天下のBBCが日本の俳優を主演にドラマを創った。

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以前から何度も言っているけれど、BBCやITVが力を入れて制作するシリーズ物のドラマは本当にクオリティーが高い。「日本でもこんなドラマを創る局はないのかい、、、!?」といつも思っている。
そうしたらなんと、日本の役者を起用したドラマをやっているというじゃないの!私は最近あまりテレビを観ないので、いつもなら予告とかで気づくはずが全く知らなかった。「先月やってたわよ」と友人に教えてもらってBBCのiPlayerという見逃しサイトでチェックする。

日本サイドの主要キャストに平岳大、窪塚洋介、本木雅弘 ら。ヤクザがらみのストーリーだといつもはなんだかよくわからない日本人もどきの俳優が出てくることが多いのだが、しっかりと活躍している日本人俳優がキャスティングされている。

ロンドンで男が殺されて事件は始まる。、日本の刑事、 モリ ケンゾウ(平岳大)は事件に使われた武器が死んだはずの弟に関係がありそうだと報告を受けて、真相の解明にロンドンにやってくる。弟のユウト(窪塚洋介)はいつしかヤクザと関わりを持ってしまい、2年近く前に組長の甥を殺したことで追われているうちに死んだと断定されていた。(遺体は上がっていない)

イギリスの警察より先にユウトを探し出して日本に連れ帰る為に行動を始めるケンゾウに、ロンドン警察の女性刑事や情報収集に協力してくれるロドニー等、日英の俳優たちがバランス良く配置されている。びっくりする程日本語のセリフも多いので、半分は英字の字幕が入っている。東京とロンドンの闇社会を描いていると同時に、それぞれの家族や元恋人など、様々な人間関係が入り込んで、ただのヤクザものじゃない奥の深い作り。

全8話なので3日間に分けて観た。アクションや暴力シーンもかなりの迫力で、痛いくらいに残酷だったりする。話はどんどん展開し、ケンゾーとユウトの家族達が女達(母、妻達、娘)のストーリーをきっちり作っている。出てくる人たち全員にそれぞれのストーリーがあり、それが交錯して話はどんどん見えなくなる。サスペンスの作り方が本当に巧妙だ。

俳優たちがみんな個性的。特に窪塚洋介さんが凄く良い役だ。彼は台詞回しがあまり巧い役者じゃないんだけれど、画面に出てくる演技はとても繊細で良い。平さんの方が表情少なめでちょっと無骨な感じかな、お父様の平幹二朗さんは愛くるしい目をキョロキョロさせて演技に幅をつけていた役者さんだったけれど、、、、あまりかっこ良くない中年刑事で弟に振り回されているっていう感じはすごく出ていて正解なのかな。ラヴシーン向きの役者さんじゃないような気もするが、、、、、?

ロドニー役のWill Sharpeがすごく良い。彼は日英ハーフだそうだ。女性刑事=サラ役のKelly Macdonaldはスコッツの女優さんで、実はスコットランド訛りの英語って何故かあったかく聞こえるんだよね。テレビ番組のプレゼンターにスコッツの人が多いのもそのせいかも。日英の比重が同等で、むしろこんなに字幕の多いドラマでいいのか、、と思ってしまうくらい。トレーラーはこちら



これはぜひ日本でも、、、と思ったらNetflixでしか放映されないの、、??それはもったいないでしょう〜〜!!こういうドラマこそゴールデンタイムに日本の視聴者に見て欲しいよ。みんなあんなに頑張ってるんだから。ヤクザの親分役の本木雅弘さんも良いよ、こんな役ができるとは思ってなかった、、、、
私がこっちにいるせいか、全く知らなかった日本の役者さん達もみんなすごく良い。日本のドラマもね、事務所の力とかスポンサーとかじゃなく、力のある役者たちをもっと起用して欲しいよね。

日本公開はまだということなので、ストーリーのネタバレは控えるとして、でも見応えある。8話でどう落とし前がつくのかと思ったら、なんだか最後が終わってない、、、??「え、、?これで終わりなの?何か解決した、、?」と思ってちょっとモヤモヤしているのだが、よーく見てみると、「Series 1」って書いてある。「Series 1 Episode1~8」って、、、

ということは、またシリーズ2があるということなのかな?だってそうじゃないと話が終わってないよ〜〜?まあ、ああいう終わり方っていうのもアリなんだけど?そういうドラマもあるしね。結末は付けないっていう、、、バイオレンスドラマじゃなくて、ちゃんと人間達を描いているのがクオリティー高い。ぜひオススメ!!って、なんでNetflixでしかやらないの〜〜??