友達からのビデオ定期便で、最近亡くなった作詞家の阿久悠さんの追悼番組を観た。
70年代はまさに「歌謡曲」の時代。ポップスでもロックでもなく歌謡曲、歌っているのはシンガーでもアーティストでもなく、歌手だ。 そして実際に歌った歌手本人よりも、歌を創った作詞・作曲家の力が大きかった。歌手達は「先生の曲を歌わせていただいていた」時代だった。

それにしても5000とも6000ともいわれる数の曲を作詞したというのはスゴイ・・・今になってちゃんと聞いてみると、阿久悠さんの詩は歌の中にちゃんとストーリーがある。キャラクターにはちゃんと性格と意志があり、「こう歌いたい」という歌い手の意想が伝わって来るように創られている。 1曲が小さなドラマになっていて、歌手はその主人公を演じているわけだ。スタジオで歌ったゲストの方達の歌は、人生を経た分、30年前よりもそのドラマを歌いこなしていて、昔聞いた歌が「ああ、こんな歌だったのか」と新鮮だった。他にも、ちょっとぶっ飛んだような歌詞もあるのが阿久さんのユニークなところ。山本リンダさんの「ウララ〜、ウララ〜」で始まる曲とかね。

それにしても、あの頃のスーパースターといえば、、、ジュリー(沢田研二さん)ですよね!!

いや〜・・・今の時代でも通用する位の格好良さ!そして、今の時代のどんな歌手にもないだろう色気! ジュリーの事はもちろん覚えているけれど、私にとってはやっぱり違う世代の大人の男性で、いわゆるアイドルではなかったから、「カッコ良いスター」としての記憶なのだ。で、昨日は一日ネットでジュリー探しをしてました。 阿久悠さんの追悼があったからか、動画サイトにはかなりの数が上がっていて、丸一日観ちゃったよ・・・ ちなみにうちのお母さんもあの頃ジュリーのファンで、きゃ〜!っというタイプのファンでは無かったけど、「お母さん、ジュリーが出てるよ〜」と言うとお父さんのお茶を放っておいてテレビの前に飛んで来た。 樹木希林さんの真似して「ジュリーィィ!!」なんてやっていた・・・?!

ジュリーの色気は、何ていうのかな、、、「濡れてる」感じって言えばいい、、?
まず、声の質が濡れてる独特のちょっと寂しげな悲しげな声質で、アンニュイな色気があるよね。そして3分の1位鼻にかけながら喉でビブラートを微妙に付けて歌う・・・だから鼻濁音がすごく合う。これがまた濡れたような歌い方になるんだね。ジュリーの色気は「中性的な色気」って言われたけど、男にも女にも見せられる線の細い身体。決してゲイっぽいのとは違う。 実は彼の主演映画、長谷川和彦監督の「太陽を盗んだ男」が私は大好きで、数年前に日本でDVDを買ってしまった。この中で女装しているシーンがあるのだけれど、判らないくらい自然だ。(ちなみにこの長谷川監督は、2本しか撮っていないのだけれど、もう1本の水谷豊さんの「青春の殺人者」もお薦めです!

歌の中で、年上の人あるいは愛してはいけない女性を「あなた」と呼ぶ時の切なげな色気。カッコ付けた男が突き放すように「お前」と言う時のちょっと甘えたような色気。 グループサウンズ時代のアイドルから独立して、彼の全盛期は20代後半から30代後半の10年間だ。丁度30を過ぎる時期に80年代に入って、男が派手なメイクをしてビジュアルに訴える傾向がごく自然に受け入れられたのも良いタイミングだったんだろうね。年代を追ってビデオを観ていくと、やっぱり75年頃からが急に輝きだしてる。時の過ぎゆくままに」のあたりから。そして大爆発になった「勝手にしやがれ」が77年・・・今見ても、本当にキラキラしてる。私がここ1-2年の金城武さんに見てとったのと同種類のキラキラだ。そしてその後10年程そのキラキラは続く・・・・

今の奥様との事が取り沙汰された頃からが転換期だったのだろうけど、最近は舞台に出てたりするみたいだし、コメディーっぽい沢田研二さんも好きだ。ちなみに三池崇史監督の「カタクリ家の幸福」もすごく好きなんですよね! 最初に観た時は「なんだあ〜〜!?」って思ったけど、面白い!昨日見つけた志村けんさんとの鏡のコントは大爆笑した→こちら。 歌うスター・ジュリーとは違う沢田研二さんは、素では関西弁の(京都)面白い人だったり、藤原竜也君と共演した「SABU」では重みのある役で存在感を出してたりする。でもやっぱり75年から82-3年の頃のジュリーのキラキラは、他の誰にも真似のできないスターの輝きだ。 あんなに色気のある歌手なんて多分これからも出て来ないんじゃないだろうか・・・?あの頃、お母さんがテレビの前に飛んで来た気持ち、解るわあ〜〜!!

阿久悠さんのおかげで、なんだか久しぶりに良き懐かしき日本の歌謡曲を沢山思い出した。あの番組で出てきた昭和歌手の皆さん、全員が鼻濁音をきちんと発音している。(私は鼻濁音と無声音に厳しいんです)そしてブレスの使い方やビブラートの効かせ方も、ちゃんとレッスンした通りに歌ってる。 大先生の作詞家や作曲家あっての歌だから、「きちんと歌わせていただきます」という姿勢が見て取れる。まあ一昔前と言ってしまえばそれまでだけど、歌謡曲って、歌がドラマだった時代の日本の文化だよね。日本の歌謡曲/アイドル時代を築いた人がまた一人いなくなってしまった・・・・

そういえば、深作欣ニ監督の「魔界転生」をもう一度観たいなあ。DVD探してみようか。確か沢田さんと、真田広之さんだったよね・・・?しばらく観てなかったけど、久しぶりに「太陽を盗んだ男」を観てみようかな。長いけど・・・


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