明仁天皇が退位される平成最期の日だった。
実は今日は休みなのでパスポートの更新に日本大使館まで行ってきた。大使館に行くのは10年ぶり、いや、実際にはパスポートは残りが6ヶ月を切ったら国外に出る前に代えておかないと厄介なので、実質9年半ほどでの更新ということになる、、、、ほとんどの国はパスポートに6ヶ月(か、国によっては3ヶ月)以上の有効期間がないと入れてくれないのだ。本当にね、なんで有効期限の日まで使えないのかしら?まあ仕方がないね。
という事で朝から出かける。まず写真だ。デジタル写真は受け付けないと書いてあるので、こちらにもいちおう「パスポート用」の写真を撮れるブースもあるのだが、面倒は避けたいので、撮ってもらってから行くことにした。現地日本人の口コミで、「大使館の裏の方に取ってくれるところがあって、もうよく分かってるから日本の、って言えばちょいちょいっとやってくれる」との事だったので、多分ここの事だろうと思われるスナップ写真屋へ。Snappy snapsというチェーン店なのだが、とてつもなくフレンドリーで居心地の良い店だった!
日本大使館はロンドンの中心、グリーンパークを正面に臨む大通り沿いの一等地にあるので、この写真屋があるのもすぐ裏側のメイフェアという高級地区だ。50くらいのヒゲの親父さんと、写真を撮ってくれた小柄だけどハンサムで感じの良い青年、あと若い女の子の3人がいて、3人とも白人のイギリス人だったというのも珍しい感じがした。田舎の町に来たみたいなフレンドリーさだ。青年がテキパキとあっという間に写真を4葉撮ってくれて、待つ事5分もかかったか、、、??
「£5でデジタルの写真も付けるよ」というので、「いや、それはいらない」というと、少ししてからまた「ただで付けてあげるよ」と言う。いきなりフリーのオファーになったのは驚きだけど、実はパスポート用の写真なんで本当に使わないから要らないのだ。車の免許の写真もつい先月更新したばかりだから、これで向こう10年はこの手の写真が必要になることはきっと無い、、、、、「やっぱり必要ないからいいわ」という事で、最低の4葉写真だけ受け取った。
大使館には本当に10年に一度しか来ないけれど、昔とはずいぶん変わった雰囲気になった。初めて来た時は結婚したときで、婚姻届と住民票を出したのだけれど、当時はなんだか思い切り「上から目線」で、しかも書類の記入もいちいちうるさく、「大使館に行くと絶対書き直しさせられるよ」と日本人の間で評判だった。部屋もなんとなく薄暗かったような気がする、、、今は入った入り口も明るくて、モダンな感じ。働いている人たちも気さくで感じが良かった。申請書の日付は「平成31年4月30日」、これが平成最期の日付となる。発行されるのは来週なので、発行日は「令和元年」になる。
最近どうも日本のテレビ番組を見つけにくくなっていて、ドラマなんかも1−2日のうちなら見られても、ちょっと数日経つともう見つからなくなってしまう事が多い。今までは私も検索するのはもう慣れっこで、裏技級の方法で探し出していたのだけれど、流石に最近VPNを考えている。多少お金払っちゃおうかな、、、せっかくの御代替りなので日本のテレビをライヴでそのまま見られないかとこれまた探してみると、ライヴストリーム配信しているサイトがあった。ちょうど休みなので元号が変わる12時はこちらの午後4時。テレビを観ると日本中あちらこちらの様子が映し出されて、なんだか新年のお祭りみたいだ。
こんな「お祝いムード」で新しい元号を迎えられるのも、明仁天皇がお元気な内の退位だからだ。前の時は昭和天皇はもう数ヶ月もご病気だったため、全国が「自粛ムード」で、楽しい事や華やかな事は全て取りやめ、なんでもCMの「みなさ〜ん、お元気ですか〜〜!」と元気に叫ぶコピーまで取りやめになってしまったと聞いた。新天皇の即位もそれ以前に「喪に服す」というのが先で、即位式までお祝いムードにはならなかったという。だから今回「生前退位を」と陛下、いや、上皇様が希望されたのは、国民が新しい時代をお祝いムードで迎えられるように、という配慮もあったのではないか。
新天皇陛下は子供の頃から「浩宮様」として親しみを感じていたものだ。イギリスのオックスフォード大学に留学されていて、夏には日本人滞在者で開いた「 Japan祭り」にも参加なさったりしていた。(あの当時の日本はバブル絶頂だったから、日本企業の駐在社員は勢いがあったからなあ〜、、、)また新しい時代の新しい象徴天皇として、雅子様とお二人でのご公務が始まる、、雅子様はどんな様子なのかしらね、、?もしかしたら、少しずつ皇后としての公務に精を出されるとまた精神的に変わっていかれるんじゃないかしらねえ〜〜
日本行きまであと1ヶ月。新しいパスポートで行く事になる。