見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

July 2021


イギリスがCovidにおける日常での規制を全て解除する、という大きな賭けに出て1週間が過ぎた。
受け取り方は人それぞれ。大喜びでマスクを捨て去った人もいれば、ますます頑なに用心する人もいる。世界中が注目しているこの決定は、日本だとまずあり得ない。要するに、

「さあ、この一年で何をすればいいのかは学びましたね。ワクチンを打った皆さんは、たとえ発症しても重症化・死亡する可能性はずっと低くなりました。ここからは皆さんの自己責任で対処してください。羽目を外して発症してもあなたの問題ですよ。あ、それからたとえ症状はなくても、検査で陽性だったり、陽性の人が身近に出た場合は相変わらずの自主隔離が必要です。 これはこれからも続きますから守るように」

というわけで、最初の週が過ぎた。私の見たところ、道を歩くときは皆んなもうマスクはしていないけれど、 お店に入る時やバスではほとんどの人がマスクをしている。(ロンドンでは公共交通機関ではマスクの着用が継続されている)ショッピング街でお店を見て回っている人達は、道でもそのままマスクをつけて歩いているし。私はウエストエンドのほうには出ていないので、都心がどうなっているかは判らないけれど、このロンドン郊外の街では、結構みんな慎重、という印象だ。

ところがここにきて新たな問題が急上してきた。 NHSのアプリでcovidで陽性が出た人と接触した可能性がある人に「自主隔離してください」という通知が来るのだが、毎日3万人以上の新規感染者が出ているので、当然その人たちと接触した人の数はその数倍にもなる。自覚症状も全くなく本人は陰性なのに、数日間の自主隔離をしなくてはならない人が続出してしまった。

例えば学校でクラスに一人でも陽性者が出たら学級閉鎖、自宅隔離なので子供が家にいるということは親も家にいなくてはならない。シングルマザーの家庭では母親が仕事を休まなくてはいけなくなる、、、という連鎖反応。職場に陽性者が出れば、一度に何人もが出勤できなくなるし、その家族にも影響する。

ロンドンの地下鉄も路線によって間引き運転あるいは運休、ドライバー不足でスーパーにストックのデリバリーが届かずに棚はガラガラ、、という状態だ。 デパートや小売店でもスタッフ不足で手が回らなくなっている。政府はワクチンを完了している人たちはこの自主隔離を免除しようという考えもあるようで、この後数週間でどうなっていくのか、、、、??コンサートやスポーツの試合等、いよいよ「ワクチンパスポート」が本格化していくような感じだ。

海外へは相変わらずまだ何度も検査が必要だし隔離が義務付けられている国がほとんどだけれど、それでもグリーン(国によってGreen, Amber, Redと信号機の色で規制内容が分かれている)の国は隔離なしでいかれるようになったので、この夏にはまたホリデーをたのしみたいという人も多いようだ。とはいえ、行きと帰りに合わせて4回の検査はかなりの額になる。結局お金に糸目を付けない人たちはいいけれど、家族5人での夏のホリデーにはあまりにも高くつきすぎる、、、というのが現実だ。リスクを犯す必要性があまりないね、、、

無観客で始まった東京オリンピック。賛否両論のなか、開会式も当初の予定とは全く変わってしまった様子だけれど、それでも幕が開いた。本当にあの大きな競技場に観客がいないのは残念だけれど、いざ競技が始まってみると、そこはやっぱりアスリート達にとっては真剣勝負の世界だ。今回は時差もあるし、こっちのテレビはやっぱりGBの選手が活躍する競技しかやっていない、、、今日から4日休みなので、ここはやっぱり日本のテレビ番組と併用して観るかな。

自分の目標に集中して頑張ってきたアスリートの人たちにとって、一生の宝になるようなオリンピックになってほしい。いつものように各国の選手同士が親しくなったりという機会は今回はほとんど無いのかもしれないけれど、やっぱり「世界中から集まる」というのがオリンピックなのだから、日本のことも好きになってくれると嬉しいしね。

普段は見ないような競技を見たりするのはやっぱりオリンピックならではだ。私はオリンピック期間中の、テレビをつけたときの「ワ〜〜〜!」という観客席からの音が好きだ。常に バックグラウンドでうなるように聞こえているあの音を聞くと「ああ、オリンピックだなあ〜」と思う。これから2週間、時差はあるけれど応援しながら観るのがたのしみだ!
 


ここ数週間盛り上がっていたサッカーのユーロ杯が決勝を迎えた。
なんと!55年ぶりに地元イングランドが決勝まで勝ち上がり、「もし優勝したら祝日を設ける」なんて話も出るくらいの勢いで、期待が膨らんでいたのだった。
実はイングランドはユーロ杯でもW杯でも いつもベスト8までは行くけれど、そこまで、、、というのが常で、今回もダークホースだと思っていたのが、トーナメントでドイツに勝ったあたりから、「もしかして行くんじゃ、、、」というムードになっていった。

決勝はイタリアと。私はやっぱりイタリアの勝ちだろうな、、とりあえず「ボロ負け」じゃないといいなあ〜と 思っていて、もちろん国中をあげての大盛り上がりの中なので大きな声では言わなかったけれど、2-1,あるいは3−2くらいだった納得できるかな、というつもりでいた。

ところが開始直後に1点を先制したイングランドがその後も守り続けて前半を終わる。1点なんてどうにでもひっくり返るから、「とにかくもう一点」と思っていたのだが、後半はイタリアの攻めを守り続けるイングランド。やっぱりボールのキープがイタリアのほうが巧いので、イングランドはなかなかボールを保持できない展開に。そして1−1。

だんだん「延長戦」ムードになってきて、それでも両者決め手を欠き、とうとうイングランドが大嫌いなPK戦に、、、!前にも書いたけれど、「イングランドはPK戦になると負ける」というジンクスがあり、大きな大会でPK戦を制したのは8回のうち2回だけだったか、、、? PK戦は本当に残酷だ。でもどちらかが勝たなきゃならない。キーパーのセーヴや惜しいミスもあって、最後の一蹴り、イングランドはこれを決めなければ敗退という一大事にボールを託されたのはまだ19才でアーセナルの若手選手。「彼じゃ若すぎる、、」と思った瞬間、少しスピードが足りなかったボールはしっかりとキーパーに捕らえられていた。泣き崩れている彼を先輩選手たちが何人もで抱きかかえて慰めているのは見ていて辛いものがあった。

決勝戦のウェンブリースタジアムは6万人強が入って物凄い歓声・怒声が響き渡り、マスクをしている人もほとんどいなくて「コロナはどこ、、?」という感じだ。

実は今日はウィンブルドン(テニス)の最終日でもあった。昼間に男子の決勝があり、こちらもジョコビッチの安定勝ちかと思ったら、素晴らしく見応えのあるゲーム展開で、見ていて熱が入ってしまった。こちらのセンターコートも人が満杯で、今から2週間後が怖いわ、、、その頃にはイギリスは全面的にCovidに関する規制を解いてしまうので、どうなることやら、、、、、

昼間はウィンブルドンに、そして夜はウェンブリーにと、忙しくその姿を見せていたケイトさん=ケンブリッジ公夫人。ウィンブルドンではケント公と一緒に表彰式に出て、それが夕方のもう5時半くらいだったのに、8時からのユーロ杯決勝にはきちんとお召し物も髪も変わって観覧席に来ていた、こちらはウィリアム王子とジョージ王子と一緒に。(あ、ちなみに今イギリスで映画撮影中のトム・クルーズ氏も両方の観戦席にいた) 

試合後のピッチでの表彰式ではイングランドチームは見る影もなく落ち込んでいた。55年ぶりの国中の期待を背負って「勝つ!」ということだけを目標に今日のゲームの臨んだはずだ。その気持ちは銀メダルを受け取った選手たちが次々と、かけられたメダルを即座に外して笑顔も見せずに歩き去っていった様子でよくわかる。 「こんなものはいらない」とばかりに銀メダルを外していく選手達を見ていると、「ああ、やっぱりスポーツの試合は勝つ事を目標にしなければ勝てないんだな、、」と思った。

良い試合、感動した試合、語り継がれる試合、それらは観ているほうが評価している事であって、戦っている本人たちの目標はやはり「勝つ」事なのだ。そのモチベーションがなければ続けられないだろう。ただ、勝ちを最優先に意識したほうが伸びる人と、そうすると意識しすぎてできなくなってしまう選手がいるのだ。私が応援しているF1のハミルトンも、フィギュアスケートの宇野昌磨さんも、負けず嫌いで頑張っているからこその現役だ。

「人の心に残る選手」という事は、勝つために苦しんで努力した姿を 見た人たちが決めること。「勝つ」という強い思いで戦っている姿、そして勝ち取った姿、それでも勝ちきれずに悔し涙を流す姿、次への挑戦にむけて強い意志をみせる姿、それが人々の心に残るのだ。

「勝ちたい」と声を大にして言う選手もいれば、そうは言わない選手もいる。でも「勝ちたい」という思いがなければ戦い続けることはできない。だから応援する身としては、「いい演技ができればいい」とか「素晴らしいプレーを見せてくれたからそれでいい」 なんて思わないようにしようと思う。

「きっと勝てる、がんばれ!」だ。 

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