英語を結構勉強してからでも、イギリスでの生活にかなり慣れてからも、最期までちょっとドキドキしたものだったのが、「電話で話す」という事だった。顔の表情がわからない、完全に耳だけが頼り、電話での声は回線によって聴きづらい、、、 電話での緊張感が無くなったのは、やっぱり仕事を始めて大分経ってからだったろうか、、、

毎日の仕事でもお客さんの名前を聞き取ったり、注文の際に処方箋の数字を正確に言わなくてはならないので、もちろん今でも気をつけて話している。得に人の名前は。もはやイギリスではSmithJonesなんてロンドン周辺では少ないくらいだ。うちは特にギリシャ系、トルコ系のコミュニティーがあるエリアなので、その手の名前や、アラブ系、アフリカ系の名前も多い。名前は必ず名字をスペルしてもらうようにしている。

英語で聴き間違い易いといえば、
SとF、PとT、BとV、MとN あたりが典型的だ。日本語での「朝日の」のように、スペルする時に区別する例というのがある。人によって少しずつ違う場合もあるけれど、私がよく使う(パッと思い浮かぶ)のは、

S for Sugar,   F for Freddie
P for Peter, T for Tommy
B for Baby,   V for Victor
M for Mother,   N for November

ところが、今日の人はなかなか笑えた。スペルしてもらって「アイ」というので、私が「iですね」と言うと、「違う!i じゃなくてアイだ」という・・・ もう一度私が「i=ai」と繰り返すと「違う!アイだ、、ai for APPLEという・・?! 内心ええ〜〜?と思いつつもそこはクールに「ああ、A=エイですね」と返すと「そうだ、アイだ」と・・・

ちなみにこの人、その後も「E for Eye=アイ」と言ったのだ。これは「オプティシャンに対する洒落か」、とも思えるけれど、Eの表現にEyeはあんまり使わないんじゃない、、?あくまでも、聞こえる音がアルファペット読みと同じであるか、誰にとっても解り易い単語例にするかが基本だ。E なら普通だったら、E for England とかE for Edwardとかさ〜〜。

例えば、こんな風に言われたら困るっていうのは、
K for Knight、P for Psycho みたいに、音と関係ない語を言われる事だ。まあ実際には殆どないけれど。Way をワイ、Eightをアイト Isn't it?をインニ? と発音するのは東ロンドンのコックニー(Cockney)と呼ばれる訛り

前に電話会社のカスタマーサービスがインドにあるっていう事をちょっと書いたけれど、彼等の発音を聞き取るのもなかなか大変。アラブ系の人やアフリカ系の名前はもはや私達にとっては意味をなさないから、スペルしてもらわない事には全く解らない。Kalikali sarapongさんなんて人もいたくらいだし(こちら)インド系の人で名字も下の名前も25文字なんて人もいるしね。そうそう、アラブ系の「フセイン」という名前はホントに何種類ものスペルがあるのだ。

Husein,  Hussein, Husain,  Hussain, Huseyn,  Husayn,  Hussayn, Husseyn, 

毎日カルテをファイルしてるL嬢は実は大変なのだ・・・