ロシアとベラルーシからの出場が無いフィギュアのヨーロピアン選手権。なんだかすごく懐かしい感じ。私が好きな(だった)ヨーロッパの香りのする大会。個性豊かで色とりどりで、僅差を争うプログラム。毎年楽しみにしていた大好きな大会が戻って来た感じがする。特に女子は、上位はロシアで決まり!みたいな近年のヨーロピアンは他の選手達もなんだか最初からから表彰台は狙えないし、、、という空気で、それでも頑張らなくてはならないのは痛々しい、、

一昔前はヨーロピアンの優勝者がそのまま世界選手権の優勝候補、みたいな流れだったけれど、最近はアジア勢もアメリカ・カナダも強いので、ここからが真剣勝負の面白さだ。時を同じくして全米大会も行われていて、毎年お馴染みのスコア爆盛りがスゴい。でもこれはもう世界中が黙認しているようなものなので、当の本人達も盛られていることは自覚しているはず。

マリニン君がなんだか逞しくなってきたなあ〜。JOから4ヶ月だけど体つきも変わっている感じ。彼は素直に成長していると思う。テクニカルな力は素晴らしいのに、背伸びをしないで階段を上っている。今年はまだ少年と青年の狭間だけれど、1〜2年で素晴らしいスケーターになるぞ、、、、ご両親コーチの教えだろうか、彼には傲慢さがない。そういえばGPFの時のプレスカンファレンスで、昌磨君が質問に答えて話したのを英語に通訳されているのをしっかりと聞いていて、時おり「うんうん、」と頷いていたのが印象的だった。フリーではミスが出たけれど、あの構成はそうそう簡単にミスなく滑れるものではない、、、最期のタイムオーバーのリカバリーは、昌磨くんの全日本を観たのか!?と思ってしまったけれど、曲に遅れてる感じは無かったから編集のせいかな?でもそういうメンタルを持ち合わせているあたり、これからもどんどん成長してくる選手だと益々楽しみになる。

そしてジェイソン!もう本当に美しいし神々しいし、本当にこの人に高難度ジャンプが無い分を、昌磨くんに頑張ってほしいと思う。やっぱり彼の身体の使い方とか見ると、昌磨さん本人はどう思おうとバレエは大事だ。踊るという事の基本は身体の動きを自分の理想とする形で見せること、その為には身体中を自由に動かせる技術がどうしても必要だよね。そんなこともこの3ヶ月の間に考えてはいるのだろう(やるかやらないかは解りませんが)、、、っていうか、昌磨君だって子供の頃からバレエはもちろんやってはいるわけで、全然やっていないはずは無い。だたあんまり好きじゃないから自分の中での存在感が薄いのだと思う。本人が言うほどやってないわけじゃないと思いますよ。

全米女子のイザボウは、マッチ棒みたいだった去年より少しアスリートらしい身体になってきて、彼女とイリアがこれからの全米を背負って走って行くことになるのだろう。同時に大人スケーターのブレディーやグレイシーも頑張ってくれていて嬉しい。

さて、ヨーロピアンだ。男子はアダム選手がチャンピオンになった。このプログラムとても個性的なのできちんと表現できないと難しいけれど、しっかりとジャンプも決めて滑りきった。私は個人的にはケヴィン・エイモズ選手のプログラムが大好きで、本当に私とフランスは相性が良いのだと改めて思ってしまったりした、、、ケヴィンは本当に悔しかったと思う。去年からの怪我は完治しているのだろうか?ショート、フリーとも是非ミスの無い形で見せてほしい。オフリンクで大泣きしていた、、、世界選手権待ってます!

イタリアはマッテオ君のメダルで、ダニエルはちょっと崩れてしまっているかんじだなあ〜。リンクサイドにはデュダコフ、グレイヘンガウス両氏がいたけれど、キスクラには座らなかったね。ロシアに練習に行った事でバッシングなんかもあったんじゃないだろうか。メンタルがちょっと気になる、、、、昌磨さんがロシアの合宿に行った時はジャンプの練習をしたかったのに、決められた事しか「やってはいけなくて」、自分の意思で練習を組み立てる彼にはかなり違和感だった様子。帰ってきてからもロシアでの事は無かったかのように何も語らず、、、(内容を話してはいけないという規約条件でもあったかな)ダニエルにも落ち着いて成長できる場所が見つかりますように。他にも各国からの素敵な選手達がたくさんで、だからヨーロピアンが好きなんだ。デニスもケヴィンも世界選手権楽しみだよ!

男女とも嬉しい発見だったのが、銅メダルのスイスの選手達。ルーカス君、名字のほうがどうも「ブッチギリ」に聞こえてしまう(笑)。ステファン以来のスイス選手表彰台という事で、リンク裏でステファンに祝福されてたね。女子のキミー・ルポン選手も初々しくて可愛かった。彼女はこれからの体型変化をどう乗り切れるか、、?安定感を考えるとまだまだ他のトップ選手と互角に戦えるまではいってないかな~。

絶対にここでチャンピオンになりたかったルナ・ヘンドリックス選手は、やっぱりプレッシャーだったのかな。出だしはちょっと固いながらもうまく行っていたのに、中盤の2本の転倒は痛かった。彼女の持つダイナミックさは十分プログラムに生きていて、今回は本当に「不運」だったとしか言いようがない、、、大泣きしていたのが可哀想だったね。でも世界選手権ではきっとリベンジに来ると思うな。日本勢も危ないくらいに。

女子優勝はジョージアのグヴァノワ選手になった。美しい安定したスケートで、これはやっぱり優勝に値する。彼女もこれからの安定感では常時トップにくるのかな。ただ、彼女にもあらぬバッシングがされているのを目にした。「元々はロシアの選手が国籍だけ変えて、今もロシアで練習しているのに、これはいいのか」というもので、本当に政治のせいで試合に出られないロシアの選手達の思いも解るけれど、そもそもロシアの選手、というかコーチ、トレーニングセンターというのはみんな国家に所属しているのだから、「個人だけ」というのは認められない。むしろグヴァノワ選手はロシアからは「国を捨てた裏切り者」と思われてるのかもしれないし、本当に私達には解らない事だ。そんな中でもスケートを頑張り続けているのだから、彼女の美しいスケートを応援したい。

アイスダンスで注目していたのは、イギリスのライラとルイスのペア。今季のプログラムが両方ともかっこ良くて、シーズン初めの頃よりもっともっと洗練されている。イタリアペアには届かずに銀メダルだったけれど、久し振りにトップで戦うGBカップル。世界選手権はアメリカ、カナダ、日本、ヨーロッパと、アイスダンスは楽しみが一杯だ。今まではパパシゼ組とロシアで上位に入れなかった人たちが多いので、3位になったフィンランドのカップルとか、また見たくなるプログラムがたくさんあった。表彰式でスザナ・ラカモ氏からメダルを受け取って、スザナさんが凄く嬉しそうだった。大好きだったな〜、ラカモ・コッコ組。

長くスケートを応援してきているので、沢山の選手達を推しては見送ってきた。往年の推しが、今も別の形でフィギュアスケートを支えていて、今でも元気な姿を折りに触れて見かけるのは本当に嬉しい。スザナさんもそうだし、コーチになってるステファンやジュベール氏、振り付けで名前を見る人たち、、、

なんだか日本の国体も楽しそうな事になってるし、盛り沢山で追い付けないよ、、、何が何処で放映されるのかチェックしなくては。