見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

December 2015

Mr Foote's Other Legー忘れられた18世紀の名優


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18世紀の中〜後半ヨーロッパには面白い人達が沢山いた。科学・産業が大きく進展していく直前、まだ電気もなく抗生物質も無い時代に、それでも当時の最高の能力・技術を生かして、後の産業革命や医学の発展に繋げていった時代だ。 そんな時代にロンドンで大人気だった俳優/コメディアンのSamuel Foote(サミュエル・フット)の事は実は今はほとんど知られていない。私も知らなかったし、イギリス人だって聞いた事が無い名前だ。「忘れられた名優」にスポットを当てた伝記を元に舞台化したのが、「Mr Foote's Other Leg」だ。

ピューリタン革命によって一時王政が廃止されてからは劇場でのパフォーマンスは禁じられていた。チャールズ2世の時に王政が復古すると、ロンドンのあちこちで貴族だけでなく民衆が手を叩いて喜べるコメディーや風刺劇が広まった。「三文オペラ」のオリジナル、「Beggers Opera」がその代表といえる。18世紀のロンドンではあちこちでコメディー劇やパントマイム(派手な化粧や衣装で、今でいう子供ミュージカルのような色の芝居)が演じられたが、シリアスなストーリーのドラマを演じる事ができたのは、国王からRoyalのタイトルを付ける事が許された3劇場のみだった。

借金の為に2度も刑務所に入った事のあるフットは、オックスフォード大学を、贅沢な金遣いや、規則を破っての度重なる外泊等によって除籍されてしまったという経歴の持ち主。それでもロンドンのコーヒーハウスで各方面で活躍するアーティスト達と出会い、独特の奇抜な色使いの服装と、皆を爆笑の渦に巻き込むウィットな会話で交遊の輪を広げて行く。プロの俳優になるべくチャールズ・マックリン(Charles Macklin)の元で学ぶうち、ロンドンの舞台に出るようになる。そしてそのユーモアのセンスで独自の戯曲も書き、コメディアンとしても俳優としても大人気を得て行く。特にハンサムというわけでは無いけれど、一度会ったら覚えているだろうな、という印象の肖像画がこちら

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当時、シリアスな名優として人気のあったデヴィッド・ギャリック(Daved Garrick)や女優のペグ・ウォッフィントンとチームを組んで、数々のショーで活躍する中、35歳の時に落馬事故で右足を負傷し、切断しなければならなくなった。麻酔も抗生物質も無い時代に大の大人の足を切断する手術が、いかに危険で、苦痛を伴う大仕事だったかは想像を絶する・・・・・

それでもフットは回復し、国王の外科医だったジョン・ハンター(John Hunter)によって作られた義足を付けて舞台に復活する。彼のユーモアのセンスは自分が片足を無くした事までネタにして笑いを提供した。この自分をネタに笑わせるというのは、イギリスのユーモアの特徴でもある。自分をバカにできない堅物は「ユーモアのセンスが無い」という事になるのだ。ちなみにまだ23歳の時に彼が最初に注目されたのは、自分の叔父同士が遺産がらみで相手を殺してしまった事実をネタに書いた本によってだった。

この芝居には俳優として人気のあったギャリックやマックリンの他にも、ベンジャミン・フランクリンや国王ジョージ3世も登場して、当時のロンドンの楽屋裏を見せてくれる。なによりも、フットはこの芝居が上演されているTheatre Royal Haymarketのオーナーでもあったのだ。落馬した時に乗っていた馬が国王の弟、エドワード王子のものだった為、片足を無くしたフットに国王は(しぶしぶ?)ロイヤルライセンスを許可したのだった。こうしてRoyalの名称をもらったHaymarket劇場で、今私たちがこの芝居を観ているというのは何とも感慨深い
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主演のRuss Simon Bealeはローレンス・オリビエ賞を始め、英国での数ある演劇賞を一度は取ったであろうベテランだ。カツラを替え、女物のドレスを着、化粧を変えて「舞台でのフット」をいくつも演じる。ギャリックやペグとの友情、科学者フランクリンからの影響、熱気の籠る劇場楽屋での話し合いや舞台裏で、お客を楽しませる芝居に情熱を込めた彼らの姿が生きている

この芝居でジョージ3世役を演じているのは、この芝居の脚本と、オリジナルになったフットの伝記を書いたイアン・ケリー(Ian Kelly)自身だ。私はこの芝居を観て初めてサム・フットの事を知ったので、早速AmazonのKindleで見つけたケリー氏による伝記本をダウンロードして読み始めた。脚本も面白かったけれど、この本がまた当時の18世紀の空気満載で面白いそういえば、カサノバがロンドンにいた時期にも重なる。

またまた18世紀の掘り出し物に出会った感じ。まだまだ面白い事が見つかりそう、、、、



春のようなクリスマス


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 今年はなんだかずっと暖冬で、記録開始以来の暖かい12月になっている
11月末に1週間だけ冬の気温になったけれど、12月で気温が1桁の日ってあったのかな、、??
イギリスではあちこちで水仙の狂い咲きがみられ、今日も朝の5時頃から小鳥のさえずりが聞こえたものね。ああ、勘違い!
日本は休日ではないけれど、イギリスはもう昨日から電車は空いてるし、そのかわりどの店も最期の駆け込みショッピングでごった返している。これが明日の朝にはゴーストタウンの化すのが楽しみだわ。

でも我が家は特に変わった事をするでもなく、でも二人揃ってクリスマスからずっと休みなのはなんと20年ぶりなので、のんびりテレビをみてグダグダしようと思います。

皆様、ハッピークリスマス!! 

The Winter's Tale -Kenneth Branagh Theatre company


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ケネス・ブラナーといえば、やっぱり一番にシェイクスピアだ。もちろん他にもいろんなキャラクターで映画にも舞台にもそして演出・監督としても活躍しているけれど、シェイクスピアでの彼は「帰って来た」評される。
この秋から来年の冬までKenneth Branagh Theatre Companyと称して3ヶ月ずつ6作品をGarrick Theatreで続けて上演すると発表されたのが今年の春。その第一弾がシェイクスピアの「The Winter's Tale=冬物語」だ。この6公演はそれぞれにスタークラスの役者が出演し、さらに年齢層の広いキャスティングで早くから話題になっていた

意外と見た事がなかった「冬物語」だ。この本はコメディータッチでもあり、シェイクスピアの作品としてはロマンス劇に入るが、「問題劇」だという人もいる。オセローのような嫉妬心と猜疑心に取り付かれ、ハムレットのように自問自答しながら激情のあげくに自分を見失っていくシシリーの王が中心の一幕。2幕では農夫や道化、詐欺師達が歌い、踊りながら繰り広げる、ボヘミアの王子と羊飼いの娘の恋が中心。重すぎず、軽すぎず、難しすぎず、丁度良いバランスで飽きのこない作品だ

シシリー王のレオンティーズは幼なじみのボヘミア王のポリクシニーズを久しぶりに迎えていたが、「もう少し滞在していってくださいな」としきりに言う妻(王妃ハーマイオニー)と、その言葉に従って1日、2日と滞在を延ばすポリクシニーズが不倫関係にあるのではないかと疑い始める。嫉妬というのは恐ろしいもので、疑いだしたら一気に確信に代わり、どんどん高揚していって、家臣に「あいつを殺せ」とまで言い出してしまうのだ、、、、命を受けた家臣のカミローは、さすがに王の誤解だと解っているので、ポリクシニーズと共に密かにボヘミアへ出立する。身重のハーマイオニーは王の激情によって監禁され、生まれた子供は別の家臣アンティゴーナスに「捨ててくるように」と託されてしまう
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実はこの捨てられた王女がやがてボヘミアで羊飼いに拾われて美しく成長し、ボヘミアの王子(ポリクシニーズの息子) が彼女に恋をする、、、まあ、最期は二人の王は仲直りし、若き王子は シシリーの王女だと解った羊飼いの娘と婚約し、獄中で死んだと思われていた王妃もアンティゴーナスの妻に匿われていきており、16年振りにハッピーエンドとなるのだった

とまあ、ごった煮のようなストーリーだけれど、やっぱりブラナー氏の解釈・演出でとてもポエティックなメルヘンに仕上がっているのだ
この舞台でブラナー氏と共に話題になっているのがアンティゴーナスの妻、ポーリーナを演じているジュディ・デンチ(Dame Judi Dench)だ。家臣なのだけれど、ハーマイオニーを16年間も密かに匿って世話をし、また時にはの語り部のような役も担っている。正気をなくした王に対してもへりくだらない、母親のような強いオーラを放っている。80を過ぎて、目も見えなくなってきている(AMD=加齢黄斑変性)というのに、圧倒的な存在感だ!

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演出はケネス・ブラナーとロブ・アッシュフォードで、舞台全体がとてもロマンチックに冬の色を出している。それにしても若い頃のケネス・ブラナーといえば「ローレンス・オリビエの再来」と言われたものだ。凛とした声に強い目力、「演じている」という不自然さを全く感じさせないシェイクスピアの役のこなし方。解釈と演出のセンスの良さ。一時は「肥えたなあ〜〜、、」と思った時期もあったけれど、 奇麗に絞られていました。そしてベテランと若手の役者達の力量のバランスが凄い。カンパニーとして成功している。見応えのある面白い芝居を観た後の気持ち良さは格別だ。まさに、冬の夜にピッタリ。
 
この王子役の人、最近テレビドラマになった「ジキルとハイド」に主演していた人(Tom Bateman)だ。ハイド役の時のあまりのモンスターぶりに、見ていてあっけにとられてしまったけれど、濃い役者はやっぱり舞台が丁度いいのかも。テレビだと濃過ぎるんだね

シェイクスピア劇はRSCやグローブ座ではいつもやっているわりに、その他のプロダクションは意外と少ない。この「冬物語」だって、ウェストエンドで観たのは初めてだ。クリスマスにはバレエの「くるみ割り人形」があるように、冬にはこんな芝居が付き物でもいいんじゃないか・・・・

 

名前がついたよ


アビゲイル、バーニー、クローダ、デズモンド、、、

今年の秋からイギリスを襲う大型の嵐にとうとう名前がつくようになった
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日本だと毎年やってくる台風は1号、2号と番号で呼ぶ。アメリカやその他の国では大型の台風やハリケーンには女性の名前を付けている。元々イギリスは、台風や竜巻といった自然現象にはあまり縁がなかったわけで、たまに被害が大きな嵐が来ても、その時だけの事として「いつもの」現象ではなかった。でも最近は温暖化も影響してか、毎年のように秋から冬にかけてあちらこちらに洪水を起こす暴風雨が やってくるようになり、遂にこの秋からは被害を区別するためと、人びとに気候の変化を認識してもらうという事で、名前を付ける事になったのだ。

どんな名前をつけるか、一般の人からもアイデアを出してもらうという事で、9月に入ってからe-mailや気象庁のFacebook等で募集した。Q,U,X,Y,Zを除くアルファベットで始まる21の名前を気象庁が発表したのが10月の末で、最初の名前付きストームは11月の初めにやってきた。これがAbigail。翌週のストームがBarney, 次にClodagh、一昨日からの暴風雨はDesmondとなった。

実はもう名前は順番に21番目まで決まっている。見てみると、アルファベット順で女性名と男性名が交互になっている。なるほど、、、、、ちなみに次に来るのはEvaになるそうだ。台風(Typhoon)やハリケーンという呼び方ではなく、UK・アイルランドを襲う暴風雨はStorm Abigail, Storm Desmondのように呼ばれる。とうとう気候の変化もここまできたのか、、という実感。

私がイギリスに来て少し経った80年代後半から地球の温暖化を科学者達が言い始めていた。Global Warmingという言葉を耳にするようになり、20-30年後に向けて警鐘を鳴らしていたのが、今やその30年後になったという事なのだ。先週は各国首相がフランスに集まって話し合いをしたものの、今さら50年前に戻れるわけでもない。テクノロジー発達の代償なのだから

今年のイギリスは(いや、イギリスだけじゃないみたい)気持ちが悪いくらいに暖かい秋・冬を迎えている。11月に入るまでセントラルヒーティングを入れなかったなんて初めてだし、今日だって気温が12度もある。もちろん暖冬なのは嬉しいけれど、単に喜ばないものがあるのが現実だ。昨日のデズモンドのおかげでイングランド北部は大洪水で、今日もスコットランドへ向かう電車はエリアで不通になっている。

去年も一昨年も冬に南イングランドが洪水になって農作に大きな影響が出たし、次の「エヴァ」がやってくるのももうすぐなのだろうけれど、せめて21の名前を全部使うまでにはもう少し時間がかかって欲しいものだ・・・・

 

攻撃参加、、するべきかしないべきか?


フランスでのテロ以来、ベルギーも大変な事になったし、シリアからの移民問題にまで影響しそうでなんともはや、、、
イギリスでは丸一日かけて議会で討論を行い、明日には議員達の投票でISIS攻撃に参加するか否かを決める。首相のキャメロン氏は先週から「IS攻撃への同意」を求めて確固たる意見で議員たちを説得しているが、今回棚ボタのように労働党の党首になったコルビン氏は、「軍による攻撃より平和的解決を」とのたまっている。もちろん賛否両論いかにも、なのだが、どうなるのだろうか、、、また戦争参加かい、、?

でも、頭のイカレタ人達を相手にしての事なのだから、全うな政治的意見とか主張によって話し合いができる状態じゃない。話し合いすら不可能なのだからして・・・

サッカーの試合だとする。相手チームにはルールもスポーツマンシップのかけらも無く、ボールを投げる、抱えて走る、さらにはこちらの選手を蹴る、押す、殴る、 何でもやってゴールに向かってくる。そして相手がゴールする度に観客席の50人が死ぬ事になるとしよう、、、

仕方がないので、こちらも対抗してプレイヤーの数を増やしてディフェンスを固める。するとすかさず相手チームにも控えが次々とどこからともなく入ってくる。相手チームの監督や控えの選手はベンチではなく観客席に紛れているのだ。 

1ゴールで50人が死ぬのをディフェンスでしのいでいても、なにせルール違反満載のプレーをされるのだからゴールを守りきるのは不可能に近い。仕方無く、ここは観客席に潜んでいる監督や控え選手を狙ってボールを蹴ってしまえ、、、、でもそのボールはちょっと外れて罪の無い観客に当たってしまうかもしれない。

さあ、どうする、、、!!??

1ゴールで50人が死ぬか、蹴ったボールが周りに当たってしまう確率を認識しても監督、控えを潰していくか、、、どっちにしても犠牲は出るのだ。怖いのは、このイカレタチームには参加希望者が次々と出ているという事。ディフェンスをいくら固めても、そのうち(いや、もう既に今でも)どんどんチームは大きくなっていく。何故なら、金儲けの為に彼らにトレーニングに必要な設備を提供している人達がいるからだ。ビジネスの隠れ蓑をまとったスポンサーだ。この人達もなんとかしないと、チーム消滅は望めないね。

ここは、やっぱり対抗するしかないんじゃないか。司令塔から潰していかないとイカレタチームが増長してやがてサッカーのルールそのものが彼ら流に書き換えられてしまう。FIFAの役員の座を乗っ取られたらおしまいだ。

賛否両論、もちろんわかるけれど、明日の決議はやっぱり攻撃参加ってことになるんだろうな、、、、
 
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