見つけもの @ そこかしこ

ちょっと見つけて嬉しい事、そこら辺にあって感動したもの、大好きなもの、沢山あるよね。

January 2012


スイスのダボス会議で、渡辺謙さんが、とても良いスピーチを行った。(全文は→こちら)腰は低く、それでいてとても的を得た内容で、スピーチ文を読んで共感することしきり。とかく今の時代には無くても足りるものが多過ぎるのかもしれない。同時に要らないものが多過ぎて、かえって存在が薄くなってしまったものも・・・「足るを知る」、まさに基本忘れるべからず

ネットの便利さや色々なテクノロジーで海外生活が以前に比べてどれだけ便利になったか、私もこのブログで何度か裏技について書いた事があるけれど、便利になればなるほど、人間は欲が出てしまうのだろう。実はこのブログも一週間以上書いていなかった。というのも、最近はちょっとテレビッ子になっているからだ。クリスマス前にテレビのセットボックスを新しいやつに変えてから、何しろテレビ番組がほとんど好きな時に好きな物が観られる状態。録画しなくてもいつでも巻き戻したり、後から追いついて観たりできるので、あれやこれやとついテレビの前に座ってしまった

一時は彼と「もうテレビは無くてもいいかもね〜〜」なんて言っていたのに、これはどうした事か!! あれほど「チャンネルばっかり多くても殆ど観られたもんじゃない!今はネットで何でも探せるしテレビ番組だって観られるからいっそ解約しようか」なんて息巻いていたのがこの有様だ。ドラマ、バラエティー、ドキュメンタリー、おまけにYoutubeもテレビ画面で観られるので、探し始めたらきりがない、、、無くてもいいがあっという間にかじりつきになってしまったのだ

やっと読み終えたカサノヴァの自伝=History Of My Life。生い立ちに始まって自分の記憶にある限りの子供時代から最終的には48歳までの人生を細かく再現した本は全部で3500ページ以上になる。一年以上かかってタラタラ読んでいたのは、本を読む時間が少ないだけでなく、途中からは「終らせたくない」という気持ちもあったからだ。18世紀はとても興味深い時代だ。まだ産業革命の前で電気は発明されていない。それでも知識ある人々が必死で研究し、考え、様々な説がその後の文明の発端になっているのだ。医学、哲学、文学、天文学、建築技術や金融、ヨーロッパ中がその当時にあったテクノロジーの最先端で栄華を競っていた時代。

カサノヴァ自身は貴族ではないが、強力なパトロンがいた為、ヨーロッパ中で王族/上流貴族と交流する。それと平行して、貧しい平民の娘達やその家族とも沢山関わり、当時の生活の様子を幅広く書き残している。ヨーロッパ中を短い時で2ー3ヶ月、長い時は2ー3年のサイクルで旅して回り、もちろん移動は馬車か馬。駅に当たる各所で馬を代え、時には馬車ごと売っては新しいものに変える。通信手段は手紙。これも日数がかかるので、旅を続けたくても手紙の返事待ちでその場所に留まっていなくてはいけない事も多い。もちろんただ待っているだけでなく、その間に社交の場を広げ、劇場で劇やオペラを楽しみ、親しい友人のサークルで毎日午後のディナー(2〜3時頃から夕方近くまで)を過ごし、目をつけた娘をサパー(9時頃にとる夜食)に呼んでそのまま一晩を過ごす・・・

社交の場を広げるために絶対に必要だったのが、友人からの紹介状だ。今で言う「友達の友達、、、」という事で、新しい地に赴く際には、誰かしらが知り合いに彼を紹介する手紙を書いて持たせてくれる。新しい地に着いたらその手紙を持って訪れ、その人の交際範囲に紹介してもらうのだ。18世紀版Mixiですわ、、、まあ彼の場合、紹介してくれた人達の奥さんや娘もことごとく手をつけてしまったりするのだけれどね

読んでいくにつれ、だんだん時代の差を感じなくなってくるのだ。今だって全く似たようなものだったりする。テレビやラジオが無いから、エンターテイメントは劇場やプレジャーパークと呼ばれる公園へ出向く。そこで友人達と交流し、舞踏会で踊り、年に一度のカーニバルには、趣向をこらした変装で仮面パーティーに出かけて行く。法律違反のカードゲームでひそかにギャンブルをして大もうけをしたり、大損をしたり、、、名誉を傷つけられたら喧嘩になり、天敵がいれば親友もいる。カサノヴァの人生には、身分や職業にかかわらず、男性も女性もそれぞれの個性を発揮する人達が溢れている

これは時代のせいじゃない。テクノロジーのせいでもない。何時の時代も何処の国でも、人間は人との関わりの中でコミュニケーションを最大限に使って生きて来たのだ。出会った人達同士の繋がり、それこそが人生を左右するものだったという事がよく解る。見えなければ触り、お金が無ければ頭を使い、世の中に言いたい事があれば原稿を書いて印刷屋に持って行く。インターネットや原子力がない18世紀でも、この生き生きとした生活感はどうだろう。そんな様子が面白くて、とうとう1年以上かかって3500ページにもなる本を読み切ってしまった

あって当たり前なのではなくて、無いのが当たり前だった時代。それでも人間が幸せに生きて行くのに足りないものがあっただろうか・・・・?きっと足りないものなんてなかったのだ。それは今から見ると、ちょっと不便なものだっただけなのだろう。医学や産業技術はもちろん今と比較にはならない。今と比べて無知だった物は仕方が無い。今から考えて「死ななくて良い人達が死んだ」のは「死の病にかかって死ぬべくして死んだ」のだ。
足るを知る」って、渡辺謙さんは良い言葉を引き合いに出したなあ〜〜。コントールできないものは無くても良い。まさにその通りだよね

さーて、フェルセン伯の本からもう2年近く、読んだ本がすべて18世紀がらみだった。そろそろ頭を現代に戻して次は何を読もうか、、、でも結局私もひと時代前が好きなのよ〜〜、 面白いんですもの18世紀は。日本の時代劇だってそうでしょ、貧しくても何故か人々が生き生きと見える、高官達のずるがしこい駆け引きがたまらない、民衆を引っ張って夢を語る、命がけで主君に使える武士の道、、、、結局は物資じゃなくて人々なんだよね。人がどう頑張って生きているか。

あって当たり前になってしまうと感謝する心すら起こらない。いきなり無くなったらパニックになるだけだ。少なくとも私達の世代は覚えている。携帯やネットが無くても全く困らなかった日々を。友達と楽しい時間を持つのになんの不便もなかったよね


久しぶりで今年は大河ドラマを観てみようかという気になった。今年の大河は松山ケンイチさん主演の「平清盛

この前大河を全話観たのは「新選組!」だった。大河ドラマはどうしても全部観るという事は少なくて、全く見ない時も多いし、観てもとびとびだったり初めの数カ月、といった事が多い。今までで全話見通したのは、「国盗り物語」「黄金の日々」「新選組!」くらいかなあ〜。日本に居た頃は日曜日の8時だからって家に居る事なんて少なかったしね。友人からのビデオ定期便が届くようになってからも、大河を一年間毎週観ようとは思わなかったわけですよ

私は実は歴史や古文が大好きなので、(中退した大学は史学科でした)源平の時代も面白いし平家物語も好きだ。実は特に平清盛に興味があるわけじゃなくて、いろんな立場上の駆け引きで時代が変わっていく過程が面白いのよね。でも私は実は源氏派なのだ。悪源太義平とか誰がやるんだろう?義朝は玉木宏さんだね

それにしても、最初からこの出だしは何・・・? 清盛が白河院の落とし胤って
伊東四朗さんの白河院はすごいインパクトあるなあ〜〜!物の怪法王か、、時の絶対権力者だからね、さもありなんという感じで凄いです。おまけにこの化け物爺、崇徳天皇もこの人の子供という設定になっている!!

今回の大河での私にとってのボーナスは鳥羽上皇役の三上博史さんだ
いや〜〜、、三上さんが大河に出るなんて思ってもみなかった。武士の役は到底似合いそうもないと思ったら鳥羽上皇。1〜2話を観た感じでは、息子の崇徳天皇が白河院と璋子が密通して生まれた子、という設定にする事で、後々崇徳天皇を疎んじて近衛天皇を即位させた経緯に持っていくわけか、、、このあたりから朝廷が二派に別れてやがて保元の乱が起こるのだから、これはなかなか見逃せない設定だ。成る程、この設定での鳥羽上皇なら三上さんで見ごたえありそうだ。白河院の崩御後、反撃に出るわけか、、?

それにしても初回は清盛が生まれた年の話、鳥羽天皇は15歳かそこらだったはず、、、
反射板、何枚使ってるんですか?」と突っ込みたくなる輝き様でございました事。でも、入内してきた璋子を大切にしようとしている年若い天皇、という優しい人柄が出ていて、この優しさが後にどう反映するのかが楽しみ。三上博史が演じるからには、亡き白河院や璋子への反撃がどう描かれるのかしら、、?

平忠盛役の中井さんは良いなあ〜〜。実は若い頃の中井貴一さんはそれほど好きでもなかった。というより、彼が演じる役柄があまり面白いと感じなかったせいかもしれない癖のない好青年、みたいな役が多かったからだろう。でも40を過ぎた頃から、とても自然で押し付けがましく無い演技が良いなあ〜と思うようになった。元々とても巧い役者さんなので演技力はもちろんの事、それに加えて感情豊かな役も多くなってきて、いっそう魅力が出て来た感じがする

久しぶりに観てみると、序盤だけでも舞子役の吹石一恵さんとか、さりげなく阿部サダオさんとか、久しぶりに観てちょっと目を見張った人達も多い。私の思う清盛の話とはちょっと違う感じもするけれど、まあそれが今回のドラマの主旨でもあるわけで、古典の平家物語とは一味違った平清盛が描かれそうだ。

一年続くかどうかはまだ判断しかねるけど、ちょっと続けて観てみますかね。壇ノ浦までやるそうだから、この物の怪の血を引く清盛がどうなっていくのか、ちょっと楽しみ。鳥羽上皇の三上さんは、保元の乱の前にいなくなってるはずだから、う〜ん、春頃までかなあ? 

西行法師の「山家集」や平家物語、他にも昔古文で習ったいろんな事が懐かしいね〜〜。劇団時代にも平家物語の「敦盛の最期」なんかを朗読したりしたっけ。まあ、最終的には平家は滅びるわけで、先にも書いた通り私はどちらかというと源氏寄りの人なのだけれど、今年の大河ドラマ「平清盛」はちょっと続けて観て見ようかと思う


30年・・・、そう、このミュージカルの舞台を観るのに30年待った。「Pippin=ピピン」です!

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スティーヴン・シュワルツ(Stephen Schwartz)のPippinは、ボブ・フォッシーの演出/振り付けで1972年にブロードウェイで初演された。2000上演近いヒット作になり、トニー賞はじめいくつもの賞を穫ったにもかかわらず再演はあまりされず、ほとんど忘れられたミュージカルに数えられていた。今ではオリジナルのセクシーでちょっとエロティックな部分はほとんど省略されて、逆に子供が楽しめるアマチュアヴァージョンが各地の学校の学園祭等で上演される事が多いので、ロイド・ウェバー氏の「Joseph•••」のようなファミリーミュージカルだと思っている人も多いらしい

個人的にとても思い入れのあるミュージカルだ。 というのも劇団時代、何故かこれからの上演予定作品の中にこのミュージカルが入っていた時期があったからだ。制作上の事はよく覚えていないけれど、きっと当時は上演権を取ってあったのだろう。ミュージカル概論の講義でストーリー/舞台構成を聞き、ブロードウェイ版のサントラを何度も聞いては歌っていた

その後、ブロードウェイでのステージを映画用に撮影した舞台映画版を観て、ボブ・フォッシーの振り付けにハマった。JazzyでSexyなダンスシーンと、色鮮やかな コスチュームの舞台。ボブ・フォッシーといえば代表されるのが、「キャバレー」や「シカゴ」の振り付け。帽子やステッキを巧みに使ったセクシーな振り付けで、ちょっとダークで危険な香りを醸し出す。子供向けミュージカルにもなりがちなストーリーが大人向けになっているのは、彼の振り付け/演出による。この映画版は最近になってYoutubeにも上がっているのを見つけた。各歌を中心に場面毎に別れているけれど観る事ができる。物語のキーになっている曲、人生の意義を探す決意をするピピンの歌=Corner of the Skyこちら

ストーリー

舞台はリードして行く狂言回しの役割をする役者が各場面を取り仕切る形で進んで行く。ローマ帝国を支配するシャーメイン国王の王子、ピピンは品行方正、学業優秀で教育期間を終了する。父には色仕掛けで王の寵愛をつなぎ止めている後妻のファストラーダと彼女の連れ子(弟)でお馬鹿だけれどやる気満々の戦士=ルイスがいる。これからの身の振りかたについて、彼は「人生の真の意味を探しに、何か特別な大いなる物=extraordinaryを見つけに行きます」と宣言する。
ところが戦争に参加して勝利を収めても、流されたおびただしい血に手をそめて恐れおののき、沢山の女達との性愛にふけっても愛の無い情事にピピンの心は満たされない。彼の心は相変わらずEmpty and Vacant。ピピンは継母のファストラーダと折り合いが悪くて隠居している祖母、バーサに会いに行く。ピピンはバーサから、「考え過ぎちゃ駄目、自然の成り行きに任せて人生を楽しんで生きることさ。」と励まされ、もう少し力を抜いて生きてみようと思う。
やがて父王の政策が段々暴挙を帯びて来ると、ピピンは父に反抗して革命を企て、父を殺害して王位に就く。しかし、自分が王になってみると事は思うようには運ばず、結局は父がとったような暴君政治になりつつある事に気付いたピピンは、ここで芝居を止めて、リードアクターに父を生き返らせてストーリーを修正してくれと頼む。かくして自分が王になる前に話は戻り、ピピンはさらに人生特別な意義(extraordinary)を探して芸術や宗教といろいろ試すが、相変わらず心は満たされず、とうとう道に行き倒れてしまう。
倒れていたピピンを助けて世話をしたのが未亡人のキャサリン。彼女にはテオという息子がいて、典型的な田舎の農家暮らしだ。キャサリンとテオの家で、ピピンは初めて平民の平凡な生活を送る。やがてキャサリンと愛し合うようになるが、次第に乳搾りや死にかけのアヒルのために祈るような日々をとてつもなく退屈だと思い始めたピピンは、心傷ついたキャサリンを置いて家を出る。
この後はフィナーレに向かって行く。リードアクターやアンサンブルの役者達にあおり立てられて、ピピンは壮大で目を見張るような劇的な最終場面を演じようとするのだが、結局は自分の心が一番安らいだのはキャサリンの側にいた時間だったのだと悟る。あれほどExtraordinaryを求めたピピンが、最期には音楽も証明も無くなった舞台で、キャサリンとテオと抱き合って歩き始める。
そして空っぽになった舞台に再びテオが戻って来て、静かにCorner of the skyを歌う。今度は彼が人生に何かを求めて旅立つのか・・・?


今回の舞台は物語そのものをコンピュータービデオゲームの中の世界、という全く新しい設定にしている。まあそれは無理もない。1972年のアメリカと今とでは社会状況が全く違う。人生の希望に満ちた無垢な青年が自分探しの旅に出る、なんて話はこの夏に街中を荒し回った今時のティーンエージャーには通用しないからね。でもこのビデオゲームという設定が巧くハマっている

会場に入る前の通路はオタクっぽい男の子の部屋になっていて、ピピン役の役者がPCに向かっている。 そのゲームの中が会場という設定だ。このメニエール・チョコレート・ファクトリーは、昔チョコレート工場だった建物をスタジオシアターに改造したもので、客席だって180あるかないかだ。セットはシンプルだけれど、ビデオスクリーンをふんだんに使っている。各場面がレベル1レベル2とゲームのように設定されていて、はじめの人物紹介から、戦争をクリアしたら女性遍歴、次のレベルは革命、権力、、というようにゲームの中でストーリーが展開して行く。女性達との遍歴のシーンはセクシーなダンスシーンと同時に出会いサイトやエロサイトの映像が使われ、父のシャーメインを生き返らせるシーンは前のレベルに戻ってやり直し、という手法だ。 

特筆すべきは、ビデオゲームという設定にした事で話の古さを感じさせない事と、嬉しい事に随所にオリジナルのボブ・フォッシーの振り付けを再現している事だ。これはわざわざニューヨークから、かつてフォッシーの助手だった振り付け師を招いて、ダンサー達にブートキャンプが開かれたそうだ。 

リードアクター役はブロードウェイでのベン・ベリーンのイメージが強かったのでどうかと思ったけれど、今回の人もなかなか良かった。 ロックシンガーっぽいタイプで、エヴィータのチェ役も良いかな。私の一番のお目当ては、ファストラーダ役のフランセス・ラッフェル(Frances Ruffell)。彼女はレ・ミゼラブルのオリジナルでエポニーヌを演じた人で、私の大〜〜好きな女優さんだ。(彼女についてはこちらにも書きました。)小柄ながらハスキーな声とコケティッシュな魅力。47歳のはずだけど、ダンスシーンでは見事にスプリッツを見せてくれます!!歌唱力は言うに及ばず

もう一人、バーサを演じたルイーズ・ゴールドも素晴らしかった
 何といってもチャーミング。彼女のシーンは観客を巻き込んで皆で歌うという状況にもっていかなくてはならないので、引っ張る力がないとついていけない。出て来た瞬間に観客が彼女を好きになってしまわないと成り立たないのだ。このシーン(レベル)はポカポカと太陽の暖かさを感じるような場面だった。もちろん皆でNo time at allを大合唱してきた。

主役のピピンはもっと小柄で線の細いイメージだった。少年の面影を残したウブな感じ、、?でも今回のHarry Heppleはなんだか健康そうな大人に近い青年で、ちょっとイメージと違ったかな、でもオタクっぽい現代風の若者という感じはする。そして歌声がとても綺麗だ。う〜ん、、最終的に歌でオーディションに勝ったっていう感じだったのかなあ〜。実はテオ役の役者がピピンの アンダースタディーにクレジットされているけれど、彼が最期に歌うCorner of the Skyの一節もソフトな声だった。私としては彼のピピンを観てみたいかも

子供連れで来ていた人もいたけれど、最初に書いたように元々このミュージカルは子供向けじゃない。それを知らなくて、学校演劇のイメージで観に来た人はちょっと度肝を抜かれたかもね。 この芝居は好き嫌いがあると思う。このメニエールはリバイバルもののミュージカルには定評があって、ここで大ヒットして大きな劇場に移った作品がいくつもある。でもピピンはここ(小スタジオ)でヒットしてウェストエンドで再演っていうパターンまでは行かないように思なあ、、、

でも個人的にはとても思い入れのあった作品なのでやっと観られてよかった。しかもフランセスが出ていたのはボーナス!ボブ・フォッシーの振り付けも、当時のアシスタントやダンサー達によってかなり保存されている。演出によって変わるのが舞台ではあるけれど、やはりダンスの振り付けも一つの芸術作品。作品として保存していくべきだよね

観られて良かった。楽しかったよ


いや〜、お宝とは言えないかな、でもうちにもあった! という感じで見つけもの。

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帰ってみたらうちの彼がリビングの絨毯の上にコインをバラまいて、いや、並べている。彼は趣味というわけでもないのだけれど、ホリデーに行った先で残った小銭とか、旅先の骨董屋で見つけたコインなんかをひとつの箱に入れて貯めていた。ちょっと気が向いて整理する気になったらしい。箱一杯にジャラジャラと貯まっていたコイン達といくつかのお札も加えて数えてみたら全部で何と51カ国

ヨーロッパの通貨がユーロになる前はどの国に行っても違う通貨だったから、今こうして見てみるとそれぞれに特徴があって面白かったね。今になってこんなにユーロが悲惨な事になるなら、お国柄を残しておけばよかったのに。中には聞いた事ない国の名前が書いてあるコイン(多分パシフィックあたりの島だと思う)や、ホリデーから戻る際に持ち出しちゃいけないからすべて空港で再両替するようにと言われた国もお札もある。遊園地のガチャガチャで当たったおもちゃじゃないの、、?と言いたくなるようなものも・・・

で、あさってみると結構珍しいものも出て来たのよ。上の写真の寛永通宝は江戸時代を通じて出回っていたお金だから今でも地方の古い家なんかだと結構残ってるようだけれど、まさかうちの彼が持ってるとは・・・どこで手に入れたの〜〜 私は記憶にないから私絡みではないなあ〜?裏に波が入ってるから4文銭かな

あと古い所ではこちらのヴィクトリア時代のハーフペニー。

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ヴィクトリア女王は1837年から1901年まで63年という長きに渡って国家元首だった人だから、この時代のコインも若かりし頃から顔が変わっていく。これは現在のエリザベス女王のコインも同じで、(彼女は今年の夏に在位60年を祝う)新しいデザインになる度にコインの顔が年をとっていくのだ・・・彼が持っていたのは1893年と入ってるから、ヴィクトリア時代のコインとしては後年のもの。

そして何といっても最古はこちら、ジョージ2世時の2ペンスシルバーコイン。これはどうやら1760年のものらしいけれど、60年は彼の最期の年で、この年の10月にジョージ3世が即位している。

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さすがに古いよね

でも古い硬貨っていうのは、価値云々よりも、いったいどんな人の手から手を伝ってきたのだろう、、と考えるとその時間の長さを感じずにはいられない。うちにあったこの硬貨達はどれも明らかに流通していたものだ。手から手へ、ポケットからポケットへ、すり減っていくその過程を想像するとワクワクする。1760年って、、、18世紀真っ盛り。読み終えたばかりのカサノヴァの自伝では、彼は1763~64にロンドンに住んでいるので、まさにその頃のものだ。これで誰が何を買ったのだろう・・・




A Happy New Year! 

あまり実感のないままに明けてしまった新年です。皆様良い年明けを迎えられたでしょうか?
いつも勝手な事を書き並べているブログですが、訪れてくださってありがとうございます。ためになる情報提供も、面白いジョークも、見て楽しい写真の数々も無いこのページですが、今年も思いついた事を私なりにうんちく並べてまいります。今年の年明けはこれ



トリックか、錯覚か、、、といぶかる気持ちも無いわけではないけれど、ちょっとハマっているマジシャンです

年末にケープルテレビのセットトップを新しいものにしてもらった。 ディジタルケーブルのチャンネルは数は多くても殆ど要らないものも多いので、うちではチャンネル数は160程に抑えて月々の料金を低めにしている。日本で はスカパーみたいなものかな。この新しいセットトップボックスはHDに対応していて、今はうちのテレビのほうが古いので観られないけれど、今度買い替えた らHDチャンネルが観られる。あとはなんといっても録画ができる事

もうこの数年録画ができなくなっていた。というものうちのDVDは再生のみで録画機能は付いていない。 そのかわりDVDのリージョンに関係なくすべてのDVDが観られるものを購入した。これのおかげで過去数年は日本だけでなく、アメリカや中国、香港あたり から買った日本のドラマのDVDを観る事ができた。その恩恵も嬉しかったけれど今ではネットでテレビ番組はほとんど観られるからね〜

1週間先の番組までチェックできるので予約するのも簡単だし、気になるキーワードを入れておくと(好きな俳優や監督の名前等)勝手に探してリンクするものはすべて録画してくれる。凄い!! 番組予約はスマートフォン携帯からもできる。これは便利だ!まずはいつも見逃すフィギュアスケートのヨーロッパ選手権がこれで観られるわ〜〜 

あと嬉しいのは、Youtubeがテレビで観られる事。私のマックはもう古いので、どうしても動画がサクサクと行かない事が多い。細切れの映像で音だけが先行するので、どうしても見たいものは一度ダウンロードしてから観る。ダウンロードしてまた削除、を繰り返すのは面倒だ。このおかげで年末/年始はマジシャン=Dynamo(ダイナモ)のビデオで過ごした。この人は凄い!  いつ、どんなトリックで、どうやっているのか、、、?本当に解らない!でも決して錯覚じゃない。最初の映像はテムズの上を歩いた時のもの。最初は通りがか りの10数人がいただけだったのが、アッという間に両岸も橋も人でいっぱい! 彼が歩いた後の水面をカヌーが通っているので、下に板がある事はな い・・・??

彼は他にもこんな事や


こんな事もやったり



マジシャンにもいろんなタイプがいる。最近はトリックを使う手品ではなく、Derren Brownのように人間の心理を利用したり、催眠術で人を操って暗殺ができるかを実験したり(ケネディー大統領暗殺で逮捕された男が「記憶がない」と主張した事を実験立証)する人もいれば、手品というよりは証明やセットを駆使した大掛かりな錯覚を起こさせるイリュージョニストもいる。Dynamoは街でちょっとすれ違い様に度肝を抜くような事をやってみせたりするので、本当に仕掛けが解らない

かなりテレビ漬けだったクリスマスブレイクも明日で終わり。あっという間だった。特にクリスマスからほとんど太陽が出なかったから、まるで何日も無かった気分

気持ちを新たにまた頑張らなくてはね。どうか皆様にも良い一年になりますように

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