今年のX Factorは 今までと様子が違うようだ。「ああ、またこの時期なんだな」と思いながら今年のシリーズを見初めて、今までとは一新されていることに気づく。

まず、いつもは最初の数週はスタジオのジャッジ達の前で歌う、というところから始まり、この時点では上手い人たちだけでなく、どうしようもない音痴な人や、「おとといおいで」みたいな人達の様子も混ざっていて、まあ歌のコンテストとちょっとエンターテイメントみたいなおふざけ混じりのオーディションが放映されていた。この段階ではまだ真剣勝負になっていなくて、馬鹿みたいに笑える人達も多かった。

ところが今年は最初からウェンブリーアリーナの大観衆を前にステージでのオーディションだ。編集された人達もみんな一次オーディションをYes4つで突破する、といった人達に集中している。まあ、一言で言えば「レベルが高くなっている」のだ。

正解だね。実際ここ数年のX Factorは「逸材探し」からは遠くなっちゃっていて、私も「逸材を発見するのは毎年じゃなくて3−4年に一回でもいいんじゃないか」と思っていたのだ。プロデューサーのサイモンはちゃんと解っていたのだなあ〜と、やっぱりSimon Cowellは凄いな、と思ったのだ。

そして一新したのはジャッジ達も。ボスのサイモン以外、他の3人が新しくなった。90年代イギリスポップスの超アイドル、Take Thatのロビー•ウィリアムス、そのロビーの奥さんで、アメリカ人の女優・プレゼンターのアイーダ•フィールズ(ウィリアムス)、そしてX Factorから世界のアイドルボーイバンドとなったOne directionのルイ•トムリンソンだ。

実は私はアイーダの事は全く知らない。ロビーの奥さんだということも知らなかったし、アメリカではTVショウやドラマにも出ている人のようだが、、、、、彼女はさておき、今回コンテスタント達と同様に何となく目が離せないのが、ルイ•トムリンソンだ。最初に彼をジャッジ席で見たときは「ルイが一体何やってるんだ、、??」と思ったのだけれど、あのOne directionのX Factorから実はもう8年も経っていたんだね。信じられない、、、

8年前、あっという間に世界中のトップアイドルになって、まさに痛快なくらいの快進撃を見せたOne Direction。そりゃあ凄い勢いがありましたよ。ちなみに彼らはx Factorの勝者ではなかった。確か3位だったと記憶している。(ちなみにX Factor出身者は優勝者よりも、2位とか3位だった人達の方がその後に活躍している)やがてメンバーの一人が抜けて、少しスローダウンし始めたな、と思ったら、しばらくして休止を発表した。最初は17~18だった彼らもアイドルから次のステージへとそれぞれが自分の行き先を考えたのだろう。一応「解散」にはなっていない。

今回ジャッジとしてサイモンの隣に座ったルイは、週毎に目に見えて成長しているように思える。今回の挑戦者の中には実際に個人的に知っている人や、One directionと同じ年に一緒にオーディションに参加していた人が再度挑戦していたりと、ジャッジとしてかなり難しい立場を経験する羽目になっている。それでも自分の正直な意見と適切な判断で、回を追う毎に見る目・聞く耳を肥やし、時々隣のサイモンに「僕はこう思うけれど、合ってる?」というような視線を向けながらジャッジとして成長しているのだ。最近はキッパリとサイモンの意見に異を唱える事もあって、頼もしい。

サイモンのSycoの子会社という形で自身のレコードレーベルを立ち上げたり、サイモンに付いてガールバンドの結成に携わったりしているので、将来は自分もサイモンのような音楽プロデューサーを目指しているのかもしれない。サイモンもルイに勉強させようとしている姿勢が垣間見えて、この後オーディションからJudge's House(カテゴリーに分かれてジャッジ達の家で集中レッスンをする)になっていくにつれて、どう仕切っていくのかが楽しみだ。

ロビー•ウィリアムスのTake Thatも、最初のアイドル時代から10年経って再結成した時には立派なプロの大人のグループになっていたし、その成長と共に一緒に大人になってきたファン達を大喜びさせた。そう、「アイドル」をやるのは若い時だけで、そこから大人のミュージシャンとしていろんな方向に向かっていったのだ。そして自分たちの後に音楽への夢を持つ人達を応援・育成していく立場に回っている。

そんなわけで、かなり高レベルなオーディションも去年までと違って面白いし、新しいジャッジ達の仕切りにも期待したい今年のXFactorだ。去年はほとんど見ないで終わってしまったけれど、今年のは何年かぶりで見ごたえあるかも。