だからヤバいかも、、って思ったのよね・・・
やっぱりハマっちゃったじゃあないの、、、
いや〜〜、20年以上ぶりの「ベルばら」ですわ。

私の年代で「ベルサイユのばら」現象を知らない人はいない。思い起こせばまだ小学生の時、回りがみんなで「オスカルさまあ〜〜〜!」って言ってるもんだから、遅ればせながら読み始めたら、あっという間に私も仲間入り。あ、でも私は最初こそ「オスカルさま〜!」で始まったんだけど、読み進むにつれて3巻の後半あたりからはアンドレの人になりましたけど

さて、アニメ版の「ベルサイユのばら」は、数話飛び飛びで観ただけでちゃんと通して観た事はなかったので、あんなに原作から変えてある部分があるという事を初めて知った。前半こそ台詞もほぼマンガ通りに進んで行くけど、衛兵隊に移ってからはこれはもう原作に平行した裏ストーリーといって良い。

衛兵隊に入るあたりからはかなり男目線の解釈になってると思う。でもこれがうまく原作と平行していてなかなか現実的な展開だ。アニメでははじめからオスカルを主軸にしているので後半はアントワネットはほとんど出て来なくなってしまう。アンドレの事も、ただオスカルの影として支えている存在では決してなくて、かなり早い時期から迷うオスカルに助言/忠告したりして彼女を導く存在にもなっている。人間的にはどうあれ、社会的にはやっぱり世間知らずな貴族のお嬢のオスカルが、最終的に革命で民衆側に身を置く決意が出来る女に成長するのは、そんなアンドレの側にずっといたからだ

原作では、オスカルが独立独歩の女として自分で運命を選びとっていくのだけれど、アニメではオスカルをもっととして扱っていて、そのあたりにも制作側の男目線が伺える。それが行き過ぎて「違うだろう、、!」になったのが、民衆側に付くと決めた時のオスカルだ。これは完全にアニメオリジナル。「私はアンドレの妻になったので、夫の意想に従う」と皆に言ってしまうというのは、さすがに間違いだったと思うんですけど・・・・ オスカルはそういう女じゃないはず。(一度寝たくらいで急に従っちゃうような女じゃないんだけどなあ〜〜) きっと制作側でもモメにモメたんだろうなあ〜。最終的に誰が決めてああなったのかは解らないけど、全編通してこれは唯一の決定的な間違いだったと私は思う。

でも逆に原作よりこっちのほうが好きかも・・・なのが、首飾り事件のジャンヌとシャルロットの自殺。ジャンヌはずる賢くて逞しい悪女が「良い女」だった。オスカルとアンドレの死も、暴動のさなかって事を考えるとこのほうが納得いく。オスカルをかばってじゃなくて、流れ弾に当たって死んでしまうアンドレ。原作ではもう目が見えてなかったけど、アニメ版では横で泣いているオスカルの顔がちゃんと見えているのが救い。そしてバスティーユが落ちるのを見届ける事無く路地裏でひっそりと息を引き取るオスカル。

中学時代、友人達と話し合った疑問=「アンドレが死んだ後、翌朝までオスカルはどう過ごしてたんだろうね」ーーに回答するようなシーンもあった。何と、アンドレに次いで白い長年の愛馬まで死んじゃうではないの・・! 自分はあと半年の命って言われていて、家も地位も捨てて、アンドレも愛馬も死んじゃって、空っぽな、空洞みたいな目で死んだ白馬を見てから剣を抜くあたりの絵もすごく良いね。この時のオスカルの唸るような叫び声は、田島令子さん素晴らしいです

絵の表情は随所に唸らせるものがある。日本のアニメが世界一のクオリティーを誇るのは、キャラクター達の細かな表情だ。ベルばらの絵はとても表情が良い。かつて恋したフェルゼンに向かって「私のアンドレ」と言ってしまった、その自分の一言に驚いて、驚愕のあまり動けなくなってしまうシーンとか、絵だけで心情を巧く描いてる場面があちこちにあって、この細やかさが日本のアニメなのよ・・・

それにしても、このアニメ版のベストは何といっても主題歌じゃないかしらね。これって名曲だと思うのだけど・・!「薔薇は美しく散る」が正式なタイトル。

いきなりドラマチックに入ってくる前奏、70年代終わりにポピュラーになり始めたシンセサイザーの音とストリングスが巧く噛み合っていて音自体がすごく気持ち良い! 曲のテンポはちょうど馬に乗って走ってるリズム。激しいようでいてなだらかな音の流れがデリケートだし・・・「薔薇は、薔薇は、気高く〜さいて〜・・」の後になだれ込んでくるストリングスのカッコ良さ。間奏に入ってるのはオカリナの音か、、 この笛の音はすごく距離感みたいなものがあって、視野が広がる感じがする。1番の後の間奏は旋律が上から下に降りて来るのにたいして、2番とレフレインの間奏では下から吹き上げてくるし・・・そしてこの疾走感のあるドラマチックな曲を全編女声のファルセットで歌い通すという絶妙さ!! まいりました!馬飼野康二さんですね〜、、まさにオスカル・フランソワの歌ですわ!
もう頭の中を回っちゃって回っちゃって・・・止まらない!

やっぱり「ベルサイユのばら」って一味違うマンガだったんだなあって改めて思ってしまう。これってむしろ大河ドラマだよね。原作とは違う部分やオリジナルな部分は、アニメにするにあたっての話数とか、辻褄あわせとかもあったんだと思うけど、それなりにうまく筋を通してあっておもしろかった。オスカルとアンドレがアラスの丘の上に並んで眠ってるっていうのも嬉しいね

原作から削ってしまった/変えてしまった部分でオリジナルのファンからの反発もあったと聞いたけど、これはこれでうまくできたアニメだ。一人の女性=オスカルの、平凡ではないけれど劇的にもなりすぎない生涯というまとめ方にした事で、むしろ海外で受け易くなったと思う。もしもあの当時に見ていたら、原作の影響が大きくてまだ若過ぎた私はもっといろんな場面で「こんなの違う〜!」って思ったんだろうな。ラストの2話とかあの頃だったら、「これも好きだな」とは思えなかったかも。でも今になって初めて観て、これはこれで好きだ。ホントに久しぶりにベルばらにハマっちゃいましたよ、、、

引っ張ってきちゃいました。ドラマチックがお好きな方は耳を凝らしてお聞きくださいませ