イギリスに住んでいると、親しい人の中には名字を知らない人がいたりする。

前に所属先は知らなくて良いイギリスの個人主義に触れたけれど、この「名字を知らない」というのも、よくある事だ。ましてや歳なんて、よほど個人的な話をするようになってからでないと正確には解らない。会った人にいきなり歳を聞くことはまずないし、しばらくは会話の中で、これくらいかなと検討をつける。

何年も経って、お隣さんの彼と同い年だと解った時は盛り上がった。私は彼を4ー5才若いと思ってたし、彼の方は何と私を10才位若いと思っていたらしい。(こちらの人は皆、東洋人の年齢を見分けるのは、検討がつかないらしい)

で、名前の話。こちらではいわゆる「愛称」がごく一般的に使われる。パスポートやクレジットカードの登録でもない限り、普段は愛称を名乗り、それが一般化しているものなら、見たほうも暗黙の了解で納得する。CatharineをCathy, David をDave等、単純に名前を短かくするのが一般的だ。

その他、多少の例外は除いて、一般的にTonyと呼ばれる人の名前はAnthonyだ。BobRobert, Billy(Bill)といえばWilliam, Nedが実はEdwardといった具合。Elizabethという名前も愛称はLizzy(Liz)だったりBethだったりする。
こういう場合は、イニシャル表記する時に気をつけなくちゃいけない。カードの宛先なんかで、ファーストネームをイニシャル書きにして、「あ!」と思う事になる。普通は Mr Tony Smith でも、イニシャルでは Mr A Smith にしなくけはいけないのだ。

私の友人にPeterという人がいる。彼の奥さんは Triciaと呼ばれている。もうず〜っと、皆からそう呼ばれていて、それ以外の彼女の名前は聞いた事がない。
で、いつだったか、たまたまどこかから夫婦揃ってイニシャル入りの高級ペンをもらったのだそうだ。二人ともとても大事にしていたのが、ある時1本しか見あたらなくなった。どこへいった!?と大騒ぎで探すうち、残った1本が「僕のだいや私のだ」という取り合いになった。

PeterはペンをTriciaの前に掲げて、「ほら、これは僕のだ、ぼくのイニシャルが入ってる」と言うと、彼女が「私だってそうよ!」と反撃・・・彼女の名前はPatriciaだ。そしてPeterですら、ほとんどその事を忘れていた程、彼女はTriciaだったのだ。
「忘れてたよ、、」と笑いながらその話をしてくれたPeterが、残ったペンを彼女に譲ったのか、あるいは無くなったペンが出て来たのかは定かでない。

親と同じ名前を付けるのも、こちらでは結構ある。日本は確か親子間で同じ字での名前はつけられないはず。自分の子供を呼ぶのに自分の名前を呼ぶなんて、変だろうに・・・・愛称を変えて読んだりする事も多いようだ。

不思議に思うのは、英王室のハリー王子。すっかりPrince Harryで定着して、新聞でもテレビのニュースでも、最近は当然のようにHarryと呼ばれているけれど、彼の名前は本当はHenryだ。小さい頃は、ハリーとヘンリー、半々位で呼ばれていたけれど、今やイギリスのみならず、海外でもPrince Harryで定着している。
一方、その兄のWilliam王子は、Prince Billy とは絶対に、絶対に呼ばれない。あくまでもPrince Williamなのだ。

最近はスペルも本来のものとは違って付けたり、Appleだの、Parisだのちょっと変ったのを名前に付けたりする傾向が増えてる。まあ、かっこ良ければ良いんだけどね。日本と違って、こっちは名前を変えるのは簡単だから、気に入らなければ大人になって自分で変えればいいしね。


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