その手の専門家が正式に(?)発表したことには、どうやらイギリスは深刻なリセッション(不況)に突入したらしい。クレジットカードの返済に苦しむ人々、下がり始めた家の値段、90年代初め以来の状況だとか・・・
なんだかWestEndの芝居達も存在があやしくなって、クローズしてしまうショウが次々の発表される。

ケイト・ブランシェットがやっていた「Riflemind」がまず来週で終わってしまう。パペット・ミュージカルというちょっと変わったスタイルで話題を呼んだAvenue Qも来年3月までと決まった。期待に反して早々に終わってしまったミュージカル、Margueriteの後釜として同じ劇場で始まった「Girl with a pearl earring」は、当初から2ヶ月の予定だったにもかかわらず、さらに2週間早く幕を閉じる。この映画版をうちの彼が観てきたので、舞台化の話を聞いた時、「面白い?」と尋ねたら、「なんかヘンな話でどうってことない」との事だったので私はパスしていた。人気バンド、Take Thatの曲を集めてのミュージカル、「Never Forget」も、savoyでの公演期間が終わったら別の劇場に移る予定だったのが没になって、そのまま終わる事になった。Mamma Mia(ABBA)やWe Will Rock You(Queen)に続くかと思いきや、そうはならなかったみたい・・・

ロングランで安定してるのは、やっぱりツーリストを呼び込めるミュージカルが主になってしまう。80年代から続いてる、Les miserbles, Blood brothers, The phantom of the Operaは相変わらず強いし、他のミュージカルもヨーロッパ各地からコーチツアーの客がいつもやってきている。最近の新しく幕を明けるミュージカルは皆リバイバルだCarouselも、Oliverも、La Cage Aux Folles も、Little night musicも・・・・ 新作にお金をかけて冒険するより、お客を呼べそうな手堅い作品を再演ってことなのかな。

それに対してストレートものが苦戦してるのは一目瞭然。最近よく目につくのが、Limited season onlyという公演だ。ロングランではなく、はじめから12weeksとかの限定という事で幕を開ける。これだと、あらかじめ予算がちゃんと計算できてプロダクションに無理がこないし、名のある役者が出ていて期間限定となると、観る方も「これは観なくちゃ!」という心理をあおられるのでチケットも早くはける。日本は普通1ヶ月そこそこの公演だからチケットの争奪戦がすごいらしいけど、興行的にはこの方が手堅いよね。

春に観たGod Of Carnageもそうだったし、今好評なのがRain Man, Piaf, Oedipus 。どれもLimited Season only だRain Manはダスティン・ホフマンとトム・クルーズの映画の舞台化だし、Piafは去年の映画でエディット・ピアフが話題になったし、Oedipusはレイフ・ファインズの久々の古典劇、、という事で各々に話題性充分。レビューもかなり良いので限定期間公演は当たりだ。

この9月からのDonmer Warehouseの1年計画も、4作品を3ヶ月ずつ劇場で・・・という事で、各公演の主演もケネス・ブラナー、デレク・ジャコビ、ジュディー・デンチ、ジュード・ロウと各地からツアーがやってきそうな顔ぶれ。これで1年はまず安泰といったところ・・・・

ちなみにジュード・ロウのハムレット、演出するはずだったケネス・ブラナーがどうしても無理そうだとの事で降りてしまった。今主演している「Ivanov」の後監督する映画があって、その後のハムレットの演出にはちょっと手が回らないという事らしい。 ハムレット役者としてローレンス・オリビエの再来と言われたケンの演出には誰もが期待していただろうし、彼の監督でジュードとマイケル・ケインがやったSleuthはかなり面白かったのでちょっと残念!

冬は長い夜を過ごすには芝居を観に行くのが一番! 私の次の予定は来週のOedipus。昔観たのはなんだかタラタラとした演出でちょっと退屈だったけど、蜷川さんが野村萬斎さんで演出したオイディプスは面白かった。 今回は写真で見ると衣装は現代風になってる。下手するとお経続きになりかねないギリシャ悲劇がどう料理されてるか・・・? 批評はほとんどが星4つ取ってるから期待して良いかな。

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