トライする度にサイトが重くて重くてなかなか観られなかったドラマ、Tomorrowの最終回。脚本が甘いのはもう仕方ないとして、それでも「医者がいないというのは、こういう事なのだ」という事実を考えさせられる作りになってた。患者が10人来ても、医者が一人だったら一度に診る事は不可能なのだ。 ストーリー展開が都合良く行き過ぎな気がしたけど、それでも役者陣は皆さん良かった。竹野内さんの航平は一話の時から確実に進化していたし、菅野さんの一環した演技も説得力があった。
私はこれまで全く知らなかったのだけど、看護士長をやったエドはるみさんもとても良かった。お笑い畑で出て来た人で、マラソンで話題になっていたというのも驚き・・・でもご本人はずっと役者を志して努力してきたのだろう。魅力ある役だった。

実はうちの最寄りの病院が数年前から閉鎖の危機が問題になっていて、署名運動やら寄付集めやらで話題に事欠かなかった。かなり大きな病院なのだけど、維持費がないという事でここ4−5年問題になっていたのだ。 実は数年前に救急外来で行ったのだけど、実情はちょっとびっくりする位ひどかったっけ。

うちの彼がちょっと怪我をして、車でこのChase Farm HospitalのA&E(アクシデント&エマージェンシー)に連れていった。まず簡単に傷の具合や怪我した状況などを聞かれて、順番を待つように言われる。この時点で緊急の度合いを決めているのだろう。階段を滑って柱に頭をブッつけた彼は、かけていた眼鏡の枠で眉上部をザックリ切っていた。ついでに夕食の支度中に手の親指もパックリ切っていた。手を切った時は「縫ってもらったほうが良いよ」と言ったのに本人が強がって大丈夫という事でティッシュをぐるぐる巻いていたのが、結局その後に頭もブッつけて、「これはやっぱり病院へ行け、って事だヨ」という訳で・・・

車で病院までは5分もかかるかどうか、、という便利な距離。 平日の夜でも結構世の中はいろんな事が起きてるもんで、あちこち痛そうにしてる人や、服に血の付いた人が何人も・・・ 病院に行ったのが夜9時頃で、待つ事5時間ちょっと。その間、医者の姿も看護士の姿も見なかった。 動いてるのかどうかわからない自動販売機が一台。電気も薄暗くて、回りの病人/けが人を見回すだけで気分が・・・・応急処置で血は止まってるものの、指と額がパックリ開いたままの彼、、、「消毒しなくて良いのかよ〜〜?」と不安な私、、、

やっと夜中の2時を回って呼ばれて部屋に入ると、いかにもジュニアドクターといった感じの若〜い先生。額の傷を診て、「これは僕じゃなくて、専門の先生にお願いしますから、もう少し待ってください」ーーって、おいおい、ちょっと縫うだけなんじゃないの〜? とりあえず指のほうを縫ってくれる事になり、麻酔を打つんだけど、これがうまくビシっとねらう神経に入らないみたいで、2−3回注射しても彼はまだ感覚が残ってるという・・・ 何度も麻酔を打って、指はパンパンにソーセージのように腫れ上がってる。見かねた彼が「いいよ、かなり鈍感にはなってるから、もう縫っちゃって」と催促して、やっとその若い先生、自信無さそうな手つきで彼の指を縫ってくれた。

少し待ってやって来たのは、今度は少し安心してよさそうな美人で颯爽とした女医さん。彼女は首から上専門の整形外科医なのだそうだ。「私は顔が専門だから」と言う通り、見事なくらい奇麗に閉じていく。傷跡が残るだろうなと思ったのに、今ではこの傷は目を凝らして探さないと解らない程だ。まあ、これだけは何と言うか、待った甲斐があったかも・・・抜糸は一週間後にGP(ホームドクター)に行ってやってもらってね」と言われ、病院を後にしたのがもう夜中の3時だった。 一週間後、抜糸の為にドクターにアポを入れようとしても、電話が繋がらない・・・ 業を煮やして彼が直接行ってみると、クリニックはもぬけのから。なんと、私達の先生、2年前に引退してたんですって!何の連絡もなかったんですけど!!

そしてこのChase Farm Hospital、話が2転3転して、地元民の署名運動や議員さんの努力で今まではなんとか持ったものの、今月とうとうA&Eの閉鎖が決まった。 外来は昼間の12時間だけの受付で、24時間救急体勢は無くなってしまう。あとは車で20分程のBarnetかNorth Middlesex Hospitalまで行かなくちゃならない。 産科も助産婦さんだけの勤務になるので、出産にちょっと難かしいところがあるケースは同様に他の2病院へ回される。 これでも病院全体の閉鎖をまぬがれてるだけまだマシなのかもしれないけどね。でもその内情は、、、?って考えるとゾッとする。 すぐ近くにあんなに大きな病院があるのに駆け込めないなんて。

ドラマのTomorrowを観て、ストーリーのツメが甘いなと感じたのは、現実を扱ってるようでいて、その筋書きが都合良過ぎるからだ。あんなにうまく話が転ぶわけないじゃないか! 病院の精神科が閉鎖になって、比較的軽症を判断された人達が病院を追い出された事で、行く所がなくてホームレスになってしまったちょっとメンタルな人達が沢山いるのだ。 ロンドンのホームレスの何割かはそういう人達だ。全国の病院がこの10年でいくつクローズしただろう・・・何年か前の地図には病院を表すHの記号が付いていた所が今は大型スーパー、なんて箇所がいくつもあるのだ。

強調したいのは、ここは地方都市じゃないよ端のほうとはいえ、ロンドン市内だし、評判の良い公立校が多いから子供を持つ家族が多いエリアだし、ここ1−2年でタウンセンターには新しいショッピングセンターができて賑わってるんだよ〜・・・ なのに、どうしてこと医療になるとこんなにどーしよーもないの??

「Tomorrow」は、いろんなゲスト役者が出てたわりには今ひとつインパクトにかけたドラマだったけど、題材は良かったよね。 竹野内さんんもそろそろ次はちょっと違った役で観てみたいなあ。年齢的にもそろそろ岐路に立ってるし、これから先へもっと幅を広げられるようなキャラを演じる機会がないものかしらね。 40になって、平凡なお父さん役を優しく演じる竹野内豊じゃもったいないよ〜。受け止め演技の上手い人だから、あちこち貧しい国や戦争中の国なんかを回って、いろんな人達の残酷で、でも真剣な生活を見つめながら撮っていくカメラマンの役とか・・・?なんかちょっと新しい役ないかしら、、、、

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