日本のドラマはそこそこ各クール2ー3本を観てるけれど、先週からはじまった「明日ママがいない」が物議をかもしているらしい
今クールは何を観ようかな、、とチェックしていた時には実力派子役達が主演のドラマという事だけれど特に興味があった訳ではなかったのだ。実は芦田愛菜ちゃんは名前はよく聞いていたけれど観た事がなかった。最近は彼女以外にも実力派と呼ばれる子役達が大活躍で、層が厚くなって来ているのは知っていたけれどね。昔から大人の役者が喰われるので苦手とするのが「子役」と「動物」といわれている・・・・家政婦のミタの本田望結ちゃんも巧かったよね〜〜〜

うっかりスルーしそうだったこのドラマを観る事にしたのは三上博史さんの名前を観たからだ。なんといっても主役じゃない時の三上さんは絶対に良いと決まっている。主役じゃない時は必ず面白い=三上博史ならではの役をやるからだ。そしてさらによくチェックしてみると監修は野島伸司さんだ。これは観なくては・・・!!

さすがは野島さん。脚本は若手の女性脚本家の松田沙也さんが書いているようだけれど、最初から野島ワールドが炸裂のドラマになっている。ちなみにこの本、よく聞いてるととってもセンスの良い台詞がそこここにちりばめられている。かなりエグイ雰囲気は否めないけれど、野島伸司さん監修のドラマはいつもの事ですよね・・・

と思ったらなあ〜〜んと!!実際の赤ちゃんポストを運営する病院から講義が出てしまって、おまけに放送中止まで要求していると聞いてちょっと信じられない。確かに現実とは違うでしょう。それはまともな頭を持って成長した人になら必ず解ります。ポストというあだ名が付いた女の子は赤ちゃんポストに捨てられていたから、という設定だけれど、この舞台になっている施設が赤ちゃんポストだとは出て来ていない。私は普通に観ていて赤ちゃんポストから廻ってここに入れられたのね、、と思っていた。何故実際の赤ちゃんポストがこのドラマに抗議するのか解せない

三上さん演じる館長は思いっきり不気味でワケアリな人物だけれど、別に子供達を虐待しているわけじゃない。確かにかなりエグイ事を言ってはいるけれど、よく台詞を聞いてください、嘘は言ってないでしょ、、、と思う。施設の子供達が、何かにつけて不公平に「これだから施設の子は・・・」と矛先を向けられるのは実際にはよくある事だ。不公平で残酷な、でも現実だ。親がいないというハンデを持った子達が世間で立派に生き抜いて行くには、館長の言うようなちょっとエグイ技も度胸もバネのような強さも必要なのだ。その台詞は決して絵空事の暴言じゃない。

喧嘩は先に手を出した方が負け、というのは昔から親が教えて来た筈の事。反抗的な目で反省の色が無い子はほっぺたをちょっとひっぱたく位の事は、昭和の時代には躾けの厳しい親ならやってきた事だバケツを持って廊下に立ってなさい!というのも昔の小学校の処罰の代表だったはず。むしろ懐かしい親の躾けで、暴力とも侮蔑とも思わなかったよ。これに抗議が来るという事が私には信じられない
それよりもちゃんとこのドラマを観たのか、と問いたい。子供達の力みなぎる演技を観て、むしろあまりのパワーに圧倒されそうだ。このたくましさでこれからどんな風に展開していくのか・・・

日本の本音と建て前というか、オブラートに包んだような曖昧さと言うものが、私は海外に出て生活するようになってからとてもクリアに見えて来た。核心を付く事を避けるのだ。「空気を読め」なんてまさにその典型。空気を読め馬鹿言ってないでちゃんと言うべき事を言えばいい。間違ってるなら即その場でいさめればいい事だ。だから個人同士での討論ができないし、人と違った意見を言う事すら怖くてできない人が多過ぎる。身体的な欠陥がある人にその事を口にするのはタブーだし、「デリケートな問題だから」と話題にするのを避ける。

ポール・マッカートニー氏と以前結婚していた元モデルのヘザーさんは、不幸な事故で片足を切断する事になってしまってモデルの道が閉ざされた。以前インタビュー番組に出演した際、スタジオの観客達の目の前で、スカートの裾を上げて膝からの義足をはずしてテーブルの上に乗せ、最近の義足がどんなに巧くできているか見せたのだ。日本だったら観てる方が「ひく」のだろう・・・

テレビドラマの設定が現実じゃない事が解るのは日本人が世界一と言われている。仮面ライダーやらアニメやらに囲まれて育った私たちは、子供の頃から架空と現実の区別ができるように大人になったはずなのだ。だから強烈なインパクトで社会をえぐるようなドラマを数々生み出して来た野島伸司さんの監修ドラマで、生真面目に抗議なんてしなくて良いのだ。むしろ、これからあの子達がどんな風に戦っていくのか、その子供達をとりまく大人達がどんな心の傷を持って大人になったのか、先の展開が楽しみだ

三上さん演じる館長も、愛情とまではいかないかもしれないけれど、私は決して冷たさは感じなかった。むしろ子供達一人一人をしっかりと見ているような気がする。貧しくても愛情深い新米里親の夫婦も、子供欲しさにちょっと精神を病んでしまった奥様も、施設の子達を偏見視するおつむの悪いママ達も、どれも実際に現実的なキャラクターだ。決して嘘じゃないと思う。

痛くても、核心を付いて人の裏側の姿をあぶり出す事で社会に問う。久しぶりの野島ワールドなドラマで、子役達の凄い演技合戦に釘付けになってしまう。やっぱり三上さん良い役だなあ〜〜!「実験刑事トトリ」も軽快で面白かったけれど、三上博史と野島伸司の相性はやっぱり抜群だ
中止なんてとんでもないでしょ、先が楽しみです