見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

August 2018


一昔前は日本のドラマをネットで探してはチェックして、怪しい格安のVCD(中国版?)なんかを買っちゃったりしていたものだけれど、最近はほぼネットで間に合うので、お金を使うことは無くなった。でもどうやらドラマのアップは一応違反という事で「イタチごっこ」の感が否めない。ドラマは放送されてから1−2日で探さないと既に消されてしまっているケースが多いわ、、、、

youtubeなんかで探すとドラマよりむしろバラエティーものが沢山ある。日本のバラエティー番組って思いっきり内輪受けで引いちゃう事が多いのだけれど、それでもなかなか面白い内容のものもある。豆知識になるような番組もそうだし、検証番組やクイズものも「一般知識」の高さを感じるね。少なくともイギリスよりは。こちらでも私と彼はクイズ番組が好きで、いつも録画して寝る前のひと時に一緒に観るのだけれど、日本の「トリビアもの」のような番組は面白い。

今回は綾瀬はるかさんの「義母と娘のブルース」を観ようと思っていて、気が付いた時にはすでに3話目くらいになっていた。ネットで探して見たものの、どうしても第一話がみつからなくて困っていたところ、やっと某所で見つけることができた。2日間で一気に1話から7話まで見てしまったよ。

綾瀬はるかさんは好きだなあ〜。いつでもきちっと演じてくれるし、変な癖がないからどんな役でもスルッと入っていける。「失敗だ」と思った事がない。今回のドラマは漫画が原作という事で、ちょっと現実離れしている部分もあるのだけれど、マジで演じているところが凄い。竹野内さんは良い中年役をやるようになったなあ〜。インパクトとしては強烈ではないけれど、ドラマの中のセリフにもあった「陽だまりのような」存在感を出すようになったね。40過ぎて相変わらずの低音イケメンで、かつフンワリした感じっていうのもあまりいないタイプなので、まだ重宝される余地がありそうかな。 

8話で最終回なのか〜と思っていたら、今週はお休みで最終回は来週に持ち越しとか。なーんだ、、子役から大人役の役者へのつなぎもすごく「らしく」ていい。違和感ないよ、楽しんでます。

とうとう8月も終わり。今年は結構暑くて夏らしい夏だったから文句は言わないけど、本当にあっという間だったわ〜〜。来週末はBBC Promsの最終日。毎年これを観ると「ああ夏が終わったな」と実感する。とりあえず10月頭に日本に行くとまだ「夏の名残」のような空気感だからもう一踏ん張り味わえる。楽しみだ。 

youtubeでフィギュアスケートのジュニアグランプリを見つけて見て見た。これからの活躍が期待される10代の若手たち。今年からはジュニアも男子のフリーは30秒短くなったんだね。スロバキアで2位になった須本くんも良かったけれど、リンツ大会に出てる島田高志郎君がいいね〜〜。これからが楽しみな選手。4回転はまだ入れてなかったけれど、あと2年くらいでどこまで伸びてくるか期待したい選手だ。男女共、ジュニアでも4回転が入ってきて本当に凄い時代になっているけれど、これからがシーズン本番だ。

新しいルールでは、男子の場合は4回転を3回以上安定して跳べる選手達が表彰台組、でもその後の4回転を1−2回飛ぶ人達と、3回転・3回転半を余裕で飛ぶ選手達との差があまり無いんじゃないかと思う。どんな事になるんでしょうか。
羽生選手の今季のプログラムはプルシェンコ選手が滑った「ニジンスキー」のアレンジバージョンとか。今季で引退のつもりかな、、?以前から25歳には引退してスケートを通じていろんな活動をしたいって言っていたから、、?

シーズン初めのチャレンジシリーズはロンバルディアか〜〜、宇野選手は最近続けてロンバルディアで良いスタートを切ってたから、今年もご利益に乗るかな。丁度日本に行ってる間にジャパンオープンがある。会場までは行かれないけど、テレビ放映あるだろうか、楽しみ! 


あまりに暑くて地下鉄でロンドン市内に出るなんて自殺行為に等しかったので、芝居を観るのも久しぶりな気がする。実はあまりピンとくるものがなくて、イマイチ躊躇していた。Broadwayで絶賛されたThe king and I(王様と私)もパレディアムで上演中だけれど、最近は大ぶりなミュージカルに食指が動かなくなっている。渡辺謙さんが大健闘して賞賛を浴びているのも知ってるけれど、もう3回は観ているプロダクションなもので、、、、、、

で、今回行ったのは、Finsbury Parkにある Park Theatreの小さい方。まだ新しいこの小劇場はキャパ200のPark200とキャパ90のPark90の2つのスタジオ式の劇場だ。前に行ったのはオートンの「Loot」をPark200の方で観た。今回はPark90の方だ。休憩込みでも2時間ほどの「Spiral

キャストは4人、そして観客は数えたところきっちり30人で幕をあける。席は自由で、最前列に座っても良かったんだけど、なんだか役者がよろけたら足を踏まれそうな感じなので、2列目に座る。 
トムとジルの中年夫婦は、数ヶ月前に15歳の一人娘が行方不明になってしまい、家出なのか、事故なのか、事件なのかも分からずに苦しい日々を過ごしている。娘の事を知りたいと、トムは娘の友人だった高校生女子を順番に呼んで話を聞こうとしたところが、「未成年女子に性的興味を示した」容疑で訴えられてしまう。もちろんトムにはそんなつもりは全くないのだが、世間の関心がそんな噂を立て始めると、妻であるジルも疑心暗鬼になっているのだ。純粋にティーンエイジャーの娘を思うトムは、制服姿で会ってくれるようにという要望でエスコート嬢のリーアを雇う。

エスコートガールというのはまあ行ってみれば娼婦なのだけれど、ただベッドで相手をするというのではなく、例えば一緒に観劇や食事に行ったり、パーティーや 集まりでパートナーとして同伴したりという仕事も含めて時間と自分を売る女性たちの事だ。リーアとトムはただ会って話をするうちにお互いに誠意を感じて打ち解け合うようになる。もちろん性的な関係は一切無く、親子ほどの年の差の友人のような関係だ。リーアにはヒモ兼彼氏のマークがいるのだが、これが完全に支配欲の塊のような男で、独占欲と支配欲で彼女を縛り付けているような関係だ。時には暴力も。愛情の影に常につきまとう脅迫と恐怖。

すっかりトムのことが信用できなくなってしまったジルと、執拗にリーアを監視してトムの事を突き止め、嫉妬で怒り狂うマーク、そんな中でひたすら友情を貫くリーアとトム、、、、やがてリーアの妊娠が分かる事で展開が変わる。


身近にいる、愛している人を信じられなくなってしまったら?、、、、娘の蒸発に端を発した疑心暗鬼。そもそもこの娘は家出だったのか、事件だったのか?、、、、途中、警察から身元不明の遺体発見の知らせを受けたジルはそれが娘では無かったと知って泣き崩れる。 怯えながらもマークから離れられないリーアは「家庭内暴力から逃げられない女」の典型だし、マークは本当に見ていて怖くなるくらいにリーアを心理的に縛り付けるのが上手い、、、この芝居で一番パワフルな役だ。巧かったし怖かったわ〜〜!リーアをマークから助けてやろうと、トムは別居を決意したジルが去った家に彼女を匿ってやる。でもリーアの携帯に追跡アプリを忍ばせておいたマークはトムの家に侵入して、リーアを脅す。

そこでリーアが妊娠していることがわかるのだが、マークはリーアの子供の父親はトムだと思い込んで無理やり薬を飲ませて流産させようとする。このシーンの残酷極まりないマークの演技には心底怖くなったし、怒りが湧いた。上手いよ〜〜!
そしてこの時初めてリーアは本気でマークに逆襲し、婦人救済所に逃げ込んでマークとの関係を断ち切るのだ。最後まで友人として彼女をマンチェスターまで送ってやるトム。

数ヶ月のち、すべての疑惑がクリアになって訴えをすべて取り下げられたトムとジルは再び夫婦として出直そうと暮らしている、臨月近くになったリーアを友人として訪ねるトム、「もうマークとは完全に切れて、どこにいるのかも知らないわ」というリーアはお腹をさすりながら、穏やかな陽だまりの中で、トムと友人としてのひと時を過ごす、という暖かいシーンで終わったのが救いだった。

信じるという尺度はあるのだろうか、「ここまでは信じる」という基準は決められるのだろうか?初めから信じようともしない人にどうしたら話を聞いてもらえるのか?真実を言う勇気がない人の言葉は「嘘」と決めつけていいのだろうか?小ぶりながらも現実的でパワフルな芝居。

この本を書いたのはリーアを演じているAbigale Hoodで、マーク役のKevin Thomlinsonは演出にも携わっている。UKでの行方不明者は若者に多い。家出をしてしまって戻ってこなかった人たち、家族は生きているのか、死んでいるのか、分からないままに長い長い年月を過ごさなくてはならない。身元不明の遺体が出るたびに心が凍りつき、似た人を見かけると 取り乱し、、、、そんな中、リーア役のAbigaleがこの芝居を書くきっかけになったのは、ローカル新聞のMissing Peopleのコラムにある親御さんからのメッセージが載っていたのを見たことだという。「早く帰ってきて」「一度でいいから連絡を」というメッセージが並ぶ中にあった一文、

「愛しいスティーヴン、愛していますよ、あなたがいなくて寂しいです。どうかあなたが自分の探しているものを見つけることができますように」

どうやって、自分の息子は自分の望む人生を探しに出かけたのだ、というポジティブな考えに至ることができたのか、、?それともただの強がりなのか?そんな思いからこの芝居の案が生まれたのだという。
 
こういう芝居が好きだなあ〜〜 

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