厳しいよね、、、でも事実だから仕方ないでしょう。
やっぱりここはスルーせずにちゃんと書いたほうがいいと思うので、あえて惨敗と書きました

6月9日に幕が開いたばかりの宮本亜門氏演出の「Fantasticks-ファンタスティックス」が3週間も経たずに幕を閉じてしまった。

本来は9月5日まで既にチケットが販売されていて、この3ヶ月の評判次第ではそれ以降のロングランも、、、という事だったのに、この3ヶ月すら待たずに3週間弱でクローズというのはあまりにも悲惨、、、
私だって一応今月行くつもりでチケット取ってあったのに、これはあっさりとリファウンド。今までにチケットを取ってあった公演が打ち切りになって返金されたのは「風と共に去りぬ」とこれだけだ。

ニューヨークのオフブロードウェイからスタートしたこのミュージカルはその後ブロードウェイに上がって40年もアメリカの人達に愛されて来た。ロングランの記録を作って来たミュージカルなのに、何故かロンドンでは一度も当たっていない。今までにもロンドンで上演された事はあるのに、いつもヒットにならずに消えてしまっていたのだ

思うのだけれど、このミュージカルはあんまりイギリス人は好きじゃないかもしれない。確かにストーリーのプロットにはシェイクスピアなんかも使われてるんだけど、イギリス向けじゃないのだ。かくいう私も実はあんまり好きなミュージカルというわけではない。でもやっぱり日本人演出家が海外公演ではないロングラン公演を手がける、という事で観てみようと思っていた。

力も実績もある役者が出ているのだし、宮本さんもこの芝居は日本で何度も上演しているので、いろんなアイデアがあった事だろう。でも好かれる舞台というのはそれだけじゃないのだ。感性が合わないとね・・・

逆だってある。ロンドンでは絶賛されて大ヒットになった「Enron」という芝居が、最近ニューヨークに進出して見事にコケた。これはやっぱりこの芝居がニューヨーカー達に好かれなかったという事だ。ヒット作ならなんでも好きっていうわけにはいかない。そのへんを見越して企画するのはプロデューサーの腕なんだけど

だからこそ、この前観て来た「ヘアー」は巧くやったなと思った。もともとアメリカの芝居、初演当時にはイギリスでもその時代だからこそのメッセージとむき出しのパワーで大ヒットになったミュージカルを、今この時代にロンドン再演するのは冒険だ。単純な質問=「何故今Hairなのか?

無意味にロンドン版として再演する代わりに、カメロン・マッキントッシュ氏は去年トニー賞を取ったブロードウェイのカンパニーをそっくり持って来た。初演時に青春時代を送った世代と、今上演している若い役者達と同年代の=噂に聞いていた伝説のミュージカルを観たい観客がどちらも楽しめる舞台として。そして今当たってるよね〜〜、流石は凄腕プロデューサー!

舞台が幕を閉じる原因はいくつもある。最終的にはプロデューサーが金銭的なプラスとマイナスを考えて決めるのだろうけど、90年代の不況の時期には、かなり面白いと思った舞台が次々と幕を閉じていった。まさに「幻の、、、」と名のつく作品はいくつもある。ファンタスティックスだってそのひとつにすぎない。演出が宮本亜門だったからクローズしたわけではないのだ

でもやっぱり残念だったね。いくつか読んだ評の中には、「日本人がウェストエンドのミュージカルを演出する」という事に初めから好感を持っていなかったと思われるものもあった。「誰が演出したか」じゃなくて「どんな演出だったか」でちゃんと評価できないのは書いた人の程度が知れる。まあそんな記事はほんの一部だけど

この前観た「サロメ」だって、演出家は他にいくつものヒット舞台を作っているし、私も観ている。ただあの芝居の演出に関しては同意できなかったという事だ。

宮本さんのファンタスティックスは秋にはまた日本で上演されるそうで、かなり落ち込んでいるだろうとは思うけれど、日本流のミュージカルとして日本のお客さんに好かれる舞台を作ってくれればいいんじゃないのかな。去年日本で観た「三文オペラ」だって、日本以外では到底当たらないとは思うけど、イマドキの日本だから面白いと思ったし・・・

厳しいけど、仕方ないよね。