アビゲイル、バーニー、クローダ、デズモンド、、、

今年の秋からイギリスを襲う大型の嵐にとうとう名前がつくようになった
_85419910_73583067

日本だと毎年やってくる台風は1号、2号と番号で呼ぶ。アメリカやその他の国では大型の台風やハリケーンには女性の名前を付けている。元々イギリスは、台風や竜巻といった自然現象にはあまり縁がなかったわけで、たまに被害が大きな嵐が来ても、その時だけの事として「いつもの」現象ではなかった。でも最近は温暖化も影響してか、毎年のように秋から冬にかけてあちらこちらに洪水を起こす暴風雨が やってくるようになり、遂にこの秋からは被害を区別するためと、人びとに気候の変化を認識してもらうという事で、名前を付ける事になったのだ。

どんな名前をつけるか、一般の人からもアイデアを出してもらうという事で、9月に入ってからe-mailや気象庁のFacebook等で募集した。Q,U,X,Y,Zを除くアルファベットで始まる21の名前を気象庁が発表したのが10月の末で、最初の名前付きストームは11月の初めにやってきた。これがAbigail。翌週のストームがBarney, 次にClodagh、一昨日からの暴風雨はDesmondとなった。

実はもう名前は順番に21番目まで決まっている。見てみると、アルファベット順で女性名と男性名が交互になっている。なるほど、、、、、ちなみに次に来るのはEvaになるそうだ。台風(Typhoon)やハリケーンという呼び方ではなく、UK・アイルランドを襲う暴風雨はStorm Abigail, Storm Desmondのように呼ばれる。とうとう気候の変化もここまできたのか、、という実感。

私がイギリスに来て少し経った80年代後半から地球の温暖化を科学者達が言い始めていた。Global Warmingという言葉を耳にするようになり、20-30年後に向けて警鐘を鳴らしていたのが、今やその30年後になったという事なのだ。先週は各国首相がフランスに集まって話し合いをしたものの、今さら50年前に戻れるわけでもない。テクノロジー発達の代償なのだから

今年のイギリスは(いや、イギリスだけじゃないみたい)気持ちが悪いくらいに暖かい秋・冬を迎えている。11月に入るまでセントラルヒーティングを入れなかったなんて初めてだし、今日だって気温が12度もある。もちろん暖冬なのは嬉しいけれど、単に喜ばないものがあるのが現実だ。昨日のデズモンドのおかげでイングランド北部は大洪水で、今日もスコットランドへ向かう電車はエリアで不通になっている。

去年も一昨年も冬に南イングランドが洪水になって農作に大きな影響が出たし、次の「エヴァ」がやってくるのももうすぐなのだろうけれど、せめて21の名前を全部使うまでにはもう少し時間がかかって欲しいものだ・・・・