なんだかついてないなあ〜〜、、、

久しぶりのTheatreはレビューのすこぶる良いコメディーという事で期待してたんだ。演目は「Butley

40代にさしかかったベン・バトリー(Butley)の自暴自棄な人生クライシス。大学教授という職にある彼の今は、日々「思い通りにいかない」状態だ。他の教師からは彼が採用した学生の事で文句を言われ、別居中の妻は、なんと彼が最も軽蔑し馬鹿にしている男と再婚しようとしているし、ルームメイトで後輩のジョーイは、ベンの自暴自棄かつ身勝手な言動に愛想をつかしてゲイの恋人と暮らすべく家を出ようとしている

このバトリーという男は、なにもかもを否定的にとらえ、それらに対して辛辣な皮肉をぶつけ、自らを無理矢理正当化しようとする、あまり好かれない人物だ。毎晩酔っぱらい、言わなくて良いような嫌みをぶつける・・・こういう人物を演じるのは実は難しい。観ている観客に嫌悪感を持たせてしまうと芝居として引っ張れないからだ。このキャラは嫌な奴、でもその辛辣なジョークは思わず笑いを誘い、嫌な奴なりの魅力がないと厳しい

実は1幕の途中当たりで、私は笑えなくなってきていた。ベンというキャラクターにどうしてもイライラさせられて、その演技自体が不愉快に感じてしまったからだ。ジョークが面白く無い。笑えない、、、だんだん観ているのが嫌になってきてしまうのだ。それでも1幕で盛んに会話の中に登場する人物がまだ実際には出て来ていなかったりしたので、きっと2幕でもっと展開があるのだろう、、、と思いつつ幕間になった

休憩の間にちょっと席を立って早めに戻ると、私の右隣りにいたカップルの男性が、「君、この芝居観て解る?」と言うので、一見外国人で独りで来ている私がちゃんと芝居を把握しているのかと聞いてるのだろうと思い(この時期は観光客も多いから)、「解りますよ、ここに長年住んでますし、芝居はしょっちゅう観てますから」と答えると、次には「ねえ、、これ面白いと思う?」と聞いて来た

こういう会話の場合、まず当たり障り無く「ええ、楽しんでますよ」とは言ったものの、彼はちょっと疑問な様子。そこで、「でも正直な所、あのキャラクターは笑えるというよりも、イライラさせられる気がしてちょっと微妙ですよね、、、」と言ってみると、彼はむしろ安心したように、「そうだよね、なんだか面白く無いんだよ」と言う。彼曰く、いろんなレビューで4つ星を取っているので、面白そうだと期待していたのだけれど、どうも1幕を観た感じではピンと来ない、というのだ。

そんな私達の会話を耳にはさんだのが私の反対側にいた老夫婦。「芝居自体がちょっとレトロな感じよね。私達(70代)には懐かしい感じもするけれど、今の時代にはこの本はマッチしないわね」との御意見。とりあえず2幕に期待しましょうという事で2幕になったのだけれど、、、、

やっぱりイマイチ笑いに到達しない。もちろん観客の中には大笑いしている人達もいて、その人達はテレビドラマで有名になった主演俳優のファンなのか、それともひとつ一つの台詞がちょっとおかしければ笑える人達なのか・・・?? 確かに本としては台詞はウィットに富んでいて面白いのだけれど、演技がイライラさせられる。このアンバランスはどう評価したものか・・?

終演後、両隣の人達を再び談議。「嫌な奴を魅力的に演じるっていうのは、やっぱり役者の愛嬌だと思うんですよ」と私が言うと、若いカップルの男性は(この彼は自身が俳優でもおかしく無い感じだった)「嫌な奴を演じているのを観て、観客が不愉快になったら失敗だよね」と賛同してくれた。老夫婦も、「私達には解る部分もあるけれど、今の時代にリバイバルするなら、もっと違う演出のほうが良かったわね」とのお言葉・・・彼等は話してみるとやっぱり芝居好きで、劇場にはしょっちゅう足を運んでいるそうだ。帰り際老婦人が「次はBetty blue Eyes(私はピンとこなくてパスしていたミュージカル)を観るといいわよ」というので「面白かったですか?」と聞くと、、、ニッコリ笑って「冗談よ、やめといたほうが良いわ

まあ、すべてのロンドンでの芝居が面白いとは限らない。それでも観なかったよりは彼等と楽しい一時を過ごせたと思いながら帰路についた。

電車を降りて家に向かう。11時ちょっと過ぎ・・・バス停に10人程のティーンエイジャー達がフッドを被った姿でたむろしている、、、これやっぱりちょっと怖い。携帯を耳に当てて、電話しながら歩いてるふりをする。ガキ共は特に何をするでもなく、バス停から道路に歩き出て、車がやってきてもよけようともせず、車のほうが注意深く彼等をよけながら走って行く。通り過ぎてから、まさか携帯目当てに追っかけて来ないだろうな〜、、と思い、彼等のほうを振り向きながら歩いていたら、いきなり足元がつっかかって転んでしまった!!

なんの構えもなくいきなり地面転ぶって、すごいインパクト! 自分でも一瞬何が起こったのか理解するのに時間が必要だった。後ろ向きで歩いていた時の事なので、無防備に地面に叩き付けられて、膝は惨めにえぐられ、付いた手首は捻挫気味・・・ さらには、先週からの警戒で目の前の警察の前に5ー6人の警官が・・・

すかさず私を見ていた警官が「大丈夫?」と声をかけてくれた。半分恥ずかしく、半分安心した思いで、「あの子供達が気になって振り向いてたら、転んじゃった・・」照れ隠しで言うと、「僕たちもさっきから彼等には注意してましたから、大丈夫ですよ」とのお言葉。

そうだよね、、、ふと見ると、彼等の他にもパトロールの警官がそこここに・・・私が振り向くまでもなく、警察に任せてさっさと歩き去れば、惨めに転ぶ事も無かったってか・・・

左手首は捻挫した感じ、これって、仕事にさしつかえるんだよねえ〜〜・・・あ〜あ、なんだかついてないなあ〜。右の膝小僧はホントに可哀想な事になってるし、なんだか落ち込む・・・