頼んでおいた「投名状」のDVDがやっと届いた。 発売日は2月4日だったのに、やっぱり注文過多で入荷が遅れていたそうだ。アジア圏のDVDを扱ってるサイトはどこも売り上げランクトップになってる・・!

で、投名状です・・・・なる程、、良いね〜!

・・・て、それだけか〜〜!?ってカンジですが、、、 まず、戦闘シーンのリアリティーは凄いです。 群衆の使い方も良いし、リアリスティックな迫力で描かれてる。主役3人のバランスはうまく均等に取れていて、おそらく監督はこのバランスにものすごく気を使ったのだろう。

ストーリーは解り易い。生きるも死ぬも共に、互いを最期まで裏切る事なく、と義兄弟の誓いを立てた3人が、長引く戦闘生活の中で少しずつ価値感がずれ始め、義兄弟の妻を奪い取ろうとするあたりから一気に誓いは崩れていく。 主演3人の演技はとても良い。それぞれの思い入れの違いを3俳優ともきっちり表現していて、説得力がある。ピーター・チャンさんは感情表現を画面に出すのが上手い監督だ。全ての役の心情に納得できる。

只、、、その感情面で、ちょっと幅が足りないようなカンジもする。 愛憎の幅といっても良いかもしれない。何ていうか、皆が良い人なんだよね〜それがちょっと解せない。私としては、ジェット・リー氏の演じた龐青雲がもちょっと悪い奴の方が面白かったと思う。 野心と欲の為に義兄弟を裏切るーという設定のほうが、金城さん演じる姜午陽が彼を刺す理由が生きてきたんじゃないだろうか。 青雲が悪い奴ではないからこそ、殺す理由が「投名状の誓いを破ったから」という所にしがみついているのは、ちょっと弱いかなと思った・・・・でも、これまたそこが監督の意図なんだとは思うけど。

最期まで投名状を信じていた姜午陽が、「誓いを破ったら死ななくちゃいけないんだ!」と泣いて繰り返しながら龐青雲に向かっていく場面は、子供が大人のずるさを責めているような純粋さがある。これはチャン監督が金城武をこの役に起用した一番の見せ場だと思う。憎しみではなく、裏切りを許さない午陽のBig brotherへの精いっぱいの制裁だ。

アンディー・ラウさんの趙二虎は良い役だなあ〜。無骨で粗野なんだけど、山賊の長としての魅力がある。趙二虎が、妻と龐青雲の関係を知らないまま死んで行くのは悲しいものがあった。 この雨の暗殺シーンでの、ジェット・リーのテーブルでの一人演技はもっと愛憎が入り乱れてても良かったんだけど・・・やっぱりもっとやな奴の方がスッキリいったんじゃないかしらね。

蓮生と龐青雲の関係もなんだか感情面でちょっと足りない気がした。 夫の所から何度も逃げ出してはまた戻って来るー、っていう無力な女の心の揺れがいまいち弱い。 龐青雲に対してどんな気持ちで不倫するのかが解りにくい。夫には拾ってもらったようなもので、特に好きで結婚したわけじゃなかったのかもしれない。 でも「仕方がない」とあきらめる事に慣れてしまっていた女が今度は本当に恋に墜ちたのか、それとも、これまた夫よりも出世しそうな勢いの男に強引にひっぱられて、成り行きに身をまかせたのか・・・いまひとつはっきり見て取れなかった。 そういえば、ジェットさんのラブシーン(ベッドシーン)がなかなかうまくいかなくて・・・とかって話が事前に出ていたけど、

そんなシーンあったっけ??!

もしかして、、あのシーンの事?あれがあ〜?・・・ あれが「恥かしがってうまくできなかった」シーンなの〜〜?! おいおい・・・しっかりしてくれよ〜〜ジェット兄さーん

戦闘シーンも細かくリアルに描かれてるし、感情表現もすごく良い。日本の戦国時代ものとも共通する部分があって、日本人には解り易く観られる映画だ。 でも何故だろう、、?今ひとつ、空気っていうか、スケールっていうか、、広がりきってないように思った。壮大さに欠けるって言えば良いのかな。

カメラのフレームにスペクタクルな場面が広がってるんだけど、奥行きを感じないっていえば良いのかなあ〜。 監督がわざと意図したセピア系のモノトーン調のせいかもしれないし、画面に太陽の明るさが全くといって良い程出て来ないせいかもしれない。 色調を狭くすると、どうしても空気感が小さくなる。閉じこもった世界のような雰囲気だ。この前観た、Sweeney Toddみたいな映画だとそれがすごくうまく生きるんだけど、この投名状では、逆にスケールダウンになってしまったかも。(いや、監督の意図に文句をつけるわけじゃありませんけど)画面に奥行きが感じられないんだ・・・・

欧米向きとは言えないかもしれないなあ〜・・・? 義理人情ってやつは、東洋特有のものじゃないのかしらね・・・?西欧的にはもっと宗教がかったもののほうが理解され易いかも。そういえば、映画の中で十字架が出て来る。姜午陽が「敵から取ったんだ」と義姉の蓮生にあげたものだ。あと、歴史によると龐青雲のモデル、馬新貽はイスラム教徒だったそうだ。

う〜ん、、、やっぱりね、これは映画館の大スクリーンで観るべき映画かもしれないね。 DVDだともったいない。もしかしたら、映画館で観ると全然違って見えるのかも・・・・そんな印象の残る映画だ。そして、監督の主役3人に対する愛情がとても伝わってくる・・・

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