ここ数日で大受けしてるのが、新オーディション番組「Britan's Got Talent」

私も毎年楽しみにしている「Royal Variety Performance」というエンターテイメント・ショウがある。始まったのはもう100年近く前のジョージ5世の頃で、年に一度、いろんな分野のトップエンターテイナーが集められて、王族の前で演技する贅沢なショウだ。 殆どの場合ロンドン、ウェストエンドの劇場(大抵は由緒あるキャパの広い大劇場)で華やかに行われ、同時中継でテレビ放映もされる。

出演するのは、時のスター達。その時にヒットしているウェストエンドのミュージカルの一部をオリジナルキャストで演じたり、歌手やバンド、コメディアン、マジシャン、物真似、バレエにダンス、まさに、バラエティー・パフォーマンスだ。こんなに豪華な顔ぶれを目の前に並べて観る事ができるというのが、王族の特権なのか・・・ と思ってしまうけれど、ショウ自体はチャリティーで、収益は引退したアーティストでケアが必要になった人達の、いわゆる「老後ホーム」の運営に当てられている。

今年は珍しくロンドンではなく、12月にリバプールで行われ、エリザベス女王,フィリップ殿下が出席される。そして、Britain's got Talentの勝者は、このロイヤル・バラエティーに出場できるのだ。
今回は演目に制限がない。X Factorなんかははじめから歌手というカテゴリーにしぼられているけど、Variety performanceはまさにバラエティー。

70才のおばあちゃんラッパー、9人のトランスセクシャル達のスパイス・ガールズ張りのパフォーマンス、装置が壊れて散々のマジック、携帯の音で歌う犬、思いっきり勘違いの音痴デュオ、最近流行りのフリーランナーとにかくありとあらゆる障害物を飛んだり回転したり蹴ったりしながら走り続ける→このグループは、最後にロイヤルボックス席から飛び下りた), 6才少女の天使の歌声、78才おじいちゃんのフレッド・アステアのタップダンス、ホラーマジックと唱っての、血まみれ&のこぎりマジック、9才ペアのボールルームダンス、プロ並みのテノールのオペラ、客席総立ちになった物真似コメディアン、、、、、(こっそり観たい方はこちら

次々と繰り広げられる珍演技に審査員達は笑う、泣く、うんざりする、呆気にとられる、観なかった事にする・・・と大変な一日を繰り返している。 才能を見るだけでなく、女王陛下の前で演じるにふさわしいかどうか、も大事な審査対象になる。審査員は3人。演技途中でバツ印のブザーが3つ付いたら、すぐさま演技を止めて退場。 最後まで演技できた人は審査員の批評のあと、次のステージに進めるかどうか決まる。2人の審査員がYesと言えば通過だ。

オーディションといえば、欠かせない審査員のサイモン・コーウェル(Simon Cowell)。辛口どころか、非情にしてほとんど冷酷なまでの悪口雑言を浴びせて追い返す。でもオーディション審査員としてあまりに有名になったため、最近は演じるほうも「サイモンに挑戦」みたいな勢いがある。  まあ、私が思うには彼のコメントは確かにきついけど当たってるし、思いっきり勘違いであきらかに時間の無駄という人達も多いのが事実。

「何で今さらRoyal Varietyにオーディションなんてするんだろう、、?」と思って、ふと気が付く。このショウのテレビ放映権は、国営のBBCと民放のITVが毎年交代で持っている。今年はITVの番。 成る程、今からこの「Britain's got talent」で人々を引き付けておけば、本番のroyal varietyでの視聴率はぐーんとアップするという計算か・・・・ 日本ほど、視聴率なんて事は耳にしないけど、やっぱり制作側としては、数字の統計は無視できないだろうし、毎年BBCとの競争になってるだろうしね。こりゃあ受けるわ。

Britain's got talentは9日から17日のファイナルまで毎日放映される。本放映の他にもITV2で、舞台裏をもっと紹介するBritain's got more talentという番組も組んで、視聴者層を広げている。審査員の裏話や出演者のステージ裏での話など、盛りだくさんだ。 なんといっても、進行役の2人、AnthonyDeclanのフォローが上手い! 待ち合いホールでいろんな人に声をかけて、パフォーマンスをするようになったいきさつを聞いてはうなずきながら感心している。肩を抱き、背中をたたいて舞台袖から送りだす。カーテンの影から一人一人の演技を見守って、がっかりしたり飛び上がったり・・・・ この2人のおかげでかなりこの番組に好感を持ってしまう。

17日までという事は、これから1週間は退屈しないで済みそうだわ。自分は最高!」と信じて、あるいは勘違いしている人達の面白パフォーマンス。だけど、中には本当にすばらしい素質を観せる人もいて、たとえ優勝はしなくても、これを機にキャリアとしてやっていくチャンスを掴める人もいるかもしれないね。最後は一人だけしか選ばれないんだろうか、、?その辺がまだ解らないけど、これは決めるのも大変だ〜〜!

1クリックでランキングに応援してください
ランキング大