フランス映画には、時々私の波長とすごく良く合うものがある。ハリウッド映画って、作品としては「良いな!」と思うものはもちろん沢山あるんだけど、「すごく好き」って言える映画ってほんの少しかもしれない。「面白い」でも「良かった」でもなく、「私が好き」な映画・・・

中・高生の頃はなんとなく友達からの情報で「行こうよ!」とつるんで映画を観に行った。自分でこれが観たいからって一人で映画館へ行くようになったのは、もっとずっと後になってから。そのかわりあの頃は、テレビでよく映画が放映されていた。特に夜遅い時間とか、土曜日とかに昔の名作映画をよくやってた。

フランスにはその昔、アラン・ドロンっていうそれはそれはハンサムな俳優がいて、彼の「太陽がいっぱい」や「冒険者たち」はすごく好きだった。アラン・ドロンがハンサムなのはもちろんなのだけど、それだけじゃなくて、映画の持つ色や空気に、何とも言えず引かれた。音楽も忘れられない・・・

高校の時につるんでいた仲間に映画好きがいて、少しずつ名画座とかで昔の映画をよく観るようになった。中でもマルセル・カルネの「天井桟敷の人々」やゴダールの「勝手にしやがれ」「気違いピエロ」・・・・ ロードショー公開の最新話題作より、2本立て、3本立ての名画座のほうが好きになってしまった。安かったしね。勝手にしやがれ」はリチャード・ギアがアメリカ風に改造したヴァージョンで人気だったけど、オリジナルの持つ、人を殺して逃げているのにどこかノンシャランな空気が無くなっていた・・・まあ、アメリカ版もスピード感があって良いんだけどね。

タイムリーで新作を観るようになってからは、DIVA, Subway, そしてBetty Blue(
ベティー・ブルー)
Betty blueは初めに公開された時に2回観て、その後テレビでオリジナルより1時間も長いDirector's Cutが放映されたので迷わずビデオに録画して何度も観た。このテープは倍速録りな上に何度も観て、もう10年以上も前のテープだし、DVDを買い直そうかな。観る度に痛くて、でもその痛みがつらいんだけど、心地よくて見入ってしまう。そういえばもう何年も観てないけど、また引っ張り出してみようかな。今だったらまた違った感じ方をするかもしれない。

イザベル・アジャーニの「カミーユ・クローデル」も夜中にテレビでやっていてやめられなくなってしまった。彫刻家のロダンの弟子で愛人だったカミーユ。彫刻家として、女としてか彼女が痛く壊れていく姿が美しかった。これでイサベル・アジャーニを初めて観たんだっけ。そしてこの映画でロダンを演っていたのがジェラール・デパルデューだった。

彼はその後アメリカでも成功して名を馳せたけど、やっぱり彼はシラノシラノ・ド・ベルジュラック)だ!!  子供の時に本で読んだシラノの話が大好きだった。Panache心意気と訳したこの本は、世界の少年少女名作シリーズみたいな本だったけど、訳された詩のリズムも軽快で読み易く楽しかった。 私の回りには知ってる人はほとんどいなくて、フランスではとても良く知られた人気のキャラクターだと言う事も大人になってから初めて知った。デパルデューのシラノはまさにハマり役だった!

ここしばらく遠ざかっていたフランス映画だけど、今年になって2本観た。「La Vie en Rose(エディット・ピアフ)」と「The Diving bell and the Butterfly」ー邦題は潜水服は蝶の夢をみる(??)どちらも国際的な話題作になった。 作品の色は全くちがうけれど、どっちも私は好きだ。フランス映画の持つある種の空気と相性が良いのかもしれない・・・

ちなみにフランスでは日本のアニメがすごく人気で、アメリカだと向こうで勝手にアレンジし直して放送される事も多いけど、(ガッチャマンなんてひどいもんよ
フランスでは日本で放映されたものがそのまま吹き替えで流行ってるそうだ。 一緒に仕事していたフランス人の同僚は、「キャンディー・キャンディー」の大ファンで、よく一緒に主題歌を日本語とフランス語で歌った。 フランダースの犬も大泣きしたと言ってたっけ
心で感じるツボが似てるのかもしれないね・・・・


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