79歳のイアン•マッケラン氏のリア王の舞台は是非見ておきたいと思ったのだが、そうなのだ、「リア王」は長い、、、開演時間が7時。私の仕事は6時までだが、時間きっちりに終わることはあまり無く、都心に出るには45~50分、いつもの7時半開演の芝居なら、なんとかコーヒーとサンドイッチくらいはお腹に詰め込んで行かれるのだが••••• 

躊躇している間にもチェックするたびにチケットはどんどん無くなっていくし、「どうしようかな」と思っていたら、またシアターライヴでやるという。家の近くのシネマだと、帰りも楽だし、本当は劇場で観たかったけれど、一歩譲ってシネマライヴのチケットを取った。

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「リア王」と言えば、数ヶ月前にBBCがアントニー•ホプキンス氏でテレビ版を放映していたのが記憶に新しく、比べてみるのも面白いと思っていた。そのブログ記事はこちらへどうぞ

今回の演出は元々Chechesterという地方都市のキャパ300の劇場での上演用として創られたので、ロンドンに持って来る際に、大降りにならないように留意したのだそうだ。上演されているDuke of Yorkは小ぶりな劇場だから、その意図は十分生かされていると思う。シアターライヴで何が良いかというと、役者の表情をアップで見る事ができる。反対に、あまりにカメラの寄りが多いと、「もっと舞台全体が観たい」とも思うのだが。

ケント役に女性を持ってきたのは変わっていた。そしてケントが変装してリアに付き添う際には思いっきりのアイリッシュアクセントになっている。ケントと三女のコーディリアが話の初めてでリア王の逆鱗に触れて「縁切り」の目にあうのだが、コーディリアのキャスティングだけが、どうもなんと無くしっくりこなかった。他の2人の娘も、グロースター、その息子のエドガーとエドモンドもすごく良かったので、余計に気になってしまった。

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今回コーディリアを演じたのは黒人の女優さんだ。こちらでは最近は肌の色に関係なく、黒人の役者達の普通にあちこちに配役されている。「家族だろう!?」と突っ込みたくなる事もあるのだけれど、親子、兄弟でもブラックの役者さんが配役されていることはままある。

演技的にはもちろん何も問題ないし、気にならない事の方が多いのだが、今回のこの女優さんは、話し方と首の振りにとても癖があって、それが気になってしまった。いわゆる「黒人訛り」と言えばいいのか、、、目をつぶっても「黒人だ」とわかってしまう滑舌なのだ。顎の骨格なのか、歯並びなのかはわからないけれど、すぐに解る。そして一生懸命話そうとするからか、首を振りながらセリフを粒立てようとしてしまうので、これが演技を邪魔してしまう。すごく気になってしまった。黒人でも普通に滑らかに話す役者もたくさんいるし、むしろロンドンの舞台ではそれが基準だったので、ちょっと驚いた。

それにしてもイアン•マッケラン氏は本当にプロ中のプロだと改めて凄いなと思ってしまった。もちろん彼はリアを何度も演じているし、まるで「もうセリフなんて体に染み付いています」という感じの自然さでシェイクスピアのセリフを紡ぐ。声も息も、そして目の動きまで、ちゃんと解って演じている感じだ。

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愛嬌のある役者さんなので、くるくると動く目だけでセリフが何倍にも膨らむ。巧いよ、、本当に名優だ。雨のシーンでは全身ずぶ濡れになって上着だけでなく中のシャツまでびしょ濡れだった。79歳で舞台に立ってこんなシーンを物ともせずにやり過ごす体力はすごい。そうだ、蜷川さんの最後のハムレットでクローディアスを演じた時の平幹二朗さんの時もそう思った。役者は体力勝負。頭も身体も声も揃っていなくては舞台には立てない。

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やっぱり劇場で観たかったなあ〜〜、でもそれでも観られて良かった。そのうち日本でも上映されるようだったら是非おすすめです。

さーて、いよいよ明日1日働けば日曜の朝には機上の人となる!!
でも、、、台風がやばい!本当にやばいことになってるよ、、、羽田に着くのが1日の朝7時の予定なのだが、台風真っ最中じゃないのか、、、ちゃんと降りられるんだろうか、ドキドキです。