もう10年以上も一度観てみたいと思っていた演劇集団キャラメル・ボックス
最初にこの劇団のことを耳にした頃は、まだ知る人ぞ知るといった感じだったのが、上川隆也さんがメジャーに売れ始めたのをきっかけにどんどん人気劇団になってしまった。

きみといた時間・ぼくのいく時間」すっごく楽しかった!

何度も思う、一番の基本「芝居を観た後に幸せな気持ちになる」・・・・味わわせてもらえました!
決して難しくなく、ちょっと非現実的なテーマを、見事に日常の感情で表現している本、劇団の皆さんは本当に鍛練されてる。 今回は客演ヒロインという事で参加していた西山繭子さんも、ゲストということを全く感じさせないくらいに溶け込んでいる。
ひとりひとりの登場人物がはっきりと解るキャラクターになっているので、スピードのある舞台の中でいろんな人が出てきても混乱がない。上川さんは本当に上手い役者さんだ。 あのスピードの中で、9年後、19年後、39年後という時間を暗転ひとつで飛び越える演技ができるというのは素晴らしい・・・・


たったひとりの愛する人を事故で亡くし、主人公は自分が研究開発に加わっていたタイムマシンに乗って過去に戻り、彼女が死んだ日の歴史を変えようとする。でもまだ研究途中のタイムマシンは、39年前にしか行くことができず、行ったら戻って来ることもできない。主人公は39年間、ひたすら運命の日がまたやって来るのを待ち続けるのだ。


人生を2度やりなおして、39年間待ち続ける・・・・ セリフは面白く、テンポもよく、沢山笑った後で、決してわざとらしく泣かせるような作りじゃないのに、終盤はあちこちからすすり泣きが劇場中に広がっていった。 人としての思いが伝わるから泣けるのだ。もう一度言うけど、上川さんは本当に巧いし声も良い。 声といえば劇団の皆さん全員が発声と滑舌が素晴らしい。訓練の賜物だと思う。既に幕が開いて一か月以上だけど、誰一人として崩れていない。これは集団としての大きな強みだ。

沢山笑った。 私は知らなかったのだけど、今回の公演がキャラメルボックス始まっていらい初の休憩入りだったそうだ。 前にビデオで観た公演でもスピーディーに飛ばしていたので、休憩無しとは気がつかなかった。
今日は開演直前にハプニングが・・・・ 関東周辺の方は気づいたと思うけれど、ちょうど7時頃に地震があった。今まさに開演するという時で、開演アナウンスの最中だった。


この開演前の場内アナウンスは「前説」といってキャラメルボックス公演の名物になっているらしい。毎回その日の時事ネタを取り込んだ生アナウンスで、観客に携帯電話の電源を切ってくださいとしつこくしつこくお願いする。
このアナウンスがユーモラスだからこそ、みんな笑いながら電話を確認し、気持ちよく芝居に集中することができるのだ。これはやっぱり劇団という集団の持つ、観客と役者たちとの楽しいつながりだ。


電源を切っていただいた方も、今一度ご確認ください。怖いのは油断と過信です・・」というアナウンスの最中に場内が揺れ始めた。大きくはないけどけっこう長い揺れだったよね。地震が来ると、どれくらいかな・・・とちょっと様子を見て身構える。その数秒を縫ってアナウンスは続く。


「皆様どうぞ落ち着いて、お席に留まってください。当劇場は大変頑丈に創られています。照明が落ちたり、天井が崩れたり、上から誰かが降ってくるというような事はございません、、」


この臨機応変な前説はカーテンコールとリンクしているのも特徴なのだそうだ。これも私は知らなかった。私も劇団公演の前後アナウンスを生でやったりしたことがあったけれど、こんなにウィットで楽しい芝居へのイントロは、始まる前から楽しくなる。 終演後には、上川さんが、「え〜、休憩時間に調べた方もいらっしゃるかと思いますが、、」とさっきの地震情報を提供してくれた。震度3、、思った通りだ。

楽しい芝居を観た後はほんとにしあわせな気分になれる。素敵な舞台だった。 久し振りにサンシャイン劇場に行ったのも感慨深い。むか〜し昔に公演で使ったサンシャイン。劇場ロビー奥と、2階席に上がる階段のギャラリーに、過去の劇場での上演作品の写真が飾ってある。席が2階席の最前列だったので、階段を昇りながらそれらの写真もゆっくり見てきた。あれ観た、これも・・なんて思いながら、すごく懐かしくて、そんな昔の公演写真を飾ってくれてるサンシャイン劇場さんに感謝したりして。
そして終演後、ロビー奥のギャラリーに、懐かしい私たちの公演写真を発見!! これは感激だった。サンシャインさんありがとう!もうむか〜しのことなのに・・・私たちがここにいた足跡が残っているなんて。


今回は2週間のうち、最初から飛ばしている。 おととい観た映画の「明日への遺言」はとてもよかった。ドラマの東京大空襲のあまりのこけ振りがにショックだったので、もう戦争ものは観るのはよそうかとも思ったのだけれど、そこはやっぱり小泉監督、レビューも良かったので見に行ったら、やっぱり良い映画に仕上がってた。 藤田まことさんは、以前は好きな役者さんではなかったのだけれど、とても自然で説得力のある演技をしていて流石だ。裁判の進行を一気に見せてから後半で、岡田中将の人となりをつづっていくあたりの構成も良い。

賛否両論耳にしていた竹野内豊さんの力の入ったナレーションは、あきらかに監督の意図じゃないかと思う。ちょっと昭和っぽい淡々としたしゃべり方で、少し怒りをこめて声を大にしている。あれがさあ泣いてくださいみたいなナレーションだったら、あの映画は成立しないと思った。少なくとも、映画のナレーションで彼は竹野内豊をちゃんと消している 演じる役ではなかったけれど、映画の趣旨を伝える役割をしっかり果たしていたと私は思う。とても良い映画に仕上がっていて、安心した。


それにしても、、、そっくりすぎる・・・検察側のベネットを演じたフレッド・マックイーンさん。スティーブ・マックイーン氏に瓜二つじゃあありませんか・・・!!! 息子ってホント・・・??

 

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