見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

March 2018


綺麗な涙だった、、、

録画しておいたフィギュアの世界選手権を週末に観て、波乱万丈の結果に唸ったり笑ったり頭を抱えたりした今大会。「まさか!」の連続で、でも日本のフィギュアファンにとっては願っても無い結果になったのが嬉しいね。中でも一番目を奪われたのが、フリーの演技後に宇野選手が流していた涙だった。

五輪以降に新調した靴がなじまずに痛みが増してしまったそうだけれど、無理をしないで、、と周りが思いがちな中、「とにかく頑張る、攻めたい」と話していたフリーには、オリンピックと同じ3種類4つの四回転で挑んだのが彼らしい。

跳んでは転び、また跳んでは転んだ。転倒3回、手付き一回、両足着氷1回。それでも諦めずに跳んで、回り続けた。一見ボロボロなのに、なぜか悲壮感はなくて、「この人はまだ諦めていない」ということだけが伝わって来た。それが終盤になって立て続けに3つのコンビネーションを着氷して、壮大なプログラムを滑りきった。3回転んでも、ジャンプでパンクは一度もなかった。だから少しずつでも点数になり、最後の3つのコンビネーションで踏ん張って見せたからこその銀メダルだ。

最後のポーズの直後によろめき、放心したような表情で氷の上を回る。観客席に向き直ってお辞儀をする頃には頬に涙が流れていた。泣いているのではなく、涙が流れていた、と言うのが合っているのだろう。隠そうともせず、拭うこともせず、流れるにまかせてリンクを降りるとコーチの肩に飛び込んでしっかりと抱き合っていた。

リンクを降りる前に頬を伝う涙がテレビに映ったのはアップになった一瞬だったけれど、「うわあ〜、綺麗な涙だ、、、」と思って、演技と一緒に何度も見返してしまった。オリンピックの時の演技よりも繰り返して観たくなってしまう、、、、

試合後のインタビューでも、途中から涙を流していた。それを拭いもせずにそのままインタビュアーをしっかり見ながら答えていた姿に、宇野選手の純粋な強さを感じた。オリンピック後には「天然キャラ」と散々言われるようになっていたけれど、どうして、この人は実は揺るぎないものを芯に持っていると思う。ただ、人の目を気にして言い方を変えたり、自分を誇示しようとはしないだけなのだ。しっかりと言葉を選んで話しているのに、それを違う言い方で広められてしまっているような気がする。

今回のEurosportsでのコメンタリーはサイモン•リードとクリスティーン•ウィタカーの二人が担当。この二人はスポーツジャーナリストで、私が好きなNick&Chris(二人とも元スケーター、ニックはアイスダンス、クリスはシングル)のコンビより、冷静でレポーターという感じ。サイモンは以前にシカゴで宇野選手と接する機会があったような事を以前言っていて、以来、「彼は本当に素晴らしい奴なんだ=(Super kid, Amazing character)」と事あるごとに言っている。フリーの演技後には「彼がこの3年の間に遂げてきた成長は、素晴らしいスケーターであると同時に、素晴らしいキャラクターの持ち主でなければ成し得なかった事です」とコメントしていた。

ちなみに彼は今シーズンのはじめの頃から「宇野選手は足首に故障を抱えている」と何度かコメントしていた。日本サイドでは全く言われていなかったけれど、グランプリシリーズのフランス大会の時も、「足の怪我に加えて病み上がり(インフルエンザ直後)です」って言ってたし、、、、だから「ああ、公には言ってなくても、多少の故障は抱えてるのかな」と思っていた。まあ、トップアスリートなら誰しも多少の事は抱えていて当たり前か、、、、、?今回は「新しい靴が、、、」ということだったけれど、本当にそれだけかどうかは判らないよね。

今回は本当に波乱万丈で、オリンピックに出た選手達は皆んな気持ちとコンディションの調整に苦しんだ様子。ザギトワ選手は可哀想なくらい、後半にジャンプを集中させた最悪のシナリオになってしまった。一度転ぶと音楽に追いつくのがやっとでまだスピードも出きっていないのにまた次のジャンプ、また立ち上がって次に間にあわせる為に焦って曲に追いつき、、、の繰り返しでやっぱりあの詰め込み方じゃ立て直し不可能だわ、、、、来季からまたルールの変更があるようだけれど、今季に皆んないろんな大会を経験したことで、また来年の熾烈な戦いが楽しみだ。

とにかく男女揃って来年の出場3枠を確保できたのは、本当に良かったよね。来年からの日本勢の躍進が本当に楽しみ。女子は激戦になるだろうし、今大会で友野選手は一躍世界から注目される存在になった。アイスダンスの村元・リード組も来年は上位10位を目指すかな。

私がいつも注目するのは「私が好きかどうか」の判断による。羽生選手をはじめ、たくさんの素晴らしい選手達がいる中で、これからを観続けたいのが宇野昌磨だ。外国勢ではデニス•ヴァシリエフス選手が四回転を入れたら点数がジャンプアップするだろうし、コリアダ選手も伸び盛り。カロリーナ•コストナー選手は今季でやっぱり現役引退するんだろうか、、、あんなスケートを見せてくれる人は他にいないからちょっと寂しいね。若い人たちが皆んなお手本にしてくれるといいね。

来シーズンが今から楽しみです!!






 


3月も半ば過ぎたというのに、週末は2日間雪!だった、、、!!
やっと今日は太陽が出て、室内から外を見る限りでは春のような日差しの良いお天気なのだが、、、 実は気温は1度程で風がビュビューと吹き止まない。なんという寒さ!
3月でこんな気候というのは初めてだ。そういえばまだ私が小学生の頃、東京に「3月の大雪」が降った事があったっけ。あの時以来かなあ〜。それでもあの時だってもっと3月初めだったと思うけどね〜

オリンピックも終わって、パラリンピックが始まってるけれど、やっぱりこちらの方は放映が少ない。なぜかいつもテレビをつけると車椅子カーリング。こちらはスウィープは無いのね。

さて、とても評価が高かったので急遽観てきた芝居。「Beginning
パーティーが終わった後、知り合ったばかりの、なんとなく惹かれあった40近い男女が、初めての出会いの会話から少しずつ二人の関係を初めていきそうなところまで、深夜から明け方までの会話劇だ。

出演者はローラとダニーの二人だけだ。ローラのフラットで週末パーティーが終わった所。直接の知り合いではなく、ローラの友人の友達としてパーティーにやってきたダニーは初めて会った彼女に惹かれて、みんなが帰っていくのになんとなく最後まで残ってしまう。壁の時計は夜中の2時半を指している。「タクシーを呼ぼうか」と言うローラと、なんとなくこのまま別れてしまいたくなくて、たわいのない話を続けようとするダニー。
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そしてローラの方も、まだよく知らないダニーに何かを感じて別れがたく思って話し続ける。二人はティーンエイジャーではない。ダニーには別れた妻と娘がおり、ローラにもそれなりの過去があって今は一人でいる。そんな二人がお互いに探りながら、迷いながら、でも何かを始めたくて、ぎこちなく会話を続けていく。若い時のように、「パーティーの勢いでワーっと盛り上がって一夜限りを楽しんで終わり!」と言うようなエネルギーはもうない、、、でも誰かと新しい関係を始めたくて、でもそれが良いのかどうか迷い、踏み込む勇気が絞り出せない。

大人二人のとてもぎこちなくて、とても正直な会話が続く。

ベッドに行かない?
その後は?
一緒に眠るの。
朝になったら?
、、、、朝ごはん食べに行こうか
それから、、、?
、、、、
「じゃあね!」って別れてもう2度と会わないってか?
、、、そうじゃなくて、、、、


もう若くないから、慎重になってしまう。でもお互いに惹かれている。今の波風立たない毎日を変えるのは怖い。そんな葛藤が不器用な会話になり、またはやけっぱちな大胆さになって夜が老けていく。少しずつ自分たちの事を語る中に、普通の30 somethingの人生が垣間見えて、時にユーモラスにそしてシリアスに語り合う。

部屋の時計が4時になる頃、二人はフィッシュフィンガーサンドイッチを食べ、そのまま一緒に眠って明日の朝食を一緒に食べることにする、、、、迷いに迷った会話の後に、やっと見えてきた二人の「始まり=Beginning」
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とてもデリケートな会話シーンの連続で、二人だけで1時間40分の会話劇を持たせるのは大変だ。最初は「いい大人が何をもたもたやってるんだ、、」と思いながら観ているのだけれど、いや、大人だから勢いで恋愛を始められないのが現実なのだ。過去のこと、今の自分の生活、そしてこれを変えてしまうだろうこれからの事、新しい恋愛を始めたいのに戸惑ってしまう二人。

新しい人に出会ったとき、これから二人がどうなっていくのか、その関係を始める事が正しいのか、すぐには解らないし決められない。どこにでもいる、平凡な普通の男女の心境だ。

場面や状況に展開はないし、ただ部屋の中で話しているだけの設定なので、役者たちの正直な演技だけが頼りだ。でも飽きる事なく、なんとなく「わかるなあ〜」と思いながら時間が過ぎていく。最後には「頑張れ!一歩踏み出せ!」と応援してしまっていた。

今回のAmbassadars Theatreはもしかしたら私は初めてだったかも、、、、?30年以上ロンドンで芝居を観ているというのに、まだ来ていない劇場があったのか、それとも、もうずっと前に来たのを忘れていたか、、、? (実は他にも私が一度も行っていない劇場がこの隣で、66年のロングランを続けるアガサ・クリスティーの「Mouse Trap」をやっているSt. Martins Theatreだ。)

派手さはないけれど、とても共感できる大人の恋愛へのBeginning。小劇場でも良いかもしれないね。スタジオみたいな空間でも良い芝居になるかも。小さな短編小説を読んだような気分にさせられた。
 


もう3月になったというのに、なんと!大雪に見舞われているイギリス、いやヨーロッパ、いや、、実はこの寒波は1月にアメリカを襲い、そのあとアジア北部にも大雪を降らせたやつで、それがヨーロッパにやってきたらしい。イギリスではThe Beast from the East と呼ばれている。ロンドンも数日雪が降り、学校が休校になったり電車が大幅に乱れたりしている。それにしても北のほうはもっと凄かったようで、雪で孤立してしまったり水道管が凍ってしまったりと大変な事になっているらしい

1週間続いたこの寒波も、やっと今日から少しずつ和らいで、ここ数日は気温がマイナス5度くらいだったのがやっと2−3度になって、いや〜〜「暖かい」と思ってしまうのが怖いね。でも今回は前もってかなり警告されていたせいか、混乱というよりは、なんだか静かで、一番雪の多かった2日間はほとんど人も歩いてなかったし道路も空いていた。別の国に来たみたいだったね。明日は雨らしいからこれで雪はほとんどなくなって来週には少し回復するそうだ

それにしても3月だからね〜もっと春らしくてもいいのに、ほんとうに調子が狂ってしまう。

時差でなかなかライヴ感を味わえなかったオリンピックだけど、ユーロスポーツがかなりカバーしてくれていたので、録画で大体見る事が出来た。特に私の観たかったフィギュアも、スノーボードの平野選手やスピードスケートの小平選手の活躍も見られたし、日本でも一気に人気が上がったカーリングも。

カーリングは前回のSochiの時に、イギリスがメダル候補だったので初めて観た。その時は何をやってるのかわからなくて、床掃除に笑っちゃったりしていたのだが、今回はちゃんと観ていて、その面白さがわかりかけた。ボウリングのようなコントロールの投石に、氷の状態と表面を読んでコースを測るあたりはゴルフのようだし、石をどこへ投げてどう弾くか、という頭脳戦はスヌーカーのようだ。

日本チームの活躍は本当に嬉しかったし、日本でも「そだねーJapan」 が大人気になった様子

そして何と言ってもフィギュアですよ!! 男子の金・銀は本当に嬉しかったよね。実は私が「こうだといいな」と思った通りの表彰台になった。私としては羽生選手よりも宇野選手の方が好きなタイプのスケーターなのだけれど、やっぱり今回は66年ぶりのBack to backの金メダル目指して欲しかったし、彼ならやるだろうと期待していた。フェルナンデス選手の今季のプログラムはSPもFPもとても好きなので、 メダルを取って欲しいと思っていた。チャップリンとドンキホーテはまさに彼にぴったり!!

メディアにその不思議ぶりを暴露してしまった宇野選手も、世界選手権で今季のプログラムを完成させてくれると嬉しいな。シーズン直前にアイスショーで初めて今季のSPを披露した時は、三拍子に体のリズムが合ってなくて「うわ〜、三拍子、大丈夫か!?」と思ったのだけれど、どんどん消化していったね。この人は体得したら消化するまでが早いんだと思った。 

そうそう、今年のザギトワ選手のフリーの衣装、実は4年前のシーズンで当時14才だった メドべデワ選手が着ていたコスチュームだという事を発見。
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鬼コーチと呼ばれるトゥトベリゼ女史 は次々と若手のスケーター達を育成している。リプニツカヤ、メドヴェデワ、そしてザギトワ、さらにまだジュニアの世代の中には練習で既に4回転を飛んでいる子達もいるらしい。ザギトワ選手の今季は素晴らしかったけれど、去年から身体の成長がすごいなあ、2−3年のうちに彼女も体重増加に苦しめれれるんじゃないだろうか、リプニツカヤ選手みたいに、、?でもそうしたらまた次の選手が出てくるからいいのかな?う〜〜ん、どうなんだろうね。工場生産みたいな感じもするなあ〜〜〜

とりあえずまだ世界選手権がある。出ない人もいるんだろうけれど、(オリンピックにピークを持ってくると、燃え尽きちゃうんだね) チャンピオンになりたいなら出た者が勝ち。もう一戦、頑張って欲しいな。

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