やっとフィギュアのJapan Openを観た。いつもなら各国からのトップ選手が集まってそれでいてちょっとお祭りのような雰囲気でシーズン開幕を楽しむのだが、今年は日本選手のみで行われた。それでもベテランからジュニアの選手まで取り混ぜたメンバーで、こんな機会はもうないだろう。

そして何といっても特筆すべきはテレビ東京放送での町田樹氏の解説だ。これは面白かった!
私はネットで日本で放送されたフィギュア番組を見ることができるようになってからも、あえて日本版は見ないようにしていた。くだらないポエムのような要らない語りが多く、演技の内容を解説するというのが殆ど無いからだ、。去年までは、こちらのユーロスポーツがほぼすべての主要大会をノーカットで放映していたので、日本で放送された物はあえて見なかった。

町田さんの解説は本当にどの選手にも応援目線で、「先輩が後輩の肩を押してやる」ような暖かさに溢れていた。自身が現役スケーターだったのも最近なので、やっぱり先輩として見てしまうのだろう。
転んでも、「一回くらいは大丈夫」コンビネーションにならなくても「いいですよ」手をついても「これだけ耐えればまだまだ挽回できます」と、それはそれはポジティブで、聴いていて楽しくなってくる。今回は作シーズンの技術的なデータも照らし合わせて、「このジャンプは昨年は40%の成功率でした」とか「70%でレベル4でした」と各選手のデータを解説してから技を見るので、その選手の成長ぶり、不安定ぶりが見ていて判り易い。一人一人の選手の持ち味を分析した上で紹介してくれるので、演技の一つ一つを楽しみながら観ることができた。

もうこれからのフィギュア解説は全部彼にお願いしたいくらいだわ。解らずに見ている人にとっては「降りたか転んだか」しか見えないジャンプも、それがどんなに難しいものか、あるいは得意な技でも一瞬で失敗してしまうのだというフィギュアスケートというスポーツをまさに「解説」してくれている。なんといっても大袈裟でなく、心からポジティヴに応援する解説は本当に気持ちが良い。楽しく見られた。

JOはフリープログラムだけでの競演なので、カーニバルオンアイスのほうでは皆ショートプログラムを披露してくれた。そんな中で楽しかったのが樋口新葉さんのガラ用のプログラムだ。「これをどうしても滑りたい」とギリギリになって作ったプログラムだそうだけれど、昨シーズンからの彼女はまた新しい波に乗ってる気がするので、今シーズンも「来る」かも。ポエタは素晴らしいプログラムだし、トリプルアクセルが入るようになったら大きな飛躍だ。

昨シーズンはちょっと沈んだ山下真湖ちゃんも、今年は4サルコウに挑戦している。彼女もダイナミックなジャンプを飛ぶから、安定してきたら大きく前進できる。前にも書いたけれど私は樋口コーチの振り付けが好きなので、真湖ちゃんに是非頑張ってもらいたい。

JOとは別に始まっている地区大会もネットでいろんな演技を見つけることができた。嬉しかった三原舞選手。それにしても、、、細い!!痛々しいくらいに痩せてしまって、、、それでもスケートは結構しっかり戻ってきているし、ジャンプも不安定な感じはしなかった。相変わらずの優しい演技で、もう少し体力が戻ってくればまた素敵なスケートが見られる。本郷理華さんも見事な復帰で、またこの二人も全日本に戻ってくるのが楽しみだ。女子はますます混戦になるね〜〜

それにしても、日本の帰国後の自粛期間は今だに解けていない。どうしても海外から帰国する選手は全日本に合わせるのが難しいね。カナダの宮原さんやりく•龍ペアはGPの後時間があるけれど、フランス大会に出る3人は直行で日本に向かっても2週間隔離されたら調整に3週間しかないよ、、、、
まあ、やっぱり政府としてはどうしても来年の東京オリンピックはやりたいだろうから、なんだかんだで少しずつ自粛規制は解かれていくとは思うけれど、いつ誰を対象に、が気になる。

GPSに出る人たちも、せめてその前に一度くらいは無観客試合を経験しておきたいだろう。だっていつもと全然空気が違うだろうし、それでいて試合の緊張感で良い演技をする練習も必要だ。こうなると、むしろシード選手で海外にいる昌磨君や梨花ちゃんは、GPがぶっつけ本番になってしまうのかな、、、ステファンのことだからそれも見越して、毎日「真剣ランスルー」をやらせているのだろうか。うん、きっと対策はとってくれているはずだ、大丈夫。コーチ陣を信頼して思い切り自分のスケートを仕上げて欲しい。

日本人女子選手でトリプルアクセルや4回転を入れてくる人が出てくると、本当に熾烈な戦いになるね〜〜。ロシアの小娘達のジャンプとは違うダイナミックで重量感のある3アクセルや4回転を期待してます。男子も鍵山くんなんて本当にシニアデビューできっとトップの仲間入りをするよ。それこそ5年前の宇野昌磨だね。佐藤君も負けてないだろうし、山本草太、田中刑事、友野一樹選手あたりも4回転が安定してくると、トップ争いはますます混戦してくる。追われると弱い昌磨君も大変だし、気になっているのが羽生選手だ。

ずっとGPSにも出ないまま、ぶっつけで全日本に来るのだろうか、、?それまでにコロナの状況が悪化していたら、彼はどうするのだろう、、、?モチベーションは続くのか、、そんな中でどんどんトップ争いに食い込んでくる後輩達を目の当たりにして、それでも彼は来年までやるのだろうか、、、???羽生結弦の大きな決断が近いような気がしてちょっと気になる。もう一度、目を見張るような完璧なまでに神々しい演技は見られるのだろうか、、??

これからはコロナだけじゃなくて普通に風邪やインフルエンザが流行る時期だ。そういえばこの国は今年いっぱいでBrexitに決着をつけなくちゃいけないのに、そっちのほうの動きはどうなってるんだ??私は次はいつ日本に行かれるんだ、、?少なくとも自粛期間が解けるまでは行かれないよ〜〜
これからの季節同様、先は暗いなあ〜〜〜