日本勢が大活躍のGPFだった!りく・りゅうペア、昌磨 さん、舞依ちゃん、3カテゴリーで日本が金メダルを取るなんて本当に嬉しい大会になった。
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まずはやっぱり宇野昌磨選手!今季の調整がだんだんピースがハマって来ている様子で、ご本人も「これでできなかったら自分のせい」というところまで 外堀の調整が整っていたようで、これは期待しかないな、と思っていた。ショートのコンピネーションは4Tの着地が深すぎたから次が2Tになるのは見ていて判ったけれど、3Tでマイナスされるよりも2TでGOEを重ねて正解だった。99.99点は「イタリア式ジョークか、、?」とも思ったけれど。プロトコル見たら、ステップとスピンが一つレベル3になっている。4T-3Tも残ってるので、まだ伸び代があるということで次にいきましょう。このショートも良いプログラムになってきたなあ〜。最初に見たアイスショーでの衣装がスーツ崩れだったので、試合で赤黒の衣装を見たときは「どうなんだろう」と思ったけれど、炎と影のようで素敵です。

フリーはなんといっても6人全員が素晴らしかった。ほとんどの人がミス無しに近い、あるいは「惜しい」演技で、最初からレベルが高い高い。イリヤ・マリニン選手の4回転祭りで大いに盛り上がる。いつも他の選手の演技を見ているという昌磨 さんがこれで燃えないはずがない、という神大会ぶりだった。山本草太さんには感無量だった。ジュニア世界選手権直前に大怪我をしてからここまで、なんという8年間だったことだろう。昌磨・草太揃っての金・銀は関係者たちもいろんな思いがよぎったはずだ。

フリーの時間帯は仕事のランチタイムで、土曜日は30分しかブレイクがなく、丁度巻き戻しながら演技だけチェックできたのが山本草太選手の途中までだった。その時点でカテゴリーが全て緑だった草太君がイリヤを抑えられたのか、最後の昌磨 くんは、、、、??と思いながらも午後の仕事は途切れず、結果をこっそりチェックしたのは2時間ほど経ってから。でもフリー結果の一番上に「Shoma Uno 204.47」を見た時、思わず拳を握ってしまった。やった!、ということは300点越えで優勝だ。2017年に地元の名古屋で時間オーバーの減点で0.5点差で銀メダルに終わって以来、5年目の金メダル、しかもぶっちぎりの30点差だ。 

とにかくこのプログラムはどんどん磨かれている。まずジャンプの安定感。今季は他の選手も構成点が高く、特にマリニン君の構成点は120点を超える。ミスは命取りだ。そんな緊張感の中、するすると冒頭からジャンプをプログラムの一部として降りていく。3Aからのコンビネーションはあの着地からはマイナスになりかねないので単独で正解。4Tのコンボも本人は3Tを付けたかっただろうけれど一応あれで正解、GOEプラスが必須だ。それにしても演技構成の素晴らしさよ。
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スケーティング、音楽との調和、表現、醸し出す空気の全てが他の選手とは異次元だ。後半のステップで拍手が起きていたのは凄かったな。今回のステップ、なんだか凄みを感じて、ステファンがこのヤクブ・オルリンスキーの声を欲しかった、というのが解る。最後のスピンがどうしても時間ギリギリ、、?どうしてもレベル3にしかならないね、、、これはまだ改善の必要有りなのか、いや、、単純に「もっと早く回れ!」なのかな?

マリニン君も草太君もそれから佐藤俊くんも、素晴らしいプログラムを見せてくれたけれど、やっぱり大差の元はPCSだ。宇野昌磨さんだけすべてが9点台で92.88、他の選手で80点を超えた人はいない。これだけで15点近い差があるのだ。まさに別次元。

素晴らしかった!本当におめでとうございます。でもきっと彼はもう次の全日本の事を考えていると思うので、さらに完成度を上げられるよう、応援しています!
 
女子はこれまたショートが素晴らしい神大会で、見応え十分な試合になった。ただ、今大会は坂本香織さんがやっぱりちょっとショートの時から「いつもの精彩」を欠いていたように感じて、ショートはリードしたのだけれど、いつもの彼女の安定感じゃないような気がしていた。フリーでは歯車がかみあわなくなってしまったようで、残念だったけれど、今シーズンは「世界チャンピオン」の重圧に負けずに頑張って欲しい。そして、三原舞衣選手の優勝!!これも本当に本当に嬉しい!!復帰して3年目、やっとトップに戻ってきたね。ショートもフリーも本当に大好きなプログラムで、心に染みるというのかな、見ていて心から彼女の幸せを願いたくなるような気持ちになる。技術的な安定感も素晴らしい。

ヘンドリックス選手も去年より洗練されていて、ジャパンオープンの時よりも良くなってたのでシーズン後半が楽しみだ。彼女はきっとヨーロピアンチャンピオンになるだろう。アメリカのイザボー・ラヴィト選手もまだ伸びしろ十分だ。シーズン後半がどうなっていくのか、、!?

そして忘れちゃいけないジュニア達。島田麻央選手の優勝、吉岡希選手の銅メダル。そして繰り上がりで出場したペアの村上・森口組もこれからの成長を応援したい。日本のフィギュアスケートまだまだ続いていきそうで嬉しい限り。

今年の全日本は面白くなりそうだわ。女子、男子は熾烈な戦いになるだろうし、ペアのりく・りゅうはとにかく怪我をせずに世界選手権まで磨いていって欲しい。そしてアイスダンスはかな・だい組と小松原組がまたしても熾烈な戦いになるだろう。でも去年からの成長をみると、今年はかな・だいが来るかなあ〜、、? 

トリノのパラヴェラ会場は2006年オリンピックで荒川静香さんが金、ステファンが銀を、ステファンは2007年GPFもここで金メダルだったし、 2010年には高橋大輔、浅田真央のお二人が揃って世界チャンピオンに、今回も出ていた佐藤俊選手は2019のジュニアGPFで優勝している。そしてこの2019年のこの会場でのGPFがシニア参戦以降の昌磨さんが唯一出場できなかった大会だった。

「またステファンに喜んでもらいたいのでここに来たいです」という昌磨さんのコメントは「またトリノで大会があったら出たいです」なのか、次のミラノのオリンピックをトリノと勘違いしてなのかは、、、後者かなあ〜〜(笑)。記者会見では「ステファンの選手プログラムは見たことがない」とか正直すぎる回答で、ちょうど英語に通訳されてる時に部屋に入ってきた様子のステファンに「Four Seasonsを(アイスショーで)一緒に滑ったじゃないか〜〜」と肩を揺すられる、いつもの宇野昌磨だったのがまた嬉しい。そんな彼を「可愛くてたまらない」という笑顔で包むステファンの人柄が見える。本当に素敵なチームだ。

次は全日本!あと2週間しかないじゃない?みんな疲れもあるだろうけれど、本当に怪我、病気なく全力で集えますように。