対決シーンも毎回面白い。しゃべり方とかもちょっと芝居がかっているんだけど、そこがやっぱり天海さんの持つカリスマが生きる。

前宣伝ではもっとエグいキャラが揃ってるのかっ?っていう印象だったけど、幕を開けてみるとやや押さえ気味かな。竹野内豊さん演じる野立参事官補佐はもっとぶっ飛びなおちゃらけキャラかと思ったけどわりとトーンは渋め。まあまがりなりにも警視庁エリートなわけだからあんまり無茶にはできないか・・・岩井のキャラも、もっと明ら様にゲイでもいいんじゃないのかなあ。でもみんなまだまだ個人情報は明かされてない部分が多いから、後半でその辺の平行線も入ってくるのかも・・・??

で、もうひとつ始まったばかりの木村拓哉さん主演で話題をあおっていた「Mr Brain」の第一回を観た。
これはちょっとつらいなあ〜〜・・・ まず最初の広末涼子さんとのシーンでもう観るのをやめようかと思ったし、その後もなんだかごちゃごちゃとやたら多い登場人物でばらばらな印象。まずキムタクさんがこの役で主演している意味があんまりないように思うのだけど・・・彼の魅力とは正反対だし、生きてないし、無理矢理主役をやらなくちゃいけないっていうなら、もっとそれらしく創ってあげないと、、

まず、木村拓哉さんの魅力は前述した天海さんのものとは正反対なのだ。彼の魅力はそのナチュラルさにある。もちろんご本人は大スターであるわけだけど、それでも「普通目線」を持ったナチュラルさが彼の魅力だ。今までの役でも、Heroの久利生公平みたいなちょっとハズレたものもあったけど、それでも「皆の中の変わり者」だったからこそキムタクさんの魅力が生きたので、彼はカリスマを売りにするタレントではない こんなに大勢の実力派が出てしまっているこのMr Brainでは、九十九にカリスマが無いとバランスが取れないのだ

第一、香川照之&市川海老蔵両氏にあんな存在感のある演技力を発揮されてしまったら太刀打ちできるはずもない・・・・ 脚本もなんだか意味のない事が多過ぎて、第一回だというのに「序章」としてのリードが無いし。戸田恵子さん、広末涼子さん、ユースケ・サンタマリアさん、、、必要だったの 綾瀬はるかさんの助手役だって無くてもいいくらいだよね。もっと登場人物と脚本をすっきり絞ったほうが主役を少しでも立てられるんじゃない?

これからも毎回ゲストでいろんな方が出演という事だけど、躍起になって視聴率にしがみつこうとしてるのならとんだ見当違いというもの。音楽もなんだか白けるくらいに盛り上げよう根性がみえちゃって耳障りだし、「脳科学」の面白さにも突っ込みが無いし。とてつもなくバラバラで魅力のない第一回だったなあ〜〜、さすが、と思わせてくれたのは香川、市川、高嶋の3人の演技くらい。いっその事、香川さんと市川さんの2刑事を主役にして、九十九はぬぼ〜っとしたキャラで捜査の核心を解く脇役の脳学者、ってことのほうがシリーズとしては面白くなるんじゃないか,とさえ思う。

事件解決ものとしてもこれはやっぱりBossに軍配かなあ〜〜、まあまだMr Brainのほうは一回目だけど、でも一回目で面白く無かったら次からは観ないかもしれないし、、、視聴率が良けりゃ良いっていう作り方は面白くないのよ!
まとめてBossを観たから書こうと思ったのに、其の後観たMr Brainの批判になってしまった・・・ でも仕方ないよね。同じ顔の木村拓哉はもう見飽きた、というのが素直な感想。それ以外のものが観られないのならもう辞めようよ、、、むりやり主役になってもらわなくたっていいよ。

毎回のゲストという点ではBOSSのほうもいろいろと揃えてくるらしい。6話の志田未来ちゃんなんて、16歳であそこまで食い下がった演技を見せてくれるのは嬉しいよね。おばさんとの対決は、若い人にもおばさん世代にも共感できるものがあったと思う。脚本も良かったし。これからの後半、「結構面白いじゃん」って思わせてくれる事に期待して・・・


Banner

ブログネタ
本格医療サスペンスドラマ『パンドラ』ってどうですか? に参加中!

春に放映されてたWOWOWのドラマ「パンドラ」、もうすぐDVDになるという事で、第一話の感想キャンペーンに参加した。 実は恥ずかしい話、ライヴドアブログなのでこのキャンペーンの事は目にしていたけれど、応募した記憶があいまいなのよ・・・ これもワインの力、、? どうしようかなと思っていたのは確かなのだけど、そうか、やっぱりあの時応募のクリックをしていたのね・・・・というわけで、今日は一応キャンペーンの為にこの1話を中心に書いてみます。

この「パンドラ」は先頃の国際ドラマフェスティバルグランプリに輝いた。 このフェスティバルは、従来の視聴率や視聴者人気といったものに左右されず、国際的/商業的に売り込んでいける質の高い日本のドラマを選ぶという趣旨のものだそうだ。 有料放送のWOWOWでの制作のため、スポンサーの顔色を伺う事なく思い切った作品作りができたと関係者が声を揃える。 それは番組中にCMが無いという事でもあり、第一話だけでも途切れる事無く1時間たっぷりと浸れるのだ。

18年ひたすら研究だけに打ち込み、家族にも回りにも見放されてた大人し目な医者が、どんな癌でも完治する夢の新薬を完成させたというのが事の始まり。 この薬、一話の前半でいきなり出来上がってしまう。当然テンションは高い。このテンションの高い鈴木という医師を演じるのは三上博史さん。そして彼を取り巻く病院関係者達、上司で医学部長の太田黒、同病院の女外科医小夜子、秘密の治験場所の病院理事・・・といかにも胡散臭い人達が次々出てくる。 医療にまつわる問題として政治家や新聞記者も関わってくるし、平行して殺人事件を追う刑事達も・・・

序章としての第一話は、ほどよくバックグラウンドを説明しながら一通りの人物が顔を揃え、これからの展開に期待充分な出来になっている。 前宣伝でも言われているのでネタバレにはならないだろうけど、ストーリー展開としては、この癌完全撲滅の新薬を巡って人々の欲望、駆け引き、裏切り、罠・・・といったまさにパンドラの匣から飛び出したようなこの世の悪達が渦巻いていくというわけだ。

純粋に病気を治したいという思いが実は社会的、政治的には素直に通用しないという苦しい現実。死ぬはずだった人達が死ななくなるというのは、それだけ高齢化問題、保険、そして何よりも医療制度そのものにも皺寄せが来る。 世界規模になれば今までの社会制度がひっくり返る大事件だ。第一話での鈴木医師はとにかく夢の薬が出来上がった事に有頂天で、まさに舞い上がっているのだが、それに反して回りの反応はトーンが重い。まず、「そんなバカな事が、、、嘲笑」そしてそれが次第に「まさか、、、半信半疑」、そして現実味を帯びてくると皆さっそく頭の中でいろんな計算を始めている。

鈴木医師はちょっと癖のある学者肌という事で三上さんにはハマり役。最初からいきなりハイテンションなのだけど、彼の「18年間ただこれだけの為に、出世をあきらめ、家族に見放され、回りからは変人扱いされてもひたすら打ち込んできた」という執念のような時間の長さを初めから表現するにはむしろこれくらいでないと、この後の回りからズタズタにされる鈴木の、心がひび割れていく展開に説得力が欠けてしまうのかもしれない。 研究結果を認めて欲しくて恩師の医院を訪ねていったあたりの鈴木は、試験の結果を褒めて欲しい子供のようだ。

一話の時点では誰が敵か味方かは今ひとつわからない。 ただ、三上博史さんの鈴木医師と、違法の治験に協力する事になった末期癌の高校生、愛美のふたりだけが邪気の無さをうまく表現している。 谷村三月さん、まだ若いのに凄く良いね。おじさん相手に誘いかけてふっかけるあたりなんて、巧い巧い・・・! まだ柳葉敏郎さんの刑事との実際の接点はこれからだけど、新薬、大学病院、ちょっと不良な高校生、殺されたおやじ、警察、政治家、そしてこのドラマの語り役の新聞記者といった登場人物がどう絡み合っていくのか・・・・

井上由美子さんの脚本はドラマフェスティバルでも賞を取ったけれど、テンションの高低がうまく混ざり合っていてバランスが良い。 人間ドラマであってサスペンス・・・先を読ませない描き方だ。実は私はこのドラマは観てしまっているのだけれど、最期まで結末を読ませない本で見応えがあった。 純粋な気持ちでパンドラの匣を開けてしまった世間知らずな医者、そして夢の薬がどんどん悪意にとりまかれていってしまう悲しい現実、政治的/社会的影響の大きい素材をうまく1本の線に結びつけている。

スポンサーの意向が無いとこんなすごいキャスティングが出来るのか、、と思う程の顔ぶれ三上博史、國村準、柳葉敏郎、小西真奈美、山本圭、小野武彦、山本耕史、平田満、そして前述の谷村三月・・・・WOWOWに加盟してなくて本放送を観られなかった人達が、一人でも多くDVDを観てくれるといい。 視聴率が何・・・!? ドラマの真価はやっぱり総合作品としてのクオリティーでしょう。 題材、脚本、構成、キャスト、、、、これはクオリティー高いです

パンドラは海外ドラマを意識して作られたっていう事だけど、日本のドラマももっともっとレベル高くなって海外テレビに売り出されるようになるといいよね。その意味で、去年から始まったという「国際ドラマフェスティバル」の趣旨には多いに賛成です! 視聴率だのスポンサーだの大手事務所の圧力だのに縛られてる民放ドラマに一矢報いたようで、嬉しいね〜!

DVDボックスは12月3日発売だそうですこちらで。レンタルは来週からだそうなので、是非お薦めですよ〜!


こちらにも1クリックを〜!
Banner



ちゃんと観られる機会はないだろうなと思っていた、ウワサに聞いてた本城裕二
この「チャンス!」っていうドラマ、むか〜しに人から貸し借りで回ってきたテープの中に数話入っていて、三上博史さんがトンデル役をやってるので気にはなったけど、ちゃんと全話観る機会がなかった。本城裕二の名前で出た「夢With You」がヒットした話も後から知った。

いや〜、気分いいわ〜本城!
この脚本は北川悦吏子さんだと聞いていたので、三上博史と北川悦吏子脚本っていうのもフィットしないな〜・・と思っていたら、全話を彼女が書いたのではないそうだ。まあ、いろんな事情があったのだろうけど、全部が北川さんの脚本でなくて丁度良かったのかもしれない・・・

北川悦吏子さんは確かに素敵なラヴストーリーを描くし大ヒット作連発で、私も「ロング・バケーション」とか大好きだしそれなりにハマった作品も多い。でも筋書きが途中でイライラしてしまう事がよくあるのだ。 あと、登場人物の過去とか年齢設定とかにつじつまが合わない部分があったり、全く同じ台詞を違うドラマで使い回したりね・・・ チャンス!でもあったよ、、コンサート用のポスター。2話も7話も脚本は北川さんなのに・・・まあいいか。

こういう作品観ると、元気出るね!
本城の「んあ!!」とか「ハンッ!!」とか、実際やったら気分良いよ〜〜・・・びっくりしたのが、ブッコワレテル武田真治さんだ。 こんな役もやっていたのだとは・・・ 彼、すごい二枚目でクールなのにねえ〜。「御法度」での沖田総司は「新選組!」の藤原竜也君の次に好きな総司だ。

チャンス!みたいな程よいコメディーは、やり過ぎてなくて笑える。 コスプレ大会のごとく、いろんな本城が見られるのも楽しい。三上博史でなく本城裕二がやってるのがおかしくて笑える。  三上さんは小柄だから、かえってこの本城役が良かったんじゃないかな。30歳の時かあ〜〜・・・お肌ツルツル、、、足も腕もほっそ〜い! そういえば社長代行の時の帽子をかぶった本城は、去年の「プロポーズ大作戦」の妖精さんの若かりし頃・・? たしかに妖精の物言いは、本城とかぶってるなあ〜。キャラとしては、その後の「それが答えだ」の鳴瀬望がクラシック版のチャンス!パート2といった所かな。

武藤役の鶴見辰吾さんは何であんなにおじさんなのだろ!!? 鶴見さん自身は三上さんより若いんだよ確か・・・実年齢が若かった西田ひかるさんと武田真治さんは、役ではそれなりの年に見えてたなあ〜。二人とも20か21だったんだね。

毎回のゲストも顔ぶれの幅が広くて面白い。西村雅彦さんの吉野マネージャーの回が私的には一番好きかも。 パソコンのダイアンを胸にかかえてるあたりが巧い。この回の本は北川さんだ。ツエッペリンがバックのグラビア撮影シーンは、三上さんっぽくて良いね〜。こういう三上さんは大好きだ!

ラストのコンサートあたりからの本城のキャラがいきなり甘ったるくなってしまったのは、「本城も少し変わった」と解釈するべきなんだろうか・・・? でもなんかなあ〜、、いきなりいつもの本城から離れちゃってるんだよね、、観てて、気恥ずかしいようなむず痒さを感じるのは、演じてる役者に迷いがあったのかなあ、、なんて・・・??あっは!」とか「はん!」とか、ちょっとの一言でもちゃんと裏にある台詞が聞こえてくる位、一語一語をきっちり裏付けして演じてる三上さんが、この最期の辺りだけ、決めきれてないような、本城から離れてるカンジがしてしまった。 まあ、ラヴソングを彼女に贈ってしまったのだから仕方ないか。

本家の久保田さんの「夢 With You」も素敵だけど、本城バージョンではI love youという言葉を全部抜いてあるアレンジが良いな〜と思う。 I love youと歌わない方が本城らしくて。 時々逢いたくなるキャラだね、本城裕二。 それにしてもここまで態度でかく生きていられたら、ホントにすっごく気分良いだろうなあ〜!


1クリックで応援よろしくです!
Banner

↑このページのトップヘ