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ウェイマスでの2日目、朝起きてリビングに行くとまさに陽が昇ろうとしている所(7時半頃)、そのまま観ていると窓の外真っ正面に朝日が昇って来た。この写真はリビングの窓越しに撮ったもの。プライムロケーションとはこの事だ、まさに絶景!!

この日から2日かけてウェイマスのお隣に繋がる島、ポートランド(Portland)を歩こうと、地図や資料を見ながら検討していたのだけれど、距離は短くても、アップダウンがあるし足場も悪いと思うようなスピードでは回れなそうだ。途中をはしょるにはバスに乗るという手があるのだが、どこをバスが通るのかが解らないとルートが決められない。そこで昨日のうちに一度バスでポートランドまで行ってみた。ウェイマスからポートランドまでのバスは一番頻繁で10分毎に出ている。夏のシーズン中は島の先端にある灯台まで行く観光客用バスが出ていたそうだが、10月からはその路線は無くなっている。)地図を持ってバスに乗り込み、島のどこにバス停があるかをチェックして印をつける。ロンドンと違ってバス停1駅の距離が長い。というのは、集落地以外は何にもないので、次の集落までバスは止まらない=止まる意味が無いのだ。

丸一日歩くより、まず東側を半日歩いて翌日に西側を、、と決めてみた。歩いてみるといきなり急勾配が延々と続く。日頃ステップで鍛えておいてよかった!ポートランドは実は良質の石灰石で有名だ。ポートランドで切り出されるライムストーンは輝くような白黄色で、多くの有名な建築物がポートランドストーンで建てられている。セントポール寺院、バッキンガム宮殿(正面側)、国会議事堂、リージェントストリート、国内にとどまらず、国連本部の建物もポートランドの石が使われているそうだ。まだ18世紀の頃、産業革命以前の時代に、切り出した何トンもの石を山から波止場へ運ぶだけでも相当大変だったはず。まさに知恵と人力の賜物だ

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右の小道(昔の商道)を延々と昇ってきたご褒美がこの風景。向こう正面がウェイマスの街で左の白い筋になった海岸がジュラシックコーストでも有名なChesil Beach。実はこの砂州は岸からは離れている。海岸線と平行にこのポートランドから17マイル、ひたすら線のような砂州が続いているのだ。ウェイマスとの間の海はオリンピックのセイリング競技が行われた所。以前は海軍が所有していたそうだが、今はプライベートなセイリングスクールがある。

ちなみに歩いている間、ほとんど人に会わない。時折私のようにハイイングをしている人や犬を散歩させている人とすれ違ったりするものの、すぐにまた一人になってしまう。地図にはないような小さな小径が無数にあって、どこからか現れた人もまた気が付くとどこかへいなくなっている・・・それにしてもここはお犬様天国だ。ビジターか地元の人かの区別は犬を連れているかどうかで解ると言っていい。それでも犬の糞なんてほとんど見なかった。ちゃんと良識ある人達がきちんと躾けた犬を連れているのは気持ちが良い。

高台をさらに歩いて行くと、要塞跡=Verne Citadelに出た。
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ポートランドは南端の島だから昔から要塞が作られ、島を守る役目をしてきた。Portland Catsleはヘンリー8世の時に作られた要塞で、東の玄関口にある。そして島の最高部に作られたVerne Citadelは第2次世界大戦時に訓練の場として使われ、やがて兵士達(英軍のみでなくアメリカからも合流した連合軍)はウェイマスからノルマンディー上陸作戦(D day)に出て行ったのだ

シタデールの後、簡単な地図では解り難いので目につく小径を見ながらどっちへ行こうかとウロウロしていると、近くでガーガーと音がするのに気付いた。ゴミの収集車のような音なのだが切れ目がない。何事があるのかと思って少し高い所に上がってみると、目の前にいきなり採石場が現れた!これぞ有名なポートランドストーンの切り出し場だ。
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それにしても再良質と言われる石灰石は目にしみる位に白い。切り出した部分の地層がはっきりと見られる。ポートランド西側のTout Quarry(タウト採石場)は18世紀に稼働していた旧採石場だ。ここは今では残された石を彫刻に使ってアーティストを育てるいわゆる地域プロジェクトに利用されている。まだ機械の発達していなかった時代に、ここからセントポール寺院やリージェントストリートを造った石が運ばれていったのだ。このタウト採石場の中には60を越える彫刻がさりげなくそのへんの石に刻まれている。私は数個しか見つけられなかったけれど・・・

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高台からまた細い道を下り、茂みの中を一人で歩いているとちょっと不安になったりもする。「ここで足を滑らせて死んだら、当分誰にも見つけてもらえないんじゃないだろうか・・・?」という恐怖がフッと襲って来たりするのだ。もちろん私の場合はあくまでも一人で来たかったからそうしたので、一人で計画して歩き回る醍醐味を充分に味わいたかったのだけれど、たまに人が歩いているとやっぱりほっとする。それにしても無限にルートがある。今度また来た時には違う道を行ってみよう。距離的には近いのだから迷って出られなくなるという事は無い。実際3時間程歩いても距離としては3キロ四方内だ。疲れたら途中から大通りに出てバスに乗ってしまえば良いんだし・・・

今度はうちの彼も一緒に歩きに来よう。もともと彼の方が歩くのが好きだからね、きっとここが気に入るだろうな