幕が開く前から何かと話題の多いミュージカル、The Lord of the Rings=指輪物語をやっと観た。
オフィシャルサイトはこちら。 左のコラム、sights&soundsから舞台映像や舞台裏の様子が動画で観られます

いや〜、、、すごいね。 こんな事が舞台でできるのかっていう位の一大スペクタクルでした。原作本もそして3部作の映画もあまりにも知られているので、これを舞台にするのは不可能じゃないかという気もしたけれど、今のテクノロジーで、CGを使わずに生の舞台に創造できる最高レベルには違いない。 セット、装飾、舞台変換、照明、アクロバットにダンス、、、舞台空間で魅せられるファンタジーとしては、本当にこれまでにこんなに視覚的に素晴しい舞台は観た事がない。

私は映画のThe Lord of the Ringsを観ていない。何度も観ようと思って何となくまだ観ていないのだ。そして何と、J・R・R・トールキンの原作だって読んでいない。 実は私が知っている「指輪物語」は、小学生の頃に子供向けに縮小されたあらすじバージョンを読んだのと、その後アニメーション映画の「指輪物語」を観ただけだ。
ハリウッド3部作が大ヒットしてしまった今となっては、このアニメーションバージョンの映画の事を知っている人は少ないかもしれない。だけど、当時(私が観たのは81-2年だったと思う)は「指輪物語」の映画化は不可能と言われていただけに、この実写した人の動きをトレースしてアニメーションにするという手法はかなり斬新な試みとして話題になった。

だから「何となくストーリーを知っている新しいミュージカル」というだけの知識で観た。このミュージカルは去年カナダで初演した時にはかなりの酷評を受け、わずか5ヶ月で大赤字の末に幕を降ろしている。その後、同じチームで本を練り直し、オリジナルより上演時間を1時間近くも削ったらしい。 昨日のは20分の休憩込みで3時間だったけど、う〜ん、あと15分くらいならあっても我慢できたと思うな。キャストは皆強力だ。ただ主役のフロド役の人の声がとても鼻にかかったような声で、確かにすごく響くんだけどちょっと私は好きな声じゃないのが気になった。本がやっぱりちょっと弱いんだけど、これでもカナダ版よりはずっと良いという評判だから、このへんが限界なんだろうか、、、

内容的にはやっぱりファンタジーで、ドラマではないので、どうしても見た目の壮大さに頼る事になる。1幕は、目の前の光景がなんだか別世界のものを板一枚はさんで観ているような感じがしてちょっと「何かが欠けている」ように思いながら観てたけど、2ー3幕は面白かった。こういう非現実的な大型ミュージカルは久しぶりだったから、ちょっと別世界に入り込むのに時間がかかったのかも。ただマイクの音量が微妙・・・!ミュージカルではやっぱりマイクを使うけど、あまりにも音量が大きくて逆に台詞が拾えない部分もあったし。フロドのキンキン声がどうしても生理的にいまひとつだった。

一人、どうしても目がいってしまう役者さんがいた。 舞台でのたたずまい、動いた時の身体と顔の線が綺麗でフッと目がそっちを追ってしまう。さっきも書いたように、私はおおさっぱな内容しか知らなかったので、登場人物の名前も知らない。映画で9時間のものを3時間弱にしているので、よけいな台詞はいっさいない。つまり最初に出て来た時に名前を聞きのがすと、なかなか役名が解らないのだ。 フロドと一緒に旅をする戦士の一人なのだけど、いくら待っても「おい、○○」と名前を呼びかける台詞が出て来ないので、彼を観ながら「あの役は誰?」と思い続ける。

1幕の後でプログラムを見て探すのだけど、かつらにメイクの舞台の顔と、プログラムに載ってる写真というのは判りづらい事も多いし、似た様な顔立ちの役者さんが何人もいる・・・・ ちなみに全ての役に2人ずつのアンダースタディーが配役されていて、昨日の公演も3人が代わっていた。きっと主役クラスが少しずつ休みをとったりできるように、あるいは、プレビュー期間中に事故があったから、そういう配慮も兼ねてなのだろう。 それだけカンパニー全体が強力だという事だ。で、一人の役名がいくつもあるもんだから、彼が誰なのか特定できない、、、「お願い、誰か彼の名を呼んで〜」状態だった。 2幕に入って、曲としては2曲目で彼のソロがあった。で、やっと役名が判明。レゴラスでした〜! そうか、レゴラスはエルフか・・・だから立ち居振る舞いが美しいのね。そういう役なんだ・・・・優しさの中に戦士の目を持ってるというキャラクターを身体中から漂わせてた。後半はずっと彼を観てた、、、、

気になったのがお客の入り。まあ月曜日だからだったのかもしれないけど、それにしてもかなり空いている。 でも確かこの公演は最初の半年はクリアして、来年の夏まで延長されたから普段はそれなりに入ってるのかな?芝居の内容としては、私はヒューマンドラマがあるほうが好きなので、そういう意味では一番好きなミュージカルとはいえないけど、観る価値あるかと問われれば、これは素晴しい舞台です。 間違いなく、装置や振り付け、衣装、視覚効果、照明、、、といった部門でいくつも今年の賞を取るだろう。マジカルです。 

お金かかってるよ、、、 出演者だけで50人いるし。照明と衣装の色彩といい、あのセットと仕掛けは早々に幕を閉じたらもったいない!ワイヤー使いまくりだし、役者達の動きも空を飛ぶ感じでまさに「観るショウ」。観光で来た人だったら、ロンドン土産としてはなかなかの贅沢品かも。


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