春になってくると、こういう奴らもやってくるのよね、、、
人々が浮かれた気分で街に繰り出すのを狙って、スリ泥棒が増えてくるのだ

お昼にスタバでビスコッティをコーヒーに浸しながら食べていると、私の視線前方のテーブルに黒人のカップルがやってきた。その隣のテーブルでは若い女の子が2人で仕事の打ち合わせを熱心にしている。テーブル一杯に書類を広げ、一人の子が大きなショルダーバックを椅子の背にかけていた。黒人カップルがいやに私の方をチラチラと見る。いや、チラチラというより、すごく気にするように見るのだ。私じゃなくて、私の後ろのミルクやお砂糖が置いてあるカウンターを見てるのかと思ったけれど、やっぱり違うみたいだし、私のすぐ前のテーブルの女性を見ているのでも無さそうだ・・・

この時点では、「もしかしたらこのテーブルに座りたいのかもしれない」と思った。というのは、スターバックスはWiFiのホットスポットになっている為、よくラップトップを持ち込んでる人がいる。私が今日座ったテーブルの脇には電源ソケットがあるので、よくラップトップを使う人が座っているのだ。でもこの2人、それらしくは全く見えない・・・?? それどころか、むしろ挙動不審=かなり怪しい感じだ。

変だなーと思っていると、カップルの女の子のほうがが私のほうにやってきた。何を頼むのかと思ったら、「Is that nice,,?
私は思わず???・・・
Is WHAT nice? と聞き返すと、なんだかしどろもどろに「ここの食べ物は美味しい?」とか言っている・・・この時私の視界の向こうで、男のほうが椅子にかけたコートを広げて手をのばし、隣の女の子の椅子にかけてある彼女のバッグにさわっているのが見えた。

なあ〜るほどね、、私の位置から真っ正面だから、彼女に話しかけさせて注意をそらそうとしただけなのだ・・・ あのね、目は合ってなくても視野ってけっこう広いのよ こんなアホっぽい事で私の目から見えなくなると思う方がバカなんじゃないかしら・・・ 次の瞬間、彼のほうをまっすぐに見た私に気づいて男は腕を引っ込めた。 すると彼女のバッグは大きく開いてる。お財布を取ったかどうかまでは見なかったけれど、取ろうとした行為ははっきりと見た。

被害にあってる女の子は全く気づいてないみたいで、回りの誰も気配を感じた様子は無い。なんだかバカらしくて、そのまま座っていられなくなってしまった。私は自分のバッグを持って気づいていない彼女の所に行った。(どんな時でも席を立つ時はバッグを置いていってはいけない)すぐ隣の泥棒は無視して彼女に「バッグから無くなった物はない?」と話しかける。びっくりしたように振り返った彼女は大きく開いたバッグと私とすぐ後ろの黒人男を見比べている。

こういう時は泥棒を攻撃しない方が良い。そのまま男を無視して、「今、この人があなたのバッグに触ってたから、大丈夫かと思って」と続けると、今度は男が飛び上がるようにして立ち上がり、私にガミガミとわめき始めた
What a fuck are you talking about!  I didn't touch anything and you didn't see anything!  Mind your fucking own business!
私の顔10センチ程にまで詰め寄ってわめいている。でもあきらかに動転してるのがモロ解りで、暴力を振るわれる恐れは無さそうだと瞬時に判断できたので、私は逆に落ち着いてしまった。こうなると目の前で何をわめかれてもこっちは動じない。「私は彼女が大丈夫かと思っただけなんだけど」と言うと、頭に血が昇ったらしくさらに悪口雑言をまくしたてている

女の子は素早く自分のバッグを点検して、中程にあったお財布が一番上に乗っかっている以外は被害は無い事を確認していた。どうやら私が見ていたと気づいた時点で諦めて取るのをやめたか、一度取ったものをあわててバッグに戻したか、だろう。彼女と打ち合わせをしていた女性が「警察を呼んでもらうわね」と言うと、男はあわてて、後ろで間抜けのようにオロオロしていた連れの女と一緒に出て行った

まったく情けないったらありゃしない!! まあここはロンドンの北側だけど、スリもレベルが低い事・・・ウェストエンドあたりの泥棒達はプロだから、人のバッグからお財布取るのももっとスマートにやるけどね。店に入って来た時からすでに思いっきり挙動不審じゃ、注目してくださいって言ってるようなものでしょうが・・・ 実際、私の前のテーブルにいた女性も、自分のほう(私のほう)を見ている黒人2人を気味悪がっていたのだ。「私もあの2人は変だと思ったのよ」と言って、私が男に詰め寄られた時も味方するべく後ろに居てくれた

まあ私は仕事柄泥棒には慣れている。うちはクリニックでもあるし店舗でもあるわけだから、特に春から夏にかけて毎年泥棒が急増する。ウエストエンドで働いてた時なんて、店頭にセキュリティーがいても盗みに来る奴らはやってきた。都心の物取り達は、南米から出稼ぎにきたプロの組織になってたりして、警察も目をつけてたし・・・

それにしてもね〜、もうちょっとうまくやれないの??って思ってしまうのだ。あれじゃバレバレだし、自分達が恥かいただけで収穫無しじゃバカみたいじゃない? まあ、あれがナイフでも持ってるような連中だったらちょっと話しは別だけどね。後からお店のマネージャーが出てきて話しを聞いた後、「お客さんに何かあったら店としても責任があるので、今度から怪しいと思ったり何か見たりしたら、まず店に言ってください」と言ってたし。まあ確かに今回は、狙われた女の子も無事何も取られずに済んだからよかったんだけどね。

私もイギリスに来たばかりの頃は不用心だったっけ・・・日本の感覚でバッグを隣の椅子に置いちゃったりしてね。最初の3年間に何度かお財布をすられたりバッグを取られたりして学んだ訳です。用心しててもやられたしね〜〜。今は日本に行くと逆に不用心な人が多くて心配になっちゃったりする

家を一歩出たら誰も信用しちゃいけない。悲しいかな、これが現実なのだ


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