さて、2019年3月29日、本当なら今日の午後11時にイギリスはEU(ヨーロピアンユニオン)から離脱することになっていた。3年前の国民投票で正式に離脱が決まり、2年前の3月29日に2年間の離脱条件交渉期間がスタートしてから、さてどんな条件で英国とEUが合意するのか、(別名、離婚条件とも言う)その行方が注目されていた、、、、

とにかく「遅い、、」と言うのがこの2年間の感想だった。なんだか全然話が進んでいないような感じで、「本当に大丈夫なの、、?」と密かに心配していた。流石に残り時間が数なくなるにつれて「どうなるんだ?!」の声が大きくなり、その割には内閣にいたメンバーがやめてしまったり、数人の議員達がそれぞれの党を離れて「独立党」を立ち上げたりと、議会の中でまとまっていない様子が浮き彫りに、、そして「棚ぼた」で首相になってBrexitの舵取りをする事になったメイ首相に対する不信感が募って行く。

メイ首相がEUとの間で合意にこぎつけた離脱案は議会で否決され、その度にまた案を練り直してみたものの結局3回目の投票でも否決された。メイ首相は「この離脱案に合意を得らたら私は首相を降りて、今後の舵取りは新しい人に任せます」と。自分の不人気度を自覚した決意で議員達に合意を呼びかけたけれど結局今日の投票でも否決、、、結局ついさっき30日に日付が変わっても英国はまだEUを離れていない。

最終的な延長を考慮したEUとの取り決めでは、もし今日の投票で離脱案が可決されたら、少し伸ばして5月に正式に離脱する、という新たな日程が提示されていた。そしてそれが叶わなければ、どんな状態でも(最悪、「ディールなし」でも)4月12日に離脱、と決められている。 あと残されたのは2週間、、、!!

大規模なデモが続き、「離脱」に投票した人々は3月29日は「独立祝い」と楽しみにしていた。みんな、イギリスが独立独歩、EUなしでも強い国でいられると信じて、それを目指して3年前に投票したのだ。政府の舵取りが全く機能していないこの状態にみんなイライラを隠せない。

あと2週間で何が起こるのか、本当に解らなくなってきたよ。メイさんが今降りたとして、新しい首相に誰がなるんだ?ここまで追い詰められた状態で首相をやりたい人がいるのか??総選挙だって息巻いてる人もいるけど、そんな時間はないだろう!!?   

まあそれでも「ここまできたら仕方ないからこの案で可決しよう」って事にならないイギリスの政治が私は面白いと思っているのだけれどね。日本だったらここまで追い詰めないでしょう、、妥協妥協で、なあなあに穏便案で通過させると思う。 「こんな妥協案の為に国民は離脱に投票したんじゃないぞ!!」と鼻息荒く反発してしまう議会政治、お手本になります、、、