昨夜Take Thatがテレビでスタジオライブをやっていた。

テイクザット かしら、日本語表記だと・・・? 

彼等が大活躍したのは90年代の前半。
丁度イギリスは湾岸戦争で不景気に陥り、英国文化のひとつとして根強かったバンドミュージックも、80年代後半から「これ!」といったグループがあまり出ず、未だ70年代ロックバンドのおじさん達が頑張る中で、Queenのフレディー・マーキュリーが亡くなったりして、面白い事があまりない時期だった。

いかにも個性的な5人の男の子達が、踊りながら歌う。アップテンポな曲や、バラード、ブレイクダンスあり、セックスアピールありで、これはもう女の子達の「きゃあ〜〜〜!」という大歓声を欲しいままにする事間違い無し!のBoyband  そう、Boybandという言葉自体、これが先駆けだった。

で、私が初めて彼等を観た時の感想は、「あら、Smapじゃない、、」だった。 
日本ではSmapより前から、ジャニーズJrに始まり、しぶがき隊や、少年隊、光ゲンジといった男の子のアイドルグループはいつでも大人気だったけど、ついにイギリスも伝統あるRock/Pop musicがすたれて、アイドルグループに踊らせる演出に走るのか、、、とちょっと溜め息まじりに思ったっけ。

実はSmap自体、私が観たのはかなり後になってから。あの頃はまだインターネットもなかったし、日本の事はよほど大きな事件でないと知らない生活だった。名前と「すごく人気がある」という事は聞いていたけれど、実は木村拓也さんを初めて観たのが「あすなろ白書」だった位。Smapが全員で歌ってるのを観たのはさらにその後。
ただ、歌って踊ってるのを観て、いくつかの曲をきいて、Take Thatをジャニーズ系アイドルクループの「パクリだ」と思ってしまったのだ。

解散後10年目にしての再結成ツアーはまたたく間に売り切れ、11月に出した新しいシングル「Patience」は先週1位になり、アルバムも数日前に出たばかり。彼等以後、いくつかのグループがBoybandとして人気を集めているけれど、やはりTake Thatにはかなわない。彼等が最初であり、それは日本のパクリでもなんでもなく、立派な「Band」だったからだ。

各々がプロの歌手としての技量をもっているので、誰が歌っても、コーラスでもまず「歌が上手い」 ホワードとジェイソンの2人は、元々ストリートダンスやブレイクダンスのコンペティションの常連で、よく顔を合わせていたそうだ。 
何よりも、彼等の歌の大半はメンバーであるGaryが書いている。(このGaryっていう名前、日本語で表記されるといつも「ゲイリー」ってなってるんだけど、本当は「ギャリー」という発音です。ギャとガの中間のような音) 

彼等は90年代の新しい「Band」だったのだ。

彼等が解散した時は、あまりにも悲嘆にくれるファンが多かったために、特別に電話相談のヘルプラインが設けられた。 あの頃涙、涙で彼等の解散を悲しんだティーンエージャーの女の子達も、今はお母さんになってる人も沢山いるはず。あるいは、30になって今だに夢見る乙女から抜け出せないでいる人も・・・

昨夜のスタジオライブの後、夏の再結成ツアーもテレビ放映されたので、思わす観てしまった。凄いスケール!
プロのダンサーチームがバックを固めてのセクシーなラテンダンスがあれば、蜷川さん演出の「オレステス」の数倍のスケールで雨を降らし、ずぶぬれになって水たまりを蹴飛ばしながら、「Could it be Magic(恋はマジック)」を歌い踊る。

観客はみんな幸せそうな顔で曲にあわせて口ずさんでる。皆彼等のステージをまた観る事ができて、本当に嬉しいのだ。みんなの顔が「ありがとう」って言ってる。
ステージ上のメンバーは、ハッキリ言って「おじさん」になった。でも、観客の目には、今でも「キュートなボーイス」に見えているのだろう。

そろそろ「クリスマス No1」を予想する時期だ。イギリス人はなんでも賭け事にする。毎年この時期は、12月25日付けでのチャートの1位を予想するのと、25日に雪が降るかどうかの賭けに小銭を使う。

みんな「クリスマスNo1」をねらってこの時期に新曲を発表するので、毎日ラジオでは競争でいろんな曲が代わりばんこに何度もかかる。先週1位だったTake Thatは、まだ持つだろうか、、、?


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