Covid-19は益々世界中を混乱させている。どの国も第2、いや第3波がやってきていて、感染者数も鰻登りだ。そんな中で、ユ•ヨン選手意外は日本人選手のみ、という形で行われた今年のフィギュアスケートNHK杯。こんなラインアップはもう2度とないだろう。全日本以外でこんなに日本の選手だけを堪能できる機会は無い。
男女シングルは12名、ペアは今回は無くてアイスダンスが3組。日本国内で上位を狙う選手たちが集結した。ただ、女子では宮原選手と紀平選手、男子は宇野選手と羽生選手が出ていない。これは逆に言うとトップに続く選手たちをじっくりと観られる絶好の機会だ。 

フィギュアスケートはちょっと不思議な世界でもあって、今でこそ各エレメントに明確な点数がついて技の難度や完成度が評価されるシステムになったけれど、昔の6点制の頃はジャッジの主観で点数が付けられていた。そしてこのジャッジの主観というのは、実際には完全に無くなることはない。評価するのも人なので、「この子はできる」と思った時点で最低点が底上げされるのは否めないと思う。 

フィギュアスケートは大人になってからある日突然始めてできるスポーツではない。フィギュアを15歳から始めて国際大会に出てきた、ということはまずあり得ない。子供の頃から滑り始めてジュニア時代から国際試合に出ていると世界のフィギュア界の目に止まる。映えある国際試合で未来の金の卵を披露するのは日本のフィギュア界にとって重要なことなのだ。だからこそ、今回のNHK杯はまさに日本のフィギュア界にとって絶好の機会だったといえるのではないだろうか、、、

元四大陸選手権の優勝者、三原舞選手の復帰は海外関係者の目にも止まったはずだ。 そしてまだジュニアで表彰台に上がった本田ルーカス剛選手と松生理乃選手、松生選手はトリプルアクセルも跳ぶそうなので、シニアに上がった時には注目されるんじゃないかな。私個人としては本田ルーカス選手のスケートがとても好きだ。ただ、彼はジュニアといってももう18歳なので、この時点でプログラムに4回転が入れられないというのはシニアに上がって難しいかも、、、優勝した鍵山選手はもうすでに世界のジャッジ達の中で底上げされているはずだ。シニア1年目ではあるけれど、彼は世界の上位に入ってくると思う。5年前の宇野昌磨のように、、、

山下真湖選手も昨シーズンは低迷してしまったので、復活してきてくれて嬉しい。なんとまあ可愛いこと!4回転を狙っているようなので、頑張って欲しい。樋口若葉選手のトリプルアクセル着氷も次に繋がる大きな一歩だったし、圧巻の坂本選手は貫禄十分な優勝だった。全日本ではさっとん=宮原選手や紀平梨花さんも入ってくるから、表彰台には誰が乗るのか楽しみだ。男子はトップ2人が全日本に入ってくるけれど、二人とも2月以来の初試合ということになるので、ぶっつけ本番でベストが出せるか、、、!?

そしてなんといっても今回の話題はアイスダンサー•高橋大輔のデビューだ。実は思っていたよりレベルの高い演技だったので驚いた。結成1年目のデビュー戦でこれなら大したもんだ!!!これからの道は厳しいとは思うけれど、素敵なデビュー戦だったね。ただ、彼らには身長差が殆んど無いので、リフトにしても決めポーズにしても見栄えがしにくい。でもこれはどうしようもないので、それを補うケミストリーを放ってくれるカップルになれるといい。村元哉中さんはとても華のある選手なので、彼女を存分に引き立ててかつ自分の魅力も出せるようになると素敵なカップルになるだろう。 全日本までにどこまでレベルを上げられるのだろうか、、、?本当にもっと世界に出て行けたらすごいな、、34歳で別ジャンルでデビューなんて、やっぱり普通じゃできないことだよね。がんばれ!!

さらに楽しかったのはエキシビションだ。(ちなみに日本はいつもExcibition Galaのエキシビションのほうを言うけれど、海外では「Gala」と呼ぶのが普通)ここで目を引いたのがノービスの二人。中田璃士(りおって読むそうな、、!!)君と島田麻央ちゃん。この二人は絶対に将来世界の上位に行く、と確信させてくれるものがある。もちろんこれからの成長期で身体も変化するし、怪我もせずに順調に育ってくれればの話だけれど。これからまだ10年先も楽しみにできる選手が育ってるなんて本当に嬉しい。

さてそうなると上が詰まってくるんだよね。GPSは、自身が喘息持ちなのと人の移動を配慮、ということで出場を見合わせた羽生選手も全日本には出るようだ。去年の雪辱を晴らすべく全力でやってくるのか、それとももしかしたらこれを機に今後の進退を考えているのか、、、?
2月以来ことごとく出たかった大会が中止になってしまった宇野選手も、彼が一番大事だという全日本に照準を合わせているだろう。最近までは追いかけていた立場が、今や下からの若手に追い落とされかねない状況だ。スイスでの新しいスケート生活で、もう一段階化けることができるのか、、、(私は化けて欲しいと本当に心から応援している!)

今回のNHK杯は、日本からどんどん面白い選手が出てくることを大いに期待させる大会だったと思う。世界にアピールできたのではないだろうか。

全日本まであと1ヶ月を切っている。シャンペリーにいた選手たちも多分もう戻っているんだろうな。2週間の自粛が課せられるのか、特例があるのかあるいは極秘でこっそりなのかはわからないけれど、みんなが万全の状態で大会自体が無事に開催されますように。長野だったかな、日本の感染状況も深刻になりつつあるから移動制限なんてことになりませんように、、