やっと読み終えたSamurai William.
後半は、アダムスが来日してから12年後に、国王ジェイムス1世の貿易要請書を携えてやってきたイギリスの東インド会社が、アダムスの力添えで平戸にイギリス商館を設立してからの10年間の話。この間イギリス商館の館長だったリチャード・コックスが詳細な日記を残しており、また商館設立者の7人+アダムスが各々手紙を何通も残しているので、当時の様子がかなり詳細に渡って記録されている

面白いのは、日本に残って商会を始める事になった7人のイギリス人達とアダムスの8人の、異国に暮らす外国人としての10年間だ。同胞だからという事だけでは真の友達とは呼べない反面、少数だからこそ同胞同士が団結して助け合わなくてならなかった実情。プロテスタント同士として結束していたオランダ勢と最期は醜い争いになってしまったり・・・・

アダムスはじめ皆個性的な連中ばかりなのも読んでいて面白い。 酒癖が悪くてしょっちゅう地元民といざこざになってしまう奴、会社に内緒でプライベートに商売をして、会社が倒産の危機にある中、自分は大金持ちで貴族並 みの暮らしを堪能する者、恋した日本女性にお金をつぎ込み、お姫様のような生活をさせて大事にしていたのにあっさり何人もの男達と浮気されてしまう人の良 い館長

アダムスは日本で最初の同胞に逢えるまで12年間を過ごしていたので、最初はいきなりビジネスにやってきたイギリス人たちよりも、地元日本人や一緒にやってきたオランダ人達との輪のほうが大切だったのだろう。きっとものすごい戸惑いもあったと思う。イギリスからやってきた船長のセイリスはアダムスの事を打ち解け難い人物で、同胞よりも日本人やオランダ人を好んでいると受け取ってしまったようだ。アダムスの祖国と日本の間での揺れ動きは随所に垣間みられる。

何度も家康に帰国を懇願していてきいてもらえず、南アジアにイギリスが貿易を始めたと聞いて同胞者に手紙をしたためたアダムス。ところがセイリス達と一緒にイギリスに戻る許しを家康からもらったにもかかわらず、結局彼は帰国の船には乗らなかった・・・ キャプテン・セイリスとウマが合わず、彼と一緒の1年近くかけての帰国の航海がいやだったのだろうという事と、今の自分は日本での生活を確立していて、富も地位も日本にいてこそのものであり、祖国イギリスには何も無いという12年後の現実を見つめての苦渋の決断だったのだろう

オランダびいき、とコックスからも思われていたアダムスだけれど、行方不明になったイギリス商館の2人の消息を探しに行ったり、イギリスとオランダが険悪になってしまった時も、わざわざオランダ船に忍び込んで捕虜になっていた同胞を救い出したりしている。出した手紙の返事が来るまでに1年近くかかってしまった時代でありながら、読んでいると時代を感じさせない共通点が見える。

個性に富んだイギリス商館の設立メンバー7人+アダムスのうち、10年後の会社閉鎖で日本を離れたのが3人、さらに最終的に祖国イギリスの土を踏めたのはたった一人だった・・・

あまり考えずに手に取って読み始めた本だったけど、ハマってしまった。日本語訳が出ているという事も調べてみて解った。→こちらです
12月の舞台「按針・イングリッシュサムライ」はまたしても観られないけれど、なんだかこの舞台、日本よりイギリスで早くやって欲しい気がする。イギリス人はもっとアダムス達の事を知っていていいんじゃないの?大いに知らせるべきだよこれは!! 

う〜ん、、私はどうなるんだろうね、、ある日突然思いがけずに事故で死ぬのか、この国で生き抜くのか、はたまた祖国日本で生涯を終える事ができるのか・・・??? 私の骨はどこに埋められる事になるのだろうか・・・?? 読んでて思わず考えてしまったよ。今のうちにWill=遺言状を作っておいたほうが良いかも・・・