今年の全日本はすんごいことになった、、!!!
呑気に観ていられたのは1組出場のペアだけだよ。でもせっかく3枠あるペアに出場できるカップルが無いというのは残念だから、「ゆな・すみペア」の台頭は本当に貴重だ。4大陸には時期的に間に合わないけれど、CSでミニマムを取ってカナダの世界選手権では日本から初の2組出場、これはすごいことだ!
アイスダンスの拮抗した試合も驚きの連続だった。若手の2組の躍進ぶりは凄まじい、、、ショート、フリー、総合で3組がどれも違う順位ということで、連盟は世界選手権代表の決定を先送りにした。それくらい結成1年目の二組の伸びがすごいということ。だた、これは小松原組にとっては危機迫るもので、たしかにココさん達はこの2−3年で大きな伸びが見られない、、、かな・だいにも3年目で抜かれてしまったし、ここが彼らの上限なのだとしたら、次シーズンに少しでも2枠を取れる可能性のある組を世界選手権に行かせることになるかも。かな・だいが目標にしていた世界選手権一桁順位。来年そしてオリンピックに2組送るにはこれが絶対に必要だ。
そしてまあ男子の凄まじい戦いぶりよ、、、、昌磨さん、よくぞ優勝してくれました!スボンが違ってても素晴らしかったよ。本人の目指した表現、GPSの時より素敵になっていた。
最終グループの6人と、壺井君、吉岡君にはみ〜んな揃って世界選手権でも4大陸でも行かせてあげたかった。宇野昌磨さんが何度も繰り返して言っていた「みんなが良い演技をしてその中で自分もベストなものを」というもがそのままになったね。
去年から感じていたけれど、今年の昌磨さんはなんだか「座長」感が半端ない。君臨するエース、というのではなく、「全日本フィギュア部キャプテン」という感じだ。考えてみたら、この10年間で羽生さんと昌磨さんしか優勝していないというのは、その下が追いついてきていなかったという事。やっと鍵山くんはじめ三浦くん、佐藤くんの3人組が追い上げてきた。そこに中堅の草太くん、友野くんがどこまで張り合えるか、、、、「僕の立場をまっとうしたい」という昌磨さんの発言は、しっかりと自分を超えるまでに後輩たちが追いついてくるのを見届けたい、ということではないのかな。本人がどう考えているかは判らないけれど、もしかしたら来シーズンもう一年頑張って、オリンピックの年は後輩達に引き継ぐんじゃないだろうか、、、、
ショートでしっかりとリードして、皆んなが最高レベルの演技をする中、自分のコンディションとしっかり向き合って勝てるように計算する。そんな闘い方を見せるのもベテラン選手としてのアドバイスの一つだ。左の靴は壊れてしまったそうで、でも着地の右足の靴は急には変えたくなかったのかな、テープがグルグル巻きだったということで、思うように感覚が掴めなかった様子。でも彼はいつでも「自分の調整不足」「自分で組んでしまったスケジュール」と、それにきちんと向き合って最善の手を尽くす。そういった姿を見せる、インタビューでの言葉を聞かせることで、ちゃんとみんなを引っ張っていっていると思う。立派な日本のエースになったよね。
鍵山くんのスケートは本当に美しくなって、今シーズン後半は4回転をもう一つ増やすようなので、そうしたら質の高さでイリア君とも張り合えるかも。昌磨さんもやはり競技会ではレベル上げが必要と方向をシフトしたようだし、これからは失敗の許されない戦いになる、、、表彰式でステファンとカロリーヌが踊っていたのは本当に感慨深い。第一、ライバルのコーチ同士が手を取り合って踊る表彰式なんて今まで聞いたこともなかったよね。こんな雰囲気が本当にこの大会を美しいものにしてくれた。
草太くんのフリーはもう本当に10年待った!って感じがしたわ、、、本当によくここまできたな、と、、、、でもまだ勝負に安定感が無いのと、プログラムの完成にまで気が回っていない印象だ。今回世界選手権が三浦君になったのは、その辺りだと思うな。「任せた!」と言えるようになるにはもう少し。そして今シーズン、私がもう一度見たいと思うプログラムが佐藤駿選手だ。
今年の佐藤駿は「一皮向けた!」と思った。本当に上手くなってる。後で知ったのだけれど、今季はアイスダンスのギョーム・シゼロン氏に指導を仰いだそうで、それがちゃんと実を結んでいる。ショートのタンゴは色気が出てきて素敵だ。
そう、私が男子のスケートでいつも惹かれるのは「色気があるか」だ。これは実際日本の選手には少なくて、日本人で男の色気を醸し出せるスケートをするのって本当に高橋大輔さんが最初だった気がする。(あ、昔五十嵐文男さんっていう人がいて、彼のスケートも好きだったな)だから、宇野昌磨選手がまだジュニアの頃に初めて見たとき、「半分子供みたいなのに、妙に色気のある演技するな」と思って目を引かれたのだ。残念ながらこの「匂い立つような色気」は羽生さんには無いものだったので、彼のスケートが素晴らしく美しいのはまた別の見方になる。そして鍵山くんにも、、、残念だけど、まだ色気が無いんだなあ〜〜、、、
ジュニアの中田選手、垣内選手、周藤選手、シニアに上がった片伊勢選手も好きなので応援している。これからどこまでトップグループになれるか、楽しみだ。うん、これでまたこの先10年は楽しみがあるわ。本当にね、自分の推しがずっと勝って欲しいのは山々だけど、二人だけで10年間1−2位というのはやっぱりね、、、今年は観ていてみんなの個性が其々違っていて、本当に面白かった。みんな違うから、みんな素晴らしい。
女子もショートの点が僅差だったから、フリーが激戦だった。ジュニアの島田真央、上薗恋奈さんは本当にこれからが楽しみだ。上薗さんは13歳とはとても思えない大人の雰囲気を持っていて、島田さんとはまたタイプが違う。なんだろう、、、ちょっと「宝塚の女役女優」みたいな感じがする。2年くらい前になんのショーでだったか、彼女を見たときはまだ子供っていう感じだったけれど、この人と島田さんはあと2−3年後が楽しみだ、、、って、あれ?上薗さんはミラノのオリンピックには出られないのか、、、その次で18歳、、、うわあ〜〜自分が本当に年取ってるって実感!!そういえば、昌磨さんもこれが13回目の全日本と確認して「13歳の人、いましたよね、、?」と言っていたっけ。
フリーの演技で本当に心に残ったのは、三原舞衣さんと、そして山下真湖さん!!ここ数年ちょっと影を潜めていた真湖ちゃんが、ショートで素晴らしかったので嬉しかった。フリーの「燃えよ剣」もちょっと女優さんっぽい演技で私はすごく好きだ。もっと点が出ると思ったのに、またしても「回転不足」の憂き目にあった、、、ちょっと「??」って思う部分もあるんだけどなあ〜、、、彼女が表彰台に乗るかと思ったのだけれど、残念だわ。花織さんは本当にすっかりカッコ良い日本のエースになった。本当に年々カッコよく、そして綺麗になっていく。
思うのだけれど、ここ数年日本のトップが宇野・坂本になってから、すごく全体の雰囲気が良いように感じる。明るくて元気な花織ちゃんと座長タイプの昌磨さんで、男子も女子も下がちゃんとついていってる、みたいな良い空気。そこに愛されるりく・りゅうペアがさらに盛り上げてくれて、アイスダンスも組が増えて人気上昇。それだけ追いかけたい部分が増えてしまって今の情報量に追いつくのが大変だけれど、長年のフィギュア好きとしては嬉しいかぎり。
鍵山くんはもう4大陸を取ったと思ってたんだけど、違った。去年のポイントがないから、ここで優勝しておくのは良いことだ。(もう優勝と決めている)今年はジュニアも追っているのでなかなかに大変。昔はジュニアの選手なんて見る機会はなかったけれど、今は年齢制限でジュニアの上とシニアとの差が本当に無くなってきているので、ジュニア勢も見逃せません!
年末はちょっと休んで、また来年、どんな戦略でみんなが仕上げてくるのか、楽しみ楽しみ!!