この所、ほとんど毎週末はネットができない・・・!

確かにサーバーが今までの会社からVirginに変るっていう知らせはきたけど、多分その移行途中にありがちな不具合かとは思うけど、でもね〜金曜日の夜から月曜までよ〜・・・・ 書きかけても、Blogをアップできなくて、この週末は何も更新できなかった。

他の事を書きかけていたのに今日になっちゃって、「冷静と情熱のあいだ」も読み終えてしまったので、こっちの話題にしよう・・・・

成る程ね・・・・解った、よーく解りました。・・・・


・・・で終るなよ!って言われますよね、やっぱり。
初めにRossoを読んだ。確かに「その感じ、その気持ち、良く解る」と思えたのだけれど、ストーリーにドラマがないのが歯がゆくて、早くBluが読みたかった。 感覚的なものに共感できたのは、やっぱり私が一応女だからで、あおいの、クールに現実を受け止めて幸せだと思おうとする今の生活はとても現実味を感じた。多分、もしかしたら沢山の女性達があおいの今の暮らしを「これでいい」と思い込んで生きてるんじゃないだろうか。

本としてはやっぱりBluのほうに心惹かれた。いろんなストーリーが書かれているのはこちらのほうだから、映画版がこっちを軸に創られているのは当然なのだろう。 女性としても、私はあおいより芽美のほうが好きだ。「うわ〜、女!」っていう感じがするのは本当はちょっと引くのだけれど、この芽美ちゃんは動物的な女であると同時に、決して女特有の馬鹿じゃない。

あおいという女性はクールなぶん、正直だ。マーヴと幸せに仲良く暮らしていても、どこか心を心底許していないという事を、マーヴに気付かせながら生活している。これはマーヴにはとても残酷な事で、彼の様な温和で寛大な人でなければ数年もの関係は到底続かなかっただろう。幸せな生活を受け入れながらも、心の隅っこに思い出のかけらを閉じ込めている。普段は思い出す事も滅多にない生活。
女は完全に仮面をかぶったままで生きていける。 でもあおいは、仮面をかぶっている事をちょっとだけ正直に教えてしまうのだ。

反対に順正は、あおいの思い出から抜け出せない自分をたっぷり引きずって生きている。 芽美に対する順正はちょっとずるい。男が女を「可愛い」と思うには、決して愛している必要はなく、ちょっと良い女が心も身体もさらけだして自分に飛び込んできてくれるだけで充分なのだから。

順正自身は気付いていないのだろうけれど、芽美を見る目線がちょっと下に向いてる気がする。 見上げていない=見下している。「そんなつもりで付合った事はないよ」とずるい事を誠実に言ってのけるところが男なんだね。

アンジェロがゲイだったのは、映画にはなかったね〜。まあ、映画が4時間くらいだったら、もっといろいろ描けたんだろうけど,あの2冊をまとめたものとしては、良い映画に仕上がったと思う。原作は順正がユーロスターに乗る所で終っているけれど、映画の最後に2人がミラノ駅で笑顔で見つめ合うラストはぴったりだった。「これからの100年」に賭けた順正の勝ちだったのかな・・・

竹野内さんの順正は、穏やかで無口な順正だったけど、原作ではもっと喜怒哀楽の激しいちょっと変わり者らしい。 崇とあおい、順正の3人とも帰国子女の設定というのが、普通とちょっと違う孤独感を出している。映画を観てから本を読んだのは正解だったかな。

Rossoのほうは解らないけど,Bluのほうはまたきっと読み返すだろう。やっぱり「本」を読む時は、あまり感覚的なものよりも、文章できちんと表現された感情を読み取りたい。 私にとって女性作家の本がしっくりこないのは、感覚的な文章が多いからだろうか・・・「その感じ」を見事に文章にして表現するのでびっくりしたのが、山田詠美さんだった。彼女の本は、女の「感覚」を見事に文章で表しているのでとても好きだ。

私が先日のブログタイトルにした事を、辻仁成さんが「あとがき」で全く同じ事を書いていたのでびっくりした。「冷静と情熱のあいだに、何があるのだろう?」


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