今週は忙しかった・・・!
これで一段落かな?来週頑張れば翌週は週中に3休みを取った。

これが無ければイギリスの夏は終わらない!」というThe last night of the Promsが今年もやってきた。毎年7月半ばから9月の始めにかけてロイヤル・アルバート・ホールを拠点に毎日のように続くクラシック/ワールドミュージックのコンサート。 クラシックだけでなく、新進の音楽家(演奏者/指揮者/作曲者等)や世界各国からの音楽を織り交ぜて、幅広い観客層に楽しめるプログラムが続く。The Promsが特にユニークなのはあくまでそのインフォーマルなスタイルにある。

The PromsというのはPromdade concertの事でもともと楽団が演奏する庭園を客たちが飲み物を持って歩き回りながら音楽を楽しむというスタイル。そのスタイルを受けているため、アルバートホールの中央(アリーナと言えば解り易いかな)は座席のない立ち見スペースになっていて、チケット代も安く、お客は飲み物を片手にカジュアルなスタイルで演奏を楽しむ。空いている日は床に座ってる人もいるみたいだけど、大抵はみんな立って音楽と共に踊ったり飛び跳ねたり旗を振ったり・・・・ もちろん普通の座席やギャラリー席にはきちんと正装したお上品な方々も沢山いる。つまりは「どうそご自由なスタイルでお楽しみください」と言う事だ。

ラスト・ナイトはちょっと特別。会場の雰囲気はまさに「お祭り」で、Gパン/Tシャツの人々から蝶ネクタイ/イブニングドレスの人々まで、みんなおもちゃのラッパを吹いたり旗を振って盛り上がる。毎年これが楽しみで最終日は必ず見逃さないようにしている。最近はアルバートホールだけでなく全国主要都市のパーク内にサブステージを設けて、アルバートホールからの中継に加えて各地でのステージの様子も全国でマラソン放映される。ロンドンではアルバートホールのすぐ向かいのハイドパークに約4万人が集まって旗をふりながらお祭り気分でコンサートを楽しむ


最終日のプログラムは2部になっていて、後半からが最高の盛り上がり。特にラストの1時間弱は演奏曲目も決まっている。まず
は「ルール・ブルタニア」ではじまり、エルガーのPomp and cercumstance March、これを日本語訳で威風堂々と約したのはどなたなのか・・・? とりわけイギリス人が第二の国歌といわれるまでに愛唄するのが「Land of Hope and glory」の部分。そしてWillimam Blakeの詩による聖歌,Jerusalem。この3曲は究極のイギリス愛国精神の代表で、一緒に唄うという意味では国歌のGod Save The Queenよりもはるかに意気揚々と和唱される

これはまあ、当然と言えば当然だ。国歌のGod Save The Queenは女王/国王を讃えるもので、民衆の為の歌じゃないからだ。これは日本の「君が代」もそうだけれど、「女王陛下万歳」と歌うのが本当に楽しい人はやっぱり今時少ないよね。けれども「我々は負けないぞ〜〜!」という歌は唄っていて気持ちが良いのだ。昔、フランス人が国歌の「ラ・マルセイエーズ」がかかると大声で唄いたがるのを何故だろうと思って調べてみて、その歌詞にびっくりした事がある。血染めの旗だの、暴君を倒せ市民達よ武器を取れ!、、、とかなり過激。200年前のフランス革命時に作られた歌だから成る程とは思うものの、国歌の歌詞にしてはどうか・・・?

でもこれは間違いなく民衆のための歌だ。「武器を取れ!進め!進め!」と歌うのは、「女王陛下に神のご加護と栄光を・・」と歌うよりも気持ちが良いはず。だからイギリス人にとっての「ラ・マルセイエーズ」に当たるのが毎年Promsの最終日に愛されている3曲なのだ。「立ち上がろう!戦おう!」という精神は、やっぱり地続きのヨーロッパが戦う事で平和を勝ち取ってきた歴史によるものだ。普段はそんなことは全く考えてない人達がひとたびコンサートホールやパークに集合するとあっという間に勢いに酔いしれてしまうというのがこのProms最終日のツボ。この愚かなまでの大衆心理を楽しみたいが為に毎年欠かさずに一緒に観てしまう。

毎年指揮者や歌手によって少しずつ違うのだけれど、今年の指揮者はアメリカの人。Rule Britaniaは女性歌手だった。私としてはルール・ブリタニアは男声で歌ったほうが好きなんだけど、今年はメゾソプラノのサラ・コノリー女史。ここでまたまた奇妙な繋がりが・・・なんと彼女、ネルソン提督の扮装で現れたのだ!! つまりは軍服!。ここでまたも軍服の女性が出て来るとはなんというタイミング、、、ベルばらから繋がってるって、、?? 奇妙なニアミスにまたも笑わずにいられなかった。 各地での中継を繋げながらのラストナイトは11時近くまで続いて,最期は盛大な花火! これで今年の夏も終わりだあ〜〜・・・