なんだか盛りだくさんの週末

vuvuzelaとやらの、怪し気な羽音騒音がとびかう空気に魔力でもあるのか、はたまたヴヴゼラの呪いなのか、ワールドカップもあちこちでいろんな事が起こっている。イタリアもフランスもドイツもスペインもそしてイングランドも勢いのないスタートだ・・・イタリアは危ないかも(ベスト16に入らない)、、イングランドもだけど

昨日はスウェーデンのヴィクトリア王女の結婚式。地方出身のフィットネスインストラクターから8年かけてロイヤルプリンスとなったダニエルさん、いや、プリンス・ダニエル。逆Fairy taleだわね〜。それにしても彼のあの眼鏡、なんだか変身前のダサイスーパーマンみたい。そして今日はフェルセン伯の惨殺事件から200年記念。同じストックホルムの大通りで最期のホルスタインーゴットープ王家皇太子の葬儀の最中。なんだか皮肉だわ・・・

さて、「同窓会」の最終回、ここへきていきなり盛りだくさんでびっくりしてしまった。この前の2ー3話がなんだかノロかったので「引っ張っておいてこうきたか」というのが正直な感想。でも悪く無かった!っていうか、思ってたより良い決着の付け方だ。さすがは井上由美子さん

昔から私が何かを始める度によく友人達が「偉いよね〜、新しい事を始めるのって難しくって・・・」と言って来たものだけれど、私は逆だと思っている。私だからかもしれないけれど、何かを始めるのなんて、ほんのちょっと思い切ってドキドキしながらやってみれば良いだけの事。むしろ、何気なくずっと続けていた事を止めるという事のほうが余程勇気が要る

そして「離婚」というのはその代表格。自分の意志で終わらせない限り、自然には終わってくれないのだ始まりには終わりがあるものだけれど、始めた事は止めなければ終わらない。この勇気が出せなくてなんとなくズルズルと人生を引きずってしまっている人達がどれほど多い事か・・・

もちろん皆その中で、「なんとかしたい」と思いながら努力してるのだ。でも、それでも結婚生活が惰性以外の何者でもなくなってしまった事を感じながらもがいている人達は、既に人生の半分以上を過ぎてしまった年齢だ。終わらせる事はおろか、その先にまた始める事を考えるのさえ気が遠くなる、というのが現実なのだ

そんないろんな思いを抱えているだろう30代後半から40代、いやきっともっとずっと上の年齢の人にまで、このドラマは幅広く考えるものを与えてくれたという事なのだろうか。最終回の視聴率は17%を越えたというからオドロキだ。W杯の裏でこの数字は大健闘といえる。

昔の思い出には勢いはあっても底力は無い、と前回書いたけれど、「同窓会」の最終回はまさにそこを突いてくれた。廃校の教室で、皆に向かってくってかかった大久保の問いつめ、「人生を変える覚悟が本当にあるのか?」

あのシーンの三上さんの演技は素晴らしい、っていうかあのシーン、編集でのカットとかが無かったのだとしたら、井上さんの本は余程三上さんを信頼して書いたんじゃないだろうか、、一人一人に「同窓会さえなかったらあんな事もこんな事も無かったはずだ」と食らいつくように叫ぶ台詞の中に、彼自身の事が入っていない

一番悲しくて惨い大久保自身の変化。それは「あの同窓会のおかげでもっと生きたいと思うようになってしまった」事だから。医者の言った奇跡を彼自身が信じていない事は明らかだ。もっと生きたいと願うようになってしまった自分はもう時間がないのに、という苦しさが、台詞には無いのに演技に出ていてやっぱりこういう芝居をする三上博史が好きだなあ〜

皆の決意の程を聞いて安心したように笑いながら、でも泣いている大久保の心の痛み、その後机に座って空を見上げている穏やかな顔。こういう、何か浄化したような力みのない穏やかな顔、凄く良い。三上さん、良い役をやったね。また三上博史主演で人間ドラマが観たい。野島さんの本で演ってたみたいな・・・

橋の上での約束から再会までに、それぞれの家庭にどんな変化があったのか、下手に書かれていなくて良かったと思う。それは本当に千差万別、観る人の人生の数だけストーリーができる。始める為に終わらせる道を選んで再会した杉山と朋美とは対照的に、自分の意志に関わらず「終わってしまった」陽子の立場が余計に悲しい。真っ黒な涙で大泣きする姿もまた現実なのだ。

視聴率は上がらなそうだとタカをくくってたのに、最期にはいろんな環境の人達に幅広く納得してもらえるドラマになったと思う。9話はちょっと短かったかなあ〜4人主役にしては。ちなみに私は大久保君と奥さんの関係が何気に好きだ。夫婦として一緒には暮らせなくなっても、人としてお互いに本音が解る味方でいられる。この2人が一番大人な関係だよね。

さーて、明日はミュージカル「Hair」だ。ブロードウェイキャスト版。舞台は始めてだ。今頃なんで、、?っていう気がしなくもないけれど、でもこれも好きだったからね〜!あの頃。 久しぶりにトンで来ますかね。