やっと読み終わった・・・本当にこれが最後のHarry Potter and The Deathly Hallowsーハリーポッターと死の秘宝
Harry Potter-7なんともいえない喪失感、、、彼等と一緒に長い長い旅をしたような疲労感、、、今回は特にこれが最終巻なので、「もう続きはないのか〜」と思うと寂しいよ。

この本がこんなにも世界的なベストセラーになったのは、国や世代を超えて、人が生きていく為に必要なもの、どうしても通らなければならない事、誰にでも必ず起こる事が凝縮されているからなんだろうな。
子供にも判るように、若者なら共感できるように、そして大人はもう一度「そうそう」と確かめながら読み進んでいけるから。

ハリー・ポッターになんか興味はないって言う人に、最終巻のストーリーを言っても何の事がさっぱりだろうし、一応まだ日本版は出てないのでネタバレをするつもりもないけど、でもやっぱりこの本がこんなにも巨大化したのには、それなりの要素があったからだと思う。

魔法界という非現実的な世界が舞台なのに、その世界はとても現実社会とすんなり重なってしまう。 全寮制の寄宿学校での生活は実際に今でも残っているし。それでいて現実界ではありえない楽しく、エキサイティングな魔法の数々。 写真やポートレートの絵の中の人が笑ってたり、動いてたりしゃべりかけてきたり、、なんて日常的な事から、ホウキに乗ってボールを追うゲーム、Quiddichの本格的なワールドカップ、どこへでも瞬間移動できたり、完全に姿をかくせるクローク、そして数々の魔法界の動物達。

作者のローリングさんがこの話の構想を思い付いてから17年だそうだ。 一巻が発売になったのが10年前。最終巻を読むと、その時から7巻に渡るストーリーが最後まで巧妙に組み立てられ、最初からいろんなところに伏線が張られていたのがわかる。初期のストーリーに出て来た小さな事が、今になって筋道立てて明かされて、思わず前の巻を引っ張り出して確認しちゃったもの・・・

やっぱり泣いたよ〜・・・
悲しいからじゃない、可哀想だからでもない、怖いからでも、身につまされるからでもない、、、だけど、胸の底で何かがぎゅうっと締め付けられる。心の何かを叩かれてる感じがする。

最初の3冊程は、よく子供向けの本にある知恵と勇気と友情みたいな感じで,冒険小説のようなワクワク,ドキドキ感が強かった。それが4巻目くらいから、どんどんダークになっていく、、、 ハリーが謎を解こうとするにつれ、読んでるこっちも頭を使わなくちゃいけなくなる。このあたりから、読者はハリーと一緒に長い長い旅をして一緒に闘っているような気分になるはず。読んだ後の疲労感はそのせいだよねきっと。

後半になると、知恵と勇気と友情のフェアリーテイル3大柱に加えて、規律や差別、偏見に虐待といった、ちょっとポリティカルな部分もでてくる。さまざまな立場からの意見という形で、現実社会にありがちな問題を問いかけるあたり、うまくできてるな〜と唸ってしまう。

主人公達が14-5才になるにつれ、人として生きるうちに通るいろんな事が増えていく。 信じる事、疑う事、間違える事、恐れる事、あきらめない事、不安になる事、打ち勝つ事、愛する事、耐える事、そしていくつかの守る事・・・・愛する人を守る、大事な物を守る、自分を守る、仲間を守る、誓いを守る、秘密を守る。最期には、死と向き合う事、死んだ人の思いを受け止める事、そして自分の死を受け入れる事・・・ 

最期のほうは、子供にはちょっと重過ぎるくらいかも。 最終巻で一番泣かされたのは、たった一つの片想いに生涯を費やした男の孤独な人生が初めて明らかになった部分。これはねえ〜、、泣いたよ!

ローリングさんは、今や世界的な大金持ちになってしまったわけだけど、これを書き上げる為に費やした彼女の17年間は、「一発千金とはわけが違うよね。死に関しては、ご自身がお母さんを亡くされて経験したいろんな思いが反映されてるとか、、、最初にHarry Potterを書き始めてから、結婚、出産、離婚、シングルマザー、そして本が大ヒットするにつれ、再婚、さらに2人の子供(合計3人)とご自身の生活も大変貌を遂げ、時に母として、女性としての姿がキャラクターに反映されている。脇役がみんな魅力的なのは、そんな小さな部分にも共感できるものがあるからかな。

いえね、、要するに「私はHarry Potterなんて子供の本には興味ありません」「魔法使いの世界なんて非現実的過ぎてついていけね〜よ」「ちょっと誰かがあおればこんな騒ぎだもんね〜 過大評価されずぎ!」等思っていらっしゃる方々に、是非お薦めします! と声を大にして言いたいだけなんです。歴史に残る作品に成る事は間違い無いはず。100年後に「クラシック」と呼ばれる筈。「指輪物語」みたいに・・・

実は私は日本語版を読んだ事がなくって、いったい様々なハリーポッター語がどんな風に訳されてるのか知らないんですよね。もしかしたら、訳し方によっては、思いっきり子供向けシリーズになっちゃてるのかも・・・・ だとしたら残念ですが、、英語は大人も子供も、男性女性も、年上も年下も対等に話すので、文章を読んでいてことさら子供っぽいとは感じないから、こんなに大人も巻き込んだ大ヒットになったのかもしれない。
Iを訳すのに、、私、僕、オレ、あたし、自分、拙者、我が輩、、、、、思いっきりキャラクター変わっちゃうもんね〜〜!
それでなくても、Demontorだの、Apparationだの、魔法界語が沢山出て来て、それらを日本語訳にするのって、ものすごいセンスが問われる作業だろうなあ〜〜

ローリングさんは、「ハリー・ポッター辞典」みたいな形で、本文には書ききれなかった事を追記した番外編を出すような事を話しているそうだから、せめてそれでも楽しみにしますかね。
本当にこれでハリー達との何年もの旅は終わりなのかと思うと、寂しいけど・・・・
それにしても、最終巻で再登場した数々の伏線事項を確認する為にも、また少ししたら初めの1巻から読み返してみようかな・・・

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