見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

November 2020


Covid-19は益々世界中を混乱させている。どの国も第2、いや第3波がやってきていて、感染者数も鰻登りだ。そんな中で、ユ•ヨン選手意外は日本人選手のみ、という形で行われた今年のフィギュアスケートNHK杯。こんなラインアップはもう2度とないだろう。全日本以外でこんなに日本の選手だけを堪能できる機会は無い。
男女シングルは12名、ペアは今回は無くてアイスダンスが3組。日本国内で上位を狙う選手たちが集結した。ただ、女子では宮原選手と紀平選手、男子は宇野選手と羽生選手が出ていない。これは逆に言うとトップに続く選手たちをじっくりと観られる絶好の機会だ。 

フィギュアスケートはちょっと不思議な世界でもあって、今でこそ各エレメントに明確な点数がついて技の難度や完成度が評価されるシステムになったけれど、昔の6点制の頃はジャッジの主観で点数が付けられていた。そしてこのジャッジの主観というのは、実際には完全に無くなることはない。評価するのも人なので、「この子はできる」と思った時点で最低点が底上げされるのは否めないと思う。 

フィギュアスケートは大人になってからある日突然始めてできるスポーツではない。フィギュアを15歳から始めて国際大会に出てきた、ということはまずあり得ない。子供の頃から滑り始めてジュニア時代から国際試合に出ていると世界のフィギュア界の目に止まる。映えある国際試合で未来の金の卵を披露するのは日本のフィギュア界にとって重要なことなのだ。だからこそ、今回のNHK杯はまさに日本のフィギュア界にとって絶好の機会だったといえるのではないだろうか、、、

元四大陸選手権の優勝者、三原舞選手の復帰は海外関係者の目にも止まったはずだ。 そしてまだジュニアで表彰台に上がった本田ルーカス剛選手と松生理乃選手、松生選手はトリプルアクセルも跳ぶそうなので、シニアに上がった時には注目されるんじゃないかな。私個人としては本田ルーカス選手のスケートがとても好きだ。ただ、彼はジュニアといってももう18歳なので、この時点でプログラムに4回転が入れられないというのはシニアに上がって難しいかも、、、優勝した鍵山選手はもうすでに世界のジャッジ達の中で底上げされているはずだ。シニア1年目ではあるけれど、彼は世界の上位に入ってくると思う。5年前の宇野昌磨のように、、、

山下真湖選手も昨シーズンは低迷してしまったので、復活してきてくれて嬉しい。なんとまあ可愛いこと!4回転を狙っているようなので、頑張って欲しい。樋口若葉選手のトリプルアクセル着氷も次に繋がる大きな一歩だったし、圧巻の坂本選手は貫禄十分な優勝だった。全日本ではさっとん=宮原選手や紀平梨花さんも入ってくるから、表彰台には誰が乗るのか楽しみだ。男子はトップ2人が全日本に入ってくるけれど、二人とも2月以来の初試合ということになるので、ぶっつけ本番でベストが出せるか、、、!?

そしてなんといっても今回の話題はアイスダンサー•高橋大輔のデビューだ。実は思っていたよりレベルの高い演技だったので驚いた。結成1年目のデビュー戦でこれなら大したもんだ!!!これからの道は厳しいとは思うけれど、素敵なデビュー戦だったね。ただ、彼らには身長差が殆んど無いので、リフトにしても決めポーズにしても見栄えがしにくい。でもこれはどうしようもないので、それを補うケミストリーを放ってくれるカップルになれるといい。村元哉中さんはとても華のある選手なので、彼女を存分に引き立ててかつ自分の魅力も出せるようになると素敵なカップルになるだろう。 全日本までにどこまでレベルを上げられるのだろうか、、、?本当にもっと世界に出て行けたらすごいな、、34歳で別ジャンルでデビューなんて、やっぱり普通じゃできないことだよね。がんばれ!!

さらに楽しかったのはエキシビションだ。(ちなみに日本はいつもExcibition Galaのエキシビションのほうを言うけれど、海外では「Gala」と呼ぶのが普通)ここで目を引いたのがノービスの二人。中田璃士(りおって読むそうな、、!!)君と島田麻央ちゃん。この二人は絶対に将来世界の上位に行く、と確信させてくれるものがある。もちろんこれからの成長期で身体も変化するし、怪我もせずに順調に育ってくれればの話だけれど。これからまだ10年先も楽しみにできる選手が育ってるなんて本当に嬉しい。

さてそうなると上が詰まってくるんだよね。GPSは、自身が喘息持ちなのと人の移動を配慮、ということで出場を見合わせた羽生選手も全日本には出るようだ。去年の雪辱を晴らすべく全力でやってくるのか、それとももしかしたらこれを機に今後の進退を考えているのか、、、?
2月以来ことごとく出たかった大会が中止になってしまった宇野選手も、彼が一番大事だという全日本に照準を合わせているだろう。最近までは追いかけていた立場が、今や下からの若手に追い落とされかねない状況だ。スイスでの新しいスケート生活で、もう一段階化けることができるのか、、、(私は化けて欲しいと本当に心から応援している!)

今回のNHK杯は、日本からどんどん面白い選手が出てくることを大いに期待させる大会だったと思う。世界にアピールできたのではないだろうか。

全日本まであと1ヶ月を切っている。シャンペリーにいた選手たちも多分もう戻っているんだろうな。2週間の自粛が課せられるのか、特例があるのかあるいは極秘でこっそりなのかはわからないけれど、みんなが万全の状態で大会自体が無事に開催されますように。長野だったかな、日本の感染状況も深刻になりつつあるから移動制限なんてことになりませんように、、 


3月以来、一度も劇場に足を運んでいない。こんなことはもう40年間なかった事だ。自分が芝居をやっていた頃はもちろん、ロンドンに来てからだって少なくとも1ヶ月に1本は観ていた。多い時は年に15-6本、そのために働いていると言ってもいいくらい。(私の仕事のモチベーションは芝居と日本行きと夏のホリデーだ。)コロナ騒ぎであっという間に今年が過ぎて行ってしまう。何もせず、何も起こらず、の一年になってしまった感じ。かろうじて体重を落として筋肉をつけたくらいが収穫と言えるかな、、、

仕事を再開してからは忙しくてネットでの舞台中継もあまり観られなくなっているけれど、それでもたまに目をつけたものはチェックしている。先週WOWOWライヴで放映された三谷幸喜氏の舞台、「大地」をやっと観た。これは今年の夏に新しくなったPARCOでの公演ということで、最新版。演出もなるべくSocial distanceを考慮したとのこと。

芝居や芸術は「反体制」とみなされて禁じられてしまったある国という設定。それまで活躍していた芝居畑の人々が収容所に送り込まれて、畑の手入れや豚の世話を毎日させられている。その1つのバラックでのお話。国を代表するベテラン俳優の「座長」ことバチェク、物真似上手な大道芸人のピンスカ、女形の人気俳優ツルベチェク、役者兼演出家のツルハ、世界的に活躍するパントマイムの名手プルーハ、 そしてそこに入ってきた映画界の大スター、ブロツキー。芝居よりも裏方仕事が得意で、キャリアとプライドの高い役者たちをあれこれとまとめているのがチャペック、そしてまだ学生で、これから演劇の世界を学ぼうという時にセミナーに参加していた為に逮捕されてしまったミミンコ。この其々に癖の強いキャラクターが集まって寝起きを共にしている。

労働の後は、各班ごとに思想の再教育=偉大なる国の指導者を崇拝するような半ば洗脳的なセミナーが待っているのだが、彼らにとって幸いだったのは、この班の指導員 ホデクが実は演劇大好きな男だということだ。セミナーよりも囚人達=自分の尊敬する役者たちと芝居について語ったり、あげくには自分の書いた本で芝居の稽古をしたりするのが楽しくて仕方がない。囚人たちにとっては願ってもない監視官ということだ。

ある日、好意を持っていた大学の友達が別の女子収容舎にいることが偶然にわかったミミンコの為に、二人の時間を作ってやろうと皆んなでとんでもない計画を立てる。演劇やアートには全く興味も魅力も感じていないくせに、女形のツベルチェクに言い寄ろうとしている政府役員のドランスキーを出し抜いて、若い男女に密会の時間を持たせてやろうと画策する。 ツベルチェクがドランスキーを誘い出して、その間にドランスキーの居心地の良い部屋のベッドを使おうじゃないか、というのだ、、、

収容所での毎日、そこでの制限だらけの毎日の中で、彼らが貫いているのは「芝居への愛情」だ。芝居ができないことの辛さ、たとえ半分遊びでも台本を読んで稽古する喜びを、キャラクター達がそれぞれの立ち位置で爆発させる。今まで築いたキャリアの誇りと、先が見えない未来への絶望感 は、今まさにCovid-19の為に舞台に上がれない俳優たちの思いそのものと言ってもいい。

芝居を愛する心が書いた、芝居を愛する俳優たちによる、芝居を愛する観客の為の舞台

まさにそんな思いが詰まっていて、三谷さんはじめキャストの皆さんの愛情が舞台に満ちている。 事の次第を語って場面を繋ぐのは一番若いミミンコで、演じている池田龍臣さんはこれが初舞台だそうだ。大泉洋、山本耕史、浅野和之、相島一之、辻萬長、藤井隆、竜星涼、と名前が並べば、それだけでいかに個性豊かで実力派が集結しているか見る前から判る。政府側の二人、ドランスキーの小沢雄太さんも芝居好きの気のいい監視官役の栗原英雄さんも、よくあるいじめ役ではなく、ちゃんと愛嬌のある「立場が違うだけ」の役柄を見せていて憎めない。そう、みんなが愛すべきキャラクターなのだ。

結局ドランスキーを騙したことが発覚し、彼らにその罰が下る。 交渉し嘆願するが許される事はない。彼らが受けた罰は、誰か一人を犠牲にすることだった。誰にするのか、、、、、誰がどうやって選ぶのか、、、犠牲になっても良い人間の価値はどうやって決めるのか、、、
三谷幸喜の筆が冴える。ハッピーエンドにならないのが良い。苦い思い出と胸の痛みと共にこれからも生きていかなくてはならないのが現実だ。

それぞれの寝場所を間隔を開けて配置するという舞台装置でさりげなく取られているSochial distanceだが、見ている分には全く気づかないくらいだ。この演出も巧い。

この公演は8月だったそうだが、ロンドンのWestEndはまたしでもロックダウンになってしまった。やっといくつかの公演が再開に向けて動き始めていたところだったので、本当に歯痒い。このロックダウンは来月頭までだけれど、それ以降がどうなるかはまだ解らない。とりあえず人々にとっては、クリスマスに家族と会えるのか??というのが最大の関心事だ。

アメリカではすったもんだでバイデン氏が大統領になるようだけれど、それもまだトランプの往生際が悪いようで正式発表の一歩手前になっている。そして忘れちゃいけないのがBrexitだ。EUとの合意交渉期限は12 月31日。それまでに進展するのか??

来年からの暮らしはどーなるんだ〜〜?? 

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